安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>4号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
---------------------------------------4号---1999.12.14-----
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

   本の紹介「「食べもの情報」ウソ・ホント」 
   読者からのメール
   食べ物情報「砂糖」 その1

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回はこのメールマガジンの名前のネタをばらします。

【書籍紹介】
「「食べもの情報」ウソ・ホント」 
    高橋久仁子著 講談社ブルーバックス

 ネタの件は書名だけでバレバレですね。昨年の10月に出た本で
す。

------------------------------------------------------------

 食生活が複雑化し、同時に大量の健康情報が流される今日、ウソ
とホントがごちゃ混ぜになった「食べもの情報」に惑わされる方も
多いと思われます。本書では「いい」にせよ「悪い」にせよ、健康
への影響がとりざたされている食品を取り上げ、巷に流れているう
わさの真偽を科学的立場で検証し、食生活全体の中でそれぞれの食
品を利用する意味を考えてみました。

(「「食べもの情報」ウソ・ホント」 はじめに より)
------------------------------------------------------------

 現在、市販されている「食べ物」に関する本の中で、間違いなく
最もまともな本です。

 この先生は群馬大学の教授だそうですが、えらいと思うのは、私
などは「そんなばかな!」といって相手にしないようなヨタな話で
も、文献を調べたりするんです。

 序章  食べるということ
 第1章 けなされる食品
 第2章 もめられる食品
 第3章 いわゆる「健康食品」
 第4章 「効く」のでしょうか
 第5章 不安情報を調べてみると
 第6章 食生活のおさえどころ−健康維持と食事の関係
 終章  食べものを食べものとして

 全体を「フードファディズム」(food faddism)というキーワー
ドで考える、といっています。

 フードファディズムというのは、「食物や栄養が健康や病気に与
える影響を過大に信じたり評価すること」だそうです。「食べ物信
仰」といったところですね。

------------------------------------------------------------

 フードファディズムはだいたい次の三つに分類できます。
(1)食品や食品成分に「薬効」を期待させ、「治療」に使う
(2)万能薬的効能をうたう目新しい「食品」を流行させる
(3)食品を非常に単純に、体に「いい」「悪い」と決めつける

(略)

 「○○を食べるとガンにならない」「△△を食べるとガンになる」
というような話題に接したとき、「もしかすると、それってフード
ファディズムではないか」と疑ってみてはいかがでしょうか。食べ
ものに含まれる成分が人体内部に吸収されるしくみを思い出すと、
食べもの信仰の落し穴に転落しないですむかもしれません。

(「「食べもの情報」ウソ・ホント」 序章 より)
------------------------------------------------------------

 内容はこのメールマガジンの天敵のようなものなので、紹介しま
せんが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

------------------------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

 読者の方からメールをいただきました。私の返信とさらにその返
信を公開します。(ご本人の了解をいただきました。)

------------------------------------------------------------

 たしかに、MSGをたくさん使ったものは、独特のえぐみがあり
ます。私も比較的感じるほうです。

 これは、MSGが食べ物に含まれる物質として、例外的に強烈な
呈味力を持っているためと思います。つまり、使用量によるのです。

 ご指摘のような、味として変に感じる量を入れるのは、間違って
いると思います。
(こういう味を好む人も案外多い、という困った問題はありますが。)

(略)

 「毒性」の恐怖で語るのは、インパクトがありますが、あまり健
全な方法ではありません。

 「環境ホルモン」にしても、「遺伝子組替え」にしても、いたず
らに恐怖をあおるような宣伝は、決して正しいやり方と思いません。

 正確な情報に基づいた、冷静な批判を心がけて行きたいと思って
います。また、意見の違いを大事にして、いろんな意見を持つ人の
間での、情報の交換をしていきたいです。インターネットはそうし
た場として、最適であると思っています。
(閉じた場所で、同じ意見の人だけが集まるのではないからです。)

------------------------------------------------------------

 上の私の返信が長すぎると思いますので、一部省略しました。
(興味のある方には全文をお知らせします。ご連絡ください。)

 以下はそれへの返信です。全文ではありませんが、一つの段落を
そのまま引用しています。(改行は変更しています。)

