安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>341号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------341号--2006.05.21------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「天然水・コラーゲン・ひじき・残留塩素
(Q&A)」「肉の色」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 「塩」の話で2つ、お便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「『食塩無添加』の表記は実際にしているものがあるのでしょう
か?」という質問ですが、食品への「無添加」表記の使用の明確な
定義がないことから「無添加」という表記は結構食品には使用され
ているように感じます。(R社の「和風だしの素」など)

 「無添加」のみの使用は何が無添加か不明なので不正表示だと思
います。しかし、「化学調味料無添加」「食塩無添加」又はその両
方を表記した食品はどうなのでしょう?

 回答された内容からすると「食塩無添加」の表記は不正表示「化
学調味料無添加」は食品添加物なのでOKとなるのでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「化学調味料不使用」という表示はこのごろよく見かけますね。
悪いことではありませんが、化学調味料を使っていなくても、他の
調味料にグルタミン酸ソーダがたっぷり入っていれば同じことです。
調味料を全く添加していないというものはほとんどありません。

 「食塩無添加」はおかしい言い方ですが、不正表示になるのかど
うかはよくわかりません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 以前は「無塩バター」と呼んでいて、栄養成分表示のからみで
「食塩無添加バター」と呼び替えたものがありますがいかがですか?

 牛乳を始めとする乳製品にはもともと塩分が多く含まれています
が、これにさらに塩分を足して保存性を上げたのが(有塩)バター
ですよね。お菓子作り用に開発されたしょっぱくないバターを「無
塩バター」と呼んでいましたが、これが法律にひっかかって呼び方
をかえたわけですが。確かにもっと格好いい呼び名が見つかればよ
かったです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 と言っていたら、ここに「食塩無添加」という表示のものがあっ
たのですね。「無塩バター」と言っていたものが、誤解をまねくと
呼び方を変えたわけです。

 しょっぱくないから「無塩」でよいように思いますが、世の中に
は食塩の摂取を厳しく制限されている人もいますから、やはり問題
なのでしょう。

 他の呼び方はなかなか思いつきません。難しいですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.菓子製造餅、おはぎ等用の水として、水道水の水質が非常
に悪く、山間部の天然水を手当てしてもらい使用することを考えて
おります。この記事にポリバケツでの保管について問題があるよう
に書いてあり、迷っているところですが、ポリバケツで運搬してそ
の水を3.4日保管して使用するといった場合に、品質に問題がな
いのかどうか、あれば煮沸するとか何か方法等について教えていた
だきたくお願い申し上げます。

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A.まず、「天然水」が飲用に適するかという問題があります。茨
城県でおいしいからといって井戸水を飲んでいた人たちが、ヒ素の
被害を受けたことがありました。一見きれいに見えても、安全かど
うかは別問題です。必ず検査が必要です。

 環境は常に変っていきますから、検査も一度限りではなく、常時
行う必要があります。「天然水使用」のビールなどでは、工場でそ
ういう検査をしているはずです。

 水道水なら、供給側が常に検査しています。これに優る安全な水
を確保するのは極めて難しいと思います。

 ポリバケツにためておいた水が、水道水よりよいところがあると
はとても思えません。水道水の何がよくないのかわかりませんが、
よくない原因があるとすれば、それを取り除くことを考えてはいか
がでしょうか。

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Q.最近、強い日差しのせいか?(年齢のせいか???)頬のしみ
が目立つようになりました。サプリメントなどは全く信用していな
かった私ですが、さすがに気になり粉末コラーゲンを飲み始めまし
た。原材料はコラーゲンペプチド とだけ記入してあります。コラ
ーゲンは体に存在するたんぱく質の一種なので、パソコンなんかで
調べると害はないと書かれていますが・・・どれもコラーゲンを販
売する会社のホームページばかりで、それが本当の情報なのか、そ
れとも販売目的が主で、短所は記載されていないのか判断できませ
ん。

 使用上の注意では、アレルギー体質、薬を服用中の方、お子様、
妊娠、授乳中の方は必ずお医者様に相談してくださいと書かれてい
ます。ちなみに私が飲んでいるのは日本で購入したもので、毎朝、
ローズヒップなどのお茶に入れて飲んでいます。

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A.コラーゲンはタンパク質ですから、アミノ酸に分解されてから
吸収されます。コラーゲンそのものが吸収されるわけではありませ
ん。しががって、体内のコラーゲンは摂取したアミノ酸から作られ
ています。

 「ペプチド」というのはタンパク質ほど大きくない、アミノ酸の
化合物です。「コラーゲンペプチド」というのは、コラーゲンをあ
る程度分解して、消化吸収しやすくしているのでしょう。

