安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>390号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------390号--2007.04.29------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「黒酢・蜂蜜・マクロビオティック・無農薬
(Q&A)」「マーガリン」

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ブログ毎日?更新中
http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 今回は本の紹介をいただきました。著者の方から直接いただいて
いますので、氏名つきでもいいですよね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

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「ビジュアル図解」食品工場の品質管理
ISBN978−4−495−57581−6
同文舘出版株式会社    2007年5月11日初版発行
http://www.dobunkan.co.jp/books/book.cgi?Isbn=ISBN4-495-57581-6
河岸宏和 著   1700円+税
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/honnhinnsitu.htm 
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 食品工場の品質管理について詳しく詳しく書いてあります。

 食品工場の品質管理について運動会に使用するテントを例に判り
やすく説明しています。品質管理で守る物は食品の危害を守ればク
レームなどのトラブルは無くなります。危害は、物理的危害、化学
的危害、生物的危害、日付表示ミス、アレルギー表示ミスの6項目
が考えられますが、危害を空から降って来る雨と考えて雨を防ぐテ
ントの天幕に穴が開いているとトラブルが発生してしまいます。そ
んなたとえ話と図表が多く判りやすく書いてありますので食品工場
で品質管理を行っている方、工場で働いている方、営業の方にも是
非読んで頂きたい本に仕上がりました。あなたの工場で細菌検査を
行う前に雨漏りが起きていないか是非点検をしてみてください。

<目次より>

1章 食品工場の品質管理に求められているもの
2章 食品工場の品質管理で守るもの
3章 工場設計時の品質管理
4章 商品設計時の品質管理
5章 日常管理しておく事項について
6章 日常管理しておく規定・マニュアルについて
7章 日常管理時の品質管理
8章 環境問題について
9章 クレーム処理について
10章 食品工場で必要な教育について

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 読んだ方がいらっしゃったら、感想などもいただきたいです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.パキスタン カラチに住む主婦です。ここでは、日本食材が手
に入りにくい為、納豆(納豆菌)、キムチ、こんにゃく等、自分で作
っています。今回友人から乾燥米麹をいただきました。味噌の作り
方がプリントアウトされていたので早速試しました。米麹は自宅で
作れるはずだ、との事で、米麹菌を探し送ってもらうようにしまし
た、黒酢は日本から郵送してもらっているのですが、米麹から老麹
が作れれば、この黒酢も、どうも夢ではなさそうなので、挑戦する
予定なのですが、酢酸菌について、、九州や沖縄では、空気中に酢
酸菌がいるようなのですが、カラチでは、どうでしょうか。酢酸菌
は、ドライな粉、タイプで手に入りますか?どこで購入可能でしょ
うか?出来れば、添加物として使用したくありませんが、もし、カ
ラチの空気中に酢酸菌がいない場合を考えると、一応手に入れてお
きたいと思うのですが、、、よろしくお願いします、

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A.麹ができたとしても、その後のアルコール発酵がうまく行くか
どうか、難しいでしょうね。

 日本酒は昔は冬の間しか仕込みませんでした。外気温の高い季節
ではアルコール発酵の制御が難しいのです。パキスタンというと暑
いところというイメージがありますので、はたしてどうでしょうか。

 アルコール発酵がうまくいって、酒ができてしまえば、酢酸発酵
は問題なく進行するのではないでしょうか。世界中どこでも、アル
コールが酢酸に変わるのは自然に進むと思います。

 これは酢酸菌というのはどこにでもいる、ということです。「添
加物として使用したくない」という気持ちについてはよく理解でき
ません。微生物による発酵といわゆる「添加物」というのとは違い
ます。

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Q.最近、「蜂蜜を加熱すると毒になる」又「加熱処理された蜂蜜
の大多数は誰にとっても毒です」という書き込みを読みました。私
は蜂蜜を健康食品として、熱い飲み物に入れたり、トーストに塗っ
たりして利用していますが、蜂蜜に熱を加えると毒になるなんてい
う事実があるのでしょうか?熱によって毒になるような成分が含ま
れているのでしょうか?教えて下さい。

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A.ネットで検索すると、「非加熱」ということをうたった蜂蜜が
たくさん売られています。このことを宣伝したいがために、「加熱
された蜂蜜は毒」というようなデマが発生したのだと思います。

 加熱や時間の経過により、「HMF(ヒドロキシメチルフルフラ
ール)」という成分が増加します。蜂蜜の品質の指標として使われ
ていて、一定以上になると売ってはいけないことになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

[はちみつの定義]
●日本でははちみつの定義が(社)全国公正取引協議会により次の
ように定められています。

「はちみつ」とは蜜蜂が植物の花蜜を採集し、巣房に貯え熟成した
ものであって、別表に定める性状を有し、別表に定める組成基準に
適合したものを言います。

別表

性状: はちみつは淡黄色ないし暗褐色のシロップ状の液で、特有
の香味があり早晩結晶を生ずるものである。

組成基準

 水分(温度20℃)  20%以下
 ただし、国産はちみつにあっては  水分23%以下
 果糖及びぶどう糖含有量(両者の合計)  60g/100g以上
 しょ糖  5g/100g以下
 灰分(電気伝導度)  0.8ms/cm以下
 HMF  5.9mg/100g以下
 遊離酸度  100gにつきINアルカリ5ml以下
 でん粉デキストリン  陰性反応

http://www.rengejirusi.co.jp/1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 加熱の有無よりもこの組成基準を満たしているかどうかを問題に
すべきです。輸入の非加熱と称するものでも、必ずしも基準を満た
していない場合もありますので、注意が必要です。

