安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>322号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------322号--2006.01.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「魚油・レモン・魚粉・紅生姜(Q&A)」
「食糧自給率」

-PR---------------------------------------------------------
浄化槽・排水処理のことなら、「環境デザイン.COM」に
http://www.kankyo-design.com/

浄化槽の設計・管理を通じてきれいな水環境つくりに貢献します。
きれいな排水が出て、維持管理費の安い浄化槽が設置できます。
ディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)もOKです。
-PR---------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回はこんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今年もよろしく お願いします。毎週 日曜日楽しみにしていま
す。

実は『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』
A5判・並製 P224
ISBN−495−56921−X C2034 ¥1700E
出版社  同文舘出版株式会社
著 者  河岸宏和

という本を書きました。よろしければメルマガで紹介して頂きたい
のですが、よろしく お願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「食品工場の工場長の仕事とは」というサイトを運営しておられ
る方ですね。そのサイトの内容が本になったようです。

 以下のところで、実際の食品工場での取り組みがいろいろと紹介
されています。ぜひごらんになってください。

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/koujyou1.htm

 次に、農薬の検査についてのメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 これから記すことは以前にも貴殿のホームページで取り上げられ
たことですが、厚生労働省が公開している農産物の残留農薬検査結
果について、ひとつの試料について一斉分析を行いますから、分析
試料数は農産物試料x分析農薬数で示されています。

 12月17日にさいたま市で、日本農薬学会レギュラトリーサイ
エンス研究会のシンポジウムが行われ、反農薬東京グループの辻万
千子がこのことを取り上げ、過去にも試料数の表示を見直すように
要望したのに、一向に改められないと発言していました。確かに試
料数が多いと検出率は小さくなりますが、厚生労働省のデータには
試料数とは分析した試料x分析対象農薬数である旨の注記はあるの
で、数字の持つ意味は理解できるのですが、いわゆるヘッドライン
リーダーのように数字が一人歩きすると誤解を招くかもしれません
ね。

 もう一点、私は入れ歯を使っているのですが、入れ歯用の接着剤
に「無添加」とわざわざ表示してあるのです。何ゆえに無添加と表
示しているのか、また、同じ目的の他社製品には何か添加物が入っ
ているのか、いずれにしても、農産物の「無農薬」表示と似たよう
なもので、気になるところです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.魚の「あぶら」が乗るの「あぶら」は油でしょうか?脂でしょ
うか?広辞苑で引くと油ですが、インターネットで調べると圧倒的
に脂が多く使われています。魚に含まれる脂肪は、不飽和脂肪酸が
多く、実際は油の状態であるはずなのにどうして脂という字が多く
使われているのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.常温で液体の油脂は「油」、固体の油脂は「脂」を使うのが普
通ですね。

 魚からとった「魚油」、鶏からとった「鶏油」という表現はよく
あります。ただ、この場合は脂肪分だけを取り出して、液体の油に
しています。動物性の油脂でも、魚や鶏の油脂は不飽和脂肪酸が多
く、常温で液体です。だから「牛脂」「豚脂」というのに対して、
「魚油」「鶏油」というわけです。

 生のままの魚や鶏にも、この油脂は含まれています。この場合は
油脂分は液体ですが、細胞内にありますので、見た目には液体とい
う感じはしないですよね。だから「脂ののった魚」といいますが、
「油ののった魚」とはいわないのが普通だと思います。

------------------------------------------------------------

Q.輸入のレモンを皮ごと食べてしまいました。妊娠中にも3回ほ
ど少しだけ食べてしまいましたが、ポストハーベストについて不安
になりました。胎児に影響があると聞き心配です。催奇形性とかあ
りましたが、どのような影響があるのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.レモンを皮ごとというのはすごいですね。そのままで食べられ
たのでしょうか?

