安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>345号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------345号--2006.06.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「プロセスチーズ・香料・カレー(Q&A)」
「講演概要」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「安心!?食べ物情報」を読ませていただきましたが、内容が科学的
で、大変すばらしいと思いました。

 さて、344号の内容について、いくつかコメントさせてください。

 缶詰から溶出するスズについてですが、量が多いと下痢、腹痛な
どの急性症状を示すことが知られており、昔は日本でもそのような
事例があったと聞いています。ただ、メルマガにもあるとおり、蓄
積による慢性毒性が起こることは稀とも言われています。缶詰食品
中のスズ濃度についてCodexの基準値があり、250 mg/kg(飲料につ
いては 150 mg/kg)となっています。

 あと、水についてですが、塩素殺菌は多くの細菌に対して有効で、
かつ残留性が高い(よって、水道管内で細菌が繁殖しない)という利
点がありますが、一方では塩素臭がする、トリハロメタンが生成す
る、鉄などが析出しやすくなる、クリプトスポリジウムに対して殺
菌力がないのでクリプトスポリジウムによる経口感染が起こるなど
の欠点もあります。先進的な浄水場では塩素とオゾン殺菌を併用し
たり、塩素酸を使ったりしているようです。また、塩素臭がしない、
という点ではクロラミンを使うという方法もあり、実際にアメリカ
で使われているようですが、水道管に鉛が使われていると鉛が溶出
する可能性があるようです。

参考:
http://www005.upp.so-net.ne.jp/wanatra/waterSessey.html
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20060601#p4

 「オイマックス」という言葉が出てきましたが、「マイオックス」
のことでしょうか?だとすると、これは電解水を生成する機械で、
食品事業者などでも使われているようです。酸性電解水には次亜塩
素酸が含まれているため、殺菌力があることが知られています(つま
り、塩素水と同じ原理です)。次亜塩素酸の殺菌力は酸性側で強く、
アルカリでは弱くなりますので、酸性である酸性電解水は次亜塩素
酸が有効に働くと考えられます。

 ちなみに、プールを殺菌しない場合、レジオネラ菌が一番危険で
しょうね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「オイマックス」は検索したのですが、何かわからなかったので、
ドイツ語でないとダメなのかな、などと思っていました。どうもあ
りがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.教えていただきたいことがあってメールいたします。それはチ
ーズの乳化剤と塩味の関係です。当該品(商品名にはクリームチー
ズと入っていますが種類別ではプロセスチーズ)にはクエン酸三ナ
トリウムとポリリン酸ナトリウムが合計1.8%含まれております。
食塩は使用されていませんが塩辛いと感じました。乳化剤が原因で
は?と考えております。

(1)乳化剤中のNaも塩味の原因となるのでしょうか?
(2)添加量1.8%というのは普通の使用量なのでしょうか?

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A.まず、栄養的にはナトリウムの含有量が問題になりますが、味
の面では「塩化ナトリウム」で、ナトリウムと塩素の両方があって
はじめて塩辛く感じるはずです。

 また、ナトリウムは牛乳の中にはじめから含まれています。乳化
剤として添加されたナトリウムはそれと比べてほとんど問題になら
ない程度です。

 塩味については、プロセスチーズの原料となる、ナチュラルチー
ズが持っている味です。チーズと塩味は切り離せないものだと思い
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

4.塩分を加えます。

 塩分による浸透圧により更にホエーの排出を促し、チーズに残る
水分量の調節を行います。また塩分を加えることにより乳酸醗酵が
抑制され、雑菌の繁殖を防ぐことができ、風味を良くする効果もあ
ります。塩分を加える方法としては、型に詰める前にカード粒に塩
分を混ぜる方法、圧搾後、塩分を表面に塗り付ける方法、圧搾後、
食塩水の中に漬け込む方法があります。ゴーダやエダムなどは食塩
水に漬け込む方法で加塩します。

http://www.foods.co.jp/cheese/academy3-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 量的にはよくわかりません。たぶんそんなものだとは思うのです
が…。

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Q.香料製剤の中には香料物質と溶剤等が入っていますが、これを
使用した食品の表示は香料、または香料物質の起源原料名でもかま
わないのでしょうか?

