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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------375号--2007.01.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ベーコン・かんすいQ&A」「不二家」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 不二家の事件について、さっそくこんなお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 こんにちは、いつも面白く読ませてもらっております。

 「不二家」(本社・東京)が昨年、消費期限が切れた牛乳を使っ
たシュークリームを製造し、関東などに出荷していたことが分かっ
た。
http://www.asahi.com/national/update/0110/TKY200701100407.html

と本日の朝日web にありましたが、不二家の今回の行動は、道義か
ら外れ、食品加工メーカーとして許されない・・との判断以外の渡
辺さんの説明がいただけたらと思い、メールしました。

 新聞では道義的に外れる事も法律違反の事も区別なく報道され、
このように新聞に載せられることがすべて悪との世間評価の中、え
ー、こんなことまで報道する・・と感じる報道もあります・・・。

 もちろん黄色ブドウ球菌の毒素発生後の殺菌処理で食中毒の例も
あるから消費期限を守った原料を使用するのが企業として守る最低
限のルールと思いますが、消費期限を外れた原料を検査して衛生状
態が良好で使用し、シュークリームについて消費期限を設定すれば、
不二家の保証が新たに設定されたことにならないのかと疑問に思い
ました。なにか問題が起きた時、不二家は牛乳メーカーに責任を問
うのは難しいのでしょうが。

 そのあたり、法律的にも渡辺さんの解説がいただけたらありがた
いです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件で気になるのは隠蔽工作です。印象としては隠蔽工作をし
ようとして失敗したということではないか、と思うのですが、そも
そもの発端が社内での調査だったということで、その社内調査の頻
度はどうだったのでしょうか。

 日常的に調査しているのにひっかかったのであれば、偶発的な事
件と考えられますが、そうでなくて賞味期限超過の方が日常的で、
たまたまやった調査に当然ひっかかった、ということの方が可能性
は高いように思います。

 商品回収のマニュアルどころか、賞味期限切れの原料を廃棄する
マニュアルもなかったといいますから、日常的に違反が発生する環
境であったと思って差し支えないです。

 さて、賞味期限切れの牛乳を使うことがそんなにいけないことな
のか、というとおっしゃるとおり、私はゆるされてもよいことだと
思います。しかし、そのためには「わが社では原料は賞味期限には
かかわらず、自主的な検査によって使用し、製品の安全には責任を
持って対処しています。」と天下に広言する必要があります。

 それでとおるほど世の中甘くない、というのが現実です。正論で
あっても、気持ち悪いと思われるだけでマイナスですし、ネガティ
ブキャンペーンの絶好のネタを与えてしまいますので、こういう判
断をする企業はないといってよいでしょう。

 社会に対するタテマエは不条理でも守らねばならないが、製造現
場のホンネは別に存在する、という矛盾が広範に存在していると思
います。どこかで誰かが、ウソをつくことでこの矛盾は存在するこ
とができるわけで、その辺をわかった上でウソをつかせる経営者、
あえてホンネを隠すことが美徳と考える現場の責任者、そんな構図
があるのではないでしょうか。

 全体としてはやはり氷山の一角なんだろうな、と思っています。
食品産業から一切のウソがなくなる日が来るのかどうか…私は悲観
的に考えています。だから正直者が得をする社会であってほしいと
思うわけで、そういう意味ではマスコミの論調も我慢しなければい
けないのかな、と考えているところです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.半年前に賞味期限が切れたベーコン(圧縮パックのような包装
で未開封)をたべてしまいました。ちょっと酸っぱかったのですが
大丈夫でしょうか?また何かを食べたり飲んだりしたら症状が抑え
られるようなものはないですか?

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A.さすがに半年もたてば味は変っているでしょうね。真空パック
されていて、腐敗などはそれほど進んでいなかったようですが。

 こういう場合、食べてしまってから大丈夫でしょうかもないもの
で、別に症状がでなければ何ということもありません。文面からは
たぶん何も症状がないと思いますが、いかがでしょうか。

 賞味期限についての私のおすすめは、悪名高い2ちゃんねるのも
のですが、以下のスレッドです。
賞味期限をぶっとばせ!
http://food7.2ch.net/test/read.cgi/food/1166491076/

 いろいろととんでもないものを食べた報告がありますが、みんな
意外と真剣にチェックしています。食べた後にひどい目にあったり
もしていますが、いずれにせよ、笑ってすませられるようなものば
かりです。

