安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>387号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------387号--2007.04.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「たんぱく加水分解物・トランス脂肪酸・ペ
ットフード・生卵・豆腐(Q&A)」「牛乳有害論」

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ブログ毎日?更新中
http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 いただいたメールを紹介します。まず、大豆の話から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今週のメールに豆腐の遺伝子組み換え大豆の件がありましたが、
バラエティ大豆のことについても紹介してもよいのではないでしょ
うか?

http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/daizu/tisiki/yunyu.html

 そもそも、豆腐や納豆用の大豆品種に遺伝子組み換えが行われて
いない ことはもっと知られてよいと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 遺伝子組み換え作物としての大豆は、油脂をとるための品種なの
ですよね。ところが、「遺伝子組み換え作物不使用」という豆腐か
ら、頻繁に遺伝子組み換え大豆の遺伝子が見つかります。

 油脂用の大豆がどこかで混入しているわけですが、このあたりの
謎はあります。

 バラエティ大豆の説明はリンク先をごらんください。

 次は生協の話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 はじめまして。先日からメルマガを読ませていただいております。
大変興味深く、ありがたく思っています。

 ところで、今回生活クラブについて話題がでていましたが、どの
ような点が”腐敗”と思われるところなのでしょうか?

 現在、加入を検討していたため、気になってしかたありません。
もしよろしければ、教えていただければと思います。どうぞ、よろ
しくお願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 生活クラブが言っていることが、ある人から見て間違っていたと
しても、「腐敗」と言われる筋合いはありません。そう言われるの
は、ある意見を(ウソと知りながら)自分たちの運動のために利用
しているときです。

 その件に関して知識のある人には信じられないかもしれませんが、
幹部も含めてほとんどの人が実はその意見(ここでは遺伝子組み換
え作物に毒があるようなこと)を本当だと信じているのです。

 したがって、私はやっていることは間違っているが、腐敗という
ほどのものではないと思っています。前回紹介した方のご意見では、
「お馬鹿さん」などと言われていましたが、私はこれには同意しま
す。

 似たような意見が以下のお便りです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 生協の一部の人は、最近でも、イリーナ・エルマコヴァ氏の講演
ビデオを会報に乗っけているのですね。

 この講演の疑惑については、以前に取り上げられているので十分
ご存知だと思います。

 とんでもない、講演会ですが、主催した生協側では、今でも、こ
の講演内容は誤りではなくて、正しい内容であったと認識している
ように捉えられます。

 遺伝子作物に毒性があることを知らしめるためには、科学的に正
しいとは思えない理屈であってもこれを利用して、広報すべきだと
の意思を持っているものとしか考えられません。

 まるでカルトのやり方です。 目的を達成するためには手段を選
ばず、あるあるの捏造と全く同じ構造です。社会的正義を無視する
やり方です。 

 この講演会の主催者である生協が、単に誰かに操られた「おばか
さん」ではなくて、遺伝子作物追放に燃える強い意志を持った「狂
信者」であることを知らしめる必要があろうかと思います。

 「安心!?食べ物情報」と名づけたメールマガジンを発行されて
いる主催者としては、その出身が生協であろうとなかろうと、この
事実を無視することは好ましいことではないと思います。 一部生
協の運営者は、その使命を履き違えているとしか思えません。 

 私は、遺伝子作物は使いようだと思いますし、遺伝子作物が毒物
とは思いませんが、遺伝子作物が毒物であると信じることや、その
危うさを指摘することを否定するつもりはありません。しかし、正
しい議論を通じてこそ、その正当性が納得させうるものだと信じて
います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 さきほど「知識のある方」という書き方をしましたが、まさにそ
ういう人のご意見ですね。どうしてこんなインチキを持ち上げるの
か理解できないところです。

 彼ら(生活クラブをはじめとする、こういう運動をしている人た
ち)が、どうすれば科学的な知見を受け入れることができるのか?
ということになると、やはり難しいように思います。

 私の感想では、彼らは事実に関しての知識はないのですが、政治
的な「思想」はあって、それを単純な知識の上位に置いているので、
下々の係わるような単純な事実関係の認識は軽視してしまうのです。