------------------------------------------------------------

 ご指摘の点、非常に大切なポイントであると思います。いたずら
に不安を喚起され、起こった危険は、歴史上いやという程伝えられ、
現に経験をしながら生きています。が、その反面、幾ら注意を発信
されていても、覆い隠されてしまうことも、又、経験しながら日を
送ってもいます。私達には今、半ば常識に成ってしまった「沈黙の
春」の内容の恐ろしさや「失われた未来」の記事に書かれている、
実験上の結果からその結果が現れるのが、実に数十年後であると言
うことは、その時点の正確な判断には疑わしさがある事も又、事実
です。特に前書の場合は、人々の非難と中傷が著者を襲ったと言い
ます。正確と言う意味の難しさがそんな所にあるようです。「環境
ホルモン」の問題は後書の中にその地道な実験が詳しく書かれてい
ます。たぶん既にご存じのはずですが、もしかしたら、反論部分も、
非常にご存じなのではないかと思っています。

 歴史的に、思想であっても、科学であっても、大発見と言われる
ものが多く私達に、一時の利益と多くの害をあたえてきたことが事
実としてある場合、既に此処にある正確さか、未来に起こりうる事
実かということがあるのではないでしょうか。

 MSGの場合も郡司篤孝氏の本からの引用によると、”通常の使
い方や使用量”で人体に有害で有るとは言えないと結果が報告され
ている。然し、我が国では結び昆布と言う味付け昆布での中毒事件
が発生している。これは昆布の値上がりのためMSGを増量した結
果で、灼熱感、顔面圧迫感、倦怠感などが生じたためである。とあ
り、米国の中華料理症候群の話が疑われているが、此の件は疑われ
ているかどうかは不明ですね。更に、同著書は痛風の原因をも疑っ
ています。私達は、便利さや、旨さの為に、様々の添加物を使って
いる物を取り入れています。

 郡司氏の著書を引っ張り出してみて、有名なMSGだけの問題で
はない。これなんか罪が軽いよ思ってしまいましたが、本当は、読
者が、MSGから次の問題にステップアップしていく格好の材料で
あるのでしょう。と言う事で、ますます、良い記事を配信してくだ
さい。期待しています。

------------------------------------------------------------
 
--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「砂糖」その1
------------------------------------------------------------

 白砂糖は身体に悪い、ということをいう人がいますが、これはち
ょっと変です。塩もそうなのですが、砂糖(蔗糖)は白い結晶にな
る物質で、白くてあたりまえなのです。

 蔗糖の純度が高すぎる、という点をいっているのだと思いますが、
純度の差は確かに味には関係しますが、砂糖だけを食べて生きてい
るのではない以上、白い砂糖(純度の高い砂糖)が身体に悪いとい
うことはありません。(摂取する総量の問題で、純度の問題ではあ
りません。)

 砂糖の分類について、「甘味の系譜とその科学」(光琳刊)より、
少し引用します。

------------------------------------------------------------

各種砂糖の平均成分(一部)
 種類        蔗糖分
------------------------------------------------------------
【ザラメ糖(ハードシュガー)】
グラニュー糖     99.95
白双糖(ザラメ)   99.95
------------------------------------------------------------
【車糖(ソフトシュガー)】
上白糖        99.70
三温糖        95.40
------------------------------------------------------------
【加工糖】
角砂糖        99.80
氷砂糖        99.80
------------------------------------------------------------
【含蜜糖】
黒砂糖        75〜86
------------------------------------------------------------

 砂糖の原料はサトウキビ、甜菜(さとう大根)です。甜菜は日本
でも北海道で栽培されていますが、その話は別の機会にして、上の
表の砂糖は「サトウキビの搾り汁から作られた原料糖を輸入してき
て、砂糖工場で精製したもの」として理解してください。(黒砂糖
以外)

 原料糖から出来る限り蔗糖のみを結晶させたのが、一番上の「ザ
ラメ糖」の分類です。限りなく純粋に近い砂糖ですので、砂糖の物
性を利用するときは、こういう砂糖を使います。
(スポンジケーキをつくったり、いろんなお菓子をつくったり)

