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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------348号--2006.07.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「プロテイン・野菜・アカビート色素・発芽
玄米(Q&A)」「遺伝子組み換え作物」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 だいぶ前のメールマガジンに、「うちの餃子のポイントはまたの
機会に教えましょう」というようなことが書いてあり、それ以来た
まに気になっています。ちなみにうちはセロリやパン粉、干ししい
たけの砕いたものを入れたりしています。

 中国通の渡辺さんちの餃子、ぜひメールマガジンで紹介してくだ
さいね。楽しみにしています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 実は自慢するほどでもありません。普段は豚肉のミンチとニラな
どの一般的な材料ですが、シソやショウガを入れるとおいしいです
ね。

 餃子専門店というのがあって、ご飯はないのかと聞いたら、前の
コンビニでおにぎりを買ってこい、という変なはところでした。一
人でやっているそこの大将に聞いた餃子の焼き方は、まず水を入れ
て蒸し焼きにし、その後に少し油を注いでパリッと焼くというので
した。焼くときに具が縮まるので、きちんと包んでいなくても平気
なんですね。

 水をあとから入れるより、先に入れる方が確かに失敗は少ないよ
うです。水がなくなってから、焦げ目がつくのを待ちます。水があ
ると、水蒸気から熱が伝わるので、全体に早く熱が加わります。水
がなくなってから、油を入れると、餃子の温度があがって、パリッ
とするわけです。毎週のように作っていますので、このごろ割と上
手に焼けるようになり、皮作りに挑戦しようかなどと思っていると
ころです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

既にご存知かもしれませんが、山梨医科大(現在山梨大学医学部)
名誉教授の佐藤章夫氏が牛乳に含まれる女性ホルモンが癌の原因に
なる可能性を指摘しています。

http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/

なかなか説得力のある説だと思いますが如何でしょう。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 牛乳と女性ホルモンですか。確かに、乳牛は次の子を妊娠してい
ることが多いので、そういうことは考えられます。

 これについては、否定する材料も、肯定する材料もありません。
「牛乳中に女性ホルモンが存在する」というのは事実のようですが、
もう一つの、より肝心な「その女性ホルモンがどういう影響を人間
に与えるか」という事実の方はまだ探求されていないようです。

 こういう「影響があるかもしれない」事実があるとき、新しく登
場してきた食品なら、避けておくのが賢明です。しかし前回も書き
ましたが、伝統的な食品の場合は、経験的に無害であるとされてい
るわけですから、その影響の度合いが確認されてから対策を考えれ
ば充分だと考えています。

 「存在する」という事実だけで、あらゆる現象に結びつけてしま
うのは、やはりある種の思い込みのなせるワザです。冷静にその影
響を研究していく姿勢が、科学者には求められると思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.アミノ酸、プロテインは以前よりだいぶ巷で売れているようで
す。飲んだだけでは筋肉は太くならないでしょうが、運動も定期定
期にする条件で二重盲検法で行った臨床試験などはあるのでしょう
か?また、通常の摂取では起こらないでしょうが、肝・腎障害など
が起きたという報告はあるでしょうか?スポーツをやっている人は
飲んでいる人が多いですが、効果があるかどうか疑問なんですが…
効果無しでも害が無ければいいですが。

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A.スポーツ医学の方ではプロティンの効果はほぼ確定しているよ
うです。詳しい内容はわかりませんが、実際にスポーツ選手が使っ
ていることから考えて、効果はあると思います。

 スポーツの世界はある意味では健康を犠牲にしても勝利をめざす
世界です。効果があれば明らかに悪影響のある薬品にでも手を出し
かねないのがスポーツ選手の心理です。

 そういう世界で、プロティン飲料などは効果があって安全性の高
いものだと認識されています。でも、この場合の安全性は、普通に
言われている高いレベルのものではないと考えた方がよさそうです。

 ということで、素人が飲みすぎたりすると、害が出そうに思いま
す。あくまで専門家の指導の元で、科学的なトレーニングとともに
摂取するべきものです。もちろん、量がすくなければ問題はないで、
軽く摂取する分には大丈夫です。当然ながらこの場合は大した効果
は期待しない方がよいですね。

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Q.野菜は家庭で普通洗って使いますが、飲食店などではあまり洗
わずそのまま使われることが多いようです。その場合、残留農薬の
危険性はどうですか?

