安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>351号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------351号--2006.07.30------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「遺伝子組み換え食品・ミカン酒・肉の発色
・つくね(Q&A)」「アメリカ産牛肉」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 少し前の記事ですが、水道水の話について、コメントをいただき
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 345号に掲載された、344号に関して寄せられたメールとして以下
の内容が掲載されていました。

引用開始

 あと、水についてですが、塩素殺菌は多くの細菌に対して有効で、
かつ残留性が高い(よって、水道管内で細菌が繁殖しない)という利
点がありますが、一方では塩素臭がする、トリハロメタンが生成す
る、鉄などが析出しやすくなる、クリプトスポリジウムに対して殺
菌力がないのでクリプトスポリジウムによる経口感染が起こるなど
の欠点もあります。先進的な浄水場では塩素とオゾン殺菌を併用し
たり、塩素酸を使ったりしているようです。また、塩素臭がしない、
という点ではクロラミンを使うという方法もあり、実際にアメリカ
で使われているようですが、水道管に鉛が使われていると鉛が溶出
する可能性があるようです。

引用終了

 塩素注入とトリハロメタンに関するメールのやり取りなので本筋
ではないのですが、気になる記載内容がありメールさせていただき
ました。

 塩素は確かにクリプトに関しては有効ではありません。ただ、経
口感染が起こると言うのは言いすぎで、抑制できないといったとこ
ろかと思います。

 この記述では水道水は危険であるというように読めますので、少
々補足させていただきます。

 クリプトに関しては、塩素が有効でないことははっきりしていま
すので、水道では次のような対策を実施しています。

1.原水種別(表流水、伏流水、浅井戸等)、水源流域の特性(下水
処理場、牧場、養豚場等の存在)、原水の指標菌(大腸菌、嫌気性
芽胞菌)の存在によりクリプトスポリジウムを含む病原性微生物の
汚染の恐れの判断を実施2.汚染の恐れのあるときには、ろ過施設
(緩速ろ過、急速ろ過、膜ろ過等)を設置し、濁度を0.1度以下に
常時監視

3.ろ過施設を設置できないときには継続的に水質測定を実施し、通
常より濁度が上昇したときには取水停止

 つまり、ちゃんとろ過して対応するか、危険なときには取水を停
止して塩素で対応できないような病原性微生物の含まれるような水
は水道水として供給しないという、至極もっともな対策がとられて
います。

 参考のURLは厚生労働省健康局水道課のものです。記載内容は暫
定対策指針です。こちらにフローシートが記載されていますのでご
参照ください。現在は水道法の改正により、暫定対策指針は失効し
ていますが、内容としては同様のことを実施しています。

参考
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/jouhou/suisitu/index.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/jouhou/suisitu/c1.html

 また、水道水に関してはオゾンと塩素の併用も確かに適用される
事例はありますが、国内におけるオゾン注入の主要目的はオゾンに
よる殺菌ではなく有機物の酸化による溶存有機物の低減、臭気対策、
色度対策です。オゾンによる反応副生成物の懸念もあるため、通常
オゾン反応後に活性炭吸着を組み合わせています。副生成物のひと
つとして臭素酸があります。pHと注入量制御等で臭素酸の生成抑制
はある程度可能ですが、活性炭吸着等では吸着除去できません。

 フランスではオゾン殺菌が主です。ただし、オゾンは残留性が乏
しく、殺菌効果を持続させることは無理です。コスト的にも高価な
方法ですし、オゾン注入がよりよい方法であるという見方は避けた
方がよいと思います。

 また、クロラミンに関しては昔から日本国内でも適用されている
方法です。ただし、クロラミンとして注入されるのではなく、アン
モニアに続いて塩素を注入し、モノクロラミン(NH2Cl)を生成させ
るという方法です。もともとアンモニアがある程度含まれているよ
うな原水では、それを利用する手法もあります。

 塩素よりも効果が低いためたくさん注入しなければいけません。
管理が面倒なため札幌市以外で適用された事例は私は知りません。

 よくある誤解として塩素を注入すると塩素臭がするというのがあ
るのですが、基本的には水道に適用されるような濃度では塩素はほ
ぼ無臭です。ほとんどの場合、塩素とアンモニアや有機物が反応し
た結果生じた物質の臭気を塩素臭と誤解しています。