 レモンの場合はポストハーベストというより「防カビ剤」という
感じで使われています。食べる量によって、あまり大量に食べると
無害とはいえない物質です。でも、通常の食生活で害が出るほど大
量に食べる心配はないという判断で許可されています。

 このあたりの「量」との関係を無視して、不安視する人もいます
が、それほど心配するようなものではない、と考えてよいと思いま
す。まず影響はないでしょう。

 もちろん、積極的に食べるものではありませんし、おすすめする
わけでもありません。やはりレモンは皮ごとは食べない方がよいの
ではないか、と思います。

------------------------------------------------------------

Q.鶏の飼料の魚粉について。飼料を選ぶ基準にとうもろこしのN
−GMOやポストーベストフリーは広くいわれてきていますが、魚
粉の重金属汚染(ダイオキシン等含む)や製造過程における酸化防
止剤の害について語られることは、かなりハードルの高い生産者や
流通メーカーでもほとんどありません。(出会えてないだけかもし
れませんが)「しかたのないもの。コストがあう代替品がない。飼
料全体から見ると割合はごくわずか」という考え方が一般的のよう
です。貴HPのリンク先のたまご博物館もみさせていただきました
が、魚粉についてのコメントにいきつけませんでした。魚粉の重金
属汚染と酸化防止剤のリスクについてどのように考えられますか?

------------------------------------------------------------

A.魚の重金属というと、水銀で注意情報が出ています。しかし対
象が妊娠中の人のみ、ということで一般には害があるような水準で
はありません。

 それ以外の重金属については、そういう情報はありませんので、
魚を食べること自体には問題はないはずです。

 飼料に使う魚は安くて大量にとれるものです。こういう魚はマグ
ロやクジラなどのエサにもなっています。食物連鎖の上位にある、
マグロやクジラでは、重金属の蓄積が問題になったりするわけです
が、エサになる方の魚では問題になっていません。食物と生育期間
からして、これらの魚にはそれほど蓄積しないからです。

 だから、魚粉での重金属汚染というのは無視できるレベルだと考
えています。

 酸化防止剤については、使うことで得られるメリットの方がデメ
リットよりはるかに大きい、と思います。使わなくてすむのならそ
の方がよいのでしょうが、無理に使わないことに何か意味があると
は思えません。油脂の酸化による害は結構大きいものです。

------------------------------------------------------------

Q.アメリカで暮らしています。時折ですが、紅生姜が恋しくなる
のです。でもあの赤色はあんまり体に良くもないだろうと自作をし
てみています(梅酢は割合簡単に手に入ります。薄いですけれども)。
で、あれこれ塩加減など変えてみているんですが、あの着色料の入
った紅生姜の風味ーかなりキツイし強いーというのが出せません。
寿司の「がり」というのなら「合格」のものは作れるようになった
のですが。

 で、果たして赤色着色料に「味、風味」があるのかということを
ネットで調べましたが何も見つかりませんでした。赤色102号、
および着色料全般には色だけでなく、味、風味があるのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.着色料に味があるかどうかというのは、あまり意味がないと思
います。味を感じるためにはある程度の量が必要です。着色すると
いう目的で必要な量は味を感じる量よりかなり少ないと思います。

 紅生姜の作り方は別のところで調べてもらうとして、まず色につ
いては赤シソを使った梅酢を使えば、かなり強い紅色に仕上がりま
す。着色料の赤とはすぐに区別がつきますが、色としてはこちらの
方が強烈に感じると思います。梅干のような色というとわかりやす
いですね。

 味については、おそらく塩分だと思います。紅生姜を作るときの
梅酢が梅干を作ったときのものだとすると、かなりの塩分を含んで
います。そういう梅酢で漬けた紅生姜は味もかなり強いものになり
ます。

 わが家には私の母親が作ったそういったタイプの紅生姜がありま
す。色も味も強烈なので、なかなか減らないのですが、保存性もと
てもよくて、重宝しています。

 ということで結論は使っている梅酢が違う、ということだと思い
ます。赤シソが手に入るようなら、梅酢+塩+赤シソで試してみる
のもよいですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「食糧自給率」
------------------------------------------------------------

