安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>358号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------358号--2006.09.17------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ジベレリン・さつまいも・着色料・アスパ
ルテーム(Q&A)」「ポストハーベスト」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 輸入小麦と国産小麦の話題で、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今回のメルマガのトピック中に、国産小麦と輸入小麦どちらが安
全かという質問の中で

 輸入小麦粉も国産小麦粉にくらべ、特別危険ではなくむしろ同等

とお答えされておられましたが、

 我々の教室の情報では輸入小麦粉は、「ポストハーベスト」があ
るので国産小麦粉を使いましょうと指導しています。

 もし、輸入小麦粉も国産小麦粉同様安全であるのなら間違ったこ
とを教えていたということになります。

 今回お答えされていたことについて詳しく説明いただけませんで
しょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ポストハーベストの問題は確かにあるのです。私が問題にしたの
は、そのポストハーベストが私たちの健康にどれくらい被害を与え
ているのか、ということです。

 収穫後に農薬が使われていて、当然ながらその農薬が検出される
というのは確かに気持ち悪いです。しかし、検出された値が健康被
害が予想されるほどであったという例はありません。

 検出される=悪というのは「量」という概念を持たない人の考え
です。農薬については、検出されるかどうかを問題にするのは間違
っています。というのは検出限界をどんどん下げていけば、使用し
た農薬なら必ず検出できると考えた方がよいからです。

 心配する人のために、検出限界をわざと上げておく、などという
姑息な手も使うことが可能です。たとえば検出限界1PPMの検査
で「不検出」のものと、0.1PPM検出されたものとでは、どち
らが危険性が大きいでしょうか?

 本当はどちらとも言えないのですが、多くの人が検出されたとい
うことだけで反応してしまいます。

 実際は検出量は安全性を見込んで設定された基準値以下です。つ
まり、基準値を下回っていることを確認したという情報なのですか
ら、安全性には問題ないというのが常識的な理解です。

 だからポストハーベストの問題は安全性の問題ではなく、気分の
問題だと申し上げたわけです。

 その上で、国産小麦を推奨するのはよいのです。ただし、国産小
麦にはいろんな品質上の問題もあります。それを無視して、何でも
国産小麦がよい、という風に言うのはミスリードだと思います。

 国産小麦は強力粉にはなりませんから、国産小麦のパンは欧米の
パン作りの常識から言ったら邪道です。しかし世の中にはその国の
産物に合わせて発達してきた食文化というものがあります。国産小
麦で作るパンが日本の食文化として発展していけるかどうかという
ことが問題なのです。

 そう考えると、輸入小麦のポストハーベストだけが動機では、と
ても食文化まで成熟しないだろうという予想がつきます。

 あくまでも事実(安全性に対する認識、品質に対する理解)と現
実(日本の農業の実態、国産小麦の生産量と品質)に根拠をおく必
要があるということです。

 ポストハーベストの問題については、下の欄で続けます。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.最近ブドウの種無しのためにジベレリン、フルメットが使われ
ていますが、ブドウだけではなく、固体肥大や収量UPに野菜や他
果物にも使われているらしいのですが、最近の健康志向として、思
うに大変心配です。

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A.ジベレリンやフルメット(サイトカニン剤)は植物ホルモンと
呼ばれています。植物が成長していくとき、全体に指示を与える、
重要な物質です。

 植物ホルモンは動物のホルモンとは全く違うもので、動物には活
性を持ちません。すべての植物が自然に含んでいるものなので、動
物にとって安全性が問題になるということはありません。

 ただ、こうした植物ホルモンを農業の現場で使うということに、
心理的な抵抗があるのも事実です。使わないですむ方法の方がスマ
ートに感じられたりします。

 たとえば、トマトの着果、果実肥大促進にはトマトトーンと呼ば
れる、オーキシン製剤を使います。蜜蜂などを使って受粉させるこ
とで、トマトトーンを使わない方法もあり、その方がおいしいとい
う評価のようです。

 とはいえ、やはり現実面では効果があり、安全面でも問題がない
わけですから、全体としては使うのをやめる方向にはいかないと思
います。

 問題は健康志向や安全性ではなく、農業のあり方ということにな
ります。農業をやっている方にとっては、勝手に美化されたり、あ
るべき姿を示されたりしても迷惑な話です。このあたりはなかなか
難しいですね。

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Q.こんにちは。出産してから、食べ物や添加物に興味がでてきた
ので、いつもメルマガを楽しみにしています。先日、やきいもを食
べながら、ふと疑問におもったのですが。ジャガイモの芽には毒が
あると聞いたのですが、さつまいもの芽にもあるのでしょうか?