 上記の基準に関連した分析値が表示されているものを買うのが最
も安心だということです。

 他のものが「毒」であるかのような言い方をして売っている商品
はあまり信用しない方がよいと思います。

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Q.質問なのですが、”食事は3食ではなく2食の方が健康になる”
”動物性食品を摂らない方が長生きできる”などという話を聞くの
ですが、根拠はあるのでしょうか??甲田療法やマクロビオティッ
クなどで、よく言われてるようなんですが、普通の食事では駄目な
のかなぁ??と思ってしまいます。マクロビオティックの考え方は
割と好きなんですが、こちらのメルマガやサイトの情報とはだいぶ
異なるような気がします。気持ちの問題なのでしょうか…?食べ物
に関する質問じゃなくてすみません。

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A.マクロビオテックというのは明治期の医者の発案になる、由緒
正しい迷信です。迷信ですから、当然根拠はありません。

 「鰯の頭も信心から」といいます。何を信じようが人それぞれの
勝手なんですが、あまりタチのよい迷信ではないと思います。

 結論としては、こういう信仰には近寄らない方が安全です。中に
は病院でこういうことをやっているところもありますが、絶対に近
づいてはいけません。

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Q.農薬に関してなんですが、無農薬ものと慣行もの、有機のもの
ではやはり質が異なるのでしょうか。無農薬や有機のものは、栄養
価が高くて体によく、慣行のものは農薬の害がありむしろ体に悪影
響などという話を聞きます。あたしは野菜好きなんですが、そのへ
んのスーパーで売られてるものを購入してるのでちょっと心配です。

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A.野菜の栄養価が栽培方法によって違う、ということは可能性と
してはありますが、「無農薬や有機のもの」が栄養価が高いという
保証はありません。高ければよいなあ、という願望があるというの
が正確なところだと思います。

 いろいろと生産方法を工夫して、より付加価値をつけて売ろうと
いう努力については私は支持したいと思います。しかし、一般の野
菜を「慣行のものは農薬の害がありむしろ体に悪影響」などという
のはちょっとやりすぎです。

 こういう宣伝をしている人たちは、自分さえよければ人の迷惑を
省みない人たちなんだな、と判断できます。そういう宣伝をしてい
るところは信用しないようにしましょう。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「マーガリン」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今まで私もバターよりマーガリンが体に良いと思っていました。
あるニュースでマーガリンがたいへん体に危ない食品だと記載され
ていることをきっかけにインターネットで検索してみたら、本当に
マーガリンが体に悪いことがわかりました。世界的にみても発展途
上国である日本だけが危ないマーガリンのことを国民に知らされて
いないのです。なぜかとゆうと乳製品メーカーにとって、マイナス
のイメージを持っては困るからです。もし本当のことがわかると乳
製品メーカーは大変な損益になるからです!!マーガリンは絶対に
買ったらダメです!心臓病など命にかかわる病気にもかかりやすい
そうです!

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「バターよりマーガリンが体に良い」というのも一つの誤解なん
です。元々マーガリンはバターの代用品です。バターは牛乳から作
りますが、マーガリンは植物油から作ります。日本人は「植物性」
というと何か良いように感じるところがあるので、そういったイメ
ージが広がったのだと思います。

 植物油は普通、常温では液体です。これは不飽和脂肪酸が多いた
めです。油脂というのはグリセリンに脂肪酸が3つ、結合した形に
なっています。含まれる脂肪酸の種類によって、性質がいろいろと
変っていきます。融点などもその一つです。

 一般に、炭素の数が増えていくほど、融点は低くなります。不飽
和脂肪酸は同じ炭素数の飽和脂肪酸と比べると、かなり融点が低く
なるのが特徴です。

 マーガリンは液体では困りますので、植物油の融点を上げる必要
があります。そこで行われるのが「水素添加」という方法です。添
加とついていますが、食品添加物を添加する、というのとは全く違
います。

 脂肪酸は炭素の鎖の周りに水素が結合しています。炭素の鎖の片
方の端はカルボキシル基になっていて、ここが酸性のもとになりま
す。

 炭素原子は他の原子と4つ、結合することができます。この4つ
で隣同士の炭素原子がすべて結合すると、正4面体のきれいな結晶
を作ります。これがダイアモンドです。

 鎖になっている炭素原子は、お互い2個ずつ結合に使っています
ので、残り2個に水素が一つずつ結合できます。だから水素原子が
結合できる数は炭素原子の数によって決まっています。