 たとえばバニラからバニラエキスを抽出し、エタノールを溶剤と
した香料製剤の場合、バニラエキス、もしくはバニラとの表示はか
まわないでしょうか?

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A.これは私も疑問に思っていたのですが、一般に市販されている
食品添加物は、添加物以外に他の物質も含んでいます。製品化する
ために使われる、溶剤などは添加物として表示しなくてもよいよう
です。

 「製造基準」というものがあって、何を使ってもよいわけではな
く、その基準に従っている限り、指定添加物だけを表示すればよい
ようなのですが、どうもよくわからないことではあります。

 ラーメンの麺を着色するのに、ビタミンB2を使うことがありま
す。ビンに入っていて、プロピレングリコールを溶剤として使って
いましたが、これを使っても、プロピレングリコールは表示しなく
てもよいのか??と不思議に思ったことがあります。

 ご質問には私もよくわからないとしか答えられないのですが、現
実にはそのように表示されているのは間違いないと思います。

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Q.三日前に作り置き(室温にて)しておいたカレーに、白カビらし
き白い物体がうっすら表面に浮いていました。毎日火は通していた
ので、大丈夫かなと思い食べてみたら、酸っぱい臭いがしました。
結局全部食べてしまったのですが、大丈夫なのでしょうか?

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A.食べてしまったのなら、大丈夫も何もないですね。おなかをこ
わしたりしませんでしたか?症状がでなかったのなら、大丈夫だっ
たのでしょう。

 似たような話が以下のサイトにたくさん掲載されています。題し
て「食中毒への道」です。
http://www.donnk.com/d/grp43.html
 
 こういうふうにネタにして笑っていられるうちはよいのですが、
冗談ではすまなくなることもありますので、ご注意ください。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「講演概要」
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 6月15日に東京で「講演」した話の概要を報告します。食品業
界の会合でしたので、対象は食品業界の人たちです。

「消費者が食品業界に望むもの」

 私は24年間、生協で働きました。大半は地域生協で、配達をし
たりビラまきをしたりしていました。また仕入れ担当やコンピュー
タの担当などもしていましたが、これも小さな生協ならではのこと
です。

 初めは商品数も少なく、軽トラックで配達していました。牛乳や
卵といった生鮮食品が中心だったのですが、「無添加ハム」は強力
な宣伝材料になりました。

 生協は事業としては専務理事を筆頭とする職員が主導して経営し
ていくという面がありますが、行動する主婦の組織としての面もあ
ります。何事についても、活動している主婦の賛成を得られないと
いけないのです。

 ずいぶん昔の話になりますが、「手作り論争」みたいなことを経
験しています。「めんつゆ」のような商品は扱ってはいけないとい
う意見が強かったのです。醤油や昆布、カツオ節はよいが「めんつ
ゆ」はいけない、なぜならそういうものは自分で手作りすべきだか
ら、という意見ですね。

 何回も却下されましたが、しつこく案を出して、結局扱いが認め
られるようになりました。これは時代が変ってきたからで、ほとん
どの人がクルマを運転せず、パートなどに出る人もいなかった時代
から、主婦も外に出て活動するような時代になっていったのです。

 そうした流れの中で、共同購入という方式も、個人別の注文や代
金回収、さらには個人別の配達を開始するというように変ってきま
した。

 商品の面からみても、市販の商品との差別化が徐々に難しくなっ
てきます。昔は市販されているものは本当いいかげんな商品が多か
ったのですが、時代とともに粗悪品は淘汰されるようになりました。

