安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>328号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------328号--2006.02.19------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「冷凍水産物・インスタントラーメン・ソル
ビトール(Q&A)」「分子の数」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 ラーメンについてのお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 硬化油を検索していて、このページに訪問しています。偏ってい
ない、内容が読んでいて、好感が持てます。

 カンスイは、炭酸カリュームと炭酸ナトリウムが、主成分です。
よく、自然食品を好む方から、天然カンスイで麺はないのとか、カ
ルシウム麺は、無いのと聞かれるのですが、カルシウムは、卵殻焼
成カルシュームというアルカリの添加物だし、天然カンスイは、炭
酸ナトリウムそのものなので、何のためにそのような物をほしがる
のかが、わかりません。

 当社では、通常のカンスイを使用しても、ゆでてしまえば、大し
たアルカリは残らないので、たっぷりのお湯で茹でれば大丈夫です。
と説明しています。

 ある添加物(表示不要)を使うと無添加麺が作れコシもあるので、
商売では、無化学調味料(表示不要)スープと共に、ただいま開発
中です。

 ラーメン好きの私は、無添加ラーメンなどラーメンじゃないと思
っています。

http://6924.teacup.com/nakamuraseimen/shop
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ラーメンの麺(中華麺)は、小麦粉にカンスイを作用させて作り
ます。カンスイの強いアルカリで、小麦粉が変質するので、あの独
特の食感が生まれるわけです。

 中華麺が黄色いのも、カンスイのアルカリのためです。カンスイ
を使わなければ、着色することになります。だから、いずれにせよ
「無添加」の中華麺というのはあり得ないと思います。「表示不要」
の添加物を使って「無添加」というのはあまり感心しないですね。
よくあることですが。

 中華麺のコシの強さもカンスイのアルカリによります。カンスイ
を使わない麺では、硬さを出すためにカルシウムを添加したりする
ものもあります。あれは確かに硬いですが、やはりちょっと食感が
違いますね。

 カンスイは中国では天然のものを使っていましたが、日本では合
成のものがほとんどです。成分的には同じようなものですから、あ
まり問題にするようなことではないと思います。

 ということで、私もご意見にほぼ同意です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.冷凍水産物の原料段階(加工する前の段階)での保存期間はどの
くらいまでが安全なのでしょうか?また、その期間を既定する法律
等は存在するのでしょうか?

 製造年月日は恐らく冷凍原料を解凍して加工した日であって、そ
の原料を保存用に冷凍した日ではないはずで賞味期限は加工日起算
で表記されているはずです。

 このような場合、一般消費者である私たちはその原料がいつ漁獲
され、凍結されたかは全く知る余地が無いということになります。

 極論ですが、今日水揚げされた魚を加工原料として凍結し5年後
に加工したとしても製造年月日は5年後の加工した日になるという
ことですよね?

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A.冷凍魚介類の「製造年月日」は一般におっしゃるとおり、国内
で消費者用のパッケージに詰められた日になります。冷凍魚介類に
限ったことではなく、食品の製造工程で半製品が作られるときも、
たとえその半製品が限りなく最終製品に近いものであっても、製造
年月日は半製品が作られた時期とは関係なく、最終製品がつくられ
た日になります。

 輸入された冷凍魚介類が業務用の冷凍庫で保管されている限り、
かなり長期に保存できます。したがって、製造年月日は新しいよう
でも、そのものはいつ水揚げされたものかは全くわかりません。

 私の経験でも、インドネシアでエビを加工していたときの話です
が、水揚げしたその日に加工して、小袋につめて冷凍して輸入して
いました。輸入されてきた段階で、製造日から数カ月たっています。
市販ではつい数日前の日付のものも多いので、古いという苦情をよ
くいただいたものです。実はこの「古い」ものの方がよほど新鮮な
んですけれどね。

 これはかなり本質的なことなので、改善の見込みはほとんどあり
ません。ただ、「製造年月日」表示から「賞味期限」表示に変わっ
た背景にはこのような事情があり、世間で思われているのとは違っ
て、製造年月日表示の方がごまかしが利くということです。

