安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>323号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------323号--2006.01.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ポリプロピレン・添加物(Q&A)」
「イソフラボン」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 いただいたメールを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

こんにちは、いつも楽しく読ませていただいてます。

 「天然100%」を売りにしている某社(化粧品とサプリが主力
商品)が発行している商品パンフに、こんな記事がありました。

 最近の食に関する出来事を振り返る記事の一部です。

↓引用はじめ

平成14年、ポテトチップやフライドポテト、ビスケットなどの加
工食品の食品添加物「アクリルアミド」に発がん性の疑いがあるこ
とが報告され〜

↑引用終わり

 アクリルアミドは食品添加物ではありませんよね?私がインター
ネットで調べた限りではそういう事実は見つかりませんでした。食
品添加物としてアクリルアミドが使用されることはあるのでしょう
か?

 私はこの会社の化粧水等を愛用しています。パラベン等入ってい
ない方がよいし、値段も手ごろだし、肌に合うし・・・。しかし、
「他社の製品は怖いんだぞ」宣伝方法には辟易です。しかもこの記
事の間違い(だったとして)は結構、初歩的ではないかと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 おっしゃるとおり、アクリルアミドは食品添加物ではありません。
調理の際に生成してしまうものだと考えられています。

 別に加工食品でなくても、家庭で調理する際にもできてしまうも
のです。

 どういう文脈でこのようなことを言っているのかはわかりません
が、ご指摘のように他の「怖い」ものを強調することによって自分
たちの商品を売り込もうということなのでしょう。

 文を書いた人は単に無知なだけでしょうが、全体としてはこうい
うウソはいくら書いてもよいという雰囲気があるのだと思います。

 「安全」などを強調した商売には多い傾向です。こういうところ
に限って、消費者の味方のようなふるまいをするという特徴もあり
ます。

 「パラベン等入っていない方がよい」と言われますが、普通に使
用できる限り、防腐剤は使っているはずです。単に表示成分である
「パラペン」を使っていないだけで、安全性については変わりない
です。また、パラペンを使っていても、安全でないというわけでも
ありません。

 本当に防腐剤を使わない化粧品は、食べ物と同じくらいの速さで
腐敗するものです。化粧品に防腐剤を適量使うことが悪いとは思え
ません。もしどうしてもいやなときは、化粧品の使用自体を考え直
す方がよいでしょう。

 そのあたりの気分をうまくつく商法として、このようなものが流
行していますが、私は否定的に考えています。でも好んで騙される
人がたくさん居すぎて、どうしようもないですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.野菜スライサーを購入しました。手を切らない為の安全ホルダ
ーを野菜と一緒に削ってしまい(ごく僅かですか)そのまま加熱、
調理してしまいました。材質はポリプロピレンです。現在妊娠3ヶ
月のため胎児への影響が心配でメールをさせていただきました。

------------------------------------------------------------

A.ポリプロピレンはプラスチックの中でも毒性の低いものです。
また、削ったものなら単なる異物です。調理の加熱くらいでは形が
かわる程度で、吸収されるようなこともないと思います。心配する
ことはないです。

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Q.添加物についての体への影響は?

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A.こういう質問は私も困ります。たぶん一般的な話として質問さ
れているのでしょうが、できるだけ個別の、具体的なことでお願い
したいです。

 食品添加物にはたくさんの種類があります。一般の食品添加物と
既存食品添加物にわけられます。既存食品添加物というのは天然物
で安全性の審査なしに使用されてきたものです。安全性の審査がで
きれば一般の食品添加物に移行することになっています。

 一般の食品添加物は安全性の審査がおこなわれ、使用量などが決
められています。ときどき安全性に問題があるということで指定を
取り消されたりしていますが、常時そういう安全性についての見直
しはされていると理解してよいと思います。

 安全性の審査ができていない食品添加物がたくさんあるというこ
とに驚かれると思います。実は安全性の審査がされていないという
点では、普通の食べ物はみんなそうなのです。普通に食べてきたも
のだから、安全性の審査は必要ない、ということだったのでしょう。

 だから、この質問はもっと一般的な形としては「食べ物の体への
影響は?」と聞くべきだと思います。答としては「いろいろある」
としか言えないと思いますが。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「イソフラボン」
------------------------------------------------------------

 昨年のニュースですが、大豆イソフラボンについて、こんなもの
がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 骨粗しょう症やがんなどの予防効果があるとして人気のある「大
豆イソフラボン」について、食事以外のサプリメントなどで摂取す
る場合の安全基準を検討していた食品安全委員会の専門調査会は1
2日、1日の摂取量の目安を30ミリグラムとすることで大筋合意
した。

