安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>331号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------331号--2006.03.12------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「アサリ・牛乳・蜂蜜・コーンシロップ・焼
酎(Q&A)」「マーガリン」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回もいただいたメールを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

東風吹かば あれも食いたや里山の
  酒にほろ味は 土筆蕗花…英

  ――このところの暖かさ、日溜りに顔を出したツクシやフキノ
トウを見てやあ〜ぁ春だな!山菜のあれこれが楽しみだと。

 いつも興味深く拝読しています。特に、渡辺さんの時代に即応し
た判断基準には頭が下がる思いです。それにしても・・・最近の
“若奥様たち”の無知さ加減にはあきれますねェ!

 私は、市民参加の「公園の落ち葉の腐葉土づくり」をボランティ
ア指導しています。作り方は、落葉樹の葉を一定の箱に詰め込み、
醗酵促進剤と米ぬかを合わせ返しながら腐敗させ、春先に市民農園
で使ってもらおうという試みですがこの「有機堆肥リサイクル」に
つき幾つかの疑問を持っています。先の2月12日/327号での渡辺さ
んの末文には賛成ですが、最近のオーガニック=有機栽培=が安全
で安心というわけでは必ずしも無い事を、市民レベルで説明したい
と考えていますので、関連でお伺いします。

 第一は、街路樹等の落ち葉が含むダイオキシンや除草剤等の残留
農薬(微量でしょうが)の影響が、家庭野菜へ影響していないか。

 第二は、昔の堆肥や肥料は、まさに腐葉土や人糞・家畜糞でした
が、最近の「完熟堆肥」と言われるものは、畜産廃棄物をブレンド
していると明記しています。現代の糞尿には多量の抗生物質やホル
モン剤などが残留しており、家庭野菜に影響しないかという疑問で
す。

NHKなども、有機肥料として奨励し、有名園芸家は、「家庭菜
園では移植したら必ずリン成分の多い鶏糞などを追肥します…」、
「有機だから安心して生で食べられます…」と記していますが、家
畜の飼育状況番組などから想像すると、多量の残留薬品が含まれる
と考えますし、(ホウセンカの色水実験のように)植物が直接吸い
上げるわけでないでしょうが、この有機志向は、商業野菜の残留農
薬量よりも心配かなと思います。

確かに残留量・摂取量と人体の分解や排泄機能により、そう神経
質になる事もない――との見解もありますが、本来の植物が持つ成
分だけでない有害成分が多く含まれてしまうとすれば、鶏インフル
エンザのように特化して、現代人が様々に受け入れている物質と反
応したり、幼児への蓄積が気になります。このような心配の解決法
として、家庭菜園などで楽しむバラエティーで多様な食生活が最良
と考えておりますが、その基礎とも言える土壌や肥料についてご意
見をお聞かせください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いろんな質問をいただきますが、別に「無知」というわけではな
いと思います。疑問をもったから聞いてみる、ということですから。

 私の回答がどれだけ役に立っているかはわからないです。

 ダイオキシンの話ですが、ダイオキシンはどこからでも検出され
る物質ですから、「街路樹等の落ち葉が含むダイオキシン」も環境
中にある量と変わらないでしょうね。街路樹だけがダイオキシンが
多いとは思えません。ダイオキシンは農薬ではなく、かつて農薬の
中に不純物として含まれていたという関係です。現在ではそういう
こともなくなったので、環境中のダイオキシン濃度は減り続けてい
ます。

 樹木は農薬は農作物ではありませんから、農作物より残留農薬が
多いという可能性はあります。逆に少ないかもしれませんから、あ
まり心配することはないと思います。

 堆肥の原料としては当然畜産物の糞などを使います。これについ
て、薬剤などの残留の可能性の話は 327号に書いたとおりです。具
体的に危険だという情報は今のところないようですね。

 リサイクルには潜在的に危険がつきまとう、という面と、量的に
は影響を与えるよりはるかに下の量である、という面とがあり、ど
ちらを重視するかによって見解が違ってきます。

