安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>394号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------394号--2007.05.27------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「保管温度・チーズ・アルミ鍋・賞味期限
(Q&A)」「こんにゃく入りゼリー」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 自家製のさまざまな果実酒を客に出していたペンションが酒税法
違反にあたると摘発されたというニュースを少し前に聞きました。

 それによると、酒に果実などを混ぜたものを自家消費目的以外に
使ってはいけない、という内容のようでした。

 糖類からアルコールを醸造したわけでなく、酒税がすでにかけら
れている酒類を購入して作ったものなのに、営業目的においては規
制されるって何なんだ?ということで物議をかもしていたようです。
私もこれはものすごく変なことだと思っています。

 ところで、この件を聞いていたとき疑問に思ったのですが、飲食
店などにおいて酒を果汁で割ったり梅干などを入れて提供すること
は自家製果実酒を提供することと酒税法上は区別されるということ
ですか?

 私にはどちらもほとんど同じことのような気がしますけども、果
実酒だと混合と提供の間に別容器にいれた一定の期間が介在するか
ら酒類製造とみなされるんだろうか、とか考えましたがよくわかり
ません。

 もしご存知でしたら教えてください。よろしくお願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 昔は梅酒を家で作るのも酒税法に触れるとかいうことがありまし
た。確か自家用に限っては問題ないということで決着したと思いま
す。

 今回の件は、客に代価をとって提供するのなら、自家用ではない
ではないか、ということでしょう。

 果実酒などはすでに酒として成立している焼酎などを原料にして
いますので、酒税の対象にはならないというご意見だと思います。
私もそれでよいと思うのですが、酒の種類からいうと少し複雑なと
ころがあります。

 酒類を大雑把に分けると、醸造酒と蒸留酒に分けられます。醸造
酒は糖分をアルコール発酵させた酒で、すべての酒類の出発点にな
ります。

 蒸留酒は醸造酒を「蒸留」して、アルコール濃度を高めた酒です。
したがって、蒸留酒の原料は厳密に言うと醸造酒です。

 更に蒸留酒を原料とした酒もあります。「みりん」がその代表で
す。みりんは蒸留酒である焼酎の中にもち米を入れて作ります。み
りんのアルコール分は原料である焼酎から来ています。その意味で
はみりん作りの工程はアルコール発酵を含みません。

 こういった酒は「再生酒」と呼ばれたりするようです。果実酒な
どのリキュール類はこの分類に入ります。

 さらに込み入った事情は、醸造酒の原料として、アルコールが使
われる場合です。この場合、アルコールと言っていますが、でんぷ
んなどをアルコール発酵させ、蒸留によって濃度を上げたものです。
「醸造用アルコール」などと言っていますが、分類としては蒸留酒
そのものです。

 ご存じのように日本酒はこうしたアルコールを添加したものが多
いのです。最近、醸造によってできたアルコールより、添加したア
ルコールの方が多いものは日本酒と呼べなくなりました。この場合、
分類はリキュール類になります。

 このように「醸造酒」と「再生酒」の境界も案外あいまいです。
そこで酒税は製法にかかわらず、工場を出るときにかかるようにな
っています。

 「梅酒」として売られている酒の酒税は、リキュールとしての税
率になります。焼酎で酒税を払って、その後加工して梅酒として売
ることができれば、税金は安くなりますが、そうしてはいけないこ
とになっていると思います。

 さて、自家用として、焼酎で税金を払い、その後果実酒にすると
いうのは、リキュールの税率ではなく、焼酎の税率で払ったことに
なります。メーカーがやってはいけないことを、メーカーでない人
がやるのはよいのか?というのが取り締まる側の論理でしょうね。

 でも、この件では取り立てできる税金より、かかった費用の方が
多いように思います。やっている人たちは「一罰百戒」のつもりな
のでしょうが、はっきり言って余計な仕事を増やしているだけです。

 店でカクテルとして出すのは、酒を他のものとブレンドしている
だけで、酒税法でいう酒を作っているのとは違うのだと思います。
これがいけないのなら、「ひれ酒」なんかもいけないです。水割り
すらいけなければ蒸留酒は飲めませんし、これは仕方ないのではな
いかと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.ケーキやデザートの保管温度は高くて何度以下に保つべきです
か?何度以上になると食中毒の原因となる菌の繁殖が増えるのでし
ょうか?教えてください。

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A.微生物の繁殖と温度の関係では、繁殖に最適な温度があり、そ
の温度を避けることで繁殖を防ぐことができます。

