安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>372号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------372号--2006.12.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「有機農業推進法」

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(連載)知事選挙/般若心経/ダメな議論
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--〔話題〕--------------------------------------------------

 いただいたメールを紹介します。まず、ヨーグルトとスプーンの
話について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 下記の件、世の中のほとんどのヨーグルトは乳製品工場のステン
レスタンクでできています。いろいろな問題で発酵不良を起こすこ
とがありますが、金属のタンクが原因で乳酸菌が死んだという事故
は一度もありません。

 以前金属スプーンの使用についての話題がありましたが私の経験
をひとつ。

 以前歯の詰め物として金属アマルガムをたくさん(約10本)使用
していましたが、ちょっとしたことがきっかけで(陶器製と言えば
わかりやすいと思いますが)ポーセレン製の義歯に換えました。

 以前はステンレスのスプーンでヨーグルトを食べると、化学反応
で口の中で電流が流れて嫌な味がして、プラスチックスプーン等を
使用していました。

 しかしポーセレンにした時からこの味はまったくなくなり、今で
はステンレスのスプーンでも全く異常がありません。

 ちなみにポーセレンに換えた理由は健康志向ではなく、私がヨー
グルト製造に関わっていて日常業務に不便を感じたからです。

 たぶん上記のような経験者が多くて、金属スプーンが嫌われてい
るからではないかと思いますがいかがでしょうか?最近良く使用さ
れる静菌仕様の銀や銅であれば何か生物学的な反応がおきるかもし
れませんね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は「食育」についてです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深くメルマガ拝読しております。いといろな点で違う
見方をさせてもらえるので勉強になりますね。

 さて、食育についてですが、確かに渡辺さまもおっしゃるとおり
税金を使って役人からあれこれ言われる筋合いのことではないと思
います。

 こういうことは草の根運動であるべきなのに、役所がすぐ出てく
るところがとっても日本だなぁ、と実感しています。

 ただ単なるノスタルジーという見方はいかがなものでしょうか?
インスタント食品や外食はそれなりに進化していると言っても、添
加物の心配や、塩分、油分の摂取過剰はまぬがれないと思いますし。

 カルシウム不足が原因のイライラ感もよく知られるところですよ
ね。世の中が万事お手軽な方向に向いている今こそスローフードの
見直しというのは意味があると思うのですけれど。

 メルマガに引用されていた学校の栄養士さん(?)の意見は非常
に頷けました。こういうことが総体的な動きになったとき、必ず非
難されている、と感じる方がいます。

 そして実際非難している人たちもいるのでしょう。非難というネ
ガティブな方向でなくて、忙しい現代においていかにして家族間の
コミュニケーションを含めて、「食」を見直せば良いか、そういう
方向に動くといいのですが。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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 今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「有機農業」
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 少し前にいただいていたメールなんですが、遅ればせに紹介しま
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機農業を推進する法案が超党派で成立しそうです。

有機農業推進法案を了承(自民党のサイト)
http://www.jimin.jp/jimin/daily/06_11/17/181117b.shtml

 しかし有機農業は以下のように生産性が極端に劣ると聞いていま
す。

有機農法のパラドックスーー時代の要請に逆行する有機農業の拡大
http://web-mcb.agr.ehime-u.ac.jp/gmo1/orig_article/2k20606-01.htm

増える自然志向の店
http://www.stv.ne.jp/tv/dnews/past/index.html?idno=20061121181802
(真ん中あたり)

 推進団体は生産性に問題ないといいますが実際のところはどうな
んでしょう?バイアスのかかっていない生産性の調査結果等はあり
ますか?自給率40%の日本がやるようなことでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「有機農業推進法案」の内容は以下のようなところです。すでに
成立しているのですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 議員立法で提出された有機農業推進法は,参議院で2006年12月6日
に承認の後,2006年12月8日に衆議院で承認されて成立した。

●有機農業推進法の概要

 有機農業推進法では,「有機農業」を,「化学的に合成された肥
料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しない
ことを基本として,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り
低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。」と定義し
ている。そして,有機農業を推進する際には,