 賞味期限はそのもの自体の状況から判断してつけられます。中身
が古くなっていても、パッケージが新しかったら製造年月日表示か
らは新しく見えるということより、中身の品質に応じた賞味期限を
設定し、それにメーカーが責任を持つという方式の方が優れている
というわけです。

 いずれにせよ、原料がいつのものかわからないというのは同じこ
とです。品質が悪ければ問題ですが、品質が維持されている限り、
このことはあきらめるしかないのが現実だと思います。

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Q.インスタントラーメンは体に悪いの?

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A.加工食品一般と比べて、特にインスタントラーメンがよくない
というところはありません。

 注意してほしいのは、栄養の偏りです。これはインスタントラー
メンの栄養が偏っているというより、インスタントラーメンはそれ
だけを食べて一度の食事が終わったことにしてしまいがちなので、
インスタントラーメンばかり食べていて結果として栄養が偏るとい
うことがおこりがちなのです。

 それと油で揚げた麺の場合、賞味期限が切れると単においしくな
くなるだけでなく、脂肪の過酸化物ができてきます。これは毒性が
ありますので、賞味期限のきれたインスタントラーメンは見た目に
変化がなくても食べない方がよいです。

 以上の注意点を守れば、インスタントラーメンをときどき食べる
分には問題なしだと思います。

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Q.添加物 ソルビートル、ソルビットの安全性について教えて下
さい。

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A.正しくはソルビトールといいます。ブドウ糖の仲間で、「糖ア
ルコール」と呼ばれるものです。キシリトールなども似たような物
質です。アルコール基を示す「〜ol」が名前についているように、
糖にアルコール基が増えたものです。

 ソルビトールはよく使われる甘味料で、粘性とさわやかな甘みに
特徴があります。加熱よ強く、粘りが出るので、海苔の佃煮などに
はよく使われています。

 安全性については問題ないです。砂糖やブドウ糖と同じくらい安
全だと思ってよいでしょう。ただし、消化しにくいものなので、大
量にとれば下痢するかもしれません。添加物として使われている量
では心配ありません。

 この添加物については、保存料の「ソルビン酸」と混同している
人が多いですが、名前が似ているだけで全く別の物質です。

 名前が似ているのには理由があって、どちらもナナカマドの属名
「Sorbus」に由来するのだそうです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「子牛肉」
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 ウワサされていたように、先日見つかったアメリカからの背骨付
き牛肉は、日本側が発注したものだということが明らかになったよ
うです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本に輸出された米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)対策で除
去が義務付けられている脊柱(せきちゅう=背骨)が混入した問題
で、この牛肉は日本の輸入業者が背骨付き肉を日米合意違反と知ら
ずに米業者に発注したものだったことが、米農務省が17日発表し
た報告書で明らかになった。

 米国側だけでなく日本でも関連業界に米国産牛肉の輸入条件が徹
底されていなかったことになり、日本政府に対し、国内の環境整備
が不十分なまま輸入再開を急ぎ過ぎたのではないかとの批判が高ま
るのは必至だ。

 報告書によると、この牛肉を発注したのは外資系商社の日本シイ
ベルヘグナー(本社・東京都港区)。同社は昨年12月27日、米
ニューヨーク州の食肉業者「アトランティック・ビール・アンド・
ラム」に対し、子牛の骨、背骨付き肉、舌などの雑肉を含む40箱
以上の牛肉を発注した。

 日本シイベルヘグナーは、アトランティック社の日本向け出荷当
日の1月18日、電子メールで「こちらで検討した結果、通関時の
混乱を避けるため、骨1箱の輸入は取りやめる」と通知した。

 しかし、日米合意に反した背骨付き肉と、アトランティック社が
対日輸出許可を持っていなかった雑肉については、こうした輸入条
件違反に気付かず、そのまま出荷させた。

 この結果、アトランティック社は背骨付き肉3箱(45キロ・グ
ラム)、雑肉20箱(96キロ・グラム)を含む合計41箱(39
2キロ・グラム)を出荷し、成田空港で違反が見つかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060218-00000014-yom-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 公開された姿からして、単なる間違いではなく、注文に応じたも
のだろうと推測していましたが、やはりそうだったということです。