 低い方の温度では、0度以下になると繁殖は不可能になります。
冷凍状態ですね。

 それより高い温度では、少しずつ繁殖が進みます。冷蔵庫で保管
しても、それほど長期間保存できないのはこのためです。

 温度が上がるほど、繁殖の速度が上がってきますが、ある程度以
上になると、こんどは熱によって死んでしまうことになります。

 0度〜10度が冷蔵の温度帯で、微生物の繁殖速度を落す効果が
あります。60度以上程度では微生物は死んでいきますので、高温
保存という手もあるのですが、高温だと変質してしまう食べ物も多
いので、何にでも使える手ではありません。ご飯の保温などはこれ
です。

 ケーキなどの焼いてあって水分の少ないものなら、冷凍保存がで
きます。冷蔵なら一般的には10度以下ですが、もちろん低いほど
よいのです。このあたりは温度が上がるほど、徐々に繁殖速度も上
がると考えてください。

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Q.ハードタイプのチーズに白と緑っぽいカビが生えていたのです
が、ゴルゴンゾーラが一緒にあったため、そのカビも青かびチーズ
だと勘違いした弟と姪(5歳、8歳)が食べてしまったそうです。
量は少しだと思うのですが、害がないか心配です。特に異変が感じ
られることはなかったようすが、病院で診て頂いたほうがよろしい
のしょうか。

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A.カビの生えていないものはチーズではない、とか言います。積
極的にカビの部分を食べることはお薦めできませんが、あまり気に
する必要はないのではないでしょうか。

 中毒症状が出ているのならともかく、カビの生えたチーズを食べ
たからと言って、医者に診てもらっても、医者の方が困るでしょう
ね。何もできることはありませんから。

 もちろん、安心を得るために診てもらうということには反対しま
せんので、あとは気持ち次第です。私なら、食べてしまったものは
仕方ないと考えて忘れてしまいます。

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Q.先日、アルミ鍋でマーマレードを作ったのですが煮詰めている
最中に鍋の底から煮詰めていた果汁がポタポタコンロの上におちて
いました。もしかしたら夏みかんの酸にやられて鍋に亀裂が入った
のかもしれません。それか前からかはわかりません。その亀裂の入
ったアルミ鍋で作ったマーマレードは食べても安全でしょうか?
ちなみに私は現在妊娠中です。

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A.底に亀裂が入ったのなら、その後水でも入れてみればわかりま
す。文面からはそうではないように思うのですが、いかがですか。

 水がもれないようでしたら、単に吹きこぼれただけです。

 アルミは地上にたくさんある元素で、大量にとると害があります
が、私たちの体内にも普通に存在しています。

 心配の必要はありませんが、酸性の強いものはアルミ鍋には向き
ませんので、注意してください。

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Q.食品を購入する際、賞味期限切れが近いものが販売されていま
すが、期限が切れていなければ販売は可能なのでしょうか。また、
その場合我々も了解し購入していますが問題はないんですよね。

 製造者は問屋さんやお店にはどのくらいの賞味期限を基準に販売
しているのでしょうか?何か基準がありますか。例えば、6ヶ月の
賞味期限は半分を過ぎたら出荷されないとか?

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A.賞味期限が切れているものを販売するのはよくないですが、期
限以内なら問題ありません。

 普通は商品の在庫の賞味期限を見て、一定のところで値引き販売
をしたりしています。

 メーカーの出荷基準、問屋の出荷基準、店の販売基準と、それぞ
れ決められていて、ほぼ守られていると思います。

 賞味期限は期間の長さではなく、期日です。したがって、「6ヶ
月の賞味期限」というのはおかしくて、製造時に、6ヶ月先の賞味
期限をつけているわけです。賞味期限だけを見て、基準となる長さ
を知ることはできません。(別に情報としては入ってきますが)

 そこで、商品群ごとに賞味期限までの残りの期間の長さを決めて
いると思います。賞味期限ぎりぎりまで売ることができればよいの
ですが、なかなかそうもいきません。

 また、賞味期限にかかわらず、できるだけ新しいものがおいしい
でしょうし、商品の回転をよくするのが利益を出す秘訣でもありま
す。今の流通業界はそのあたりで厳しく競争しているわけです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「こんにゃく入りゼリー」
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 こんにゃく入りゼリーで死亡事故がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

[2007年5月23日:公表]

死亡事故2件発生 こんにゃく入りゼリーの事故
−子どもや高齢者に与えないこと!−

事故の概要

【事例1】

 2007年3月23日、学童保育でおやつとして支給されたこんにゃく
入りゼリーを食べたところ、喉に詰まらせ、救急車で搬送されたが
亡くなった。(7歳男児 東海地方)

【事例2】

 2007年4月29日、祖父母宅でこんにゃく入りゼリーを食べたとこ
ろ、喉に詰まらせ、救急車で搬送されたが、5月5日亡くなった。
(7歳男児 甲信越地方)

