安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>337号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------337号--2006.04.23------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「粉ミルク・饅頭・なまこ・牛乳(Q&A)」
「干物」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の「かんすい」について、情報をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 かんすいについて、私見を申し上げます。小生、戦後役所で食品
衛生の仕事をしておりました。

 食品衛生法も交付されたばかりで、食品添加物も酸とアルカリ、
またそれらによる造塩反応生成物などは除外されていました。

 食品添加物の規制は、1955年森永乳業の全粉乳で砒素中毒患者が
発生したことで、その後から「化学的合成品たる食品添加物」とい
う言葉も生まれ、全面的な改正と規制強化が行われたもので、それ
以前食品添加物についての関心は低いものでした。

 1950年代、年本と現場で得たかんすいの情報は次のようなもので
した。

 かん水は大きな甕に入れられ、防水性のある紙のようなもので封
をし、甕の口を縄で括り、輸入されていました。輸出元の台湾では
芭蕉の葉を集めて燃やし、その灰を大きな釜に入れ、水を加えて煮
詰めます。かなり煮詰めると透明で、どろっとした液体になります、
これを甕に詰めて日本に輸出している、という内容でした。

 中華料理のコックさんは、この液を取り出し、米粒を投げ入れ米
粒が浮くと良品と判定していたようです。原著は書棚にあるのです
が、探すのには時間がかかりますので、とりあえず記憶しておりま
すことを書きました。ご参考まで。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 昔の話はなかなか興味深いですね。日本は戦後ですが中国では内
戦の混乱期ですから、かんすいも手に入らなくて困ったのでしょう。
今と違って何でも作れてしまうわけではありませんから、台湾の中
国人がかんすいに相当するアルカリ剤を苦心して作ったことがうか
がわれます。

 NHKが取材で中国の奥地に行ったときの話ですが、食べ物が不
足して困っていたとき、鹿がとれたことがありました。日本人スタ
ッフも鹿肉が食べられると思ってよろこんでいたら、いっしょに行
っていた軍人たちが餃子を作り出したといいます。

 中国人以外なら、そんな場合は肉を焼いて食べると思いますが、
どうしても本格的な料理を作らないと気が済まないという話です。
このかんすいの話についても、さすがに中国人だな、という気がし
ます。

 ただし、中国では安全面の配慮はあまりされない伝統なので、今
ではこちらを気にする人が増えてしまっています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.生後1ヶ月の赤ちゃんがいます。粉ミルクの缶の中から緑の1
ミリほどの石のようなものを見つけました。1つだけで、哺乳瓶の
穴から出るような小さなものではないのですが、その缶からすでに
半分以上飲ませていて、それが何かわからないので粉ミルクは大丈
夫だったのか心配です。今はその缶のミルクは飲ませていませんが、
もし何か問題があったらすでに赤ちゃんに異変などが出ているでし
ょうか?

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A.これが何だったのか、気になるところですね。こういう場合は
粉ミルクのメーカーに問い合わせてみられてはどうでしょうか。案
外親切に教えてくれるものです。石を保存しておいて、送付しても
よいです。何だったかわかれば安心できますからね。

 赤ちゃんに変わったことがなければ、別に問題はないです。あま
り気にしないのがよいと思います。

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Q.先月の25日に、お土産品として兵庫県宝塚市「いづみや本舗の
蕪楽」というお饅頭をいただきました。とてもおいしく、少しずつ
いただいていたのですが、棚の上に置いたため、しばらく食べるの
を忘れ、20日ほど経った本日、食べてみたのですが、最初と変わら
ずおいしく、カビもわいていませんでした。

 そこで、夫婦げんかが始まりました。包装紙には「保存料」の表
示がないから、保存料は入っていない、というのが私。何を言って
いる、保存料なしでこんなに長い間カビも生えないわけがないとい
うのが夫。とうとう立腹して食事半ばで切り上げる羽目になってし
まいました。饅頭は一個ずつポリ袋に入れてあり、その中に乾燥剤
が入っていました。その饅頭には何が使われているかの表示はあり
ますが、保存料は書いてありません。どちらの主張が正しいのでし
ょうか。教えてください。夫は、希硫酸が入っているのだと言って
います。

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A.けんかするほどのことはないと思いますが…。こういう疑問は
できればメーカーに直接問い合わせてみるといいです。案外親切に
教えてくれるものです。

 希硫酸のようなものは、生物を殺す力がありますが、濃度が薄ま
ってしまうと意味がありません。防腐剤などはかなり薄まっても効
果があることが要求されるので、案外難しいものなのです。だから、
カビを生やさないようにするには、少し工夫が必要です。

 個別包装していて、中に「乾燥剤」が入っているのなら、カビが
生えなくても不思議ではないです。これは乾燥剤ではなくて、脱酸
素剤かアルコール剤です。どちらも、饅頭の中ではなく、外部から
カビを生えにくくします。

