安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>403号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------403号--2007.07.29------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「醤油・キャリーオーバー・ジベレリン
(Q&A)」「ダイオキシン」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の「遺伝子組み換え作物」についてのメールに関して、次の
ようなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも勉強させて貰っています。ありがとうございます。

 安心!?食べ物情報 Food Review 402に遺伝子組換えについての投
稿が載りましたが、事実が正確に伝わっていないと思いますので、
メールします。

 遺伝子組み換え反対運動の方々は、シュマイザー氏をあたかも零
細なまじめな農家が自家採取でなたねを栽培しているのに、大企業
にいじめられているという図式で話をされているようです。

 シュマイザー氏は、裁判で訴えられた畑の面積が約420ヘクタ
ール(1030エーカー)で、その60%〜98%が遺伝子組み換
え品種を植えていたということで、特許を侵害して意図的に栽培し
たということで訴訟に至ったということです。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/JNL/26/hiraki.pdf

 シュマイザー氏は、交配育種も行っている大規模農家といわれて
いて、遺伝子組み換えなたねが、一気に栽培しているなたねの60
%以上も交配する可能性はありえないということです。

 モンサントも意図しない小規模な栽培については、権利を主張し
ていないと聞いています。

 「自分で栽培した植物の種子をまいて育てる事ができないという
事態が起きる懸念があります。」ということが何を意味するか判り
ません。

 在来種の種子を農家が自由に採取して栽培することは農家に認め
られた権利と考えます。しかし、新たに企業が育種した種子は、コ
ストをかけて作ったものですから企業の権利が主張されるのは当た
り前だと思います。

 それでなければ、新しい品種を作り出すインセンティブは全くな
くなることでしょう。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私は相変わらず、モンサント社のことはよく思っていないのです
が、事実関係についてはご指摘のとおりと思います。

 ただ、前回も書きましたが、モンサント社の不徳の致すところで
反対派から根強い抵抗にあっているというところです。しかし反対
派も事実をねじ曲げたキャンペーンという傾向が強いですので、お
互い恥を知れ、という名言があてはまると思っています。

 次はカラギーナンについてです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 カラギナンについてですが
http://www.jccu.coop/news/syoku/syo_030417_01.htm
によるとあまり安全ではないとのことです。

 ガン誘発まではいかなくとも安全でないということは有名なよう
です。ウィキペディアにも発ガン性があると書いてありました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 その wikipedia の記事は以下のようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 カラギーナンは少なくともヒト消化管ではほとんど分解されない
とされて食物繊維の一種とみられており、また多くの国で食品添加
物として扱われている。工業的規模で利用されるようになったのは
1930年代からだが、最初は中国で紀元前600年頃 (Gigartina)、次
いでアイルランドで西暦400年頃、食用に用いられた。

 げっ歯類(ラット、モルモットなど)を用いた動物実験では、カ
ラギーナンの分解物が消化管に潰瘍およびがんを引き起こすこと、
またこの分解物は未分解カラギーナンから消化管で生成しうること
が示されている。また未分解カラギーナンも発がんプロモーション
作用があると報告されている。なおカラギーナンをげっ歯類に皮下
注射すると炎症を惹起することが古くから知られ(カラゲニン浮腫
と呼ばれ炎症の研究用モデルとしても用いられる)、この性質が潰
瘍や発がんプロモーションに関係する可能性も考えられる。現在
IARC における発がん性リスク分類は、未分解カラギーナンについ
てグループ3(ヒトに対する発がん性は不明)、カラギーナン分解
物についてはグループ2B(ヒトに対して発がん性の疑いがある)
となっている。

 しかし、多くの動物実験はヒトでは不可能なレベルの大量投与に
より行われている、カラギーナンによる発がんプロモーション作用
はげっ歯類特有の腸内細菌叢による証拠がある、カラギーナンによ
る炎症はサルでは容易に起きない、などの理由から、カラギーナン
による悪影響はげっ歯類の特殊な性質であり、ヒトでは問題ないと
する考えが現在では有力である。これに基づきFAO/WHO 合同食品添
加物専門家委員会の第57回会議(2001年)では、1日許容摂取量を
「特定せず」(つまり毒性リスクは事実上ゼロとみてよい)と決定
した。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%B3
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事を読んで「発ガン性があると書いてありました。」とい
うのは一体どういうことなんでしょうか?