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A.さつまいもは芽が出てつるになっても、食べられます。芽にも
毒があるとは聞きません。

 でも、芽が出るというのはそれだけ芋は消耗するわけですから、
芽の出る前に食べた方がよいのでしょうね。

 その他、さつまいもについては以下のところに詳しく載っていま
す。どこにも毒の記載はないです。

日本いも類研究会
http://jrt.gr.jp/

さつまいも&じゃがいも ホームページ
http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/imo/imoruihanindex.html

さつまいも小辞典
http://sv11.internet.pref.kagoshima.jp/home/s-anzen/13newsse/index.html
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Q.着色料の資料を拝見しました。私は調理にたずさわる者ですが
食品添加物の安全性を考えて現在天然着色料を探しております。メ
ーカーより紅麹色素、クチナシ色素をサンプルとしてとりよせまし
た。しかし知識が乏しいため自身で安全性を確認する事ができませ
ん。何か安全性を確認する方法、資料等有りましたらアドバイスを
頂きたいと思いメールさせて頂きました。

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A.あちこちに書いていますが、ほとんどの天然着色料は安全性の
データが充分ではありません。だから「安全性を考えて」天然着色
料を使用するというのは疑問です。

 安全性のデータが充分でなくても、ほとんどの天然着色料はそれ
自体食品として食べられているもので、現実的な不安があるわけで
はありません。

 食品として食べる分には安全性のデータは必要ないが、添加物と
して使うときには安全性のデータが必要になる、ということです。

 このあたりの安全性についての考え方を、もう一度整理した上で、
天然着色料を使用するメリットについて考えてほしいと思います。

 私は発色に不満がなければ、天然着色料を使うのは悪いことでは
ないと思います。その前に、着色料を使う必要があるのかどうか?
という疑問もありますけれど。

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Q.1歳の娘さんを持つ友人が、最近アスパルテームを含んだ飲料
などが、母乳によくないと聞いたそうなのですが、特に問題のない
赤ちゃんであれば、お母さんがそのような飲料を飲んでいたとして
も、問題ないのでしょうか?できれば、やはり食品添加物等は、授
乳期間中はとらないほうがいいと思うのですが。問題ないとしても、
やはりやめたほうがいいでしょうか?その方は、ダイエットペプシ・
ダイエットスプライト等、飲んでいるそうです。

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A.妊娠中に限らず、健康を気にするならコーラなんか飲むなよ、
というのが私の意見なんですが、それとは関係なく、アスパルテー
ムの件はデマであると考えた方がよいと思います。何故デマなのか
は私のサイトに書いてあると思いますので、探してみてください。

 世の中には企業の悪口をいうことで自分たちの勢力を拡大したい
人とか、自分たちの商品を売るために一般のものは何でも悪く言う
人とか、いろいろいます。そういう人たちが言っていることはだい
たい根拠のない話なんですが、何しろ自分たちで勝手に言ったこと
をあちこちに引用しますので、そういうインチキ情報に接する機会
も多くなります。

 企業のやっていることを疑うのは結構なんですが、悪口を言って
いる人のことも疑ってみることが必要なのです。

 食品添加物全般を避けることは現実的には不可能ですし、その必
要もありません。よりよい食生活を求めるときに、あまり食品添加
物を多用したような食品を避けるのはよいことですが、別に食品添
加物に害があるからではありません。そういうものに頼らない、よ
い食品を選びたいからです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「ポストハーベスト」
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 ポストハーベストというのは、収穫後に使う農薬のことです。日
本では農薬の定義として、栽培中に使うことしか想定していません
が、国際的には「生産、輸送、貯蔵」中に使うものが農薬であると
されています。

 ポストハーベストに対する一般的な理解は次のようなものではな
いかと思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1997年度、98年度の厚生省による残留農薬検査では、小麦および
パンから、ポストハーベスト農薬として使用されるマラチオン(殺
虫剤)とクロルピリホスメチル(殺虫剤)臭素(殺虫剤)が検出さ
れています。(マラチオンは基準値内、臭素で1件が基準値違反、
クロルピリホスメチルは残留基準値はない)マラチオンは内分泌攪
乱作用を有すると疑われる化学物質(環境ホルモン)です。日本はパ
ンの原料となる小麦を、アメリカやカナダ、オーストラリアから年
間およそ600万トン輸入しています。これらの国では小麦に対し貯
蔵、輸送の際の腐敗防止、防虫などの必要性から収穫後にポストハ
ーベスト農薬を使うことが認められています。国際穀物市場では、
多国籍商社が世界各地に生産・加工・流通のネットワークを持って
います。穀物商社は、農家から買い付けた穀物を国際相場をみなが
ら出荷するため、倉庫に長期貯蔵をすることがあります。それに伴
い、ポストハーベスト農薬の散布を行うことがあります。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは以前、NHKが放送した「地球法廷−食料の安全性と環境」
とい番組のサイトからの引用です。NHKは報道(ニュース)と制
作(一般番組)ではどうも作っている人が違うらしく、番組での報
道姿勢には一部ひどく偏ったものがあります。

