安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>408号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------408号--2007.09.02------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「バナナ酢・農薬・ご飯・輸入農作物(Q&
A)」「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回紹介したメールに対してのコメントをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 はじめまして。いつも目から鱗で拝見しております。

 さて、今回のメールマガジンの投稿者の引用記事で、イカリスー
パーと紀ノ国屋を高級スーパーという同列に捕らえていますが、私
は業界人として、実際納品している者として、全く違う意見です。

 私共は関西を拠点としておりますが、双方とも水産物担当者と商
談した事があります。

 イカリスーパーのバイヤーは、現在の仕入先に依存する体質が強
く、提案しても「それだったら○○が扱っているよ」などと、殆ど
相手にされませんでした。

 その商品は、実際店舗にはありませんでした。バイヤー曰く、
「うちは高級スーパーではない。たまたま芦屋にある店舗の顧客が
高級品を求めるので、あそこだけそうなっている」とのことでした。

 紀ノ国屋の場合は、提案した商品について既に扱っているにもか
かわらず、「このような工夫をした商品にできないか」などと、余
程で無い限り門前払いはありません。そのせいか、築地市場内だけ
でも仕入先が20社もあり、それぞれに買うものが無くても情報収集
の為、毎日全社を廻っているとのことでした。

 地方産品の販売にも積極的で、いろんな地方の産品フェアなどを
開催、開催前にはその地方に出向いて商品を探したりします。スタ
ンスは普通の量販店と変わりませんが、売れ行きにもよりますが、
一度入った商品は、余程のことが無い限り改廃しません。確かに投
稿者が言われるような宗教的施設は店内にありますが、私達納品事
業者はともかく、従業者が日々挙ってお参りをしている姿は見かけ
たことがありません。

 また、台風や地震があると必ず「○○の産地さんは、どうも無か
ったですか」と必ず電話が入ります。

 お客の要望から現在のように高級といわれるようになったのはど
ちらも変わりないように思いますが、我々納品事業者に対する態度
が全く違います。

 ですので今回の投稿者のおっしゃる、従業者の給与水準の問題で
はなく、会社の考え方の問題だと私は考えます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 内幕話はなるべく遠慮しているのですが、今回はそのまま掲載し
ます。こういう見方もあるということで、ご了承お願いします。

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 岡山市の海産物加工販売会社「中国食品工業」(岡将男社長)が
岡山地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたこと
が、1日わかった。

 同社などによると、負債総額は約8億7500万円。同社は
「『中国地方で一番』という決意で付けた社名だったが、中国産食
品問題のあおりを受けた」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070901-00000513-yom-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは実にお気の毒でした。ちゃんと見ればわかることなのに、
消費者はあまりに雰囲気に流されやすいです。

 「中華人民共和国」の略称が「中国」なのは、日本に「中国地方」
があるので不適切だという指摘は以前からありました。「中共」は
共産党の名前ですし、本来は「支那」がよいのですが、どうも歴史
的には評判がよくありません。

 中国には「sina.com」「Sinopec」などという大企業があり、シナ
の名は普通に使っているのですけれど。「漢」や「唐」を使うのも
今更ですし、とりあえず「チャイナ」あたりが無難だと思うのです
が、いかがでしょうか。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.私は妊娠を望んでいる者です。健康維持の為に手作りの「バナ
ナ酢」を毎日食しているのですが、先日、市販されているバナナ酢
の注意書きに「妊娠している人は控えて」と書いてありました。

 黒酢と黒砂糖、バナナを合わせると、アルコールに変化すること
があると聞いた事があるのですが、自分で作ったバナナ酢がアルコ
ールを含んだモノに変化しているか判断できません。こういった場
合、飲用するのを中止した方がいいのでしょうか?

 仮にアルコールに変化していた場合、もし私が妊娠初期であった
場合危険があるのでしょうか?(ちなみに毎日ティスプーン4杯を
ヨーグルトに入れて、朝、昼2回に分けて食べていました)毎日食
べているので不安になりました。

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A.バナナ酢というと、バナナから作った酢かと思っていたら、そ
うではないのですね。バナナをそのまま食べた方がよほどおいしい
と思いますが、不思議な食べ方もあるものです。

 「妊娠している人は控えて」ということにどのような根拠がある
のかはよくわかりません。何事も飲み過ぎはよくないですから、控
えめにするようにという注意ではないかと思います。

 酢の主成分は酢酸です。酢酸はアルコール(エタノール)が酸化
されてできるものですから、酢からアルコールはできません。また、
酢が支配的な環境では、糖質があってもアルコール発酵はおきない
と思います。

 もし、バナナや黒砂糖の糖質から、アルコールができるとすると、
酢の量が少なすぎるのでしょう。でも、アルコールができていたと
しても、酔っぱらうほど飲むわけではないでしょうから、別に問題
はありません。

 妊娠中に限らず、こういう怪しいものに手を出す勇気には感心し
ます。好きで飲むなら別によいのですが、そもそも健康によいなど
ということ自体、根拠はないと思いますよ。

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Q.先日、生協ファンの方々の集うネット掲示板上で、

A:先週のレタスは届いてすぐにぬめっちゃいました。
B:うちもです。生協のレタスは強い農薬を使っていないからです
ね。

というやりとりがありました。(文面そのままではないのですが)

そのような農薬はあるのでしょうか?