(a)農業者が容易に有機農業に従事できるようにすること

(b)農業者やその他の者が有機農産物の生産・流通・販売に取り
組めるようにすること,消費者が有機農産物を容易に入手できるよ
うにすること

(c)有機農業者,有機農産物の流通・販売者と消費者との連携を
図ること

(d)農業者やその他の関係者の自主性を尊重しつつ推進すること

を基本理念としている。

 有機農業を推進するために,まず農林水産大臣が,(1)有機農
業の推進に関する基本的な事項,(2)有機農業の推進及び普及の
目標に関する事項,(3)有機農業の推進に関する施策に関する事
項,(4)その他有機農業の推進に関し必要な事項からなる「有機
農業の推進に関する基本的な方針」(基本方針)を定める。そして,
都道府県が基本方針に則して「有機農業の推進に関する施策につい
ての計画」(推進計画)を定めるように努める。

 国および地方公共団体(都道府県,市町村)は,

(a)有機農業者や有機農業を行おうとする者を支援するために,
有機農業に関する技術の研究開発とその成果の普及

(b)消費者に対する有機農業に関する知識の普及や啓発のための
広報活動

(c)有機農業者と消費者の相互理解を増進するための有機農業者
と消費者との交流促進

(d)有機農業の推進に必要な調査

(e)有機農業の推進のための活動の支援に必要な施策

を行う。また,国は地方公共団体が行う有機農業の推進に関する施
策について必要な指導,助言,その他の援助を行うことができる。

http://lib.ruralnet.or.jp/libnews/nishio/nishio068.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 国会議員の立場からすると、日本の農業振興策の一つだと考えて
いるのだと思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ツルネンマルテイ議員のホームページを拝見すると、有機農業の
割合を現状の0.5%から50%まで推進することを検討している。

 一体、どのような推進方法を考えているのだろうか?

 有機農法をする農家を優遇し、補助金や助成金をバンバン出して、
農家の収入を増やしてくれるような法律なら賛成します。

http://blog.livedoor.jp/brilliant_farmer/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう考え方もありなんでしょうね。農家支援のためにはあら
ゆる手を使って悪くないと。

 有機農業の比率がこの法律で増えるということはあまり考えられ
ないです。有機農業にメリットがあれば何もしなくても増えてくる
でしょうし、そうでなければ少しくらいの推進策で増えることはな
いと思います。

 例によって「補助金」を出す口実に使われるだけではないでしょ
うか。補助金がすべて悪いとは言いませんが…。

 メールで紹介しているページに、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機農法に用いる規制されない毒物の農薬としての散布に関して
興味ある統計を紹介しよう。まず、硫黄化合物であるが、現在年間
7千8百万ポンド(3百5千万トン)であるが、将来、すべて有機農
法に変われば8億4千万ポンドと10倍以上の伸びとなる。また、硫
酸銅などの銅化合物の使用量は1千3百万ポンドであるのが、1億1千
6百万ポンドにのぼると計算されている。さらに、最近、農薬規制
のかからない有機農薬を使用する一般農家も増えていることも事実
であり、将来、農薬規正法は有名無実になるものと考えられる。

 皮肉なことに、時代の要請はこれまで農薬をより特異的に、より
分解しやすくすることであったが、ここにいたって、より広範な慢
性、急性毒性だけでなく土壌への強い残留、蓄積性をもつこれら有
機農薬が突如として台頭してきたのはいったいどういうことなのだ
ろうか。いったい、われわれは、何をもとめてさまよっているのか。

 これら、天然物かそれに近い”不純物”だというだけで安全検査
と規制を逃れつづけることが、環境や消費者の食の安全にプラスに
なることなのだろうか。

 無論、犠牲を少々はらってでも有機農法は食糧生産のひとつの実
践としての価値は否定できないだろう。しかし、ここで、目を地球
全体に向けてみよう。すると、なんと世界の肥沃な可耕地はすでに
有効に耕されており、その面積は地球上の土地の37%に達するこ
とがわかるのである。

 英国などでは国土の70%にも達する。しかし、地球人口が10
0億に向かって増大しつづける状況のもとで、より生産性の高い農
法をとらなければ、この面積は確実に増大せざるおえないことは容
易に想像できるだろう。にもかかわらず、生産性に恵まれた気候風
土での有機農法推進者の見積もりでも20%減、それ以外では40
−60%減とみつもられている。

 すなわち、農耕に必要な面積が現状の生産量を維持するだけで、
すくなくとも地球上の土地の50%にたっすることは、だれにでも
簡単にわかる。さらに人口が倍になれば、100 %・・・となり、
地球上のすべての土地が農地となることを意味することになるぐら
い小学生でも計算できる。