 この決まった数まですべて水素が結合したものが「飽和脂肪酸」
です。水素が飽和しているという意味なのでしょう。

 水素の数が足りないと、余った結合子で隣同士の炭素原子が「二
重結合」します。二重結合は特殊な結合で、ここで炭素の鎖が折れ
曲がってしまいます。このために融点が低くなる(のだと思います)。

 不飽和脂肪酸に足りない水素を添加して、飽和脂肪酸に変える、
というのが水素添加の意味です。一般に、植物性油脂の方が動物性
油脂より薦められるのは、不飽和脂肪酸が多いためです。マーガリ
ンはわざわざ不飽和脂肪酸を減らしているのですから、マーガリン
が身体によい、というのもあまり意味はないわけです。

 こうした思い込みに弱い人が、こんどは「マーガリンは身体に悪
い」という思い込みにとらわれてしまったようです。どうも困った
ものです。

 マーガリンが身体によいというのも、悪いというのも、共に単な
る思い込みです。

 さて、「身体に悪い」という話はトランス型脂肪酸について言っ
ていると思います。二重結合は不自由な結合なので、その両端の炭
素の結合の仕方が固定されてしまいます。通常は両端の炭素に、同
じ方向に炭素が結合して、そこで折れ曲がります。これを「シス型」
といいます。これに対して反対側についたものが「トランス型」で、
この状態だと折れ曲がりはなくなります。化学式で書くと同じもの
なのですが、実態は違う姿をしているわけです。

 不飽和脂肪酸が薦められるのは、シス型についてです。不飽和脂
肪酸といえばシス型のことを指していると思ってください。トラン
ス型では不飽和脂肪酸の効果はありませんし、かえって不飽和脂肪
酸の働きを阻害すると言われています。

 マーガリンに話を戻すと、水素添加して不飽和脂肪酸を減らして
いるときに、影響を受けてシス型からトランス型に変化してしまう
ものがあり、結果としてトランス型脂肪酸が増えてしまうという問
題が指摘されています。

 ご存じのとおり、肥満大国のアメリカ、特にニューヨークあたり
では、問題視されています。日本では油脂摂取量そのものが少ない
ので、ほとんど問題なし、というのが一般の見方です。

 トランス型脂肪酸は天然にも存在しますし、大量に摂取しなけれ
ば、別に毒というわけではありません。

 また、このごろでは製法自体が変ってきているようです。379
号(今年の2月)に、読者で専門家の方から、そのあたりの事情を
教えていただきましたので、再掲載します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 話は変わりますが、トランス脂肪酸については、アメリカやカナ
ダの事情と日本の事情が結構違います。家庭用マーガリン類などの
油脂原料はそれぞれの国の事情から使用される油脂の種類がかなり
異なります。

 アメリカでは地元の大豆油を油脂消費の80%近くを占めておりま
すし、カナダではやはり地元の菜種油がその大部分を占めます。

 大豆油、菜種油は常温で液体の油(oil)ですので、そのまま
ではマーガリンにはなりませんし、また業務用の油脂として使用す
るに当たっても、安定性が非常に悪い物です。そこで、部分硬化と
いわれる技術を使って、油脂を硬くして、安定性を上げています。
その結果、「トランス脂肪酸」がかなり出来てしまい、結果として
摂取量自体が多くなります。

 日本では、大豆油、菜種油の使用量も多いのですが、それに加え
て、パーム(あぶらやし)油がかなり多く使用されます。
http://www.oil.or.jp/kiso/kisoGaiyou01_02.html

 このパーム油はマレーシアやインドネシアで取れますが、特長と
しては常温で固体の脂(fat)です。油脂自体が硬いので、硬化
技術を使わなくてもマーガリン類の原料になりますし、液体の油と
比べて安定性に優れています。結果として、日本人のトランス脂肪
酸の摂取量が抑えられることになります。

 まあ、何事においても摂り過ぎは良くありません。バランス良い
食事を心がけてください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上の方のQ&Aにも出てきますが、何かを毒のように言っている
人というのは、他を貶めて自分の商品を売り込むのが目的のことが
ほとんどです。

 あるいは不安を煽ることで政府を批判し、政治的に有利に働かそ
うという意図の場合もあります。

 いずれにせよ、信じるだけで損ですので、何事にも眉に唾をつけ
て対処すべきだというのが私の意見です。

 いただいたメールの書きようからすると、そういった宣伝をして
いる側の人なのかもしれませんが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 食べ物とは関係ないのですが、今週は読んで感動するような本に
2冊も出会いました。

『宮沢賢治論』(木嶋孝法 著 思潮社 刊)
『女帝 わが名は則天武后』(山颯 著 吉田良子 訳 草思社 刊)

 ブログの方に書いていますので、よかったらごらんください。題
材となっている宮沢賢治、則天武后(武則天)の生き方も感動しま
すが、著者自身の人生も感慨深いです。もっとも木嶋氏はすでに亡
くなっていますが、山颯さんはまだ若い女性です。天安門事件以後
に中国からフランスに渡り10年余りでフランス語で小説を書くよう
になったというだけで、小説の一つくらいはできそうな話です。

作家・山颯(シャン・サ)、自作を語る。
http://www.soshisha.com/book_wadai/33empress/index.html

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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