 気がついてみると、生協の商品と市販のメーカー品との間の差は
あまりなくなってきていたのです。

 チェルノブィリ原発事故のときには、放射能問題で大騒ぎになり
ました。実害があるようなレベルではなかったのですが、マスコミ
でも大々的にとりあげたこともあり、非常に心配されたのです。

 このとき、放射能が検出されたとして、産直のお茶を廃棄処分に
した生協がありました。プロパガンダの材料にするために、生産者
を切り捨てた行為で、私は今でも許せないものだと考えています。

 放射能騒ぎがおさまってからも、ダイオキシンや環境ホルモンで、
似たような騒ぎをおこすようになりました。私はこれはマッチポン
プ式に、生協への求心力を高めるために利用しようとする力がはた
らいたのだと解釈しています。

 片方では生協は供給拡大のために、市販商品との差をなくしてき
ました。これに飽き足りない層は自然食品などのより過激な主張を
しているところに流れる傾向があります。これ自体は悪いというこ
とではありませんが、その先には詐欺師たちがもっと怪しい商品を
もって待ち構えているということは確かです。

 消費者がこのように行動する背景には、過去のいろいろな問題が
あります。公害としての水俣病、食品事故としての森永ヒ素ミルク
事件、AF2などをはじめとする添加物の問題、などなどが原罪と
して消費者の不信感の根底にあります。

 また、食品業界自体も、必ずしも良心的とは言えない業者や商品
を許してきたといえます。この20年ほどで飛躍的によくなったと
はいえ、いまだに詐欺師と組むような不心得者がいるのは事実です。

 最近、トクホなどの新しい食品開発が盛んですが、私はこのよう
な傾向には批判を持っています。一つ一つはまじめな研究であって
も、そういう方向に流れていく企業には、一発あてて儲けたいとい
う欲望が感じられるのです。先日のアガリクスの事件をみても、一
流企業のすることではないと思います。普通の商品が信頼されるよ
うになる道は、こういう方向ではないと思うのです。

 食品に対する情報では、マスコミの罪も大きいです。情緒的に煽
るだけの報道や無責任なデマ情報の垂れ流しは今も続いています。

 幸い、今まではマスコミだけが担っていた情報の伝達が、インタ
ーネットの発達によって、消費者に直接、届けることができるよう
になりました。これを利用しない手はありません。マスコミへの宣
伝費を削っても、ネットでの情報発信に力を入れるべきだと思いま
す。

 企業のサイトも最近はたいへんよくなってきて、いろんな情報が
掲載されるようになりました。しかし、まだまだ消費者に正しい情
報を届け、怪しい情報信じている状態をを打ち破るというところま
では行っていないと思います。情報の出し方、企業の姿勢などに、
研究・努力の余地は大いにあるということです。

 ネット上では、食品に関する怪しげな情報が花盛りです。少し調
べてみると、サイトの数は多くても、ほとんどが同じような文章で
す。ネタは元売りの側から提供されているのでしょうね。

 しかしこういうネタの影響力は馬鹿にできません。メーカーのサ
イトで、表面的なきれいごとを言っているようでは、あくどいデマ
宣伝に負けてしまいます。

 消費者が求めているのは、本当のこと、事実そのものです。一切
のウソを廃して、建前で語るのではなく、率直に開発・生産の現場
からの事実をオープンにしていってもらいたいと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「講演」は時間オーバーしてしまいました。私は時計を持ってい
なかったし、会場の時計は私の背後にあったのです。腕時計をしな
いのは金属アレルギーのせいにしていますが、本当は重いものを持
つのがいやだというところです。やはり時間は守らないといけない
ですね。反省。

 私のあとに農水省の役人の話があり、すっかり迷惑をかけてしま
いました。「食育」の話ですが、時間があれば税金の無駄遣いだと
意見を述べてみたいものでした。「食育」をおこなえば、国民の健
康状態がよくなると本気で思っているのでしょうか。何でもネタを
見つけてきて、予算をつけてしまう役人根性には感心するばかりで
す。

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