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A.まず前提として、現在市販されている野菜で、残留農薬が問題
になるほど検出されることはない、ということがあります。したが
って、通常は農薬に関しては洗う必要はありません。野菜を洗うの
は主に泥や虫なんかを落すためです。

 次に、農薬が洗ってどれくらい落せるのか、ということです。表
面にわざとつけた状態では、結構落せるようです。もし、内部まで
浸透しているものなら、洗っても落せないので、表面についている
ものについては、洗うことも有効かもしれません。

 キャベツなどを切るとき、家庭では一枚ずつ葉を洗ったりします
が、プロはだいたいそのまま切ります。キャベツの外の葉はとって
いますので、中を洗う必要は泥や虫の心配を含め、ほとんどないの
です。

 キャベツの葉は内側から出てきます。中の方の葉は外の空気にさ
らされずに出てきますので、虫も外の葉の内側にはいますが、中の
方にはいないものです。

 ほかの野菜は一応洗うことが多いと思いますが、納入時にほぼ完
全に現れている場合は省略されることもあると思います。安全面か
らはそれで心配するほどではないと思います。

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Q.子どもが、あずき味のキャラメルが好きなので買い与えていま
した。ある日、添加物を確認すると、「アカビート色素」が入って
いました。1日あたり2個、多いときで5個ぐらいは食べていた
(1箱10個入り)と思うのですが、大丈夫でしょうか。

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A.ビートというとサトウダイコンですが、その中に赤い色素を持
つものがあります。その「アカビート」の色素を着色料にしている
わけです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ビートレッドは、北アメリカ、ロシア、東欧諸国、イスラエル、
スーダン、ケニア、モロッコ、南米などに分布するサトウダイコン
の一変種。根の表皮は赤く、肉色は紅、白、灰色などで横断面には
紅色または黄色の輪紋を数層持っているためウズマキダイコンとも
呼ばれています。

 地中海沿岸地方が原産で薬用として紀元前1世紀頃から知られて
おり、その後アジア・カフカス、中近東に広まっていきました。2
〜3世紀にはローマに伝わり、耐寒性が強く冷涼な気候を好むこと
から18世紀にはヨーロッパ全土へと広まり、料理に用いられていま
した。

 生食、酢漬けのほか北欧、東欧、フランス各地でさまざまな料理
に利用されており、もっとも有名なものにはロシア料理の「ボルシ
チ」があります。トマト、キャベツ、ジャガイモなどの野菜を長時
間ブイヨンで煮込んだこのスープは特徴ある赤色をしていますが、
この色はビートの赤色です。シベリア風からウクライナ風、ポーラ
ンド式など多くのバリエーションがあるボルシチですが、そのすべ
てにビートが入っています。ちなみに16世紀ごろまではビートその
ものがボルシチと呼ばれていたともいわれています。

 またブドウ酒の着色料としても使われ、EU諸国、米国でも天然系
色素としてリストに入れられていることからもわかるように、評価
の相当定まっている色素といえます。

http://www.saneigenffi.co.jp/color/nbeet.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食べて問題のあるようなものではないです。

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Q.現在、第2子を妊娠中です。以前から「発芽玄米」「GABA」に
注目し、少し前から発芽玄米を食べています。そこで数点質問があ
ります。1.妊娠中・授乳中の発芽玄米での食事は特に問題はあり
ませんか?2.最近ネットで「GABA粉末」などが売られていますが、
GABA粉末を使ったチョコレートなどや「ギャバロン茶」などを妊娠
中・授乳中に食べても問題はないのでしょうか?

