安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>366号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------366号--2006.11.12------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「アレルギー表示・食品包装・プラスチック
容器(Q&A)「HACCP」

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http://www.kenji.ne.jp/

(連載)夜宴/葬式
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--〔話題〕--------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 しばらく前「フードファディズム」ということばを知りました。
このことばはもともと群馬大学の高橋久仁子教授がクローズアップ
させたことばですが、最近の食に関する情報はまさにそれではない
かと思います。実際に、ある週刊誌がそういう考えのもとに書いて
いる記事が今週発売の号に載っていました(こういうのは、全くも
ってヨタッパチだと思っていますので相手にしていません)。

 ところで、渡辺さんのご存知な範囲でかまいませんのでフードフ
ァディズムの問題を取り上げている方がいましたら、お教えいただ
けませんでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「ファディズム」というのはこんな意味らしいですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ファディズム(Faddism)とは「流行かぶれ」「物好き」という意
味である。

http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-03-06.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ネットの世界では、通販のサイトなど、このフードファディズム
全盛の感があります。ただし、「フードファディズム」という言葉
はこれらを批判する側しか使いませんので、「フードファディズム」
で検索してみると、いろいろなサイトが出てきます。

 現在のところ、ご指摘の高橋さんの説を取り上げたものが多数の
ようですから、まだあまり一般的な言葉にはなっていないようです。

 私としては、この言葉にこだわるのではなく、いろいろな情報を
集めることをおすすめしたいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.5大アレルゲンは卵・乳・小麦・そば・落花生ですが、時々、
米・大豆・卵・乳・小麦と書かれているものを見かけます。米・大
豆も特定原材料に含まれるのでしょうか?

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A.アレルギー表示の基準では、以下のようになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

必ず表示しなければならない5品目

小麦/そば/卵/乳/落花生

表示が推奨される19品目

あわび/いか/いくら/えび/オレンジ/かに/キウイフルーツ/
牛肉/くるみ/さけ/さば/大豆/鶏肉/豚肉/まつたけ/もも/
やまいも/りんご/ゼラチン

http://www.kishugiken.co.jp/topics/exp.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 大豆は義務ではなく、「表示が推奨される」品目です。米につい
ては見当たりませんので、表示の必要はありません。しかし米アレ
ルギーが皆無というわけではないので、表示すること自体は別に悪
いことではありません。

 どこまで表示するかというガイドラインとしては上記の品目で十
分だと思いますが、それ以上は製造者の裁量によるわけです。

 なお、原材料としては使用していなくても、環境からその成分を
含んでいる可能性がある場合は表示します。たとえば、その商品に
は卵を使用していなくても、卵を使った商品と設備を共用していて、
ある程度の混入が避けられない場合などです。

 上記のページに解説がありますので、ごらんください。

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Q.かつおだしやいりこだし、節の粗砕品などが入っている袋が収
縮した様になるのはどうしてですか?

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A.普通、削り節などが入っている袋はパンパンに膨らんでいます。
これはガス置換といって、主に窒素ガスなどを封入して、大気圧よ
り高くしています。

 逆にへこんでいる場合は、「脱酸素剤」を使用しているものと思
います。こちらは空気中の酸素を取り除きますので、袋の中の空気
圧は大気圧より小さくなってしまいます。したがって、収縮したよ
うな状態になるわけです。

 いずれの場合も、目的は酸化を防ぐために酸素に触れないように
することです。酸素は食品の大敵と考えてよいのです。

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Q.プラスチックの容器で熱いお茶を飲むのは人体に有害なのでし
ょうか?よく、有害物質が溶け出す、と聞きますが・・・いつもプ
ラスチック製のタンブラーを持ち歩いて、熱いお茶を飲んでいます。

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A.プラスチックに限らず、食品の容器となるものについては、安
全性の試験があり、それに合格したものでないと使ってはいけない
ことになっています。