 私は潜在的な危険を意識しつつも、現実的には手に入る材料でよ
いと考えています。そしてくれぐれも「堆肥」や「リサイクル」を
神聖化しないようにお願いしたいです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.最近,何度か中国産のアサリを買ってみたのですが,貝のから
が変形しているものがよくみられます.変形といっても物理的に割
れているわけではなく,本来はきれいな曲線であるべき貝の縁(?)
の部分がいびつに凹んでいたりします.明らかに奇形のように見え
るのですが,このような貝は問題はないのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.奇形というのは一般的に遺伝的な形質に異常があるわけですが、
貝殻の変形はそういうわけではないようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 考えられる要因としては、2月下旬〜6月頃のあさりは、6月後
半頃からの産卵シーズンに備えて、体内に栄養を貯えます。その結
果、殻への栄養が行き届かず、殻が薄くなる傾向があります。また、
生息している場所が砂利が多かったり、大きな石があった場合、殻
が変形して成長することあり、今回お届けしたものの中にこのよう
なあさりが混入していたのではないかと思われます。

http://www.coop-mie.jp/question/qa_e.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 栄養不足と成育場所による、とここでは説明されています。いず
れにせよ、よい状態ではないが、危険性があるわけでもない、とい
うところですね。

 商品としてはやはり困ったもので、こういうのは売らないほうが
よいと思うのですが、中国産ではこういうものも入ってきてしまう
ようです。

 中国産を毛嫌いする必要はありませんが、やはりいろいろとある
問題の一つだとは思います。 

------------------------------------------------------------

Q.イギリスに滞在していた時,購入した牛乳パックをあけて,冷
蔵庫で保存していたら2〜3日もするといつもすぐに腐ってしまっ
た記憶があります.日本では2〜3日は冷蔵庫に入れていてもそれ
ほど悪くはならないと思うのですが,日本とイギリスでは牛乳の製
法に違いがるのでしょうか?何かご存知でしたらお教えください.

------------------------------------------------------------

A.イギリスなどの寒冷地では、牛乳の殺菌はわりといい加減なよ
うですね。殺菌方法の違いということもあります。ヨーロッパでも
南の方では日本と同じように、超高温殺菌が多いのですが、北欧で
は日本と違っていわゆる低温殺菌が主流です。

 低温殺菌ではどうしても生き残る細菌が多いので、日持ちは悪く
なります。でも、日本の低温殺菌牛乳はもう少し長持ちしますから、
要するに衛生状態があまりよくなくて、殺菌がいいかげんだという
ことなのでしょう。

 日本で低温殺菌をするには、まず衛生管理の行き届いた、細菌数
の少ない原乳を確保し、できるだけ速く工場に輸送し、殺菌から冷
却、パック充填をすばやくすること、流通は低温を維持できるよう
にすること、などが必要です。いくら低温殺菌でも、2〜3日で腐
るようでは誰も買ってくれないですからね。

 イギリス人は細菌数が多くなっても平気だ、というようなことも
案外あるのかもしれません。このあたりはその国によって、どこま
でが許容範囲かが違ってくるところです。日本人が異常に神経質だ
ということもあると思います。

------------------------------------------------------------

Q.蜂蜜を1歳未満の子に与えないで下さいと商品に書いてありま
すが母乳を与えている母親も口にしてはいけないのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.乳児ボツリヌス症というのは、ボツリヌス菌の芽胞が赤ちゃん
の体内で発芽して繁殖をはじめることで発症します。大人の場合は
こういうことはおこらないので、心配はありません。

 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあるため、赤
ちゃんには与えてはいけません。上記のような理由で、蜂蜜の成分
の問題ではありませんので、授乳中であっても、母親が食べる分に
は問題はないと思います。

------------------------------------------------------------

Q.生後8か月の子供がいるのですが、市販の食パンを使って離乳
食を作ったりしています。蜂蜜のことを調べていたら、ボツリヌス
菌のことに触れていてそれにはコーンシロップも危ない・・・とあ
りました。パンにはコーンシロップの一種である“ぶどう糖加糖液
糖”や“果糖ぶどう糖液糖”が含まれているものが多いのですが、
大丈夫でしょうか?生後6か月半ぐらいから与えていて気づいたの
が最近なので、もう何回も与えてしまっているのですが・・・