 そのために賢い人だし、食品を扱う仕事をしているのに、食品に
対する現実的な知識を持ち合わせていない、という奇妙な構図にな
ってしまいます。

 ほとんどがそうした「無知」ですが、その中で本当は知識があり
ながら運動のためにこれを利用しているデマゴーグがいるのかどう
かについては私にはわかりません。いずれにせよ、やっていること
はおなじで、間違っていることには違いありませんが。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.子供が小麦アレルギーなのですが、「たんぱく加水分解物」と
表示されているものに対しては大丈夫なのでしょうか?この情報が
参考になるか分からないのですが、自分の子供の場合は、小麦粉そ
のものに対してはアレルギーが出るのですが、お醤油に入ってる小
麦成分は問題ないようで、一般に市販で売られているお醤油を使っ
ています。

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A.「たんぱく加水分解物」の原料として小麦が使われることは、
可能性としてはありますが、実際にはそう多くないと思います。小
麦粉のタンパク質はグルテンが主成分ですが、グルテンはそのまま
でよく使われますので、それを分解して使うことはあまりありませ
ん。

 余談ですが、小麦のたんぱく質はグルタミン酸を非常に多く含み
ます。味の素が発明されたとき、グルテンを分解してグルタミン酸
を作ったくらいです。名前が似ているのは偶然ではなく、グルテン
にちなんだ名前なんですね。

 「たんぱく加水分解物」になった場合、もとのタンパク質がアレ
ルギーの原因となるほど残っていることはあまりないのではないで
しょうか。ただ、醤油などの醸造品では、完全に分解しているとは
思えませんので、アレルギーの原因になることが多いです。

 醤油が大丈夫でしたら、「たんぱく加水分解物」について心配す
ることはないでしょうね。

 ところで、醤油なら問題ないというのなら、小麦アレルギーが本
当かどうかを疑う余地があります。どんな症状かはご質問からはわ
かりませんが、一度他の医者の意見を聞いてみられてはいかがでし
ょうか。

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Q.トランス脂肪酸の事が気になっております。体に安心して頂け
る油を教えて下さいますか。悪玉コレステロールについてもお聞き
したいのですが。宜しくお願いいたします。

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A.普通の油を普通に使っていれば、心配することはありません。
脂肪、とくに飽和脂肪酸の多いものを摂りすぎるとよくないことは
知られています。トランス型の脂肪酸というのは、植物油脂に多い
不飽和脂肪酸の異性体で、これもやはり摂りすぎるとよくないとい
う話です。

 大量の食物を食べ、脂肪も当然ながら摂りすぎている一般のアメ
リカ人については、摂りすぎが警告されています。

 日本人の脂肪摂取量からすると、ごく一部のアメリカ人なみの人
を除いて、心配する必要はないというのが日本政府の見解です。私
もそう思います。

 「悪玉コレステロール」については、他をあたってください。

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Q.アメリカ、カナダにおいて、ペットフードが原因で十数匹の犬
猫が死亡する事件が起こっています。原因は特定できてませんが、
中国産小麦が疑われ、農薬のアミノプテリンが少なくとも40ppm検
出されたとのことです。中国では、小麦にアミノプテリンを使用し
ているのでしょうか?

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A.アメリカでは大騒ぎになっているようですね。現在のニュース
としてはこんなところです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 北米で毒物の混入したペットフードによって犬と猫、十数匹が急
死し、メーカーが6千万食の回収に乗り出す騒ぎとなっている。

 米食品医薬品局(FDA)は30日、原料の中国産小麦グルテン
に化学物質メラミンが含まれていたと発表した。人間用の食品に使
われたグルテンにも混入がなかったかどうか、引き続き調べている。

 ペットフードは、カナダのメニューフーズ社が製造。グルテンの
ほか、死んだ猫の腎臓からもメラミンが検出された。メラミンは合
成樹脂の原料で、アジアでは肥料としても使われるが、ペット食品
への含有は禁じられているという。

 ただ、23日にはニューヨーク州当局が「殺そ剤のアミノプテリ
ンを製品から検出した」と発表している。メラミンの毒性があまり
高くないこともあり、原因物質はまだ特定されていない。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070331i302.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 まだ詳細は不明ということですが、中国から輸入の原料に、何か
問題のある物質が入っていたということが疑われています。