 30ミリグラムは、ほぼ豆腐半丁分(約150グラム)に含まれ
る量に相当する。

 イソフラボンは、化学構造が女性ホルモンのエストロゲンと似て
いるため、加齢によるエストロゲンの分泌量減少で進む骨粗しょう
症などの予防に効果があるとされる一方、過剰摂取すると逆に発が
んの危険性を高めるとの研究結果もある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051212-00000302-kyodo-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 イソフラボンは女性ホルモン類似作用があるということで注目さ
れています。「環境ホルモン」が話題になったとき、こういうもの
もあって、日常的に摂取しているのに、それよりはるかに弱い作用
しかない物質がなぜ問題なのか、不思議に思ったものです。

 女性ホルモンが発ガン物質であるというのはご存じでしたでしょ
うか。乳ガンの原因になるのだそうです。このため、更年期障害な
どの治療に使われる女性ホルモンも、過剰に使うのはよくないとさ
れています。

 イソフラボンは自身も女性ホルモン作用を持ちながら、本物の女
性ホルモンと拮抗するため、乳ガンの発生を減らす働きがあるとい
う説があります。日本人に乳ガンが少ないのはそのせいである、と
いうもっともらしい説明がつきます。

 しかしその説が正しかったとしても、やはり過剰に摂取すること
には問題がありそうです。そこで適正な摂取量を検討してきて、こ
こで発表となったわけです。

 こんな解説のページがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本人女性は欧米人女性に比べて更年期の障害が軽く、骨粗鬆症
や乳がんの発生率が低いことが従来から指摘されていたが、その理
由としてダイズを素材とした豆腐や納豆などの伝統食品を多く摂取
することがあげられている。ダイズにはイソフラボン誘導体である
ダイゼイン(daidzein)が多く含まれ、軽い更年期障害や低い骨粗鬆
症や乳がんの発生率はその女性ホルモン(エストロゲン)作用によ
るものと推定されている。

(略)

 イソフラボンには極めて温和な女性ホルモン作用があり、女性ホ
ルモンの不足によって起こる更年期の不快な症状を緩和する効果が
あるとされている。また、骨からカルシウムが流出するのを防ぐ、
すなわち骨吸収抑制作用も知られているので骨粗鬆症の予防効果も
期待されている。

 後者に関しては、近年、わが国の製薬会社により開発発売された
骨粗鬆症治療薬イプリフラボン(ipriflavone)はイソフラボンをリ
ードとして創製されたという事実がある。では、イソフラボンはど
れだけ摂取すれば効果が期待でき、また副作用などの危険はないの
だろうか。

 最近、発売されたイソフラボン含有機能食品では、一日当たりの
イソフラボンの適正摂取量を40mg〜50mgとし、豆腐なら150g(半丁)、
きな粉なら20g、納豆なら60g(1パック)に相当する量としている。

 米国でもダイズは健康食品として注目されているのであるが、米
国医薬食品局(FDA)では一日当たりのイソフラボン摂取の適正量
を60mg(イソフラボン配糖体では100mg)としており、ほぼ一致し
ている。

 このくらいの量であれば、普通の日本人なら普段は味噌も消費さ
れているので通常のダイエットで十分まかなえる水準である。偏食
あるいはその他の理由でイソフラボン摂取が不足気味としても、最
近、特定保健用機能食品として販売されているもので補給すれば十
分と思われる。

(略)

 イソフラボンの女性ホルモン作用は、ゲニステイン(genistein)
でエストラジオールの10,000分の1、ダイゼインではゲニステイン
の更に数分の1とというレベルにすぎず、ごく軽微であることは確
かである。

 しかし、高含量のイソフラボンの摂取でホルモン関連の障害が顕
在化する可能性のあることは、ゲニステインを多く含む牧草を日常
的に摂取する家畜の間で不妊症が多発したオーストラリアでの事件
を見ても明らかである。

 通常の食生活ではイソフラボンが過剰摂取される可能性はほとん
どないが、カプセル剤、錠剤という剤型をもつサプリメントでは過
剰摂取の危険性ははるかに高くなることを念頭に置く必要がある。

http://www2.odn.ne.jp/~had26900/topics_&_items2/about_Guaokruaisoflav.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「適正摂取量は60mg」ということで、今回の推奨値とは違うと思
ったのですが、食品安全委員会のサイトでこの問題への報告を見る
と、こういうことでした。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 算出したヒトにおける臨床研究に基づく大豆イソフラボン一日摂
取目安量75mg/日から考察して、今回の健康影響評価においては、
大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値を70〜75 mg/日
とする。

 特定保健用食品として、大豆イソフラボンアグリコンを日常の食
生活に追加して摂取する場合の上限値を30mg/日とする。

(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)

http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/s-dai30/sinkaihatu30-siryou1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この報告は数十MBもある巨大なPDFファイルです。うっかり開
くと表示に時間がかかったりしますので、ご注意ください。