------------------------------------------------------------

A.赤ちゃんに蜂蜜を与えてはいけない、というのはボツリヌス菌
が含まれているかもしれない、という理由です。乳児ボツリヌス菌
症と呼ばれ、赤ちゃんの体内でボツリヌス菌が繁殖してしまうこと
があります。

 コーンシロップや野菜ジュースも要注意ということですが、蜂蜜
と同じく、生のままで与えるのはやめた方がよいでしょうね。

 パンの加熱条件はかなり厳しいので、ボツリヌス菌が生き残って
いる可能性はほとんどないと思います。加熱調理せずに生のままで
与えるのが危険だというように私は理解しています。

------------------------------------------------------------

Q.本格焼酎が好きでいつも、米焼酎を愛飲しております。先日、
飲んでおりましたら、知人が「この米焼酎は甘いので砂糖がはいっ
ているよ」と聞かされショックを受けました。早速メーカーに尋ね
てみると「砂糖などの添加物は一切しておらず、もし添加すればラ
ベルへの表示義務があります」との回答でした。また、酒税法では
2%未満までは糖などのエキス分添加が認められているそうです。
但し、メーカー側が言うように砂糖が入っていなければ、この米焼
酎の甘さは一体何だろうかと思いました。また、簡易的に砂糖など
の添加物が入っていることが分かる分析方法があればご教示下さい。

------------------------------------------------------------

A.焼酎に砂糖を添加するということはあるそうですね。メーカー
の回答のとおり、2%まで認められていること、現在では表示義務
があること、砂糖を添加したものは「本格焼酎」とは表示できない
こと、などは事実のようです。

 以下のページに詳しく書かれています。
http://chusyuoit.exblog.jp/3519090

 メーカー自身の回答としては、こんなことがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 確かに、弊社では「いいちこ」発売の1979年から1989年までは、
「旨い酒造り」のためにごく微量の砂糖を添加致しておりました。
しかし、「全麹造り原酒」の開発により砂糖を添加しなくても
「いいちこの旨さ」を皆様にお届けできるようになったため、
1989年6月充填分の商品からは一切砂糖の添加は行っていません。

http://www.iichiko.co.jp/dcforum/DCForumID2/106.html#
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 焼酎をおいしくするための工夫として、かつて砂糖の添加は広く
おこなわれていました。表示義務が発生した段階で、ほとんどのメ
ーカーは添加をとりやめましたが、一部のメーカーは味にこだわっ
て添加をつづけていたようです。それも現在は代替技術の開発で、
添加しなくなったものができてきているということです。

 お問い合わせになったメーカーの回答は間違っていないと思いま
す。味や製法について、もう少し詳しい説明を求めたら、きっと教
えてくれると思います。もう一度問い合わせてみられてはいかがで
しょうか。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「マーガリン」
------------------------------------------------------------

 マーガリンについてのメールを2ついただきました。まず最初は
こういうものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先日あるサイトの掲示板で「マーガリンとショートニングは体に
悪い、プラスチックを食べているようなものだ」という書き込みを
見ました。それによると、どちらも植物油に化学的なものを加える
方法で固形化しているから、ということでした。更に精製した砂糖
も悪いとか。その人は市販のクッキーなどは食べないようにしてい
る、とのことでした。

 私はそれを読むまでマーガリンはバターよりも体にいいと思って
食べていたのですが、逆に体に悪いのでしょうか。また、市販のク
ッキーやパンにはほとんどショートニングや精製した砂糖が使われ
ていると思いますが、本当に悪いのでしょうか。それを読んで以来、
気になってあまり市販のお菓子が買えなくなりました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「マーガリンがバターより体によい」というのはまあ誤解でしょ
うね。でも、マーガリンが悪いかというと、それほどでもないと思
います。

 マーガリンの原料は植物性油脂です。植物性油脂に含まれる脂肪
酸は「不飽和脂肪酸」といって、炭素の二重結合をもったものです。

 脂肪酸は鎖のようにつながった炭素のまわりに、水素がついたも
のが基本になっています。炭素は4つの「手」を持っています。炭
素どうしの結合に2つ使っていますので、残りの2つの「手」には
水素がついています。水素が足りないと炭素は余った「手」で隣の
炭素と結合します。これが「二重結合」です。