 もしかしたら読んでいるバージョンが違うのかもしれませんね。

 事実としては「毒性リスクは事実上ゼロとみてよい」ということ
です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.醤油さしの中の醤油に長さ5ミリくらいの細長い虫がたくさん
いました。この虫は何という虫ですか?また体に入っても大丈夫で
すか?

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A.何かの幼虫なのでしょうね。ハエの類が醤油さしの中に入るこ
とはよくあります。心配でしたら保健所などに持ち込んでみるとい
う手もあります。

 食べても大丈夫かどうかはわかりません。虫の類は毒を持ってい
るもの以外は食べても何事もないです。めったに毒を持った虫はい
ないと思いますが、虫の世界は奥が深いですから、よくわからない
ですね。

 一般的に言って、こういうものを食べるのは考えられないですか
ら、まさかこれから食べようというのではないでしょう?心配され
ているのは、その醤油さしの醤油を使ってしまったというようなこ
とだろうと思いますが、それこそ食べてしまったものは仕方ないで
す。

 人間、生きているといろんなものが口に飛び込んできます。いち
いち気にしていたらキリがないです。

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Q.Xo醤を分析試験した結果は微量の青色1号と黄色5号が検出さ
れました。この由来は干しえびと思いますが、キャリーオーバーに
なりますか?

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A.詳しい状況はわかりませんが、たぶんそのとおりなのでしょう
ね。キャリーオーバーで問題なさそうですが、保健所と相談してみ
てください。

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Q.種無しぶどうに使われてるジベレリン液は本当に害は無いので
しょうか?

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A.ジベレリンは植物ホルモンと呼ばれるものの一種です。植物は
動物と違って神経系を持ちませんので、体内のいろんな情報伝達に
はこうした化学物質が使われています。もちろん、自然に存在して
いる物質です。

 種なしブドウをつくる原理は、本来受粉してから始まる果実の肥
大を、受粉なしにおこなわせることです。この結果、果実はできて
もその中に種子はできていないことになります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 種なしブドウは、ジベレリン処理によって作ります。ジベレリン
は、植物自身が本来持っている成長ホルモンの1種ですが、農薬
(植物成長調整剤)としても利用されています。一般的に植物は、
めしべの柱頭に花粉が付着して受精が起こると、花のある器官(子
房など)が肥大し、種子の入った果実を作ります。

 ところが、ブドウの開花前に、コップにジベレリンを入れ、花穂
を浸すなどの処理をすると、種なしの果実ができます。しかし、果
実が著しく小さくなるため、満開後にもう一度ジベレリンで処理し、
もとの大きさと同じくらいに肥大させます。こうすると、収穫期が
3週間ぐらい早くなりますし、粒数が増えるので収量も多くなりま
す。日本で、この生産技術により栽培されているブドウは、「デラ
ウエア」がほぼ100%、その他「ピオーネ」、「巨峰」、「マスカ
ット」にも利用されています。

http://www.fsic.co.jp/fruits/qa/qa/S37up.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 植物ホルモンは動物には影響ありませんし、ジベレリン処理をす
るのは収穫のずっと前ですから、出荷された果実から検出されるこ
ともありません。

 つまり、ものとして無害ですし、その「もの」もないのですから、
被害が出る可能性はないということです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ダイオキシン」
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 ダイオキシンの話題も過去のことになったと思っていたら、こん
なニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 朝日町小向の水田の土壌から環境基準を上回るダイオキシン類が
検出された問題で、周辺の調査を進めていた県は24日、新たに隣
接する1地点で環境基準(1グラム中1000ピコグラム、ピコグ
ラムは1兆分の1グラム)の1・5倍のダイオキシン類が検出され
た、と発表した。県は基準を超えた水田約1000平方メートルに
ついて耕作者らから米の栽培中止の承諾を取り付けており、早急に
稲を刈り取った後、立ち入り禁止にする。生活環境への影響や稲の
汚染の可能性は「極めて低い」としている。