 いつも云いますが、こういう報告をPDFファイルで出すときは、
必ず相当するHTMLファイルでも掲載してほしいですね。これは
アクセシビリティーとしてJIS規格になっていて、本来役所なら
守らねばならない約束事のはずです。

 「イソフラボンアグリコン」とは聞き慣れないですが、イソフラ
ボンは普通「イソフラボン配糖体」として含まれています。そこか
ら糖を切り離したものが「イソフラボンアグリコン」で、いわばイ
ソフラボンの本体です。ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン
の3種があり、ゲニステインがもっとも生理作用のある中心物質だ
そうです。

 さて、ここでの結論は、「大豆イソフラボンは75mg/日まで、サ
プリメントなどでとる追加分については、30mg/日を上限とすべし」
ということです。

 イソフラボンのサプリメントをとっている人は、この値以内に納
まっているかどうか、確認してみてください。

 一般の大豆食品にどれくらい含まれているかという表も上記のペ
ージにありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

表1 各種大豆食品中の大豆イソフラボンアグリコン含有量(換算値)
          (大豆イソフラボンアグリコンmg/100g)
食品名(検体数)     含有量   平均含有量

大豆(11 検体)     88.3〜207.7  140.4
煮大豆(3 検体)    69.0〜74.7   72.1
炒り大豆(1 検体)   200.7     200.7
黄粉(2 検体)     211.1〜321.4  266.2
豆腐(4 検体)     17.1〜24.3   20.3
凍り豆腐(1 検体)   88.5      88.5
おから(1 検体)    10.5      10.5
金山寺みそ(1 検体)  12.8      12.8
油揚げ類(3 検体)   28.8〜53.4   39.2
納豆(2 検体)     65.6〜81.3   73.5
味噌(8 検体)     14.3〜81.4   49.7
醤油(8 検体)     0.7〜1.2    0.9
豆乳(3 検体)     6.9〜53.8   24.8

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 炒り大豆やきな粉はそれほど食べないでしょうが、納豆を大量に
食べると目安量を越えてしまいそうですね。

 農林水産省のホームページに、「大豆のホームページ」というと
ころがあります。ここはかなり無責任に、大豆のよいところを強調
する内容になっています。そこにもイソフラボンの話は出てきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

◇イソフラボン◇
●細胞のガン化を抑制
●ガン細胞の増殖を抑制
●骨粗鬆症の緩和
●更年期障害の緩和

 イソフラボンは大豆のフラボノイドの一種で、植物エストロゲン
ともいわれ、女性ホルモンが減少した場合には代替ホルモンとして
作用します。大豆に含まれるイソフラボンの含有率は0.2%と微量
ですが、日常摂取するイソフラボンの多くは大豆食品からと考えら
れており、大豆食品を多く摂取する日本人が欧米人に比べて、更年
期障害、循環器疾患、骨粗鬆症などの発症率が低いのは、イソフラ
ボンの摂取量の差によるものと考えられています。

 なお、現在、イソフラボン含有量が通常の大豆より高い品種を育
成中です。

http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/daizu/kenko/kenko-f.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後の「イソフラボン含有量が通常の大豆より高い品種」という
のは本当に出てくるのでしょうか。農林水産省と食品安全委員会の
関係がどうなっているのか、理解に苦しむところです。ちなみに、
食品安全委員会は内閣府に所属しているそうです。

 それから、上記のPDFファイルの中に、気になる記述がありま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 米国がん学会(American cancer society)により、がん治療を行
う患者を対象とした日常食生活に関するガイドが発表されている。
この中で、大豆製品及び大豆イソフラボンはエストロゲン様作用、
抗エストロゲン作用の双方を持ち合わせており、現時点では有益性
及び有害性について結論が出ていないことから、乳がん治療後の生
存患者が、大豆を濃縮した錠剤や粉、及び大豆イソフラボンを抽出
あるいは濃縮したサプリメントを摂取しないようにと警告している。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 有害というわけではないが、その可能性があるので、やめた方が
いいですよ、ということです。乳ガン治療後の話ですが、やはり気
になるところです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 相変わらず大雪がつづいています。私のところでは雪は関係ない
のですが、寒い日がつづいていました。でも土曜日は大変暖かく、
雨がたくさん降りました。冬に雨はほとんど降らないのに、まるで
春の雨のようです。雪国では雪崩の心配もあるとか、どうぞ気をつ
けてください。

 正月で帰っていた息子も北国に帰り、寒いからといって連れてき
た子猫を置いていきました。毎日暴れてくれていますが、夫婦二人
の生活にはちょうどよい刺激です。

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