安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>410号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------410号--2007.09.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「肥料・インスタントラーメン・牡蠣(Q&
A)」「全頭検査」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 食品のリサイクルについて、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 再度、食品リサイクルについてご意見をおきかせください。

 先日、『食糧争奪 日本の食が世界から取り残される日』(柴田
明夫 日本経済新聞出版社 2007年7月)という本を読んでいまし
たら、この本にも、「食品産業における食品残渣のリサイクル」に
ついて、記述がありました。著者は、丸紅経済研究所所長さんです。

「第二は、リサイクルの徹底である。農水省統計部の資料によると、
食品産業における食品残渣の発生は、04年度で年間1136万トンに達
する。このうち、飼料として再利用されているのは全体の17%程度
にすぎない。農水省は、現在、エコフィード(食品残渣の飼料化)
を進めている。飼料の安全性の確保を行った上で、一層のエコフィ
ードを推進すべきであろう。穀物価格の高騰は、これまで商業ベー
スに乗らなかったさまざまな事業の可能性を高めるものである。」

 エコフィードという単語を初めて知りました。

 農水省も推進しているこの「エコフィード」なるものが、リサイ
クルの美名の下に、進められていることが分かりました。また、こ
の本には、そのことに対する疑問・不安についての記述はありませ
んでした。よって、この本だけを読んだ方は、「エコフィードを推
進すべき! 」という意見を持たれるかもしれません。

 やはり、「飼料の安全性の確保を行った上で」というのが、大き
な問題なのでしょうね。

 どうしてもリサイクルするなら、ここをじゅうぶんに掘り下げた
上ででなければ、非常に危ないと思います。

 農水省に対しても、食品残渣に含まれる「添加物など(の、何か)」
が、家畜の体を通して濃縮され、食肉等に移行し、人体に取り込ま
れることを再度考えた上で、検討しなおしていただきたいと思って
います。

http://mf-kikou.lin.go.jp/topics/guide_top.htm
http://mf-kikou.lin.go.jp/topics/pdf/leaf.pdf
などで、少々、エコフィードについて調べてみました。

また、
「食品残さ利用飼料の安全性確保のためのガイドライン」
http://mf-kikou.lin.go.jp/topics/guide108.htm
ここには、重金属と、かび毒にしか記載がありません。

ざっと読んだところ、とくに弁当などに関して言えば、「弁当とし
て基準をパスしているのだから、残渣としても同様に安全。よって
飼料にしても問題は、ない。」と考えているようにしか思えません。
腐敗とかカビのことばかり気にしているように読めます。

 「肉になる前まで」のことは考えていても、「ヒトの口に入った
ところから」については、国もどう考えているのか? 、と疑問に
思います。

 残渣を提供する方は、「安全です。」と言うと思いますし、提供
される方は、「信じていました。」と言うのでしょうね。なにか、
「どこかで見た構図」のように思います。

 「食糧不足」の観点からリサイクルを唱えられておりますし、世
界の食糧問題もとても心配なのですけれど、だからといって、これ
ではリサイクルが暴走してしまうようで、怖いです。

 また、「リサイクルするから良いのだ」という理由を付けること
によって、無駄に捨てる食品の量を増やされたくないです。根本的
には、われわれ自身が、「工場から配送されてくる弁当・惣菜を買
う生活を止めるしかない」と、僕は思います。急には止められなく
ても、少しずつ減らしていくしかないと思います。

 そのためには、農水省も、エコフィードなどという「逃げ道」を、
軽々しくは与えないで欲しいです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 何度も書きましたが、食品のリサイクルで「安全を確保する」の
は難しいと思います。選別や加工などを充分おこなえば不可能では
ないのでしょうが、そのためのコストを考えると、宣伝として以外
の本当の効果はないと思います。

 農水省がバカなことを言うのは今に始まったことではありません。
「食育」などというくだらないことに熱をあげていますが、次は
「エコフィード」ということにならないようにしてもらいたいもの
です。

 同じ話題でもう一ついただいています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 セブンイレブンの「飼料リサイクル」について、数年前に何らか
の書籍で類似の記事を見かけたような記憶があり、家の中を探して
いましたところ、次のような記事が見つかりました。

 福岡県内の養豚業者が、飼料コスト削減のために回収業者が持ち
込んだあるコンビニの賞味期限の切れた弁当やおにぎりなどを母豚
の飼料として与えたというものです(2002年ごろ?)。

 「母豚のお産で、死産が相次いだ。やっと生まれたと思ったら、
奇形だったり、虚弱体質ですぐに死んだり。透明なはずの羊水はコ
ーヒー色に濁っていた。」(一部引用)

 肥育用の子豚に与えれば肉質にむらがでるので、母豚に毎日それ
だけを3キロ与えたそうです。因果関係はまったく不明ですが、廃
棄食材を与え始めて間もなく、母豚が異常な太り方をしたので、
すぐに給与量を減らしたということですが、結果的に25頭の母豚が
被害に遭い250頭の子豚がフイになったと記事には記されています。

