安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>380号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------380号--2007.02.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「天然酵母・有機農業(Q&A)」
「健康食品」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中
http://www.kenji.ne.jp/blog/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回にお手上げだった「なまこ」について、情報をいただきまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも役に立つ情報をありがとうございます。

 なまこの件です。

 これは専門家が少ないと思うので直接の返答にはなりませんが関
連情報を送っておきます。以下は私の経験なので具体的な数値がな
く申し訳ありません。間違いや反論がありましたら是非教えてくだ
さい。

 なまこが消化しやすいという話は有名ですよね。海中から活きた
なまこを引き上げると水分が出て小さくなるほかに、数時間で自己
消化でどろどろに溶けていきます。これを新鮮な状態に近いまま食
べるには消化酵素の失活しかありません。通常の方法は酢でpHを下
げること。熱湯で酵素を壊すことです。

 酢でしめたものは歯ごたえがありプリプリしておいしいとも言え
ますが歯の悪い人に食べにくいぐらいの硬さです。熱湯にくぐらす
ときは漬ける時間と温度の程度が難しく、さっと通せば酢でしめた
ものと同程度の歯ごたえ、さらにだんだん柔らかくなり、これを通
り越すと今度はプリプリではなくゴムのような弾力になっていきま
す。

 以上をもとに「ぶよぶよ」という表現を判断すると溶けていない
ところから見てたぶん熱湯をくぐらせてあり(ブランチング)、そ
の程度がいつも食べている時の様子と違っているのではないかと思
います。熱湯が適度に通ってとてもやわらかいか、熱湯に漬けすぎ
てゴム状になっているのではないでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 明快な解説ありがとうございました。これでQ&Aの方にも掲載
できます。次は食品添加物の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先週木曜日、消費生活講座を聴講してきました。テーマは「食品
添加物を正しく理解していただくために」というもので、業界団体
の日本食品添加物協会の佐仲さんが来市していただきました。最初
は難しい話が続くなぁと思って聞いていましたが、それでも以前に
書いた群馬大学・高橋教授が言われていることとまったく同じこと
を言われていて、実はほっとしていました。あまり奇妙奇天烈なこ
とを言っていたら中座しようと思っていたくらいでして・・・。

 肝はむしろ安全と安心の乖離という部分で、関西テレビ「あるあ
る大事典」捏造問題のきっかけになったフードファディズムを、時
間の関係ではしょりながらではありますがお教えくださりました。
それが助かりました。

 講義を聴いてふと考えましたが、食品添加物がもとで死んだ人の
ことを30年以上生きていますが聞いたことがありません。むしろ飢
え死にした人なら北朝鮮の例を引っ張り出すまでもなく、日本でも
まれに聞きます。児童虐待の延長で餓死したこどもがいたことがあ
るほどですから。恥ずかしながらこれが同じ府内でのできごとでし
た。去年でしたか。最近でも介護放棄で死んだ人がいるくらいです。

 でも、業界団体ももっと添加物のことを新聞広告などで、広く知
らしめるようにしなければいつまでたっても誤解が解けず、結果的
に奇妙奇天烈な本が売れる(しかしその後パタリと売れ行きが止ま
りますが)ことになると思います。その点は団体にもがんばっても
らわなければなりますまいね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食品添加物については、食品業界自身にも責任があると思います。
まじめにやっている企業が多い中、業界全体をいっしょに言うのも
悪いのですが、いまだに自浄作用の働かない企業も存在しているこ
とは事実です。

 私としては、消費者への宣伝よりも、業界全体で品質レベルの向
上に努めることの方を業界には期待したいです。

 そのためには工場の整理・統合などの近代化のプロセスが必要な
のですが、これが世の消費者といわれている人たちには評判がよく
ないのです。

 真に消費者の味方になれるのは、設備や手順が近代化された工場
だと思います。しかしいまだに大企業は敵だ…といった感情が強い
のが困ったことです。

 そして、その原因にも、企業側に責任がある、と考えています。
なんだか堂々巡りですが。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.毎朝、パン食にしています。最近、イーストフード無添加と書
いたパンもあり、イーストやイーストフードは、添加物で、天然酵
母は自然のもので、添加物ではないから毎日食べるには、天然酵母
の方が体にいいと思い、天然酵母の乾燥した物を購入し、1日かけ
て発酵させてパンを作っています。が、これは私の勝手な思い込み
でしょうか?