 特にアンモニアが少量含まれている場合、塩素注入量が過剰であ
ると無臭であるモノクロラミンで反応が止まらず、有臭のジクロラ
ミン(NHCl2)、トリクロラミン(NCl3)が生じることによりいわゆる
塩素臭が生じることになります。水道水中で存在するのはモノクロ
ラミンとジクロラミンが主です。通常結合塩素と呼ばれています。
また原水にフェノールがあると、クロロフェノールが生成し強烈な
臭気が発生します。

 他の消毒方法として二酸化塩素の注入法もあります。次亜塩素酸
ナトリウムより酸化力が強く、トリハロメタンの生成も少ないなど
いいこと尽くめの方法です。

 コストが高い、爆発性があるため貯留はできず現地で生成させる
必要がある、残留性が無いため塩素消毒との併用が必要になる等、
問題点があります。

 他にクリプトの不活化(増殖しないようにする)に関しては、UV照
射が低い照射量でも有効であることがわかっていますが、濁度に弱
いという特性があるため、ろ過施設と組み合わせる必要があります。

 また、当然のことながら持続性はありません。UV照射に関するガ
イドラインも発行されていますし、その後改定のための動きも無い
ので、UV照射単独でクリプト対策とすることは当分できないと思い
ます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.遺伝子組み換えの食品を摂取することをどう考えていられます
か?安全に関して意見が分かれたりしますよね。私は生協の商品を
取っていますが、遺伝子組み換えのえさを与えていない肉や牛乳の
商品にはそれが表示されています。そういうことをいちいち表示さ
れると、遺伝子組み換えのえさを与えられている商品はだめなのか
なってかえって思ったりしてしまいます。実際のところどうなんで
しょうか?

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A.おっしゃるとおり、遺伝子組み換え作物の表示を見ていると、
危険だから表示しているのではないか、と思ってしまいます。しか
し、もう少し考えてみると、もし危険だとしたら、どうして製造や
販売を禁止しないのか?ということに気づきます。

 薬害などでも、かつては国の責任とはされていなかったことが、
危険性の情報があった時点で、規制しなければ国の責任である、と
されるようになってきました。もし少しでも危険な要素があるのな
ら、表示させるだけではなくて、規制しなければいけないはずです。

 国や規制にかかわる人たちは、遺伝子組み換え作物を危険である
とまったく認識していないということなのです。

 するとこんどは、危険ではないのなら、どうして表示する必要が
あるのか?という疑問がおこります。この答は私にはよくわかりま
せん。いくつかの可能性をあげておきます。

(1)国産では遺伝子組み換え作物はほとんど作られていないので、
非関税障壁として利用できると考えたから。

(2)遺伝子組み換え作物反対運動がうるさいから、ある程度主張
を取り入れることにしたため。

(3)お役人も流行に乗らなくてはいけない時代になったから。

(4)お役人の中にも、遺伝子組み換え作物反対運動をしている人
たちと同じような思想の持ち主がいたから。

 いずれも決定的ではありませんが、全くはずれているわけではな
いと思います。私の意見は、全く無意味だからやめた方がよい、と
いうものです。

 「遺伝子組み換え作物不使用」の豆腐のほとんどから遺伝子組み
換え作物のDNAが検出されるのは周知の事実です。世間では混入
ということになっていますが、それ以上に怪しいものも一部にはあ
るはずだと思っています。

 混入がどうしても防げなくて、しかも混入しても何の被害もない
わけです。その上、混入がばれても、あまりにも件数が多いため、
その後追求されるということもほとんどありません。要するに「言
ったもの勝ち」で、事実はともかく、そういう表示をしておくわけ
です。

 遺伝子組み換え作物が絶対に安全か?と聞かれたら、そうではな
いです。ただし、遺伝子組み換えでないものと比べて危険か?と聞
かれたら、これもそうではありません。遺伝子組み換えのものも、
そうでないものも、同じ程度に安全であり、同じように危険である
かもしれない、という認識でよいと思います。

 エサに使っているかどうかという問題になれば、もうほとんど宗
教の世界です。イスラムでは豚肉を食べないのはもちろん、豚肉が
原料になった食べ物も食べてはいけないそうです。味の素が菌を培
養するのに、豚肉由来の酵素を使ったとして批判されていました。
これは宗教的には正しいとしても、宗教以外の世界では意味のある
ことではありません。鶏や豚の食べたエサの「遺伝子組み換え」を
気にするというのはそういうことです。