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20070523_1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このページの情報によると、こんにゃく入りゼリーによる死亡事
故はほぼ毎年起こっていて、11年間で14人が亡くなっています。

 さらに下の方には、こんなことが書いてあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

海外の対応

(1)FDA(米国食品・医薬品局)は警告と回収を実施(注2)

 FDAは、こんにゃく入りゼリー等によって、窒息の被害が起きる
可能性があることを消費者にたびたび警告しており、こんにゃく入
りゼリー等を見かけたら連絡するよう呼びかけている。

(注2)詳細はFDAホームページ「Konjac Candy Recalls」参照。

(2)EUではこんにゃく入りゼリーを禁止

 2003年5月19日、EUはゼリー菓子へのこんにゃく使用許可を撤回
する決定を行い、以降、いわゆる「ミニカップゼリー」を含むゼリ
ー菓子にこんにゃくを使用することは禁止されている。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20070523_1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 つまりアメリカ、ヨーロッパではこんにゃく入りゼリーは危険な
食品として禁止されているのです。

 食品添加物などでよく、「外国では禁止されているのに…」とい
うような批判があります。あちらは誤解を含んでいることが多いの
ですが、これはまさにそれに相当する事例ですね。

 ゼリーというのは元々はゼラチンで作ったものです。このごろは
寒天などの海藻からとった多糖類を使う方が多いと思います。いず
れもゲルとしての強度は小さいので、喉につまらせる心配はありま
せん。

 ところがこんにゃくのゲルは強度があって、喉につまっても壊れ
てくれないのです。

 こんにゃく入りゼリーはそういう意味で、明らかに危険な食品な
のです。欧米の当局が危険すぎて国民に食べさせられないと判断し
ているのも当然だと思います。

 安全を考えるなら、日本でも禁止すべき食品だと思います。こん
にゃくが日本になじみのある食品だから、禁止にならないのかと思
っていましたが、こんな情報がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食べ物による窒息事故は一年を通して発生しています。特にお餅
による窒息事故は、年始年末に多く発生する傾向があります。お正
月に餅料理を食べるという食文化のためか、この時期多くの高齢者
がお餅をのどに詰まらせ、窒息するという救急事故が毎年後を断ち
ません。

 次の表は、平成15年の年末から平成16年の年始にかけてのお
餅に伴う窒息事故により救急車で搬送された人数を表したものです。

12月26日 0人
12月27日 1人
12月28日 2人
12月29日 0人
12月30日 0人
12月31日 1人
1月1日 11人
1月2日 5人
1月3日 4人

 正月三が日、特に元日に多く発生しています。

 下のグラフは傷病者の方の年齢別を表したものです。40歳代以
下の事故は見られませんでした。

 噛む力や飲み込む力が弱くなり、詰まりかけたときにむせる反応
が弱くなってきた高齢者の方に、多く発生しています。

 また、お餅ばかりでなく肉、コンニャク、大福餅など、様々な食
べ物による事故が時期を問わず発生しており、死亡に至った事例も
あります。

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/inf/h16/i035.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このサイトは東京都消防庁のものなので、数字は東京都のみのも
のです。結局、この正月の死亡者は2人だったそうです。全国では
毎年、この10倍以上の人が餅が原因で亡くなっているはずです。

 しかし餅が危険な食品だから禁止せよ、と言われても困ってしま
います。こうしたことから事故に関して鈍感になってしまっている
のではないか?と思いました。

 ジェットコースターの一つの事故であれだけ大騒ぎしたマスコミ
が、こうした事故が何度も起こっていることに無関心であることも
不思議な話です。スポンサーに遠慮していると考えられても仕方な
いですね。

 私事になりますが、昨年亡くなった義父も餅が大好きで、食べた
がっていましたが、水ようかんみたいなものでごまかしていました。
飲み込む力が弱くなっていたので、一つでも餅を食べさせれば即死
だったと思います。

 こんにゃく入りゼリーも同様の食べ物で、普通のゼリーと間違え
ないよう、注意していました。しかしお菓子の売り場で、普通に売
っている現状では、事故は避けられないと思います。

 餅はさておき、こんにゃく入りゼリーは全面的に製造を禁止すべ
きです。ヨーロッパの某国で、水際でこんにゃく入りゼリーの輸入
を禁止した担当者が、日本ではこんな危険なものを国民に食べさせ
ているのか?と言ったとか言わなかったとか…。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今日は競馬の日本ダービーの日です。このレースは毎年5月末に
行われるので、私の誕生日にあたったりすることがあります。とか
いうことでもうすぐ56歳になります。去年は昔なら定年退職の歳
だとショックだったんですが、もう還暦までは同じようなものです。

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