 しかも、現在の農地は農耕に有利なところのすべてを含んでおり、
今後、農耕を広げるためには甚大な労力と膨大な量の資材と甚大な
自然破壊をともなうことはあきらかである。したがって、現在の農
業生産水準を有機農業で維持しようとすれば、実質的には、地球の
土地の200%が必要と考えてもよい。

 すなわち、海を埋めるか、火星でも耕さない限り、有機農法その
ままでは地球人口を十分に養うことは不可能ということだ。近代史
上では、オランダが、甚大な努力により海底を破壊し農耕地に換え
たことは記憶にのこることである。これが、EUが胸をはっていう、
環境保全であり、自然保護だろうか。オランダは農地をもう一度海
底に戻すべきである。

 このように、今後の農地の拡大は、間違いなく自然破壊を加速し
ていくことになる。必要なのは、現実を見据えた近い将来への具体
的な恐れとそれを合理的に解決しようとする行動である。すなわち、
子孫のために現代のわれわれができることは、この地球上の土地の
37%にあたる農地をいかに有効に食料生産につかうか、そしてそ
のための技術開発をすることである。それには、想像の世界のイデ
オロギーは必要ない。 

http://web-mcb.agr.ehime-u.ac.jp/gmo1/orig_article/2k20606-01.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 有機農業は生産性が劣る、と言われていますが、「生産性」の中
身が問題です。収量だけが問題であれば、そのとおりだと思います。
しかし農業を営んでいる人の立場から言えば、収量ではなくて収入
が問題でしょう。

 最近、豊作で野菜を廃棄しているニュースがありましたが、農業
に「豊作貧乏」はつきものです。生産不足ではなく、生産過剰こそ
が農業の抱えている本質的な問題なんですね。だから有機農業によ
る収量の減少は、価格の向上と引き換えになる限りは怖くないわけ
です。

 ところが、その価格が他の影響を受けてしまえば、収量の減少と
価格の下落が同時におこるという、踏んだり蹴ったりの状態になり
ます。現状ではこのようなことが起こっていますので、推進法など
を作ったところで、有機農業に取り組む農家が増えるわけはないで
す。

 私の意見は、有機農業は消費者と直接結びついて、固定価格かそ
れに近い方法で販売することができない限り、成立しないとという
ものです。要するに付加価値をつけて消費者を説得して、高く売れ、
というわけです。(「騙して」などという悪い言葉もよく使いまし
た。)

 上で紹介したページでも、またいただいたメールでも、収量の低
下という面から、有機農業を批判する傾向があります。私はこの批
判には賛成しません。なぜなら、有機農業というのはあくまで生産
過剰の局面に対する一つの答えだからです。

 人口のことや地球の資源のことを考えると、農業生産に対する不
安は確かにあります。しかし、現在において現実に食糧不足が起こ
っているわけではなく、食糧は常に過剰に存在し、販売競争や作付
制限などが日常化しています。

 食糧の相場が下落したときはニュースにならず、高騰したときに
ニュースになる傾向があるので、何だか食糧価格が上昇しているよ
うな印象がありますが、実際はそうではありません。また、上昇し
ているときでも、生産調整の結果として上昇したという面がありま
すので、生産能力として不足しているわけではありません。

 将来、生産能力が不足して、食糧価格が本格的な上昇局面となり、
生産量が慢性的に不足するようになったときは、当然ながら有機農
業にメリットはなくなり、生産量の拡大に取り組むことになるでし
ょう。そのときになれば、たぶんびっくりするくらい増加して、豊
作貧乏に逆戻り、ということもありそうですが。

 実際には価格低下に苦しんでいるのに、食糧を増産しろ、自給率
を上げろ、などと理不尽な要求をされる農家のみなさんには本当に
同情しています。うまくチャンスをつかんで、有機農業にトライし
て、儲かればよいのですが、そういうチャンスもあまりないのです。

 有機農業推進法が、単なる補助金ではなく、そういう販売チャン
スを広げる方向に機能してくれればよいと思います。でも、法律を
読んでもそういうことができるのかどうかはよくわかりません。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回はQ&Aにいただいたメールがなかったので、おやすみです。
今年2回目だったでしょうか、ちょっとさびしい…。

 有機農業推進法についてメールをいただいた方には、掲載が遅く
なったことをお詫びします。いただいたときは他にもたくさんメー
ルが来ていて、次週に延期しようと思ってそのまま忘れていました。

 多いとき、少ないときとバラツキがあるのは仕方ないですね。来
週はいよいよ大晦日です。もちろん、いつもどおりにお届けする予
定です。

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