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Q.梅酒と一緒にミカン酒を造りました。梅酒は、ホワイトリカー
と氷砂糖で、そして、ミカン酒はハチミツとホワイトリカーで、6
月15日に作りました。ミカン酒のミカンは、八朔の袋を取り除い
たものを入れました。ミカン酒のほうだけ、度々、白く浮き上がる
ものがあって、それが、今までは、ミカンの袋の白いのが浮かびあ
がっているのだと思いました。それで、浮き上がるたびに取り除い
ていました。ところが、見てみると、円筒形のパックの内側にも、
白いカビのようなものがついていまいたので、それが、白カビだと
判明しました。普通のカビの状態とは異なり、何か、カマンベール
チーズの周りの白カビのように、固まっていています。このミカン
酒は捨てたほうがいいのでしょうか?それとも、白カビを取り除け
ば、お酒は大丈夫でしょうか?中の八朔は捨てたほうがいいのでし
ょうか?この白カビに毒性はあるのでしょうか?

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A.カビはアルコール(エタノール)のある環境では生えませんか
ら、その白いものはカビではないように思います。カビだというこ
とはどのようにして確認したのでしょうか。

 柑橘類はペクチンなどの成分が多いので、そういう成分が固まっ
てしまったのではないかとも考えられます。

 ミカン酒の作り方を書いているサイトでは、こう書いています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 夏みかんは皮をむき、白いフェルト状の厚い部分は取り除いて半
分に切ります。皮は表面をよく洗い1個分だけ入れ、5日間位で引
き上げることが大事です。レモンは皮をむき実の部分だけを輪切り
にして入れます。夏みかんとレモンの実は2ヶ月で引き上げます。
引き上げた実をしぼった汁もおいしく飲めます。1週間で飲めるよ
うになりますが、1ヶ月位が最適。

http://mild.sumomo.ne.jp/cook1/etc-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 皮の扱いがポイントのようです。

 毒性については、それほど心配することはないのかもしれません
が、失敗したかな?と感じたら、やっぱりあきらめた方がよいでし
ょうね。

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Q.あるお店で購入した生肉を調理したところ、表層面(表面から
1ミリ程度)のみが赤く発色する現象がしばしば見られたため、現
物(調理によって発色した肉)をその店に持ち込んで問い合わせた
ところ、『検査機関に依頼して調査してみたい』との対応をいただ
きました。

 先日、その検査結果とともに、発色原因の説明を受けたのですが、
いまひとつ納得ができません。ご意見をお聞かせください。

 事の顛末は概ね次のとおりです。

○発色した生肉の種類
  スペアリブ(豚肉)、鳥がら、和牛スネ肉
   ※いずれも別々の日時に購入、調理したもの

○発色した頻度
  はっきりとは記憶していませんが、印象としては5〜6回に1
回くらい  の頻度で発色を確認していると思います。

○調理方法
  圧力鍋を使用し、2リットル程度のお湯でしっかりと煮立てま
す。お湯には、肉とともに「セロリ」と「ローリエの葉」を入れて
香り付け  をしています。
  ※毎回、全く同じように、以上の調理方法によっています。

○発色の様子
  表層面(表面から1ミリ程度)のみが鮮やかな赤色で、中の方
は普通の  色(調理した時の肉の色)です。なお、赤く発色する
のは赤身の部分のみで、脂肪層は変化ありません。

○検査機関による検査結果
 ・検査項目  亜硝酸根
 ・結果値   0.003g/kg
 ・検査方法  吸光光度法

○お店からの説明
  検査結果からすると、「亜硝酸根」により発色したものと考え
る。同じ個体・部位の生肉からは「亜硝酸根」は検出されなかった。
「亜硝酸根」は野菜に含まれることから、セロリに含まれた同成分
と肉  とが反応を起こし発色した可能性が考えられる。生肉に添
加物や発色剤はいっさい使用していない。

◎小生の疑問
  お店側の説明にも一理はあると感じるものの、一緒に調理する
セロリの量はわずか1本(お湯に入れるのは上半分の葉の部分のみ
ですから正確には半本でしょうか。)である上、2リットルものお
湯とともに煮立ててあんなに鮮やかな赤色になるのでしょうか?現
に、検査結果では「0.003g/kg」と微量な濃度となってい
ます。また、圧力鍋でけっこうしっかりと煮ているのに、なぜ表層
面だけの発色なのでしょうか?