 コラーゲンの構成アミノ酸をとるのは、少しはコラーゲン合成に
有利かもしれませんが、アミノ酸は他のタンパク質からも摂取して
いますので、それほど重要ではないです。

 体内でコラーゲンを合成するとき、ビタミンCが必要です。ビタ
ミンCの欠乏によって、壊血病がおこりますが、これはコラーゲン
が不足してしまうことが原因です。したがって、コラーゲンを補う
目的なら、ビタミンCを摂取する方が効果的なはずです。

 ところで、「シミ」にコラーゲンが効くのでしょうか?もし、コ
ラーゲンを摂取することで、体内のコラーゲンを増やしたとしても、
「シミ」には関係ないのではないかと思います。「シミ」というの
は色素の問題ではないのでしょうか。このあたりはよくわかりませ
んが、私としては疑問に思っています。

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Q.私は管理栄養士をしているのですが、最近ひじきについて質問
を受けました。ひじきを食べたいのだけど、海草の汚染が気になっ
てあまり食べることが出来ないとのことでした。私はどこまで海草
類の汚染が広まっていて、それがどの程度人体に影響するのかが分
からなかったため、そのときは「気になるようでしたら選んでひじ
きを購入さえれると良いと思います。」とお話ししました。私自身、
ひじきに関して汚染がこわいと思ったことがありませんでしたので。
海草の汚染、その影響等情報がありましたら教えて下さい。

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A.海の汚染と「ひじき」がどうして結びついたのか、不思議なと
ころがあります。他の海藻類や魚介類は心配ないのでしょうかね。

 ひじきについてだけ問題とされていることに、「ヒ素」の問題が
あります。汚染一般ではなく、このことを気にされているのかもし
れません。

 厚生労働省のサイトに以下のようなQ&Aがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q.1 ヒジキについて、英国が発表した内容はどのようなもので
すか。

A.1 英国食品規格庁(Food Standards Agency、FSA)は、
7月28日にヒジキを食べないように英国民に対して勧告を出しま
した。その理由は、FSAの調査で、ヒジキに発ガンリスクの指摘
されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたためと
しています。

Q.2 ヒジキを食べることで、健康上のリスク(危険性)は高ま
りますか。

A.2 平成14年度の国民栄養調査によれば、日本人の一日あた
りの海藻摂取量は、14.6gですが、これは、海苔や昆布といった他
の海藻類を含んだ量です。海藻類の国内生産量、輸入量及び輸出量
から、海藻類のうちのヒジキの占める割合を試算したところ、6.1%
であり、摂取量の割合もこれと大きな差はないと推定すれば、ヒジ
キの一日あたりの摂取量は約0.9gとなります。

 一方、WHOが1988年に定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂
取量)は15μg/kg体重/週であり、体重50kgの人の場合、107μg/人
/日(750μg/人/週)に相当します。FSAが調査した乾燥品を水
戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で22.7mg/kgでしたが、仮
にこのヒジキを摂食するとしても、毎日4.7g(一週間当たり33g)
以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWIを超えることはありま
せん。

 海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報
告はありません。

 また、ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルも含んでい
ます。

 以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスの
よい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思わ
れます。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/07/tp0730-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 極端に多く食べない限り心配はないようですね。イギリスではも
ともと海藻を食べる文化がなかったので、用心しているわけです。

 国によって基準が違うのは、背景の食文化が違うので、当然のこ
とです。他国での情報は注意は必要ですが、必ずしも日本でも同じ
というわけではありません。

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Q.近所の方から生のひじきをたくさんいただきましたが、保存方
法と消費期限を教えてください。ひ素が含まれているとの話を聞い
たのですが、毎日食べるのはよくないのでしょうか?

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A.ヒ素については、今回の他のQ&Aに書いています。ひじきは
あまり大量に食べるものでも、毎日食べるものでもないです。でも、
もらったときには毎日食べても、一年中そうではないですから、心
配するほどではありません。

 保存方法は生のままならとりあえず冷蔵するのでしょうね。長期
間保存するのなら、乾燥させるのでしょうが、調理してから冷凍す
るのもよいです。このあたりは常識的なところです。

 消費期限(賞味期限)については、いつも言っていますが、工場
でつくられて包装され、店で売られているものにつけるものです。
そうでないもの、例えば生鮮品とか、自分で調理した食べ物には賞
味期限はありません。

 ではどうやって判断するのかというと、自分で見て、臭いをかい
で、味をみて判断するわけです。この程度の判断はできないと困り
ます。

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Q.残留塩素を検査する商品で「ミヒラーチオケトン」という名前
を目にしましたが、どのようなものなのでしょうか?