 アミノプテリンは殺鼠剤に含まれるそうです。メラミンは肥料に
含まれます。そういう、管理のいい加減なものを輸入してしまった
ようですね。中国のことですから、何が起こっても不思議ではない
とはいいながら、ちょっと心配になります。

 問題のペットフードは日本には入ってきていないそうです。アメ
リカやカナダ在住の方以外は心配することはありませんが、中国産
食品の評判をまた落してしまいました。

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Q.生卵の殺菌について

 ニュージーランドに在住しています。卵を生食したいのですが、
サルモネラ菌の問題があるので温泉卵にするなどしています。冷凍
した卵黄を解凍して納豆や丼物に使いたいのですが、冷凍でも加熱
と同じく殺菌効果はあるのでしょうか?ちなみに、こちらでは日本
と同じように常温で卵は売られています

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A.まず、ニュージーランドの養鶏において、サルモネラの汚染は
どれくらいかというのが気になります。また、当地ではサルモネラ
による食中毒はどれくらい発生しているのでしょうか。

 ほとんどないような状態でしたら、心配することはありません。
食中毒が多発しているようなら、生卵は食べるのを避けた方がよい
ですね。

 サルモネラは加熱することで殺菌できます。しかし、卵は半熟く
らいの加熱だと、内部まで殺菌できるような温度にならないことが
あるので、注意が必要です。

 冷凍することでサルモネラの繁殖は抑えることはできます。しか
し殺菌効果はありませんので、解凍後は注意してください。

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Q.前から一度誰かに聞いてみたいと思っていたことを書かせてい
ただきます。以前北米に住んでおりましたときに、多分日本のハウ
ス食品の系列会社だと思われるところが北米で作って売っている豆
腐をよく買って食べていたのですが、それらの豆腐は全般に賞味期
限が3−4週間先の日付になっているのを不思議に思っていました。
北米で売られている豆腐も「保存料無添加」みたいなことが書いて
あり、商品としても日本で売られているのと同じ「豆腐」だと思う
のですが、日本では1週間しかない期限がどうして何倍にも延長で
きるのかを疑問におもうわけです。その会社のWebsiteなどを見て
も、加熱殺菌している、という程度のことが書いてあるだけで日本
との違いはよくわかりません。日本でもそういう長い賞味期限で販
売できれば随分ムダが減るのではないかと思ったりしますが、もし
なにかご存知でしたらお教え頂ければ幸いです。

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A.日本でもそういう豆腐はあります。また、保存料を使っている
豆腐というのは、現在ではないと思います。

 賞味期限が長い豆腐は、一般に「充填豆腐」と呼ばれる種類の豆
腐です。豆腐は製造時に充分加熱しますので、いったん無菌状態に
なるのですが、その後の包装までに再汚染があり、冷蔵で一週間程
度の賞味期限が普通です。

 製造後、パックに詰めて密封するまで、温度を下げないようにす
ると、この再汚染を最小限にすることができます。一般の豆腐はこ
うした工夫をしています。

 充填豆腐はここで発想の転換をしたもので、容器に投入と凝固剤
を入れ、密封してから加熱します。豆乳が容器に充填されてから、
豆腐になるのでこの名があります。この場合、再汚染加熱後はすで
に完全に密封されていますので、再汚染の心配はありません。

 だから実際には一カ月以上、余裕で日持ちすると思います。

 充填豆腐をきれいに固めるためには、凝固剤としては一般の硫酸
カルシウムや塩化マグネシウムではなく、グルコノデルタラクトン
という物質を使うのが普通です。この物質は加熱により酸性になり、
その結果豆腐を固めるので、充填豆腐は表面を洗わずになめてみる
と少し酸っぱいです。また、充填豆腐は凝固方法が違うので、なめ
らかで弾力のある、固めのヨーグルトのような感触になります。

 このあたりの好き嫌いの問題があって、すべてが充填豆腐にはな
らないようです。また、木綿豆腐は充填豆腐では実現できません。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「牛乳有害論」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつもメルマガありがとうございます。