 もう一つ、マスコミではあまり触れていませんが、これは「ビー
フ」ではありません。牛肉なのにビーフではないというのは、子牛
の肉だからです。子牛肉は英語では「Veal(ビール)」と言うので
すね。

 文化的になじみの深いものほど、名前が細分化される傾向があり
ます。日本では魚の名前は豊富ですが、蓄肉の名前は簡単なもので
す。それに対して英語の世界では、畜産物の名前は実に豊富です。

 牛でも雄と雌で名前が違います。肉にしたときも、子牛の肉は別
扱いになっています。こういう名前の違いは意外と大きいでしょう
ね。規制のことは知っていても、あれはビーフの話だと思っていた
りして…。

 現実にも、アメリカでは子牛の骨なんかはバリバリ食べていそう
です。BSEもビーフの話でビール(子牛肉)は関係ない、ですま
せていそうですね。まあそれで問題ないといえばないのですが。

 さて、この子牛肉は「月齢4カ月半まで」のものだそうです。牛
でこの年齢だと、まだほんの子供です。

 和牛は別ですが、ホルスタイン種の場合、乳牛を飼っている牧場
で子供が生まれます。当たり前の話ですが、乳牛でも、子供を生ま
ないと乳は出ないので、毎年生んでいるわけです。

 生まれた子が雌だと、乳牛として育成しますが、雄だと肉用にな
ります。たいていは育成専門の農家がひきとって、だいたい半年く
らいは育てます。そしてその頃に市場に出し、肉用に肥育する業者
が引き取っていくのです。

 この子牛(素牛=もとうし)の市場を見学したことがあります。
子牛といっても体重が2590〜300キログラムくらいあります。
雄牛は去勢するのですが、この時点ではまだ去勢されていません。
あまり早いとかえってよくないのだそうです。

 この子牛を約1年飼って、体重700キログラムを越えるくらい
になると肉として出荷されます。1日1キログラム以上肥るわけで
す。

 「子牛肉」というのは私の見た、あのかわいい子牛たちよりまだ
若い牛の肉なんですね。こういうものを食べる週間がどうしてでき
たのか、どうもよく理解できません。

 とれる肉の量がすくなくて、採算がとれないような気がするので
すが、やはり高価に取引されるのでしょうか。アメリカでの子牛肉
についての報告がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 全米約8万6千戸の酪農家が飼養する約9百万頭の経産牛によっ
て生産されるのは、主産物である年間約 7,800万トンの生乳だけで
はなく、年間約4百万頭のおす子牛が分娩によって得られ、酪農家
にとっての重要な副産物収入となっている。

 わが国では、こうした乳おす子牛の大半は、牛肉生産のために育
成・肥育されていることから、子牛の段階で肉用にと畜されるケー
スは、乳おす牛全体の約1%に相当する年間5千頭程度にとどまっ
ている。一方、米国では、現在も約2割の乳おす子牛が子牛肉(Veal)
生産に仕向けられており、残りの約8割が去勢肥育用となっている。

 米国における乳去勢肥育の歴史は比較的浅く、日本では1960年代
後半から乳去勢肥育が行われ始め、70年代前半以降一般化してきた
とされるが、米国において乳去勢肥育牛の生産が拡大してきたのは、
70年代後半から80年代半ばにかけてであるとされている。

 旧来、酪農家において生産された子牛は、基本的に、めすが搾乳
のための後継牛として保留され、経営内でほ育・育成されるのとは
対照的に、おすの方は生後間もない初生子牛(ヌレ子)の段階で売
却され、そのまま肉用にと畜されていた。しかし、米国では、1950
年代から、バターやチーズの生産過程で生じる副産物の脱脂乳やホ
エーを子牛に給与し、一定の増体を得た後、と畜して子牛肉を生産
するという方式もとられるようになった。アメリカ子牛肉協会(Am
erican Veal Association:AVA)によれば、こうした子牛肉生産方
式は、次のように定義されている。