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A.「チオケトン」というのは化学物質のグループで、「ケトン」
の炭素原子が硫黄原子に変わったものです。「ミヒラーチオケトン」
もそうした物質の一つで、試薬として使われているようですね。

 この物質を塩素と反応させて、量をはかる「ミヒラーチオケトン
法」という測定方法があるそうです。詳しいことは私にはわかりま
せん。

 ところで、残留塩素というのはやはり水道水でしょうか?水道水
には残留塩素がなければいけないことになっていますので、塩素を
はかることはあまり意味がありません。

 蛇口から出てきた水に残留塩素がなければ、これは大事件になり
ます。ペルーだったと思いますが、水道に塩素を投入するのをやめ
たせいで、コレラが発生したという事件がありました。

 もちろん塩素が多すぎるのもいけないのですが、臭いでわかりま
すので、そうしたことは普通おこらないと思います。

 一般的に、残留塩素をはかることをすすめるのは、水関係の商品
を売る目的のことが多いので、少し気になりました。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「肉の色」
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 こんなご質問をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 屠殺、骨抜き、カット後、真空包装した豚肉を冷蔵で輸入。たま
たま包装用のビニル(ポリエチレン)袋の一部繊維が、製造工程上
の不具合により通常繊維より薄い断層となっておりました。

 結果、輸入通関後、箱を開けて肉を見ると、その薄い繊維部分に
沿って、薄い赤色の発色が見られました。ただし、包装(ビニル袋)
を破り、肉を直接外気に触れさせる事10〜15分で、この赤い発色は
消えました。

 以上の状況は、ミオグロビンと酸素の結合による発色と結論付け
て宜しいのでしょうか?また、この現象は、食品として流通させる
には問題ないと判断して宜しいでしょうか?

 酸素とミオグロビンの結合は、腐敗(酸化)と違うのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ミオグロビンはヘモグロビンと同じような、赤い色素で、筋肉中
に分布しています。肉の色を決定する色素です。

 ヘモグロビンと同じように、ヘム鉄を持っていて、酸素を運搬す
る能力があります。酸素と結びつくときれいな赤い色になり、そう
でないときは暗い色をしています。

 肉のかたまりの内部では、酸素がないため、肉は赤くありません。
スライス肉ではスライスしたとたん、空気中の酸素と結びついて赤
く発色します。丁寧な肉屋さんでは、スライスした肉を一枚ずつ、
重ならないようにトレーにおき、発色させてからパックに詰めてい
たりします。

 スライス肉を一枚ずつ取り出すと、重なった部分がときどき暗い
色をしていることがあります。これは発色が充分でなかったからで
す。この場合は空気にふれると発色してきますので、わかります。

 きれいな色の肉も、時間がたつと黒ずんできます。これをふせぐ
ために薬剤を使うということがかつてありました。(今も?)ニコ
チン酸やビタミンCなどを主にした製剤が市販されていました。

 マグロなどの赤身魚も、似たような問題があります。こちらでは
一酸化炭素で色を保つということが行われていました。いずれの方
法も、ミオグロビンに酸素よりも強力に結びつく物質を使って、色
を固定しようというものです。

 腐敗と色の変化は同時進行していきますが、別に因果関係はあり
ません。なんらかの手段で色の変化を止めても、腐敗は進行してい
きます。その結果、見た目はきれいなのに腐敗が進行しているとい
うことがおこりますので、特に一酸化炭素使用などは禁止されるよ
うになったわけです。

 ミオグロビンの発色には、酸素以外にも「水」が関係しているの
だそうです。肉を冷凍しておいたとき、密閉が充分でないと、一部
が変な赤い色になることがあります。これは冷凍乾燥がすすんで、
水分がなくなった結果、色が変わったのです。

 ここまできてやっとご質問の答らしきものになりますが、おそら
く乾燥のせいで色が変化したのだと思います。程度が軽かったため、
水分を補うことでもとにもどったのでしょう。

 酸素が関係しているのなら、空気に触れさせたときに赤くなるは
ずですから、赤い色がとれたというのとは違うと思います。

 一般に、肉からドリップが出るような状態では、色の変化が早い
とされています。よりよい品質の肉を届けるためには、温度管理、
衛生管理など、いろいろと努力されているわけですが、その結果が
こういうところに差となって現れてくるのです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 6月15日に東京で「講演」に呼ばれています。業界団体の催し
だそうです。人前で話をするのは苦手ではないのですが、ちょっと
アガってしまうかも。

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