 不飽和脂肪酸は融点が低く、常温では液体になりやすい油脂を作
ります。そこで水素を与えて、二重結合を解消させます。こうして
融点を下げて、常温で固体のマーガリンを作っています。

 問題はこの「水素添加」の際、残った二重結合に変化が現れると
いうことにあります。二重結合の両側で炭素原子が同じ側について
いる「シス型」と、違う側につく「トランス型」があります。

シス型 \_/

トランス型 \_
        \

 こんな感じですね。通常の脂肪酸はシス型がほとんどです。同じ
構成の脂肪酸でも、トランス型になってしまうと栄養的な価値がほ
とんどなくなります。

 それどころか、必要な脂肪酸の働きを阻害するのではないか、と
いうことで健康被害が心配されているのです。

 ここで、次のメールを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 最近新聞に書かれていたのですが、マーガリンは健康に害があり、
ドイツなどでは禁止されているとの事、本当なのでしょうか?

 私の家ではよくマーガリンを使いますし、パンに塗るだけでなく
その他の料理にもたくさん利用しています。以前にもこのような事
が言われたように思いますが、バターに比べ使い易いですし、市場
には相変わらずいろいろなものが出回っているので買いやすい気が
します。何故マーガリンがいけないのでしょうか、教えて頂けます
か。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 マーガリンが問題になっているのは、上記の「トランス型不飽和
脂肪酸(以下では「トランス脂肪酸」と表記)」のことです。

 ただ、「ドイツでは禁止」というのがよくわかりません。下の記
事をみてください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(1) 諸外国等の状況

 デンマークでは、2004年1月1日から国内のすべての食品について、
油脂中のトランス脂肪酸の含有率を2%までとする制限が設けられ
ています。

 米国では、2006年1月から加工食品のトランス脂肪酸量の表示を
義務付けることとしています。また、2004年8月に発表した米国人
のための食事指針案では、トランス脂肪酸の摂取量は一日当たりの
総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告しています。

 カナダでは、一部の中小製造業を除いて、原則として2005年12月
12日からの栄養成分の表示義務化の中でトランス脂肪酸も表示対象
としています。

 食事、栄養および慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合
(Joint WHO/FAOExpert Consultation on Diet, Nutrition and the
Prevention of Chronic Diseases)の報告書では、心臓血管系の健
康増進のため、食事からのトランス脂肪酸の摂取を極めて低く抑え
るべきであり、実際にはトランス脂肪酸の摂取量は、最大でも一日
当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告しています。

http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事以降に禁止したということなのでしょうか?でも上記記
事には2006年1月の情報もあります。国家として禁止したのなら、
載っているはずだと思います。

 表示が義務化されたという情報はあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ヨーロッパでは昨年1月、デンマークで「トランスファット使用
禁止」になりました。続いてドイツ、オランダ、オーストリアでも
(禁止ではないのですが)「表示が義務化」されました。

http://www.melma.com/backnumber_75510_173163/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このことが誤解されたのでしょうか。たとえば、表示の義務化に
より、トランス脂肪酸を多く含むマーガリンが実質的には販売でき
なくなったとか…。

 その他の可能性としては、ドイツは連邦国家ですので、どこかの
州で禁止されたのかもしれません。でも、全体としては禁止されて
いるとは思えません。

 日本マーガリン協会によると、ドイツでのマーガリン生産量は、
442,000トン(2004年)です。ずっと減り続けているようですが、
日本の生産量 247,000トン(2005年)と比べるとずっと多いです。
日本の方が人口が多いので、ドイツ人は日本人の3倍くらい食べて
いるわけです。

 トランス脂肪酸の話をするには、この消費量の問題を避けて通れ
ません。下の表をみてください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

※ トランス脂肪酸の一人あたりの摂取量
    1日あたり摂取量( g ) 摂取エネルギーに占める割合(%)
日本(平均)    1.56         0.7
米国(成人平均)  5.8         2.6
EU(男性平均)  1.2〜6.7       0.5〜2.1
  (女性平均)  1.7〜4.1       0.8〜1.9

http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 EUの数値はバラツキが多いですが、ドイツなどの西ヨーロッパ
ではこの上限に近い値になると思います。WHOの勧告値が1%で
すから、欧米諸国では問題になるのは当然なわけです。