 具体的な規格は以下のページにあります。
http://www.tcn.zaq.ne.jp/kanno/public_html/plaanzensei.htm

 この規格に合格していないものであれば問題外です。普通に売っ
ているものは合格しているはずですので、使って問題はありません。

 プラスチックに対する偏見は確かにありますが、実際の安全性に
ついては心配する理由はありません。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「HACCP」
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 ちょっと古いニュースですが、こんなものがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 八戸市と地元水産業界が非公式に検討してきた「欧州型市場」構
想の概要が、五日分かった。現在は海外イカの水揚げに利用されて
いる八戸市卸売場(おろしうりば)を大掛かりに改修、衛生管理を
最高水準に引き上げるため、魚市場施設として国内初となるHACCP
(ハサップ)方式導入を目指す。地元漁船や加工業者にも対応を働
き掛け、漁船−欧州型市場−加工場を同方式でつなぐ全国一の衛生
管理システムを構築し、同市の水産再生の抜本策とする。

 市は六月末から七月末までに計三回、卸売業者、仲買人、県など
に呼び掛け、実務レベルの非公式な会合を開催。水揚げの大幅な減
少など危機的な状況に直面している水産都市・八戸の再生に向けた
課題を話し合ってきた。

 関係者の話を総合すると、市側は協議の中で、卸売場を大改修す
る欧州型市場を提案。魚市場施設では国内初のHACCP対応方式とし、
密閉型の施設内を低温に保った上で魚の自動選別や凍結を行うアイ
デアを打ち出したという。

 さらに、巻き網、トロール、サンマなどの地元船籍漁船に、同方
式に対応する改造を呼び掛ける。漁船のステンレス製タンクからフ
ィッシュポンプを使って欧州型市場の内部へ直接水揚げし、魚を外
気にさらさない最高水準の衛生管理を実現して、世界に通用する市
場づくりを目指す。また、加工施設の対応も働き掛けていく。

<HACCP(ハサップ)>

 食品の安全性を保証する高度な衛生管理の方法。最終製品を抜き
取り検査する従来の方法とは異なり、原料入手−製品出荷の一連の
工程で想定される衛生面の危害を分析した上で、特に重点的な管理
が求められる工程を監視、記録する。欧米への水産物輸出には、
HACCP手法を含めた衛生管理が義務付けられている。

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/20060806090601.asp
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 魚市場に衛生管理を適用しようというのですから、結構画期的な
ことです。

 日本ではこちらの方面が非常に遅れているのはよく知られていま
す。ヨーロッパに輸出できる資格がある工場はまだ数えるほどしか
ないのではないでしょうか。

 もうずいぶん前になりますが、このHACCPの講座を受講した
ことがあります。そのとき一番悩んだのが、「抜き取り検査」の精
度の問題です。

 絶対的な安全性を保障するには、全量を検査しないといけない、
というのは容易に理解できます。しかし食品の安全性検査は時間も
かかりますし、破壊的なものなので、すべてを検査することはでき
ません。

 そこでどの程度のサンプル数で、どの程度の確率で安全性を保障
できるのか?という話になるのですが、検査対象の数とは関係なく、
サンプル数のみによってその確率が決まる、というところが理解で
きなくて、今のそのままです。説明できる方がいましたら、ぜひ教
えてほしいと思います。

 さて、検査によっては安全性を保障できないとすれば、どうすれ
ばよいのか?という問題に対する回答が、「HACCP」という考
え方です。これは日本語に直すと、「危害分析・重要管理点管理」
というような言葉です。

 まず、「危害分析」ということがあります。ある食品に対して、
どのような危害が発生する可能性があるかを分析します。ここで分
析の対象とならなかったものについては、対策をとりません。

 「すべての」危害に対する安全性を保障するのではない、という
ことが重要なポイントです。未知の危害要因については、対策のと
りようもないわけですから、そういうものは無視することで、効率
を上げるわけです。

 つぎに、対象となる危害について、生産工程のどこかでコントロ
ールできるかどうかを検討します。

 たとえばある細菌による食中毒を防ぐために、殺菌する工程があ
るとします。この食中毒を防ぐためには、殺菌の工程が完全に行わ
れていることを管理しなければなりません。このためには、殺菌時
の食品中の温度を計るなどして、記録を残していきます。

 また、殺菌後の再汚染を防ぐためにはどのような対策が必要かも
検討されなければなりません。たとえば、食品に細菌汚染を防ぐ能
力がある包装をしてから殺菌することで、その包装が破綻しない限
り再汚染は防げる、などとします。