 脱酸素剤は使い捨てカイロと同じ原理で、鉄が袋の中の酸素と結
びついて、袋の中が酸欠状態になります。この状態ではカビは生え
られません。空気の1/4程度が酸素ですので、酸素がなくなって
しまうと真空パックのように、全体がへこんだ状態になります。こ
うなっていれば脱酸素剤ですね。

 別にへこんでいないというときは、アルコール剤でしょう。これ
は中からアルコールが蒸発してきて、袋の中にアルコールがいつも
ある状態になっています。カビはアルコールに弱いので、やはり生
えてきません。

 ということで、饅頭の内部には防腐剤などはつかっていませんし、
何らかの工夫をしてカビが生えないようにしているわけですから、
どちらも一部は正しかったということで、仲直りしてください。

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Q.実は、今日"なまこ"を釣ったんです。ごく一般的に三杯酢で生
食する事を選び調理致しました。が、急に「これ食っても大丈夫か
な。」と不安がよぎり、ネットで調べたところ500種ほどのなま
こが日本にいて食用とされてるものは赤なまこ青なまこの二種だと
言うではないですか。調理したなまこは限りなく黒でした。塩でも
んだ時、何となく深緑になりましたが。これって、食べないほうが
良いのでしょうか?どうか教えて下さい。

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A.おっしゃるとおり、赤なまこ、青なまこ以外は食用にしないよ
うですね。それ以外のなまこはどうして食べないのでしょうか。私
もよくわかりません。

 赤なまこ、青なまこともに「まなまこ」という種類らしいです。
とってきたものが同じ種類である可能性が高いと思いますが、やは
り用心しておいた方がよいかなと思います。

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Q.市販の牛乳で、「低温殺菌牛乳」と「高温殺菌牛乳」とでは、
カルシウムの吸収率が大きく違うと聞いた事があります。(低温殺
菌の方が吸収率が良い)販売価格も低温殺菌の方が高めです。味も
低温の方が美味しい。これって、本当のところどうなのでしょうか?

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A.願望としてはよく聞く話ですが、事実ではありません。栄養の
話は案外難しくて、本当にどうなのかは動物実験などで確かめるし
かありません。実際に牛乳の殺菌温度の違いで、栄養としての価値
が違ったという実験結果は一切ないのです。

 味についてはいろんな意見があって結構なのですが、ちゃんと実
験で確かめられることに関して、実験結果を無視してこういう説を
となえる人がいるのは困ったことだと思っています。

 それから、ややこしいですが、「低温殺菌」と「高温殺菌」はあ
まり違いがなく、普通は前者が63度30分、後者が72度15秒
といった殺菌です。こういう説で比較されるのは「超高温(UHT)
殺菌」で、こちらは130度3秒とかになります。

 前後の加熱や冷却にかかる時間も考えると、たしかにUHT殺菌
の方が牛乳が受ける熱の影響が大きく、味も微妙に変化するのです
が、栄養価として考えたとき、差があるほどではない、というのが
結論になります。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「干物」
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 魚の干物について、こんなご質問をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 質問なのですが、干物等の魚を天日干しにした場合と機械干しし
た場合、(他の灰干し等)どちらの方がアミノ酸が増える・同じ・
減少するのでしょうか。図書で調べてもネット上で調べても両方の
説が入り混じっていて正しい話がわかりません。

 ただ、アミノ酸が増える説は消費者・販売業者が多いのに対して
減少する・一定説をあげる人には生産者・水産試験場が多いですが。

 増加する説
http://www.h-himono.com/tenpibosi.html
http://www.510-syungyo.com/tisiki/01.htm

 減少する・一定説
http://72.14.203.104/search?q=cache:mo68mrIUzfAJ:www.nhk.or.jp/
gatten/archive/1999q3/19990825.html
+%E5%B9%B2%E7%89%A9+NHK&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=3&lr=lang_ja


http://www2.saganet.ne.jp/ykjprnnr/nibosi.html

 どちらが美味しいかではなく、どちらが本当なのかを知りたいの
ですが、なにかご存知ありませんでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 うまみの成分はどこから来るのかというと、主に魚のタンパク質
やその他の成分が分解してできてきます。「アミノ酸が増える」と
いうのは、より多くのうまみ成分ができてくるということなのでし
ょう。

 乾燥によって水分は少なくなりますが、うまみが増えるとは思え
ません。水分が少なくなった分、濃縮されてうまみが濃くなったと
はいえると思います。乾燥方法によって乾燥具合が違うので、その
影響はあるのではないでしょうか。

 しいたけなどでは天日乾燥がやはりおいしいとされています。魚
の場合も天日乾燥がおいしいと思いますが、アミノ酸が増えるとい
うのはあまり信用できないと思います。ご紹介のサイトの記事をみ
ても、アミノ酸の量を測ってから言っているとは思えません。単に
「おいしい」ということを言いたいだけではないでしょうか。

 ご紹介の「ためしてガッテン」の記事が最も正確なようです。こ
こでは天日乾燥のおいしさが、乾燥の仕上がり具合によるとされて
います。こう書かれると反論できないでしょう。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

天日干しと機械乾燥に違いはあるか?