 日本では、政府の立場は日本人の消費量なら問題は少ない、とい
うことのようです。ただし、平均値としては勧告値を下回っていま
すが、個人的には問題になっている人もたくさんあるはずです。

 トランス脂肪酸の摂取量が多い人は、同時に脂肪全体の摂取量も
多いはずです。だから、食生活の改善という点からすれば、マーガ
リンをやめることより、脂肪摂取量全体を減らすことの方が先決問
題だと思います。

 マーガリンをやめたから安心というのは誤解ですので、いたずら
にマーガリンを悪者にするのはかえってよくないです。

 上の表のトランス脂肪酸は、マーガリンからとっているものだけ
ではありません。トランス脂肪酸は天然にも含まれていますので、
あらゆる食品からとっているものの合計です。

 トランス脂肪酸は多くの食品に含まれています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛や羊などの反芻動物の脂肪分にはトランス脂肪酸が含まれてい
る。したがって、牛乳にも含まれている。その量は、

*日本の食品に含まれる総脂肪酸中のトランス型脂肪酸の平均割合
マーガリン   13.5%
バター      4.1%
チーズ      5.7%
牛乳       4.5%
食パン      9.3%
ドーナツ     0.8〜23.9%
フライドポテト  0.8〜19.5%
レトルトカレー  6.2%
牛肉バラ     4.9%
牛肉ヒレ     2.7%
 (日本食品油脂検査協会調べ)

http://www.yasuienv.net/TransFat2005.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食パンも多いですが、これは使用しているショートニングと呼ば
れる油脂がマーガリンと同じようなものだからです。

 ドーナツやフライドポテトが不定になっているのは、揚げている
ときに自然に生成してくるからです。

 上記の数字は「脂肪酸中のトランス脂肪酸の割合」です。全体に
対する割合ではありません。摂取量は(食べた量×脂肪酸の割合×
トランス脂肪酸の割合)ですから、食べる量が多いもの、脂肪の多
いものが寄与率が高くなります。

 だから、マーガリンよりも牛肉の方が問題だったりする人もいる
はずです。どうしてトランス脂肪酸の害を訴える人が、マーガリン
を問題にして、牛肉を問題にしないのか?という謎が残ります。

 答はたぶん、自然崇拝のような宗教的な感情が基本にあって、何
かしら科学技術でもって作ったようなものがいけない、という感情
からきているのでしょう。「プラスチックのようなもの」という比
喩もよく登場しています。

 マーガリン製造時に、トランス脂肪酸の生成を抑える技術も登場
しつつあるようです。ヨーロッパではそういうものも登場し、宣伝
されてきているという話もあります。

 日本でも早晩「低トランス脂肪酸」をうたったマーガリンが出て
くるでしょう。私は別にマーガリンをおすすめしませんが、「技術
で生じた問題は技術で解決する」というのが本来の姿ですから、そ
ういう方向に動いていってほしいと思います。

 結論としては、

(1)マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の摂りすぎはよくない
と考えられている。

(2)WHOではトランス脂肪酸の摂取量を「総エネルギー摂取量
の1%未満」とするよう勧告している。

(3)日本人の平均はこれを下回っているので、日本人で比較的脂
肪摂取量の少ない人は心配する必要はない。

(4)日本人でも脂肪摂取量の多い人は要注意である。しかし、マ
ーガリン以外からもトランス脂肪酸は摂取していること、脂肪の過
剰摂取にも問題があることから、マーガリンを避けるより、脂肪摂
取量を減らすよう努力すべきである。

(5)マーガリンについては、問題なしとしない。トランス脂肪酸
含有量を減らす努力が期待される。

 というところです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 味ではやはりバターの方がおいしいですね。昔「バター入りマー
ガリン」というのを扱っていたことがあります。このごろ、同じよ
うなものをスーパーでも見かけるようになりました。少しバターが
入っているだけでも、やはりおいしく感じられます。

 先週グチったら、さっそくたくさんお便りをいただきました。あ
りがとうございます。一部次回に回しています。ご了承ください。

 今週は仕事で忙しく、返事が滞っています。このメールマガジン
が先に届いてしまった方には、申し訳ありませんがこれが返事の代
わりということで…。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-331号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4460名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/