 新谷氏の牛乳害悪論に対して業界が反攻にでたようですね。以下
の記事が出ていました。

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703280008a.nwc

 その他のマスコミにも出ていますから、当然渡辺さんも読まれて
いることと思いますが、とりあえずお知らせをしておきます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ご紹介のURLには、「公開質問」の内容が書かれています。以
下に引用しますので、ごらんください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■公開質問と牛乳乳製品健康科学会議の見解(要旨)

 【質問1】

 「市販の牛乳は『錆(さ)びた脂』ともいえる」、「ホモゲナイ
ズ(均質化)することにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と
結びつき、『過酸化脂質』に変化してしまいます」、「超高温にさ
れることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します」と述べて
いるが、それを裏付ける科学的根拠は。

 《見解》

 牛乳をホモゲナイズ、殺菌しても乳脂肪が酸化されることはほと
んどない。乳脂肪は大豆油やコーン油より多価不飽和脂肪酸が10
分の1以下と少なく、もともと酸化されにくい。

 乳脂肪は牛乳中では脂肪球として存在、ホモゲナイズすることで
脂肪球は小さくなり、その合計表面積は増えるが、乳タンパク質で
被覆され、酸化されにくい形態。また、通常のホモゲナイズや殺菌
は外気と直接触れない工程で行われており、酸化に必要な酸素が牛
乳に溶け込むのはむずかしい。実際、同じ工場の「原料乳」と「ホ
モゲナイズ、殺菌したパック入り牛乳」の酸化指標を測定した結果、
まったく差がなく酸化は認められなかった。

 【質問2】

 「カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって
体内のカルシウムを減らしてしまう」と述べているが、それを裏付
ける科学的根拠は。  

 《見解》

 牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはない。体内のカ
ルシウムは99%以上が骨と歯にあり、その他は血液や組織の中に
ある。骨と血液中のカルシウムはホルモンやビタミンの働きで常に
交換されており、血液中の濃度は常に一定に保たれている。吸収さ
れた牛乳のカルシウムは血液や組織(大部分は骨)に入って蓄えら
れ、不要な部分は排泄(はいせつ)される。牛乳のカルシウム吸収
率や蓄積率は小魚や野菜より高い。

 【質問3】

 「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」と述べているが、その科
学的根拠は。

 《見解》

 牛乳・乳製品の摂取を増やすと小児期では骨密度の獲得に寄与し、
中高年期では閉経後の骨量減少を抑制する。牛乳を飲むことでカル
シウムの摂取ができ骨粗鬆症の予防に有効であるとの研究も世界中
の研究者により報告されている。ハーバード大学が米国人7万80
00人を対象に、牛乳を多く飲むグループと少ないグループの骨折
リスクなどを12年間追跡調査した結果、「カルシウムを多く摂取
すると骨折発生が減るという証拠は見いだされなかった」が、牛乳
を多く飲むグループが骨粗鬆症になるとの記載はない。

 【質問4】

 「牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界4大酪農国であるアメリカ、
スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股(こ)関節
骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう」と述べているが、そ
の科学的根拠は。

 《見解》

 前述のハーバード大学の調査では、牛乳をたくさん飲むことで大
腿(だいたい)部骨折が多いとの報告はなく、骨粗鬆(そしょう)
症が多いとの報告もない。北欧の女性は他の国に比べ、大腿部骨折
が多い傾向にあるが、これは運動の種類・量およびカルシウムの体
内への吸収に大きなかかわりをもつ日光などの影響があるためで、
牛乳が原因とは考えられない。

 【質問5】

 「牛乳ほど消化の悪い食べ物はないといっても過言ではありませ
ん」「牛乳に含まれるタンパク質の約8割を占める『カゼイン』は、
胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです」と述
べているが、その科学的根拠は。

 《見解》

 牛乳タンパク質は胃の中で酸や酵素によって固まるが、消化され
にくくなることはない。カゼインは牛乳中ではリン酸カルシウムの
関与のもとコロイド粒子として存在し、内部はタンパク質分解酵素
が自由に入れる緩やかな構造で、容易に分解できる。カゼインは肉
のように熱を加えなくても、消化酵素によりそのままの形で消化可
能な優れた食品タンパク質である。

 【質問6】

 「日本ではここ30年くらいのあいだに、アトピーや花粉症の患
者が驚くべきスピードで急増しました。(中略)その第1の原因は、
(中略)学校給食の牛乳にあると考えています」と述べているが、
その科学的根拠は。