 それと、時が重なったからかどうかわからないのですが、天然酵
母の種を発酵させて、パンを作りだしてから、去年の梅雨前位から
家の中の台所の木製の家具が、ほとんどかびて、廊下の木の壁も白
いカビが異常に発生しました。他の部屋もかびが、発生しやすいよ
うに思うのです。白いほこりのような、綿のようなふわふわとした
ようなかびです。今までこのような事はなかったのですが、たまた
までしょうか?

 カビの発生と関係はあるのでしょうか?教えて下さい。よろしく
お願いします。

------------------------------------------------------------

A.「天然酵母の方が体にいい」というのは単なる思い込みです。
残念ながら、「イースト」と「天然酵母」は同じものです。

 「イースト」というのは酵母の英語 yeastをそのままカタカナ表
記したものです。また、「天然」というのもおかしな話で、乾燥し
て売っているのに天然のはずがありません。動物園の虎を「野生」
というようなものです。

 違いは一般にパン用に選抜された酵母が「イースト」として市販
されているのに対して、野生酵母から育てたものを(取得元は不明
ですが)同じように市販するとき、「天然」というインチキ表示を
したということです。一般に天然酵母として売られている方が能力
は低いと思います。

 自分で酵母を培養してパンを作る方法もあります。この場合でも、
培養する元の酵母は市販の「生イースト」などの方がよいのではな
いでしょうか。「天然酵母」は名前からしてインチキと思いますの
で、私はおすすめしません。

 イーストは酵母のことで、いわば原料ですが、「イーストフード」
は複数の成分で構成される食品添加物です。名前のとおり、酵母の
栄養剤と考えるのが基本です。酵母も生物ですので、「炭水化物を
アルコールと二酸化炭素に変える」といっても、ビタミン・ミネラ
ルなどはやはり必要ですので。

 ただ、このイーストフードにパンの品質改良剤が含まれていたり
したので、問題となった経緯があります。現状ではほとんど問題と
なるようなものは含まれていませんので、イーストフードという食
品添加物を使用したものも、イーストフードは使用せず、他の成分
で補ったものとでは安全面では違いはありません。品質としては安
直でない分、イーストフードを使用していない方をすすめたい気も
しますが、必ずしもイーストフードを使用しないものが品質がよい
というわけではありません。

 酵母とカビは違うのですが、実は同じ種類の生物です。酵母にと
ってよい環境はカビにもよいのかもしれません。でもこのあたりの
関係は私にはよくわかりません。

------------------------------------------------------------

Q.有機農業についてですがなぜ遺伝子組換え作物がダメで突然変
異育種のものが認められるのでしょうか?とにかく「自然」を重ん
じる人たちからしたら「放射能」を浴びせたり、化学薬品を使った
突然変異育種なぞ嫌ってもいいはずなのに。無知の結果ですか?結
局有機とは雰囲気や情緒で決められているのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.有機農業は高尚な理論によって組み立てられたものではなく、
一つのビジネスモデルとして考案されたものです。ここではいかに
消費者にアピールするかが最も大切なことになります。

 「遺伝子組み換え作物」がよい悪いではなく、話題になっている
ものであるから、アピールするポイントになる、という判断が働い
ているわけです。

 また、一般育種ならOKというのも、単にそれらの内情が知られ
ていないというだけの話です。そもそも遺伝子組み換え作物も、馬
鹿な企業が独占を企てたりしなかったら、同じように認めてもらえ
ていたと思います。

