安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>384号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------384号--2007.03.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「酵素玄米・きのこ・国産小麦(Q&A)」
「濃縮還元果汁」

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ブログ毎日?更新中
http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「天然酵母」について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

パン酵母の表示方法について

 天然酵母という言い方は、消費者に対して誤解を与える表示方法
であることは間違いありませんので、生産者と消費者の両者に納得
のいく表示方法を模索し歩み寄るべきではないかと思いました。

 例えば、酵母を手作りしているパン屋さんの場合は、「手作り酵
母パン」とか「自家製酵母パン」などと表示する方法があるかと思
いますし、その他にも「天然」と表示しないで消費者に興味や好奇
心、購買意欲を与える方法は沢山あると思います。

 その他に具体的な酵母の名前を表示するのもその一つの方法では
ないかと思います。

サワー酵母、ブドウ酵母、アップル酵母、果実酵母、麦酵母、ライ
麦酵母、ホップス酵母、ビール酵母、酒酵母、日本酒酵母、ワイン
酵母、等々

 「お酒酵母パン」「ワイン酵母パン」とか書いてあるとなんだろ
うと思う人は多い筈ですよね。次回も購入するかは別として、一度
は試食したいと思うことは間違いないと思いますけど…。

どうでしょうかこの提案は?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 要するに名前のつけ方の問題だというのは私も賛成です。そして
もういい加減、「天然酵母」という怪しげなものはなくなってほし
いということで、この件は終りにしたいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.友人が酵素玄米を紹介してくれました。普通の玄米とは違うら
しいのですが、HPを見てもよくわからなかったので、一体どういう
ものなのか教えて頂けませんか?

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A.私もよく知らなかったのですが、以下のような記事をみつけま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 長岡式酵素玄米とは、玄米を小豆、塩と一緒に特殊な高圧力釜で
炊くことによって発酵させ、有機ゲルマニウムの発生した健康のパ
ワーあふれる玄米ご飯です。

 炊いた酵素玄米は保温ジャーで一定の温度を保ちながら、日に一
度かき混ぜ空気を入れてやります。そうすることにより発酵が促進
され、半永久的に腐ることもないそうです。

 味は、もちもちしたお赤飯のようで、とてもおいしいです。炊き
たてもおいしいのですが、3日くらい発酵させた頃から体にとても
いいご飯になっていきます。発酵が進めば進むほど、体にいい成分
も増え、食感はさらにもっちりとしてきます。

 酵素玄米を食べるには、まず講習会に参加し炊き方を習う必要が
あります。難しい炊き方をするわけではないのですが、洗い方や静
電気の分解作業などもありますし、火をつけてからも、タイマーで
25分、13分、15分、50分と計りながら、具合を見て火の調
節をしなければなりません。

 それらをきちんと守らず、我流で適当に炊くと、ちゃんと酵素や
ゲルマニウムが発生しなかったり、発酵があまり進まなくなること
があるそうなのです。そういう理由で、自然食酵素健康の会では、
発案者の長岡先生直伝を正しく行ってもらうために、講習会は必須
になっています。

http://homepage3.nifty.com/plan100/kousogenmai.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうも宗教的な団体が普及活動をしているようですね。講習会と
か専用の圧力釜とか、ナントカ商法の類かもしれません。

 宗教的なことについては論評する立場にはありません。しかし、
この記事を読むと私としてはとても気持ち悪くて食べられたもので
はないな、と思います。

 「発酵」と「腐敗」は区別できない現象です。玄米ご飯の腐った
ものにたとえどんな御利益があるとしても、私は避けて通りたいで
す。

 そういえば納豆だって大豆の腐ったものではないか、といわれそ
うです。確かにそうには違いないんですけれどね。

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Q.料理番組で「きのこは水洗いすると風味が落ちるので、洗わず
に使うとおいしい」と言っているのを何度か聞いたことがあります。
しいたけやしめじ、ナメコ、まいたけ、えのきなどいろいろなきの
こが売られていますが、すべて洗わなくても心配はないのでしょう
か?農家をやっている親戚の仲間で、きのこ農家の人が「しめじに
薬をまかないと全部ナメクジに食われてしまう」と言っていたそう
です。

 また、自家製できのこを原木栽培している人たちの話では、季節
によってはしいたけに白い糸のような虫が大量につき、水にひたし
ているとウジャウジャ出てくるらしいです。ということは、その虫
を発生させないように市販のしいたけは薬を使ったりしているので
はと考えてしまいます。