 《見解》

 学童期のアトピー性皮膚炎は環境要因が悪化因子となっており、
学校給食での牛乳の摂取には変化がないにもかかわらず、有症率が
減少(1992年17.3% 2002年13.8%)していると
報告されている。学校給食の牛乳が花粉症の原因とする報告もまっ
たくない。乳幼児期のアトピー性皮膚炎や成人の花粉症、アレルギ
ー性鼻炎などが増えているが、原因となるアレルゲンは環境の中の
花粉、ダニ、排ガスなどあらゆるものに起因している。

 【質問7】

 「市販の牛乳を(中略)子牛に飲ませると、その子牛は4、5日
で死んでしまうそうです」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》

 生まれてすぐの子牛は母牛の胎盤を通して免疫タンパク質を受け
ていないので、免疫成分を多く含んだ母牛の初乳を1週間ほど与え
る必要があるが、その後の子牛に温めた市販の牛乳を飲ませても健
康に全く影響はない。実際、生後4〜18日の子牛に市販牛乳を1
日4リットル与えた試験では、体調に何ら異常は認められず、順調
に生育している。

 【質問8】

 「ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんどが胃酸で殺
されます。(中略)腸まで届いたとしても、はたして常在菌と手を
取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか」と述べているが、
その科学的根拠は。

 《見解》

 ヨーグルトの健康効果は海外でも広く認められている。ヨーグル
トは乳酸菌が死滅しても、乳酸発酵生成物や菌体成分による健康に
対する効果がある。また、ヨーグルトの乳酸菌の中には“生きたま
ま腸に届く”ことが検証され、効果を発揮するものもある。

 ヨーグルトや牛乳成分は、腸内善玉菌の代表格であるビフィズス
菌などの腸内細菌に利用されることで、腸内細菌のバランスに影響
し、健康に有益な影響をもたらす。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703280008a.nwc
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この質問に回答が返ることはないと思います。もともと、こうい
う議論に耐えられるような学説ではありません。新谷氏の「牛乳有
害論」は単なる年寄りの妄想です。

 それを持ち上げる人というのは、2種類あると思っています。一
つはこれをネタに一儲けたくらんでいる人たちです。私はいつもい
う「詐欺師」にあたります。

 もう一つは「マクロビオテック」などの「思想」を持った人たち
です。日本では、本来は右翼反動であったはずの「自然食」思想が、
何故か左翼陣営に人気があるという現象が起こっています。社会主
義と自然食がどう結びつくのか、理解しがたいところですが、おそ
らくどちらも、自分を高みに置いて他を批判するスタイルが共通な
のでしょう。

 上の記事と同様の内容が、以下のサイトにもあります。
http://www.j-milk.jp/library/faq/8d863s000007e8iu.html

 こちらは牛乳の業界団体のサイトです。要するに今回「牛乳有害
論」に反論しているのは、業界サイドです。業界もここまで言われ
て黙っているか?と思っていましたので、私としては声をあげてい
ただいたのは歓迎です。

 一部には、「業界の言うことは信じられない」と考える人もいる
かもしれませんが、利害関係を明らかにした上での発言は、自分の
立場をあいまいにしている人の発言より信頼できると思います。

 新谷氏をテレビに登場させてしまった人たちは、この公開質問に
どう答えるつもりなのか、そこを追求していってほしいですね。何
しろ業界はテレビ局にとってはスポンサーなのですから、責任をと
るように強く迫ってほしいものです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回はたくさんメールをいただいたので、長くなってしまいまし
た。どうもありがとうございました。

 4月4日に朝日新聞の記者の取材を受けました。4月から始まっ
た企画で、毎週一つのテーマをとりあげ、その中に「食品添加物」
というテーマがあるのだそうです。4月中に記事になるそうですの
で、私の話も掲載されるかもしれません。

 私の書いた本『「食の安全」心配御無用!』は朝日新聞社の発行
です。記者の方もきちんと読んでくれていました。その上での取材
なので、喜んでお受けした次第です。週刊誌なんかの怪しげな記者
からの取材申し込みは敬遠させてもらっているのですが。

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