 決して「雰囲気や情緒」でそうなっているのではないです。あえ
て言えば「商魂」ですね。

 これは有機農業を批判して言っているのではなく、こういう商魂
たくましい有機農業が育って行ってほしいと考えています。

 ただ、こうした商売に利用された方は迷惑だというのも事実です。
このあたりが洗練されていって、他に迷惑にならないアピールをで
きるようになることが望ましいのですが、元々が「反近代」的な思
想を背景にしていますので、難しいところがあります。

 斉藤美奈子さん風に言えば「有機農業は商魂と疑似左翼思想の結
合である」というところでしょうか。こんなことを言っていては応
援にならないですが…。

------------------------------------------------------------

Q.質問1 水田に枯葉剤と同類の成分が入った除草剤が、水田や
林に使われました。なぜ、行政は水田の枯葉剤の成分を調査しない
のでしょうか。

質問2 平成9年にラジコンヘリで有機リン農薬の空中散布が、始
まりました。その年に日本の自殺者が1.7倍になりました。化学
物質過敏症の人は分かるのですが、水田の近くは、有機リン農薬の
濃い空気をみんな吸っています。有機リン農薬はサリンと同類であ
り、神経ガスです。日本のコメは世界一の有機リン農薬米です。本
当にこの国の空気は安全なのでしょうか。自殺者の多くは鬱病にな
っています。サリンは元々ドイツ軍が使用した神経を犯す毒ガスで
す。有機リン農薬は、神経ガスであり、脳の酸素を奪い事は、動物
実験で立証済みです。世界一の有機リン農薬使用国家に、全く農薬
被害者がいないのは何故なのでしょうか。

------------------------------------------------------------

A.こういう質問は「農薬ネット」あたりがふさわしいのですが、
私なりに書いてみます。

 「枯葉剤」というのはなんでしょうね。一般に「枯葉剤」という
ものが売っているわけではないでしょうが、やはりこれはベトナム
戦争のときにアメリカ軍が使ったという薬剤のことでしょう。

 除草剤を空中散布して、ジャングルを枯らそうとした、乱暴な作
戦でした。一定の効果はあっても、熱帯のジャングルを甘く見てい
たと思います。

 ということは、「空中散布した除草剤」を俗に「枯葉剤」と言っ
ているわけですから、「除草剤に枯葉剤と同類の成分」というのは
当たり前の話です。

 また、除草剤も農薬ですから、当然農薬の登録をしており、審査
もされています。だから質問1は質問の前提が違っていると思いま
す。

 農薬の空中散布が始まった年に日本の自殺者が増えた、というの
は因果関係としては無理があります。農薬中毒者が増えたというの
なら、急性毒性の問題とも考えられますが、自殺者との因果関係な
ら急性ではなく、慢性の毒性を考えているはずです。ということは
同時におこった事象であれば、農薬の空中散歩は自殺者の増加に関
しては完全に無関係です。

 少しでも吸い込んだら、すぐに自殺したくなるような薬品があれ
ば別の話ですが、そういうのはSFの世界の話です。

 結局、「世界一の有機リン農薬使用国家に、全く農薬被害者がい
ない」という部分だけが事実をそのまま記述されていると思います。
何故か?というと、いくつか理由があげられます。

(1)有機リン農薬がそれほど強い毒性を持っているわけではない。

(2)日本の農家ではこれらの農薬を適切に使用している。

(3)被害が出るような汚染がおこらないよう、市場の監視も有効
に機能している。

 こんなところでしょうね。以上は私がそう考えているというので
はなく、「何故か?」という質問の答えとしては、こんなことが考
えられるということです。事実かどうかまでは保証しませんので、
ご了承お願いします。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「健康食品」
------------------------------------------------------------

 前回「食品と虫」の話を書きましたが、さっそくこんなニュース
がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

明治製菓チョコにガの幼虫が混入、10万個自主回収
2月17日14時41分配信 読売新聞

 明治製菓(東京都中央区)は、期間限定のチョコレート製品「大
粒たけのこの里ビターチョコレート&ホワイトチョコレート」にガ
の幼虫が混入していたとして、17日から同製品約10万個の自主
回収を始めた。