 今年1月の調査では、2地点で環境基準の1・5倍と1・2倍の
ダイオキシン類が検出されており、県は約2000平方メートルを
シートで覆って立ち入り禁止にしている。

 周辺調査は計205地点(計15ヘクタール)で行われ、うち立
ち入り禁止地域の北西側に隣接する1地点で環境基準を上回った。
原因は判明していない。県農水産物安全室は、08年度中にも汚染
土壌の除去工事に着手する方針。【田中功一】〔三重版〕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070725-00000011-mailo-l24
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 1000ピコグラムという極微量の世界で、基準の1.2倍を問
題にするというのも変な話です。検査した数値もこのあたりになる
と結構いい加減で、桁が違っていなければ上等という話もあります。

 記事では簡単に秤で計ったような書き方ですが、ダイオキシンの
検査数値はそんな簡単なものではありません。

 ダイオキシンは複数の異性体からなる物質の総称です。そのいろ
んな異性体を測定し、毒性の強さによって係数をかけて、一定の毒
性量として数値化します。下の表で「TEQ」と書いているのはそうい
う意味です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

媒体 基準値

大気 0.6pg-TEQ/m3以下
水質 1pg-TEQ/L以下
底質 150pg-TEQ/g以下
土壌 1000pg-TEQ/g以下

http://www.erc-net.com/bunseki/01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この基準値を100倍も上回ったのならまだしも、1.2倍程度
で「米の栽培を中止して立ち入り禁止」というのは非常に馬鹿げた
話です。

 この数値が正しいかどうか、複数の検査機関で検査したのでしょ
うか。土壌の場合、空気や水と違って簡単に攪拌混合できませんの
で、採取位置によっても違った数値が出ます。同じものを測定して
も、検査機関が違えば数倍〜数十倍の違いが出るものです。

 検査数値が正しいとしても、この数値で何か害が出ると考えてい
るのでしょうか。もし1.2倍程度で害が出るのなら、その基準は
緩すぎるということです。基準があるから仕方ないという声が聞こ
えてきそうですが、こんな測り方に意味があるとは思えません。

 そもそも最初の検査がごく一部の土地だけでやっているはずです。
基準を超えた土地があったので、その周辺を検査したと言っていま
すが、計205地点(計15ヘクタール)で1地点が基準を上回っ
たということです。

 想像すれば、三重県のすべての土地で測定すると、200箇所に
1つくらい、そういう数値になるということが考えられます。やる
気があるなら、やってみればよいですが、こういう検査がいかに馬
鹿げているかわかると思います。

 サンプリング検査をすることが悪いとはいいません。何カ所の検
査をして、基準を上回ったのは何カ所、平均でどれくらいであった
という数値を公表すればよいだけです。

 基準以上の土地については、念のため作物の検査をして、問題あ
りませんでしたということにすればよいですよね。

 基準値を上回った場所では「栽培中止」などのなければ「風評被
害」にさらされると考えたのでしょうが、それならはじめから測定
なんかしなければよいのです。

 生協にいたころ、ダイオキシンがよく話題になりました。生協の
牛乳のダイオキシン検査はしないのか?とよく聞かれました。それ
に対しては検出限界を下げれば出るに決まっているし、それで何か
害があるわけでもないから、無駄な検査はしない、と答えていまし
た。

 このニュースなんかも無駄な検査でおまけに実にもったいないこ
とをしています。役人にヒマと予算を与えるとロクなことはしない
という見本のように思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今日は花巻市のホテルから送信しています。昨夜はセミナー「風
の又三郎の謎にせまる」の後、久しぶりにたくさん飲みました。酒
ぎらいだった宮沢賢治の関係する会合で、酒飲みばかりなのはよい
のかという疑問もないことはないのですが、久しぶりに顔を合わせ
るとそうなってしまいますね。

 母が入院したことなど、知っている人もあって驚きました。私の
サイトやメールマガジンを読んでくれているのです。とりあえずた
いしたことはなくて、もうリハビリもしているので大丈夫とお答え
しておきました。リハビリで細かい紐の結び方をやって、なかなか
うまくいかないなどと言ってましたが、そんなのは私にもできない
のですが…。

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