 一度生協に質問したところ「そんな話聞いた事ない」というお返
事でしたが、何かすっきり出来ずにいます。

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A.きのこの病気や害虫については、以下のページに詳しく掲載さ
れています。案外いろんなものがあるのですね。ただし、結論は以
下のようになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 きのこ栽培では、シイタケに限らず、使用登録のとられた農薬が
ほとんどないこと、農薬の使用は健康食品としての大きなイメ−ジ
ダウンになること、きのこが農薬を吸収する性質があるため食品安
全性の面からも問題があることなどの理由で、農薬に頼った害菌、
害虫の管理はできない。各種の生態を利用した耕種的防除を行うべ
きであり、それには、防除しようとする種を明確にすることが必要
である。

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/nourin/ringyo/fukyu/fukyu12/fukyu12f.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これを読む限り、一般に農薬の使用が多いということはないと思
います。

 きのこ類には、しいたけのように自然環境に近いところで栽培さ
れているものと、工場の中で生産されているものがあります。

 しめじ(ヒラタケ)を栽培している工場を見に行ったとき、一番
印象に残っているのは、巨大な圧力釜でした。栽培前の菌床を滅菌
するためのものです。こうしていったん無菌にしておいて、栽培す
る菌だけを植えるのです。

 よく考えると、きのこもカビの一種です。だから、実際問題とし
て、他のカビをやっつけてきのこには害のない農薬というのはでき
ないのではないか、などとも思います。

 ナメクジ用の農薬なら、使用できそうですが、そういう風にして
露地で栽培されたものがどれくらいあるかはわかりません。普通に
市販されているものは露地ではないと思います。

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Q.小麦の漂白について、今の国産小麦については残念ながら漂白
しなければ白い粉にはなりません。あなたは製粉業界の方ですか?
(先週のものを再掲載しています。)

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A.どなたからも助けがこなかったので、私の感想を書いておきま
す。

 東京でソバを食べると、ソバが白いのに驚きます。関西ではソバ
というのはもっと黒っぽいものだからです。ソバの色はそば粉を作
るとき、皮の部分が入ることによって黒くなります。ソバの実の内
側の部分だけを引いたものはほとんどまっしろな粉になるわけです。

 皮の部分が多いと、香がよいとか、少ない方が味がよいとか、い
ろいろいわれていますが、私にはその辺はよくわかりません。

 さて、小麦粉も同じで、粉にひくときのひき方で、いろんな色に
なります。今の製粉機では、最初に小麦の内側の方が粉になって出
てくるそうです。これは一番粉といって、まっしろな粉です。

 その後、周辺の部分が入ってくると、粉は白くなくなります。ふ
すまの部分までひきこんだものでは、かなり色がついてきます。

 小麦粉の色は基本的にこのようにして決まるということです。国
産小麦であっても、同じことです。同じ小麦から、白い粉も、白く
ない粉も作ることができます。

 それでは、なぜご質問のような認識が生まれたかということを、
私なりに推測してみます。

 まず、国産小麦でパンを作るということがよくあります。これは
小麦の性質上、かなり難しいのです。グルテンが質量ともに不足す
るのですね。量の方はタンパク質の多い周辺の部分をひきこむこと
で補うことができます。だから、国産小麦パン用に、白くない小麦
粉を使っているということは想像できることです。

 この事実をもって、国産小麦の小麦粉は白くない、という認識が
できてしまったのではないか?というのが私の推測です。あたって
いるでしょうか。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「濃縮還元果汁」
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 どうして「濃縮還元果汁」の話を書く気になったかというと、こ
のところハマっている「おいしいチューハイ」のことで気になった
のです。

 缶チューハイというジャンルのお酒があります。「チュー」は焼
酎のことで、「ハイ」はハイボール、つまり焼酎のソーダ割です。

 しかし、実態は焼酎というものではなく、よく言えばスピリッツ、
悪く言えば醸造用アルコールを炭酸水で割って、だいたいが果実系
の味をつけたものです。

 飲み屋では無果汁の香料を入れるだけのところから、レモンやグ
レープフルーツを生のままで出してくるところまで、いろいろです。

 私は個人的な事情で、ビールを避けています。そこで手軽な飲み
物として缶チューハイを飲むのですが、味はメーカーによって違い
ます。

 いろいろ試した中で、群を抜いておいしいのが、その名も「おい
しいチューハイ」です。なぜおいしいかというと、「果汁50%」
という表示があるのです。これはちょっとすごいです。