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A.発芽玄米も米には違いありません。発芽することで栄養的には
変化するのでしょうが、別に毒性を持ったりはしないと思います。

 GABA(ガンマ−アミノ酪酸)は広い意味ではアミノ酸の一種
ですが、タンパク質をつくるアミノ酸とは違う種類です。生理的な
活性があるということで注目されています。

 妊娠中に食べてよいかどうかは私にはわかりません。一般論とし
ては、妊娠中にはなるべく特殊な食べ物は控えた方がよいと思いま
すが、あまり神経質になるのもかえっていけないです。

 情報があふれすぎていろいろと心配になってきますが、昔の人は
貧しい食生活でも、また特別に気を使うこともなく立派に出産して
きました。ごく普通にしていれば大丈夫だという考え方ではいかが
でしょうか。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「遺伝子組み換え作物」
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 こんな講演会のニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

イリーナ・エルマコヴァ博士講演会

 GM大豆がもたらす次世代への影響に関する動物実験を行ったロ
シアの科学者イリーナ・エルマコヴァさんの講演会が全国6ヶ所で
行われます。今回の講演では、新しい分析を踏まえた詳細な内容を
語っていただきます。お近くの会場に是非いらして下さい。

4日 福岡会場 大博多ホール(グリーンコープ事業連合)
6日 大阪会場 大阪NPOプラザ大ホール(エスコープ大阪)
7日 徳島会場 ふれあい健康館(コープ自然派徳島)
8日 東京会場 目黒区中小企業センター(キャンペーン事務局)
9日 つくば会場 春日公民館(つくば市民ネットワーク)
10日 札幌会場 札幌市民会館(北海道GMイネいらないネット
事務局)

http://www.no-gmo.org/new/2006/6-21.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 エスコープやコープ自然派、グリーンコープなどとは浅からぬ因
縁のある私ですので、少し興味を持って見ています。

 私は気付かなかったのですが、毎日新聞にこんな記事が出ていた
そうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 胎内、生後に摂取 ロシア科学アカデミー

 ロシア科学アカデミー高次機能・神経行動学研究所のイリーナ・
エルマコバ博士が、親ラットに遺伝子組み換え大豆を混ぜた餌を食
べさせ、生まれた子ラットにも与える実験をしたところ、生後3週
間までに約6割の子ラットが死んだ。遺伝子組み換え大豆の慢性毒
性の可能性を示す初めての研究結果といい、6日に大阪市で開く講
演会で報告する。

 現在、大豆やトウモロコシなど遺伝子組み換え作物は日本でも大
量に使われている。だが内閣府の食品安全委員会が定める安全性評
価基準では、動物で安全性を確認する実験の義務はなく、慢性毒性
の実態などはほとんど分かっていない。

 イリーナ博士は、遺伝子組み換え大豆の粉末を毎日5〜7グラム
混ぜた餌を親ラットに交配の2週間前から食べさせ、妊娠中や授乳
中も与えた。さらに、生まれた子ラットにも同じ餌で飼育した。

 その結果、生まれた子ラット45匹のうち、生後3週間までに25匹
が死んだ(死亡率55.6%)。一方、通常の大豆を混ぜた餌の場合、
生まれた子ラット33匹のうち、死んだのは3匹(同9.1%)だけだ
った。 【河内敏康】

http://blackshadow.seesaa.net/article/20391430.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上記の講演会に行った人の話も聞いてみたいものですが、一般に
科学者からの評判は非常によくない実験のようです。代表的なコメ
ントでは松永和紀さんの記事がありました。

「科学」の名に値しない遺伝子組み換え毒性試験(1)
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=660
「科学」の名に値しない遺伝子組み換え毒性試験(2)
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=661

 題名だけで内容が想像できますね。どうもラットに生の大豆を食
べさせたみたいです。エサの内容など、実験の詳細が明らかにされ
ていず、本人も予備実験などと言っているようで、評価に値しない
ということです。