 症状がでたら対症療法、でなかったら心配なし、シンプルなもの
です。そもそも、食べてしまってから心配しても仕方ないですよね。

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Q.ラーメンに使われているかんすいが、良くないと聞きましたが、
一方では気にしなくて良いとも聞きます。本当はどうなのでしょう
か?妊婦や胎児、乳幼児に対する影響が気になっています。

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A.かんすいとは何か、ということですが、要するにアルカリ剤で
す。小麦粉を練るとき、アルカリにしておくと、色が黄色くなると
ともに、独特の粘りが出るのです。これが中華麺の特徴です。

 アルカリが強いので大量に食べてよいものではありません。ラー
メンが消化がよくないと言われるのは、主にこのアルカリのためで、
お酒の好きな人は酔っぱらってからラーメンを食べて、ひどい目に
あったという経験のあるひとも多いでしょう。

 小さな赤ちゃんでは胃酸の働きが弱いので、アルカリのものはあ
まりよくないような気がします。しかし、「影響が気になる」とい
うときはたぶん慢性的な影響のことを考えていると思いますが、食
べ物でそんな影響のあるものはめったにありません。

 一番怖いのは栄養の偏りだと思います。かんすいがよくない、と
いう宣伝は主にラーメンを売っているところが多く、自社の製品を
売るための宣伝文句という範囲を越えません。信じるも信じないも
自由ですが…。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「不二家」
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 不二家の賞味期限報道について、もう一つメールをいただきまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 昨日今日と不二家の事件が大々的に取り上げられ、マスコミの論
調は賞味期限切れのものは、全て廃棄すべきと消費者向けに媚を売
っている様に見えますが、賞味期限が政治的に決定されている事を
知らない消費者は、賞味期限が過ぎれば食べられないと認識してい
る様です。

 政治的とは農林水産省と厚生労働省の力関係なのですよ。それ故
に、アメリカの様に食品医薬品局の様な仕組みを作り、医薬品と同
じ観点で食品のルールを作ればよいのです。

 マスコミの今回の報道は、あの雪印を思い出しますが、この日本
のマスコミの問題は、事件がおきたらにぎやかに報道し、予め事件
が起きない為の報道は行わない、まるで交通違反の取締りを行う警
官の感覚とまったく同じ、第二の権力と言われる匂いがプンプンと
します。

 そうでしょう、今日が賞味期限の日ならば、今夜の11時59分59秒
までは食べられるが、一秒でも過ぎた明日の0時0分01秒からは食べ
られない食品と云う事になるかと思われます。

 こうしたヒステリックな報道は、ますますエスカレートして海外
からの笑いものになる事間違いありません。日本人の姿はかつての
エコノミックアニマルに似て、行政が政治的背景を考慮しながら、
事細かに法律を作った事によって、矛盾や破綻が起き始めた何者で
もありません。問題は一日過ぎた牛乳では無く、細菌が多かったか
・味が悪かったかの問題であって、その検査もせずに原料として使
用した所にあるのです。

 ところでマスコミのニュースにも賞味期限はあるのでしょうか。
同じニュースを一日中聞かされると、気分が悪くなってくるのは、
一種の食中毒と同じですが。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 感覚的には私も同じように思うところがあります。ところで、こ
のニュースでは、賞味期限切れ以外に細菌数の問題についてもとり
あげられています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 シュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で11
日、会見した菓子メーカー大手、不二家の藤井林太郎社長は、食品
衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌が検出された洋
菓子「シューロール」を出荷していたことを明らかにした。同社は
「発覚すれば(解体的出直しを迫られた)雪印乳業の二の舞いは避
けられない」との内部文書を作成しており、問題を隠し続けようと
した形跡もある。

 不二家によると、昨年6月8日に埼玉工場(埼玉県新座市)で製
造したシューロールで、基準を超える細菌が検出されたが、そのま
ま113本を出荷した。消費期限を社内基準より1日長くしたプリ
ンの出荷も判明した。また、同工場では04年に1カ月で50匹の
ネズミを捕獲、06年夏以降も2匹捕獲しており、衛生上も問題が
あった。

 一方、内部文書は社内の調査チームが作った報告書に添付されて
いた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070112-00000023-maip-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 テレビでやっていたところでは、基準としては1グラムあたりで
10万、社内基準は1万のところ、100万個だったということで
す。