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A.こういう検査をして報告するというのは、小売り店では珍しい
です。対応としては非常によいと思います。説明の内容も私なら納
得してしまいますね。

 肉の色はミオグロビンという色素の状態によって決まります。生
の肉の色が加熱によって変色するのは、ミオグロビンの状態が変化
するからです。

 加熱してしまうと元に戻りませんが、その前の状態では、酸素と
結合することによって赤くなります。しかしその後時間がたつと、
黒っぽく変色していくのはご存じのとおりです。

 亜硝酸はミオグロビンと酸素よりも強く結合し、元に戻ることは
ありません。この性質を利用して、ハムなどの発色剤として使われ
ています。

 ご質問の例では、まずセロリと生肉をいっしょに入れた時点で、
セロリの中にあった亜硝酸と肉のミオグロビンが結合します。この
結合はその後の調理でも壊れませんので、その部分だけが赤くなっ
たままになるということでしょう。

 外部からきた亜硝酸ですので、当然この変化は肉の表面だけでお
こります。

 対策としては、ある程度加熱して、肉が変色してからセロリを入
れるということを試してみてはいかがかと思います。

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Q.2歳になる息子が、つくねが大好物です。デパートの焼鳥屋さ
んでつくねを買うのですが、作ったものは原材料が記されていない
ので、もし子どもに悪いものが入っていたら、と心配になってきま
した。たとえば、ミートボールはクズ肉とビーフエキスと添加物で
作られると聞きましたが、つくねには、ビーフエキスや危ない添加
物は入らないのでしょうか。

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A.加工用の肉が家庭で使っている肉より安いものであるのは事実
でしょうね。クズ肉という表現はあまりよくないですが、あたって
いないことでもありません。ただし、量も多いので、本当のクズと
いうわけではなく、安くて大量に購入した肉というのが本当のとこ
ろだと思います。

 ヤキトリなどを作っているところでは、串にさしたときのロスに
なった部分を使うということもあるでしょう。ただ、元の鶏肉には
さほど違いがないので、つくね用に特別のものを用意しているとい
うわけではないと思います。

 調味料などはメーカーによっていろいろです。本来は表示される
べきものですが、デパートなどで計り売りをしているものは表示を
免除されています。これはあらかじめ包装しているものにしか表示
できないだろうということです。

 原材料の表示という面からは、計り売りのものより、包装して売
られているものの方がよいです。心配なら、そういうものを買って
みるのもよいですね。

 あとはそのものの味が肝心です。充分おいしいものでしたら、割
とよい材料を使って、ちゃんと作ったものである可能性が強いです。
こういう粗悪なものもある、という情報は間違っているわけではあ
りませんが、すべてにあてはまるものでもありません。お店の側が
味や信用を大切にするのはそのためです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「アメリカ産牛肉」
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 アメリカ産牛肉の輸入再開が正式に決まりました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農林水産省と厚生労働省は27日、BSE(牛海綿状脳症)対策
本部の会議を開き、米国産牛肉の輸入再開を正式に決定した。

 BSEの特定危険部位である背骨が混入していたため、1月20
日から輸入が再停止されていた米国産牛肉は、ほぼ半年ぶりに国内
に入ってくることになった。

 ただ、「米国産牛肉の需要はまだ少ない」(農水省幹部)ため、
本格的に店頭に並ぶのは8月中旬以降となりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060727-00000005-yom-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 相変わらずマスコミでは不安を煽るような報道姿勢が目立ってい
ます。どうもことの本質が見失われているように感じるのは私だけ
でしょうか。

 歴史的に整理すると、以下のようになります。

(1)イギリスでBSEが大量に発生した。この時点では牛の奇病
であり、人間には関係ないものと考えられていた。

(2)イギリスの不誠実な対応もあり、ヨーロッパに被害が拡大し
た。

(3)イギリスでBSEに由来する可能性のある、特定の病気が確
認された。この時点で、BSEにかかった牛を食べることに一定の
リスクがあることがわかり、BSEの発生数、すでに食べてしまっ
たその牛の量を考えると、イギリスでは数万人単位の大被害が出る
可能性が考えられた。