 この番組もその一つで、何とか悪者をでっち上げようという姿勢
が丸出しのものでした。その悪者に上げられているものに、ポスト
ハーベスト農薬もあったというわけです。

 上記の引用はその番組への批判を書いたページからのものです。
(オリジナルはもう削除されています。)この文章の内容をきちん
と整理すると以下のようになると言っています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 NHKのいう安全性の論点をもう一度整理しよう。修飾語を除け
ば「残留農薬検査で、(輸入および国産の双方の)小麦からマラチ
オンとクロルピリホスメチルと臭素が検出された。パンからもマラ
チオンとクロルピリホスメチルが検出されたとの(おそらく,厚生
省以外の機関の)報告もあるが,原料が輸入小麦か国産小麦かにつ
いては明確でない。」となる。あとは,小麦の輸入量とポストハー
ベスト農薬の一般的説明にすぎない。結局,どこにも安全性の論点
などは存在しなかったのである。 

http://members.at.infoseek.co.jp/gregarina/J1G.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 文中にはマラチオンとクロルピリホスが国産小麦からも検出され
ているという資料もあります。

 ポストハーベスト農薬の検査はいろいろとおこなわれていますが、
問題となるような量が出たということはありません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品(玄麦、蕎麦、落花生、冷凍ポテト)における諸外国でポスト
ハーベスト農薬として使用される可能性のある農薬の残留実態の調
査の結果、残留農薬の検出されたものもあったがいずれも残留基準
以下であった。

http://www.anzen.metro.tokyo.jp/tocho/jyorei/jyorei8_42.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは実は当然のことで、自然環境の中で使われる農薬と違い、
ポストハーベスト処理では管理された環境で使われますので、残留
量の計算は簡単だからです。ポストハーベストでは使用する農薬の
濃度が高いということも指摘されていますが、使用量は濃度×散布
量ですから、濃度が高いことは問題ではありません。

 農地では濃度を下げて使うのは、畑に行き渡らせるためと、散布
者の安全のためでしょう。ポストハーベストではいずれも問題では
ないので、濃度を上げて量を少なくした方が合理的です。

 いずれにせよ、残留している量が問題なのであって、収穫前か収
穫後かは意味のある区別ではありません。

 ポストハーベストの効果という点についても考えないといけない
問題があります。「ポストハーベストの科学と技術〜農・水・畜産
物の収穫後ロスについて〜 」という本の目次は以下のようです。

 農産物の収穫以降の損失に関する研究
 米の品質劣化に関する生化学的諸問題
 農作業の米の性状〜収穫作業の近代化と米の性状について
 いも類の貯蔵と収穫後の損失
 青果物の収穫後の生理とい貯蔵〜青果物と環境温度〜
 貯蔵穀物害虫の生態と穀物への感染
 熱帯地方における収穫以降の損失と植物生物活性成分
 食肉と殺後における肉質の変化と劣化防止
 熱帯地方における水産物の漁猟後の損失
 熱帯森林の収穫後の損失

 収穫後のロスを減らすことと収穫量を増やすことは、結果として
同義です。商売にとって、売り上げを上げることとコストを下げる
ことが同義なのと同じです。そういった意味で、特に飢えや貧困が
問題となっているような国では、こういう技術を育てていく必要が
あります。

 つまり、ポストハーベスト技術を全面的に排除することはよいこ
とではないのです。

 しかも安全面では、基準値を下回るようにできるわけですから、
NHKのように問題にすることはないという結論になります。

 それでは、輸入小麦のポストハーベスト処理は全く何の問題もな
いのか?というと、やはり気分の問題があるのは事実です。この気
分ということを解明するのは困難なものですが、あえていえば日本
人の農業とアメリカに対するコンプレックスだと思います。

 近代化の歴史が浅いせいもあり、世界最高レベルの経済力をもつ
国で、いまだに農本主義的な考え方が広く残っています。アメリカ
との関係でも、アメリカの農産物に過度に依存していることの怨恨
がときどき表面に出てきます。

 どう考えても日本より汚染がひろがっていると思えないBSEの
問題に関して、まるでアメリカ産牛肉が毒であるかのような言い方
をする人が出てくるのも、そういった背景があるのだと思います。

 私たちの世代はアメリカからの援助物資である脱脂粉乳を飲んで
育っています。戦争の怨恨はさておき、そのことの恩義と屈辱感が
いまだに払底しているわけではないということです。

 現在、日本とアメリカは同盟国として、良好な関係にあるように
見えています。しかし深層にはこういった民族の感情が横たわって
いることに気づき、その悪影響を克服する努力が必要なのではない
か?などと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 ポジティブリスト制の検査結果はそろそろ出てきています。

 「ポジティブリスト制が5/29に始まって、3ヶ月たって国産
作物については表だって問題が起こっていないので「ふたを開けれ
ば大したことなかった」などと思っている農薬業界・食品業界関係
者も多いようです。

 しかし、それは制度の理解不足です。マーケットからの各都道府
県の収去検査結果はこれから出てくるので、騒ぎが起こるのはこれ
からです。特に米の収穫は今が真っ最中であり、地区によっては最
終の農薬散布を行っているところです。ドリフト問題が起こるのは
まさにこれからです。」

 以上はメールマガジン「農薬ネットメールマガジン」からの引用
です。また一騒動あるのかもしれません。

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