 「車糖」というのは、できた砂糖に「ビスコ」と呼ばれる糖蜜液
をかけて、しっとりとさせた砂糖です。日本ではこの手の砂糖が消
費の主役になっています。

 最初に回収される、蔗糖純度の高い部分が上白糖で、最後の方の、
色のついた部分が三温糖です。中間には中白糖というのもあるそう
ですが、あまり見たことはないです。

 三温糖の色は主に蔗糖が熱変性したカラメルなどです。ただ、で
きたままでは、色ムラや蜜玉ができて、見た目が悪くなるので、あ
とでわざわざカラメル液をかけて色を均一にしています。

 上白糖は比較的あっさりしているので、グラニュー糖のかわりに
も使います。三温糖は不純物(変性物)を含むので、味がくどくな
り、お菓子や飲み物には向きませんが、料理に使うと、「きき」が
良いので、あまり上品な味を要求しない、普通の家庭料理には、向
いています。(我が家でもほとんどこれを使っています。)

 このように、料理用としては、三温糖をおすすめしますが、別に
「健康によい」というわけではありませんので、ご注意ください。

 要は適性を見分けて、使いわけることです。

 黒砂糖は原料糖からの精製ではなく、サトウキビの搾り汁から直
接、作ります。これは日本独特の製法なのだそうです。

 黒砂糖を作るのには、糖液に石灰を投入して煮詰めます。このた
め、本来なら糖蜜として分離される成分も残りますので、「含蜜糖」
と呼ばれるのです。

 蔗糖純度が低く、独特の風味があるのはこのためです。「カルシ
ウム分が豊富」というのは実は投入した石灰のカルシウム分ですの
で、栄養的にはあまり価値はありません。

 ところで、栄養の分類で「糖質」「炭水化物」と呼ばれるのは、
みんな砂糖の仲間です。以下に前掲書から、紹介します。

------------------------------------------------------------
  糖質の分類
------------------------------------------------------------
【単糖類】
ぶどう糖(グルコース)
果糖(フラクトース)
木糖(キシロース)
ソルボース
ガラクトース
異性化糖(ぶどう糖、果糖)
------------------------------------------------------------
【二糖類】
蔗糖(シュクロース)<ぶどう糖+果糖>
麦芽糖(マルトース)<ぶどう糖+ぶどう糖>
乳糖(ラクトース)<ガラクトース+ぶどう糖>
パラチノース <ぶどう糖+果糖>
------------------------------------------------------------
【オリゴ糖類】
カップリングシュガー <蔗糖+ぶどう糖>
------------------------------------------------------------
【糖アルコール類】
マルチトール <麦芽糖>
ソルビトール <ぶどう糖>
キシリトール <キシロース>
------------------------------------------------------------
【多糖類】
でんぷん  <ぶどう糖>
セルロース <ぶどう糖>
------------------------------------------------------------

 「単糖類」が糖質の基本で、それがいくつも繋がって、最終的に
はでんぷんなどの巨大分子を作ります。消化の過程では、逆にこの
繋がりを絶って、小さな単位に分割します。

 ご飯を噛んでいると甘く感じるのは、でんぷんが唾液中の酵素に
よって分解されて、麦芽糖ができるからだ、というのは、学校で教
えます。

 セルロースはでんぷんとはぶどう糖の結合の仕方が違い、人間は
消化できません。牛では胃で、馬では盲腸で、いずれも微生物の助
けを借りて、消化しています。ここが人間と草食動物の違いです。

 砂糖については、まだまだ話がありますが、きりがないので、今
回はこれだけにします。質問、リクエストをお寄せください。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回は「読者からのメール」と本の紹介で字数をかせいでしまい
ました。

「「食べもの情報」ウソ・ホント」と「買ってはいけない」とい
う2冊の本がこのメールマガジンをはじめるきっかけになりました。

 「買ってはいけない」の方は、ここに書くのもはばかられますの
で、ホームページの掲示板で情報を紹介していこうと思っています。

 ホームページの方は順調に訪問者があるのですが、掲示板は閑古
鳥ですので。興味のある方は覗いて見てください。 

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--4号------------------ e-mail why@kenji.ne.jp -----------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------