(出典:『食卓の向こう側2』 西日本新聞ブックレット 西日本
新聞社2004年5月)

 豚に限らず肥育用の動物や鶏などの飼料は、一面では人間サマの
食べ物以上に厳密に配合や管理がなされていると思いますので、安
易な代替飼料の給与は何が起こるかわかりません。特にブタさんは
デリケートでストレスに非常に弱いといわれていますので、「コン
ビニ弁当」でなくても飼料の種類を変えただけでも体調を崩すとい
う指摘も聞いています。

 くだんの養豚業者いわく、人体実験ならぬ「豚体実験はもうこり
ごり」(同書)

 ひょっとすると近い将来、セブンイレブンの弁当では、本当に
「人体実験」になってしまうかも?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この西日本新聞の記事は当時話題になりました。人間の食べるも
のをそのまま豚に与えて、影響が出ないと考えていたのならバカな
話です。

 それを無理やり「添加物」のせいにして納得してしまえる西日本
新聞記者の知性の程度にもあきれてものが言えないと思いました。

 有名かつ最低のトンデモ記事で、本にしてしまってよけいに恥を
さらしているわけです。

 ただ、セブンイレブンの件はまさかこれほど低レベルではなく、
それなりの配慮をしていると思います。豚にお弁当のハムを食べさ
せたりはさすがにしていないのではないでしょうか。

 たぶん白いご飯などの影響の出なさそうな部分だけを「リサイク
ル」してお茶を濁しているのだと思います。具体的な処理方法につ
いては報道されていませんが、セブンイレブンが発表していないの
か、マスコミが理解できなくて報道しないのかはよくわかりません。

 本来はそのあたりを突っ込んで取材するのがマスコミの役目なん
ですが、そういう期待がむなしいのはご存じのとおりです。

 最後に、前回の記事について、こんなコメントをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 前日調理は、食中毒防止の面から、止めた方がよいと思います。
また、各家庭で調理をするということですが、各家庭の衛生水準が
異なるので、事故の危険性が高くなります。

 実際に、ちらし寿司の「錦糸卵」だけ、各家庭で調理した結果、
保育園のバザーでサルモネラ食中毒になった事例があります。

 公民館などの調理室を借りて、当日調理にするべきだと思います。
前日に調理しなければならないようなメニューは、文化祭では、行
うべきでないと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私も肉は生のままで、当日調理すればよいではないか?と言った
のですが、女性陣は生のままで持ち込むのは抵抗があったようです。

 前日に調理してそのまま出すというのはよくないのはおっしゃる
とおりです。ただし、この話は肉を前日に炒めておいて、そのまま
出すのではなく、普通に焼きそばを作りますので、もう一度加熱す
るわけです。

 下処理をした肉を持ち込むと考えていただければ、「前日調理し
たメニュー」というわけではないと思います。だから実際に焼きそ
ばを作るときに、下処理をしてあるからといって、加熱をいい加減
にしないことは大切なことですね。

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.肥料に人糞を使うというのは、有りでしょうか。

 隣家の農家さんは素朴で気さくな方なのですが、野ツボがあり、
時期になると、畑に水で薄めて撒いています。臭いはすごいです。

 我が家は三年前に引越してきたので、仕方がないと、時期が過ぎ
るのを待っています。そうしてできた野菜やスイカを頂くのですが
安全でしょうか?味は大味というかおいしくありません。

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A.「清浄野菜」などという言葉を思い出しました。昔は人糞を使
っていない野菜をこういったものです。

 人糞を使うことによって、寄生虫が蔓延していたのが、「清浄野
菜」が出回るまでの日本の実態です。江戸時代には農民が都市から
人糞を買っていたそうで、リサイクルとしてはよくできているので
すが、寄生虫という致命的な欠点があったわけです。

 今では寄生虫を持っている人は本当に少なくなりました。おかげ
で人糞を使ってもそれほど心配することはなくなっています。また、
完全に発酵させてから使えば危険も減るそうです。

 ご質問の中に「おいしくない」とありますが、現在の農業のレベ
ルから言うと、人糞を使っているような栽培方法はやはりレベルの
低いものだと思います。

 野ツボも今となっては貴重な文化遺産です。ご苦労を思うと悪口
は言えないのですが、あまり誉められた栽培方法ではないと思いま
す。でも、いただいたものは食べないといけませんし、つらいとこ
ろですね。

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Q.インスタントラーメンをよく食べるのですが、一週間に何食く
らい食べても大丈夫なのでしょうか?あまり食べ過ぎると、どのよ
うな事になるのでしょうか?