 私個人としては、そんな農薬もないし、またポストハーベスト的
なことは日本で行われていると思えません。Bの方はカットレタス
の菌を抑える添加物か何かと取り違えているような気がするのです
が他人ごとながら、気になって仕方がありません。

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A.「生協のレタスは強い農薬を使っていない」などというのは全
く根拠がありません。単に品質がよくなかっただけのことです。

 ここでいう品質には、生育状態、収穫から出荷までの状態、流通
での保管状態、その他いろいろの結果としての品質です。最終的に
消費者の手許に届くまで、品質管理にどれだけの努力が払われてい
るかということを考えてほしいと思います。

 生協というところは、私も経験がありますが、ちょっと手抜きし
て品質に問題があっても、消費者が勝手に誤解してくれる、幸せな
ところです。

 おいしくないものが届いても、「化学調味料を使っていないから」
レタスがすぐに腐っても「強い農薬を使っていないから」などと本
当に便利なものです。冷凍の肉がいつも溶けて届くので、消費者は
冷凍でなく冷蔵のまま届いていると思い込んでいた例などもありま
す。

 いい加減に目覚めて、騙されっぱなしから抜け出してほしいです
ね。

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Q.先日の早朝に某食堂で食事をしたのですが、ご飯が見た目も味
も昨日の残りを電子レンジで温めたとしか思えないものでした。法
的に規制が有るのですか?有るのであればどんな法令ですか?

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A.これはお気の毒でした。しかし、衛生的に問題のある食品を食
べさせてはいけないという法律はありますが、まずい食べ物を出し
てはいけないという法律はありません。こういうことに法規制など
を考えるのはそもそも間違いです。

 その場で文句を言うか、二度とその店に行かないか、まあそんな
ところが対応の仕方だと思います。私なら「マズッ!」などといい
ながら平気で食べてしまいそうです。

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Q.輸入農作物の鮮度について興味があります。東南アジア産、南
半球、ミクロネシア産、南米産、北米産、等、収穫後、幾日で日本
に到着し、それから、幾日で店頭に並ぶのですか?それは、作物の
種類によって違ってくるものですか?また、各卸売市場に隣接して
いる巨大な冷蔵庫でもストックされるのですか?もしそうなら、ど
の位の間保存されるのですか?

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A.これは一概には答えられないですし、私も具体的にはあまりよ
く知りません。問い合わせるなら実際にそういった商品を扱ってい
るところに聞いてください。

 農作物といっても基本的にいくつかのタイプに分けられます。

 まず、菜っ葉などの生鮮野菜はそれほど遠くから来るわけではあ
りませんし、あまりのんびりできませんので、基本的に国内の流通
に準じているはずです。

 逆に穀物などは本来保存食品ですから、船でのんびり運ばれてき
ます。国産の米だって、一年に一回しか収穫しないものを、一年中
食べているのですから、似たようなものです。

 中間が果物類で、これは種類によってさまざまです。たとえばバ
ナナだと、黄色く熟してすぐに食べられるバナナは輸入禁止です。
まだ熟していない青いバナナしか輸入することができません。

 出荷前に、エチレンガスを使って追熟させ、食べごろになってか
ら市場にならびます。

 保管・流通の技術は日々進んでいます。新しい情報を追いかけて
みるのもおもしろいかもしれませんね。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」
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 まずは私のブログからの引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』 (松永和
紀 著 光文社新書) という本を読みました。日系BP社のサイトの
記事でおなじみの方で、今一番信頼のおけるサイエンスライターで
す。

 「あるある」の捏造事件から書き始めていますので、ごく最近書
いたものでしょう。さまざまな方面から、食べ物にまくわるニセ科
学と、それを報道するマスコミのあり方を批判しています。

 マスコミはどうしてこんなに馬鹿なんだろう?と思うことがよく
あるのはみんな同じだと思います。マスコミ関係者自身、そう思っ
ているのではないでしょうか。(最近ではモンゴルまで恥をさらし
に行っていました。)