 しかし、この細菌数検査はどうやっているのでしょうか。通常の
細菌数検査は、培養試験ですから、1日はかかります。牛乳の場合、
この検査結果が出るまで出荷してはいけないことになっています。
だから製造年月日が当日になっている牛乳は疑ってみるべきなので
す。

 洋菓子というと製造してすぐに販売するのが普通なのではないで
しょうか?それとも冷凍保存などして、翌日以降に販売する商品だ
ったのでしょうか。このあたりがよくわかりません。

 結果がけではなく、その検査の概要やチェックシステムについて
も報道してくれるとよいのですけれどね。

 それから、こんなニュースもありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 大手菓子メーカー、不二家の埼玉工場(埼玉県新座市)で製造さ
れたシュークリームに消費期限切れの牛乳が使われていた問題で、
2〜3年前にも同工場が消費期限の切れた卵を使ったシュークリー
ムを出荷していたことが分かった。昨年9月に設置した社内の構造
改革チーム「2010推進プロジェクト」の調査に対し、パート従
業員の1人が証言していた。数年前の管理不備が明らかになったこ
とで、消費期限の切れた食材使用が常態化していた疑いが強まった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070114-00000006-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 まずは袋叩き状態ですが、水に落ちた犬を見ると叩かずにはいら
れない、マスコミの性なんでしょうね。

 ところで、このニュースではじめて「社内の構造改革チーム「2
010推進プロジェクト」」というものが存在していたことを知り
ました。

 昨年秋にこうしたチームを作って現場の調査に入り、さっそくい
くつも問題を発見した、ということなのでしょう。そしてこれはた
いへんだという報告書をまとめ、(その時点では公表しない=隠蔽
も考えながら)社内で報告し、意志決定できないままでいたところ、
どこかからこの情報がマスコミに漏れたのだと思います。

 社内で構造改革しようとしたのはよかったのですが、現場の改革
を先にするべきところ、調査から入ったのですね。私だったら、ヤ
バそうな現場については報告書なんか作らないです。いきなり何と
かするしかないのに…。

 不二家がこういう状態だとすると、他のメーカーはどうなってい
るのか、という疑問もわいてきます。日本の食品産業は衛生面での
取り組みが遅れていて、国内産が必ずしもよいというわけではない、
と主張してきましたが、今回ははからずも私の主張が裏付けられた
形です。

 最後に、同じようなニュースで、こんなのがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 コンビニエンスストア大手のローソンは13日、11〜12日に
19都道県の計482店舗で販売した弁当に、賞味期限の切れたし
ょうゆを入れていたとして、自主回収を始めた。

 回収対象は「焼鯖(サバ)寿司」(525円)と「にぎり寿司」
(580円)の2種類で、販売数は計1000個弱。弁当本体に記
された消費期限よりしょうゆの賞味期限が短く、一部は販売時点で
しょうゆの期限が切れていた。商品かレシートと引き換えで返金に
応じる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070113-00000104-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たかが添付の醤油の賞味期限切れで回収とは何と大げさな、と思
う人も多いと思います。この時期ですので、宣伝の臭いを感じると
いう声もありました。

 しかしこれはたぶんマニュアルどおりに処理しているだけだと思
います。衛生管理基準には、醤油の賞味期限切れについても、対処
の方法が書いてあり、連絡を受けてそのとおりに処理をしたのでし
ょう。

 自動車のリコールなんかも同じですが、内容によっては割とどう
でもよさそうなこともあります。それを毎回判断していると、どう
しても判断にブレを生じますし、担当者はことなかれ主義的に動き
がちなものです。あらかじめ詳しく決めておいて、その場では判断
せずに決められた手順に従うのが正しいやり方です。

 宣伝にのせられているのかもしれませんが、やはりコンビニ業界
はレベルが高いな、という印象を持ちました。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回は前後二つのところに不二家のことを書きました。上の欄の
方は先にいただいたメールをとりあげて、あらかじめ書いてあった
のですが、間際になってもう一つメールをいただいたので、それも
とりあげてみました。ついでにニュースも紹介することにしたので、
別の欄としました。

 メールの内容が二つとも「不二家けしからん!」というものでは
なかったのがおもしろいですね。みなさんの感想はいかがでしたで
しょうか。

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