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A.食べすぎると当然肥ります。また、栄養の偏りから脚気になっ
たということもあるそうです。だからやはり食べ過ぎはよくないで
すね。

 一週間に何回と言われても、ちょっとよくわからないです。栄養
のバランスさえとれていれば、毎日でもかまわないわけですが、や
はりバランスをとるのは難しいと思います。

 インスタントラーメンの一番よくないところは、そのままでもお
いしいので、つい食事が手抜きになることです。このあたりに気を
つけてバランスのよい食事をこころがけてください。

 その上でなら、たくさん食べても別にかまわないと思います。

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Q.むき身の牡蠣は一年中スーパーで売られているのを目にするよ
うな気がします。牡蠣にも旬があると思うのですが、スーパーで目
にする物は冷凍なのですか?そして、むき身牡蠣と岩ガキなどの殻
付きの牡蠣は同じ物なのでしょうか?

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A.カキは普通秋から冬にかけて出荷されます。春から夏にかけて
はあまり見かけないと思うのですが、このごろは売っているのでし
ょうか。その場合はたぶん冷凍保存しておいたものだと思います。

 殻付きのカキもむき身のカキも、ものとしては同じです。一部が
殻付きのまま流通しています。殻付きをそのまま焼くのもおいしい
ですね。

 ただし、「岩牡蠣」というのは普通に養殖されているカキとは別
の種類です。こちらは春から夏にかけて出荷されるそうです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「全頭検査」
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 読者の方から、こんなニュースを紹介してもらいました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省が、国産牛の牛海綿状脳症(BSE)全頭検査のうち、
生後二十カ月以下の牛に対する全額補助を二○○八年七月末で打ち
切ることに関連して、地方自治体独自の全頭検査を継続しないよう
求める文書を都道府県などに送っていたことが十一日、分かった。
地域によっては補助継続を要請したり、自治体に全頭検査継続を求
める声がある中、国の判断の一方的な押し付けとも受け取れる文書
送付は、食の安全確保の観点から今後議論を呼ぶ可能性もある。

 厚労省は文書で「各地方自治体で生後二十カ月以下の牛に対する
BSE検査の扱いに齟齬(そご)が生じることは、かえって消費者
の不安と生産・流通の現場における混乱が生じるおそれがある」と
説明、「全自治体で○八年七月末をもって一斉に終了することが重
要」と呼びかけた。要請について同省は「全国的に統一した対応が
消費者、流通業者のためにも望ましい」(医薬食品局食品安全部)
と話している。

 高橋はるみ知事は八月三十一日の記者会見で、国に対し補助継続
を求める考えを示す一方、補助が打ち切られた場合、独自に検査を
継続するかどうかについては明言を避けている。保健福祉部は厚労
省の文書について「食品安全委員会のリスク評価に基づくものだと
理解している」とした上で、検査を継続するかについては「道民の
意見や道議会の議論を踏まえて決めたい」としている。

 厚労省によると、補助終了後も数県が二十カ月以下の全頭検査の
継続を検討しているという。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/48918.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一つはっきりしなかった農水省の態度ですが、ようやく来年
の7月で全頭検査を打ち切ると決めたようです。

 ただし、20ヶ月以上の牛の検査は続けるので、実質的な影響は
ないのですが、「全頭検査」の象徴的な意味からすると、問題だと
思う人もあるようです。

 「食の安全確保の観点から今後議論を呼ぶ可能性もある。」とい
うのは新聞のよく使う書き方で、ようするに問題だと新聞記者は言
っているわけです。どこがどう問題かは主張できないのに、こうい
う言い方で煽るのはいつものことです。

 一連の記事の中にこんなことも書いています。「これに対し、十
勝管内清水町の肉牛農家、吉田昇さん(59)は「(異常プリオン
など)悪い物は(二十カ月齢以下の牛に)ないわけではなく、見つ
からないだけでは」と国の方針に疑問を投げかける。」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/49780.html

 これは完全に論理が破綻しています。見つからないものを見つけ
る努力がむなしいから、20ヶ月未満の牛については検査をやめよ
うとしているので、「ないわけではないが見つからない」というの
は全頭検査をやめようとしている側の論理なのです。

 どうせ見つからないから、検査するだけ無駄だというのですね。
これに反対するのなら、「検査すれば見つかるはずだ」と言わない
と意味はありません。

 要するに、全頭検査存続派も廃止派も、「検査しても見つからな
い」ことでは一致するわけです。そして意味のないことを続けるの
は無駄遣いだからやめようという側と、何としても無駄遣いを続け
ようという側があるのです。

 元はといえば税金です。無駄遣いをしてもよいという議論は成立
の余地はないはずです。いったいこういう人たちは何を考えている
のだか…。

 即刻やめるのがよいのですが、あと一年も無駄遣いを続けるとい
うのもさすが農水省で豪気なものだと思います。無駄遣いはやめろ
という国民の声がわき上がってきてもよいのではないでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 しばらく咳がとまらなかったのですが、ようやく回復してきまし
た。連休明けには治っていたいです。

 2週続けて3連休。カレンダーどおり休めるのはありがたいです。
長い間、日曜しか休めない仕事でしたので、本当にそう思います。
でも来週は土曜・日曜と花巻へ行きます。宮沢賢治学会の定期大会
があるのです。次回は花巻のホテルから配信することになると思い
ます。

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