 「氷結」や「−196」とか、果汁をいろいろ工夫しておいしく
しようとしているのですが、果汁の量は微々たるものです。以前は
よく飲んでいましたが、このごろは果汁の味を感じなくなってしま
いました。やはり果汁50%の威力は絶大です。

 さて、リンゴ、グレープフルーツ、桃、オレンジとあるシリーズ
のすべてがストレート果汁なんだろうか?というのが疑問になりま
した。

 ジュースでも市販のものはストレート果汁と濃縮還元果汁とがあ
り、表示を見ればわかるようになっています。このあたりの事情に
ついては、以下の記事がよくわかります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

天然果汁には「濃縮果汁還元」の文字の付いた製品と「濃縮果汁
還元」の文字の付かない製品の二通りがあります。二つの違いは、
製品化するときに製造方法の異なる原果汁を使用していることにあ
ります。

 「濃縮果汁還元」の文字の付いた製品に使用される原果汁は、水
分をある程度蒸発させる工程(これを濃縮工程といい、果実の種類
により異なりますが、1/4〜1/6程度に濃縮されます)を通し、
濃縮された果汁の状態でドラム缶などに密封し、保存して置いたも
のを使用しています。

 この濃縮果汁を原料として蒸発させた分の水分を補い元の搾汁の
状態(果汁100%)に戻して製品化されたものが、天然果汁(濃縮果
汁還元)という製品となります。

 もう一つの「濃縮果汁還元」の文字の付かない製品に使用される
原果汁は、果実を搾った状態で18リットル缶やドラム缶に密封し低
温保存して置いたもので、濃縮という工程を通していない原果汁を
使用しているものです。

 つまり、原果汁が濃縮という工程を通されたものとそうでないも
のの違いがあるため、日本農林規格では「濃縮果汁還元」の文字を
表示させることにより、製造方法の違いを示し消費者の選択の目安
としています。

 また二通りの製品が製造される理由としては、果実類は通常年1
回の収穫で搾汁されますが、その時1年分の製品を造りきれないこ
とと果汁を濃縮した状態で保存することによって一年中安価で安定
的に果汁飲料を供給するためです。

 濃縮果汁を原果汁として使用している製品に対し、搾汁された状
態で低温保存された原果汁を使用した物は「ストレート物」と言わ
れています。

 濃縮という工程を通していないため、熱による品質への影響がよ
り少ないことから、生産量が増えてきていますが、このストレート
物のうち、果実が搾汁されると同時に製品化される物が「シーズン
パック物」と言われています。

http://www.cfqlcs.go.jp/administrative_information/
public_relations_magazine/kouhousi/question_and_answer_of_food/qa03.htm

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 濃縮還元の弱点は、加熱による品質の影響で、具体的には揮発性
の成分が失われてしまうのです。だから還元の時点で香料を添加す
るのが普通です。濃縮時に蒸発したものを凝縮させて香料として使
っていると考えられないことはないです。

 さて、「おいしいチューハイ」が濃縮還元果汁を使用しているの
か?ということは表示を見てもわかりません。果汁として売られて
いるものはわかるようになっているのに、果汁50%使用と書いて
いても、お酒だと表示義務がないようです。

 このあたりいつも思うのですが、酒類は表示の面では特権階級な
んですね。明治のころは酒税の収入が国庫を支えていたという事情
もあるのでしょう。また、政治力抜群の酒造業界の力だ、という言
い方もできます。

 とにかく、酒類に関しては他の食品と違って、表示は非常にお粗
末であり、それが公認されています。食品メーカーがあんなに厳し
く規制されているのに不公平感があると思います。

 念のため、タカラのサイトを見に行きました。きれいな画像があ
るだけで、情報はほとんどない情けないページがあるだけでした。
商品としては抜群のデキであると強く支持しているのですが、これ
は残念です。酒のメーカーももっと消費者に開かれた体制をとって
ほしいものだと思います。

 まあ、私の疑問なんかはどうでもよいことではあるのですが。そ
れから、酒は控えろ、というようなツッコミはご勘弁をお願いしま
す。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「あなたは製粉業界の方ですか?」という質問には答えていなか
ったので、ここで書いておきます。

 私は以前、某生協に勤めていて、そこで商品担当をしていました。
その関係でこうしたメールマガジンを発行している、ただのヒマな
オヤジです。現在は某情報産業会社でソフトウエアの開発などをし
ています。したがって、食品の領域に関しては全くの趣味というこ
とになります。

 ついでに宮沢賢治学会の理事もやっていまして、宮沢賢治に関す
るメールマガジンも出していますので、よろしくお願いします。 

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