 この本で印象に残ったのは、「トンデモ科学者」をかなりやり玉
にあげていることです。

 今まで「市民派」などという科学者は、その主張を批判すること
はあっても、基本的に良心的な存在としてとらえられることが多か
ったと思います。

 実は私もこのごろ、本当に悪いのは純情な市民を煽動して私欲を
満たしている、これらトンデモ科学者なのではないかと考えるよう
になってきています。

 科学の世界の落ちこぼれが、ひとたび「市民派」を名乗れば正義
の味方となり、アカデミーな世界はともかく、世俗の世界では充分
食っていけるのです。こんなおいしいことをやる人間が続々と現れ
てくるのは無理ありません。

 食い物にされている「市民団体」もいい加減目覚めたらどうかと
思っていますが、どうも病膏肓に入っているようですね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一つ、コンビニ業界などで根拠不明の「無添加」などを書き
立てることの弊害も批判がありました。

 正直に食品添加物を適量使っているメーカーより、本来の添加物
を使わず、代替品を使うことによって「無添加」などとキャッチコ
ピーをつける商法が儲かるようなら、業界全体の足を引っ張ってい
ることになるという指摘です。

 私もこれには同感です。元々、コンビニ業界では鮮度重視はよい
のですが、その結果無理な配送体制や時刻により次々と廃棄処分し
ていく食品のロスの問題が指摘されていました。

 どうせそういう問題があるのなら、いっそ保存料を無添加にして
みよう、というのは私は正しいと思っています。しかしそのことを
針小棒大に「無添加」などと言い立てるのは根性が浅ましいです。

 そのうえ、「もったいない」などと批判されると、こんどはこん
なパフォーマンスに出てきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 コンビニ最大手のセブン−イレブン・ジャパンは29日、東京2
3区内の約1000店舗で売れ残った弁当や総菜などの期限切れ商
品を、9月から家畜用飼料として活用を始めると発表した。

 これまでは堆肥(たいひ)に使ってきたが、飼料にまでリサイク
ルするのは流通業界内でも珍しい。フランチャイズ加盟店全体での
取り組みを促す改正食品リサイクル法が年内に施行されるのをにら
んで、今後茨城、埼玉、千葉の3県の店舗でも飼料化を進めていく
方針だ。

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070829-248729.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは「やってはいけない」ことだと思います。理由は以下のと
おりです。

(1)このことで何が利益になるのか?

 おそらく経済的には全くペイしない事業です。いくら破棄した弁
当で評価0円だったとしても、東京都内で輸送して、手作業で選別
して作った飼料が配合飼料より安くできるわけがありません。

 単に宣伝効果だけを見ている、要するに単なるパフォーマンスで
あると考えられます。

(2)飼料の安全性を保証できるのか?

 人間が食べて安全なものであっても、他の動物にも安全であると
は限りません。人間以外は味付けしないエサを食べるものなのです
から、人間用の食べ物は塩辛すぎるでしょうし、栄養的にもよくな
いものが含まれていると思った方がよいです。

 前項のことを考えると、飼料のごく一部に添加して使うという使
い方になるのでしょうが、それこそ人気取りのポーズだけではない
でしょうか。

 もし、破棄された弁当だけで育った豚が出荷されてきたらと思う
と、ちょっと怖いです。

 何年か前に西日本新聞で「コンビニ弁当をエサにしたところ豚に
障害が出た」とかいう記事が載っていました。いかにも弁当に含ま
れる食品添加物の害のような書き方でしたが、これはインチキで、
人間の食べ物をそのまま豚に食べさせれば病気になるに決まってい
るではないか、と思ったものです。

 動物病院で「自分たちと同じものをウチのイヌやネコに食べさせ
ている」と言ったら、獣医さんに叱られるでしょう。

 昔は都市近郊で、繁華街から出る残飯で豚を育てるというのはよ
くありました。そういう豚の肉は当然最低の品質になります。よう
やく淘汰され、ちゃんとしたエサを食べて育った豚ばかりになった
と思っていたのに、流通業界がそれを乱してどうするのですか。

 弁当の残りを食べた豚の肉を、セブンイレブンで扱うつもりなの
かどうか、聞いてみたいと思います。扱うつもりがないのなら、せ
っかく作った飼料、それで育てた豚に失礼な話です。扱うつもりな
ら、安全とは言えないのではないか?と追求してみたいですね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 松永さんの本は読者の皆様にはおなじみのネタで、安心して読め
ると思います。この本でもときどき紹介されていて、松永さん自身
もよく書いている「日経BP」の「Food sience」が月500円の
有料コンテンツになっています。私はこんなやり方には批判的です。
それで儲かるのなら結構なことですが、たぶん儲からない。儲から
ないのに有料にして間口を狭めるのは間違っていると思っています。

 先週はずっとカゼ気味で、体調不良でした。ようやく涼しくなっ
てきたようで、よかったですね。

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