 記事を引用させていただいたブログには、松永さんの記事の一節
が引用されています。こんな文章です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今回の博士の研究の取材にあたって、私は大勢の研究者や関係者
のご助力をいただいた。その間、だれもが怒り悲しんでいるように
思えて仕方がなかった。「こんなデタラメ研究に、なぜ日本は騙さ
れてしまうのか。日本人の科学リテラシーはそれほど低いのか」と
いう深い絶望感である。

 残念ながら、4日の講演会で集まった生協の組合員たちは、博士
にころっと騙されているように見えた。私と同世代やもう少し若い
人たち。子を持つ母親である。彼女たちには、このトンデモ研究が
見破れない。

http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=661
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 講演会に行って、その内容に納得できたかどうか、ぜひ聞いてみ
たいものです。

 遺伝子組み換え作物について、「動物で安全性を確認する実験の
義務はなく」というところが気になる人もいると思います。これは
実は食品に対する一般的な原則なんですね。

 何が食べられ、何が食べられないかは、生物の存在にとって重大
な問題です。私たちは種の誕生の瞬間、あるいはそれ以前から、こ
の大問題を経験によって克服してきたのです。

 科学的な知見からすれば、健康によくないということが知られて
も、その国の食文化との関係で、必ずしも食べることをやめるとい
う判断が下されるわけではありません。

 典型的な例は「ひじき」です。ひじきはイギリスではヒ素を含む
という理由で輸入を禁止されてしまいました。ヒ素を含むのは事実
で、大量に食べれば害があるのも事実です。だからイギリス政府の
判断は別に間違ってはいないのです。

 これに対して、日本では別に禁止されていませんし、多くの日本
人は平気でひじきを食べています。これは日本には古くから海藻を
食べる食文化があり、経験的に問題ないとわかっているからです。
実際、害があるほどの量のひじきを食べるのはほぼ不可能なことは
計算すればわかります。

 ひじきは日本では伝統食品として扱われ、イギリスでは新参者と
して扱われたため、対応が違ってしまったのです。このように、私
たちが食べているものはすべて「安全性を確認」されていないとい
うことを忘れてはいけません。

 大豆の場合も、大豆そのものの安全性が確認されていないのに、
遺伝子組み換え大豆の安全性を確認しても仕方ない、ということで
す。やるなら大豆そのものの安全性確認からスタートしなければな
りませんが、生の大豆には毒性のある物質も含まれているようです
し、イソフラボンの評価だけでもずいぶん迷走しているのはご存じ
のとおりです。

 生協などで「食に関する問題」を取り上げるのは結構なことです。
しかしこうした「非科学」が横行するようになるのは困ったことだ
と考えています。生協関係者が科学に弱いからだまされてしまうの
か、それとも確信犯的にでっち上げをやっているのか、判断に苦し
むところです。

 私の経験から考えると、たぶん前者だろうと思います。エスコー
プの専務理事の顔を思い浮かべたりすると、そう思うのですね。い
い人なんだけど科学に弱いというのが生協職員に共通する特徴です。

 生協では組合員といいますが、消費者側もあまりにもだまされや
すい体質があります。政府やメーカーの言うことは疑うのに、消費
者側に立っているというポーズだけで疑うことをやめてしまいます。
議論は事実と論理に基づいておこなうもので、人の立場を考慮する
のは間違っているのに、先に敵味方を区別してしまうため、あとは
だまされ放題です。

 「いい加減目覚めなさい。」といいたいところです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「世界の農業を支配する」モンサント社が遺伝子組み換え作物の
研究をはじめた動機に、こんなことがあったのは事実だと思います。
農業の世界のマイクロソフトをめざしたのですね。しかし現在、そ
の野望は費えてしまっています。あれだけ反対をいっていたヨーロ
ッパでも、独自の研究がはじまっています。結局、ナイーブな日本
人だけが取り残されるというおなじみの光景がくりかえされそうで
す。

 遺伝子を操作するということが、日本人の宗教的情操の琴線にふ
れるということはあると思います。しかしこれ以前の育種方法でも、
すでにかなり強引な手法はとられていますので、その一つのバリエ
ーションにすぎない、と判断してよいのではないでしょうか。

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