ア ヌレ子牛肉(Bob Veal)生産

 酪農家において、生後数日〜10日程度、生乳主体で飼養された後、
体重100〜150ポンド(約45〜70キログラム)程度でと畜される。肉
は、薄いピンク色(light pink)で軟らかい。

イ ほ育子牛肉(Formula-Fed/Milk-Fed Veal)生産

 子牛肉生産農家において、生後18〜20週の間、特別に調整された
代用乳を給与された後、体重420〜500ポンド(約190〜230キログラ
ム)程度でと畜される。肉は、クリーム・ピンク色(creamy pink)
で、きめが細かく、締まっている。現在、米国内で消費される子牛
肉の約85%を占めている。

 これら以外にも、体重750ポンド(約340キログラム)程度になる
まで穀物や粗飼料も与え、8〜9ヵ月齢でと畜する穀物肥育子牛肉
(Grain-Veal)生産という方式もあるが、その数は極めて少ないと
される。

 子牛肉の消費量は、他の食肉の価格が堅調な場合に若干持ち直し
たことはあっても(最近では1995〜97年)、長期的には減少の一途
をたどっている。

 子牛肉の特徴は、前述のような白っぽい肉色や軟らかさに加えて、
脂肪が少ないため低カロリーで、コレステロール含有量も少ない、
という点が挙げられ、また、値段も他の食肉に比べると割高である
(例えば、当事務所周辺のスーパーでは、シチュー用の切り落とし
が牛肉では3.49ドル/ポンド(約93円/100グラム)であったのに
対して、子牛肉は4.99ドル/ポンド(約133円/100グラム)と4割
も高い)。子牛肉を食材として用いる習慣は、もともと、北欧、東
欧、イタリアンなどの欧州料理に多いこともあって、米国における
子牛肉の消費者層は、極めて限定されており、その実態にも明確な
傾向が表れている。

 USDAの取りまとめによるアンケート調査結果(1994〜96年に全米
の約1万6千人を対象に実施)を要約すれば、子牛肉を食べる消費者
は、全体のわずか1%に過ぎず、子牛肉を好むのは、「北東部」の
「都市近郊」に住む、「高学歴」「高収入」の「年配」の「白人」
「男性」という消費者像が浮かび上がってくる。裏を返せば、米国
内では、こうした消費者以外の層において、まだまだ子牛肉の消費
拡大の可能性が残されているとも言えるが、やはり問題は割高な値
段である。

 AVAによれば、安価なファストフードや冷凍食品などの原料には
向かないので、今後も、子牛肉の「上品」で「高級」な「特別」の
料理というイメージを保ちつつ、脂肪が少ないといった栄養面を中
心にPRすることで、くだけた雰囲気のチェーン店のレストランなど
でも子牛肉料理が定着することを目指していく、としている。

http://lin.lin.go.jp/alic/month/fore/2003/mar/rep-us.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 やはり高級品扱いなのですね。「北東部」「都市近郊」「高学歴」
「高収入」「年配」「白人」「男性」と並べると何だか厭味ですが、
世界で一番威張っているアメリカ白人そのものです。子牛の肉なん
か食うな、といいがかりをつけてやりたいですが、やっかみだと思
われそうです。

 BSEの問題にもどると、「4カ月半まで」の牛で感染を心配す
る理由はありません。輸入再開時の約束違反は事実なので、追求す
る必要はありますが、どうも日本側の考えていた牛肉と、アメリカ
側の牛肉(ビーフ)とが違っていたというお粗末な現実だったよう
に思っています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 うっかり油断して寝てしまったら、もう日曜日の朝です。紹介し
たニュースは「2月19日(日)3時11分」のアップですので、それ以後
に起きたことがバレてしまいますね。

 もう時間がないので、お急ぎで配信します。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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