 逆に、殺菌工程により、完全に管理できるとなれば、その工程以
前で追加の管理をする必要はなくなります。余分なことをしない、
というのも大切なことです。

 以前あった雪印の食中毒問題では、「黄色ブドウ球菌」の汚染が
問題になりました。実は菌自体は殺菌で死んでいたのですが、菌が
生産した毒素が残っていたのです。この場合は危害分析の段階で、
殺菌工程だけでは防げない食中毒であるとして、原料の検査工程を
付け加えておくべきなのでした。

 また、「細菌による食中毒」といっても、細菌の種類によって、
管理方法はいろいろと変えなければいけません。殺菌工程について
いえば、最もタフなやつでも殺菌できる条件を整えてやる必要があ
ります。

 缶詰の誕生以来、殺菌工程の最終ターゲットはボツリヌス菌とい
うことになっています。この菌の胞子は耐熱性が強く、加圧してか
なりの高温にしないといけないのです。

 あるレトルトパック製品の工場では、殺菌後、サンプルを開封し
て、ボツリヌス菌の培養試験をしていました。この検査に一週間か
かるので、製品はできているのに、出荷できないということがあり
ました。品切れをおこしていて、非常に困ったのですが、工場の言
い分は尤もなので、泣く泣く一週間待ったものです。

 このように、サンプル検査もHACCPでは取り入れることがで
きますが、あくまで補助的な確認手段であり、重要管理点ではない、
ということです。

 また、管理点以前の管理は不必要とされますが、だからといって
それ以前の衛生管理が不要というわけではありません。一般的な衛
生管理があって、その上にHACCPによる管理手法が乗るわけで、
衛生状態の悪い工場で、HACCPを取り入れても意味はありませ
ん。

 生鮮食品、とくに肉や魚などの生産や流通現場では、まだまだ衛
生管理のレベルから取り組まねばならないところが多いようですが、
その上でHACCPによる管理手法が広まっていってほしいものだ
と考えています。

 現在の普及率については、こんな情報がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ア HACCP手法度化計画認定件数件:284件(これまでのす
う勢値に30%増を見込んだ値)

◆平成15年度における高支援法に基づく高度化計画認定件数:
172


イ 従業員数20人以上の水産食料品製造業のHACCP導入率:
26.8%

◆平成12年度における導入率6.0%(HACCP認定企業数:厚
生労働省等)


ウ1日当たりの生乳処理量2トン以上の飲用牛乳工場数に占めるH
ACCP承認工場数の:厚生労働省)割合:7割以上

◆平成11年度における割合61%(平成11年度牛乳乳製品統計
:統計情報部、HACCP承認飲用工場数

http://www.maff.go.jp/soshiki/kambou/kikaku/hyoka/16/sheet/H16kouhyou0101.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ア、イ、ウの目標に対して、それぞれの年度における現状が◆の
ところに書かれています。「従業員数20人以上の水産食料品製造
業」で6%という数字が数年前のものです。それからどの程度増え
ているのかは不明ですが、まだまだ少数派であることは間違いない
と思います。

 このあたりに関して、あまり突っ込んだ報道がないことも残念で
す。衛生管理について調べていけば、「国産品だから安全」などと
いうことが成立しないことはわかると思うのですが…。

 もちろん、日本には立派に管理されている工場もたくさんありま
す。しかしそうでないところもあるわけですから、日本で作ってい
るから、というくくり方ではいけないということです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 アレルギー表示のところで紹介したページは実は私が作ったもの
です。この企業のホームページ全体を私が作っていまして、ついで
に自分で企画して作ったものです。

 今週は義父が亡くなりまして、ようやく葬式を終えたところです。
昔の高野山領だった土地なので、土曜日には高野山に納骨に行って
きました。高野山は紅葉がきれいでしたが、地元の人の話では、今
年は紅葉が遅かったが、それでももうすぐ散ってしまうだろう、と
いうことでした。これからいよいよ寒い季節を迎えるというところ
です。皆様方もお身体には気をつけてください。

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http://food.kenji.ne.jp/ です。
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