製法の違い

機械乾燥 乾燥機(約22℃の低音送風)に1時間半ほど入れる。

天日干し 暑くなり過ぎないよう、打ち水などもする。この日は1
時間半で干し上り。

食べ比べ

 地元の小学生は、機械乾燥の方が柔らかくておいしいという子が
多かった。料理学校のスタッフは、全員天日干しの方がおいしいと
いった。

天日干しの特徴は、表面にできる膜にあった

 天日干しと機械乾燥では、うまみ成分での違いは全くなかった。
ただ、開いた面にできる膜が、天日干しの方が分厚く出来た。この
膜にはうまみ成分が凝縮されていて、味の濃淡を好む人が天日干し
を好むのであろう。ただし、膜にうまみ成分が集まっている分、他
の部分ではうまみ成分が薄くなっていることが考えられる。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 子どもは機械乾燥がおいしいというのですね。機械による低温乾
燥というのは品質にとっては悪くない方法です。うまくできた天日
乾燥ものの方が味はよくなるということもわかります。

 天日乾燥は伝統的な手法ですし、省エネルギーという面からもよ
いのですが、天日乾燥が万能というわけではありません。気候のぐ
あいとかで、うまく仕上がらないときもあり、天日乾燥が中心であ
っても、乾燥設備も持っているところが多いと思います。

 こういう場合(天日乾燥が中心で、補助的に機械乾燥もしている)
は品質には全く問題ないのですが、「天日乾燥」という表示をする
かどうかということで悩みます。このあたりは微妙ですね。

 結論としては、アミノ酸の量の問題と、おいしいかどうかという
問題は別だと考えればよいと思います。

 「天日乾燥でアミノ酸が増える」説は眉唾ものですが、「天日乾
燥がおいしい」説は私も支持したいです。

 ただし、「天日乾燥=おいしい」というわけでもないと思います。
以下の記事を参考にしてください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 我が国における水産加工品の干物の生産量ではアジの開きがいち
ばん多い。また実際、アジの開きは私たちの食生活になくてはなら
ないもののひとつだ。それではおいしいアジの開きとはなにか? 
というとなかなか見えてこない。それを今回、カネマル笹市で話を
聞くとともに、生産の現場を見ることでちょっと私の頭で見えてき
た。

 まずいちばん大切なのは原料であるマアジだ。そしてこのマアジ
の良し悪しは産地で決まる。それではどこで最上のアジがあがるの
か? これがアジで名高い佐賀関(関あじ)でもなく、寿司屋など
で定評のある淡路のものでもない。国産では一に対馬であり、つい
で五島列島西沖、そして韓国、島根県浜田など対馬海峡と山陰でと
れたものである。また大西洋からの輸入アジも脂がのっていて干物
にはもってこいである。この産地のマアジは開いてみると身が白い。
これは脂で身が白濁しているのだ。これに対して太平洋側などのマ
アジは開いてみると透明感があって赤いのであるが、これは刺身は
ともかく焼くと脂が少なくぱさつくのだ。

(略)

 この原料のアマジを解凍して大急ぎでしかも美しく開いていく。
この短時間で開くというのも大切なポイント。これを開いたものを
水洗いして塩汁(しょしる)につけて、ほどよい塩味をつけて、冷
風乾燥機で乾燥する。

 この製造法でよく「天日乾燥か機械乾燥か」ということがある。
どちらがうまいかというと現時点でははっきりとはわからない。双
方うまいものまずいものがあるようだ。私が考えるところではアジ
の開きで安心して買えるのは機械乾燥のものであるが、天日乾燥し
たものでビックリするほどうまいものに出合ったこともある。

 結論としてうまいアジの開きを選ぶポイントだが、箇条書きにす
る。

1 脂ののったアジが原料のもの。一般には国産では対馬、五島、
山陰など。輸入では韓国、オランダ、アイルランド。

2 自分にあった塩味を選ぶこと。これは当たり前のことだが、輸
入物をつかったアジの開きでときに塩辛いのがある。これなど鮮度
隠しかもしれない。

3 天日乾燥にだまされるな。「天日乾燥=うまい」では決してな
い。

4 開き方のきれいなもの。開き方のきれいなものは、それだけで
も優秀なメーカーに違いない。これが重要な目安になる。

http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/dokuhon/kakou/himonogaku/ajihiraki.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔後記〕--------------------------------------------------

 15年ほど昔、友人といっしょに5人で別荘を建てました。子ど
もが小さかったころはよく遊びに行ったのですが、最近は皆あまり
利用しなくなったので、処分することになりました。土曜日に近く
の不動産会社に仲介を依頼してきました。場所は和歌山県日高町、
海水浴場の近くで、風景のよいところです。どなたか欲しい人はい
ないでしょうか?

 和歌山県を南の方へ走っていくと、干物を作っている風景をよく
見かけます。イワシ類が多いのですが、南の方ではサンマなどもあ
ります。北に向かって帰るときは、道沿いに干物を売る店もたくさ
んあり、みやげ物としてよく売れているようです。干物ではなく、
生の魚を保冷ボックスに入れて買っていく人も多いです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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