(4)日本でもBSEが発生した。社会的な問題となったが、「全
頭検査」を持ち出すことで鎮静化した。

(5)アメリカでもBSEが発生した。アメリカでは頭数が桁違い
に多いこともあり、全頭検査はしない方針。そのためもあって輸入
再開は難航した。

(6)BSEの人的被害については、結局200人程度におさまる
見通しとなり、当初恐れられたような感染力はないとされるように
なった。

 現在、アメリカ産牛肉についてわかっていることは以下のような
ところです。

・アメリカでのBSEの発生は日本と同程度(またはそれ以下)。

・BSEの検査は調査のためにだけおこなわれていて、症状のある
牛のサンプリングとしておこなわれている。BSE陽性の比率は極
めて低く、大量にBSEが発生している状況ではない。

・アメリカでは肉牛の個別管理がされていないものがあり、月齢を
あらかじめ特定するのは難しい。

・アメリカの牛肉処理流通は寡占化が進み、いろんな「先進的」技
術の採用も進んでいて、それに対する批判は多い。

・アメリカ側はBSE対策としては危険部位を食べないということ
で充分としている。

 一部の反米的な論調はともかく、現状のアメリカの牛肉で、何か
危険なことがあるというわけではありません。現にアメリカでは日
本人の倍の人たちが、日本人の食べる量の数倍は食べ続けています。
それで何も起こっていませんし、これからも起こる可能性はほとん
どないと思います。

 もし、アメリカのBSEで被害が出るようなら、BSEの発生数
と、当時は危険部位もイギリス人は好んで食べていたということか
ら考えて、イギリスでは壊滅的な大被害が起こっているはずです。

 現状を総合的に考えると、輸入を禁止しなくてはいけない合理的
な理由はありません。このままではWTOに不正な輸入制限とされ
てしまうわけですから、輸入再開は当然だと思います。

 日本の全頭検査はパニックの鎮静化には役立ったので、効果はあ
ったと思いますが、大金をかけるほど必要なものではないので、も
うやめた方がよいと思っています。

 それよりお金をかけてほしいのは、こんなところです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 BSEの原因となる異常プリオンたんぱくは、脳と脊髄(せきず
い)に最も多い。このため欧州連合(EU)や米国では00年から、
脳組織が肉を汚染する恐れのある「ピッシング」という処理方法を
禁止した。しかし日本では、今なお続けている食肉処理場が多い。

 ピッシングとは、牛を処理する際、暴れないように頭部にワイヤ
状の器具を差し込み、脳組織を壊す措置。しかし、脳組織が散らば
って肉を汚染する恐れがあり、厚生労働省は01年に中止を指導し
た。食品安全委員会のプリオン専門調査会も昨年5月、「早く中止
を」と促した。

 これを受け、厚労省は08年度末までの全廃を決めたが、今年2
月末時点で、全国161施設中82施設(約51%)がピッシング
をしていた。2月以降に中止した施設もあるが、なお半数近くが続
けており、厚労省はその施設名を公表していない。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060722k0000e040058000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いまだにこういう処理をしている牛肉を、安全だと思って食べて
いるわけですから、アメリカの牛肉を危険だと騒ぐこともない、と
思います。

 ニュースでは日本の業界(小売り、外食、流通)は一様にアメリ
カ産牛肉の輸入・販売には消極的なようです。しかしこれはポーズ
というものでしょう。

 実際にはアメリカ側の安売り攻勢もあって、比較的早く流通して
いくと予想しています。もちろん、このときに「アメリカ産」とは
っきり表示されることは少ないでしょう。これは消費者が騒ぐから
というよりはマスコミが騒ぐからです。

 うるさく騒ぐマスコミの目の届いていないところで、こっそりと
使われていくというのはあまりほめられたことではありません。し
かし、この責任は業界ではなく、無責任な報道に終始しているマス
コミの側にあるというのが私の意見です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 雨が終わったら突然暑くなってしまいました。当然の変化なんで
すが、やはり暑いのはこたえますね。

 先週の日曜日は「別荘」に行ってきました。海水浴場の近くにあ
るのですが、学校が夏休みに入った最初の日曜日だというのに、ほ
とんど人はいませんでした。私たちは近くの温泉に入りに行きまし
たが、ここもすいていて、ゆっくりできました。和歌山ではだいた
い町ごとに立派な温泉設備があって、500円くらいの料金で入れ
るのがうれしいです。

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