 同社によると、今年1月16日から今月16日にかけて、東京や
山梨、福岡など1都6県の購入者らから「袋の中に虫が入っている」
などと8件の苦情が寄せられ、返品された5個を調べた結果、いず
れもノシメマダラメイガの幼虫が確認された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070217-00000104-yom-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アメリカ流の理屈なら、問題ないとしそうなところですが、日本
ではそうもいきません。食品業界もたいへんなものです。

 そこでいろんな情報を発信して、「信者」をつくってしまうと楽
に儲かる、という商法が登場してきます。

 以下はそんな商法に対する、批判的な情報が書籍にまとめられた
というニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

<健康食品>被害例集めた「中毒百科」出版 筑波大名誉教授

2月14日10時44分配信 毎日新聞

 健康やダイエットへの関心が集まる中、健康食品や漢方薬などに
よる健康被害例を集めた「健康食品中毒百科」(丸善、2940円)
を中毒学の第一人者の内藤裕史・筑波大名誉教授(75)が出版し
た。内藤さんは「健康食品や生薬、漢方薬は西洋医薬と違い副作用
がないと一般に信じられているが、影の部分もしっかり見つめて付
き合ってほしい」と訴えている。

 学術雑誌に発表された計1085本の論文から引用した国内外の
健康被害事例を分析し、▽やせ薬▽健康食品▽漢方薬・生薬の3分
類で計56項目にまとめた。

 内藤さんによると、健康被害に共通するのは(1)少量なら無害
な成分も、錠剤などで大量に摂取することで被害を招く(2)安全
だと信じてとり続け、被害が深刻化する(3)栽培、抽出、製造過
程で混じる不純物(重金属など)が悪く働く場合もある、といった
点だ。

 ダイエット目的で植物のアマメシバを摂取した女性に重い呼吸器
障害が多発したケースや、テレビ番組で「やせる」と紹介され、ま
ねた女性に下痢などの被害が続出した白インゲンなどは、「自然の
ものは体にいい」という思い込みが招いた被害の典型だという。

 この他にも、アガリクスを飲んだが肝機能障害になった▽エビや
カニの甲羅からとれるキトサンを摂取した喫煙者が肺炎を起こした
▽ウコンを摂取した肝硬変患者が症状を悪化させて死亡した――な
ど、具体的な被害例を数多く紹介している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070214-00000021-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この本の内容については、私は読んでいませんので評価できませ
ん。こういう情報があると意識しておいた方がよいかな、と記事を
読んで感じましたので、機会があれば読んでみたいですね。

 いつも書いていますが、健康食品は無害であることに意味があり
ます。特に毎日同じ健康食品をとりつづける場合、どんなものであ
っても無害であり続けることは難しいです。

 一般の食品も同じことで、毎日同じものを食べても問題ない食べ
物は少ないと思います。できるだけいろんなものを、少しずつ食べ
るのが安全対策になるわけですが、健康食品はそうもいかないのが
問題のところです。

 したがって、健康食品に要求される安全レベルは、一般の食品よ
り高くないといけないわけです。これは食品添加物が一般の食品よ
り高い安全性を求められているのと同じ理由です。

 ところが食品添加物の場合はそういう基準で運用されていますが、
健康食品にはそういう制度がなく、法的には一般の食品と同じ扱い
になっているところが問題であると考えています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 昨日から突然、メールが送信できなくなって、困っていました。
私の家はケイ・オプティコムの光ファイバーを引いていますが、こ
こが突然自社サーバー以外でのメール送信をできないようにしてし
まったのです。スパム対策としては理解できるのですが、突然通告
なしというのは困ったものです。(すでに解決しました。)

 毎週、土曜日の朝に買い物に行きます。帰りにいつもは無視して
いるカツの売り場で、トンカツがおいしそうだったので、つい買っ
てきました。おかげで夜になってもお腹にもたれています。若いこ
ろはよく食べたのですが、歳のせいでしょうか、こういうのには弱
くなってしまいました。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-380号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4744名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/