 食糧自給率について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 自給について2題お聞きします。

 昨年の秋に農家で手伝いをしたとき同じように手伝いに来ていた
農業青年からこんな話を聞きました。

「よく、業者が安全な国産大豆なんて言っているけど、種の9割は
アメリカから買っているからあれは嘘だ」

 海外から買った仔牛を日本の牧場で育て、出荷すれば「国産牛」
と表示できると法律では認められているそうだから「嘘」ではない
と思うのですが、何か騙されたような気がします。「安全な国産大
豆」とアピールしている業者ほど海外の農産物を非難しているから
余計そう感じます。

 この大豆の種子の自給率の話は本当でしょうか?他の農作物の種
子自給率はどの程度なのでしょうか?

 カロリーベースで見た自給率は日本は40%程度で先進国中最悪
ですが、この計算の根拠は正しいのでしょうか?

 道路族が日本の道路舗装率が先進国で最低だから予算を付けろと
言っているのと同じで、誇張された可能性があると見ているのです
が。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「国産大豆」ということと、「タネをアメリカから輸入している」
ということは矛盾しないのではないでしょうか。

「農水省によればトウモロコシなどの国内栽培用種子は、約90%が
アメリカから輸入されている。国土の狭い日本では、花粉による汚
染などで、種子の純度を守ることが出来ないからだと言う。」
http://www2.odn.ne.jp/~cdu37690/sandainyuusu.htm

 こういう記事がありました。ご質問の話はこのあたりがネタ元の
ようです。しかし大豆は国産の品種が主ですから、輸入種子が主流
ということはないと思うのですが…。

 一般に、アメリカの大豆と日本の大豆とでは品質が違います。一
番の違いは油脂の量で、アメリカ産のものは油脂原料ですので、油
脂を多く含みます。醤油や味噌などの醸造や豆腐には国産大豆がよ
いとされているのは、この違いによります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食用大豆の輸入先は、アメリカ、カナダ、中国がほとんどです。
国産大豆と輸入大豆の成分を比較すると、国産大豆はタンパク質含
量が多く、外国産大豆は脂質含量が多いといわれています。平成1
3年における粗食用と味噌・醤油加工用大豆の需要量が101.5
万t、13年産国産大豆生産量から種子用を除いたものが26.4
万t、その差の75.1万tが輸入大豆で賄われています。

http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/qa/alt/altqa040202.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 国産大豆はちょうど1/4ということですね。「種子用を除いた」
とわざわざことわっていますから、国産大豆が種子としても使われ
ていることがわかります。種子はほとんどアメリカから輸入、とい
うわけではなさそうです。

 「国産大豆使用」という表示は信用できない、という点について
は私もそう思っています。種子の話ではなく、実際に輸入大豆が混
入している例はたくさんあり、実際に摘発されたりしています。

 零細業者が多く、裏付けをとるのも困難なため、言ったもの勝ち
になっている状態だと思います。

 食糧自給率は以前に紹介しましたが、「カロリーベース」という
注釈をつければ40%という数字で間違っていないと思います。た
だし、「カロリーベース」という意味はあまり理解されていなくて、
私たちの食べる食べ物のうち、国産品は40%しかないと思ってい
る人も多いです。これははっきりとした間違いです。

 日本の食糧自給率は生産額ベースでは70%程度です。金額です
ので量に換算することはできませんが、実態としては輸入食品を食
べている割合は3割程度と考えてよいと思います。

 このあたりの統計は比較的しっかりしていると思います。以下の
ページの解説がわかりやすいので、ごらんください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

畜産物のカロリーベース自給率(平成15年度) 単位:%
    品目別自給率× 飼料自給率= カロリー自給率
牛 肉    39      26.2      10
豚 肉    53       9.7      5
鶏 肉    67       9.7      7
鶏 卵    96       9.7      9
牛乳・乳製品 69      42.3      29

http://www.e-shokuiku.com/jyukyu/13_1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上の表で、「品目別自給率」というのがその食品のうち、国産品
の占める割合です。これは意外と高いですね。

 畜産物の場合は、農産物を飼料として与えて生産します。だから
熱量(カロリー)ということからすると、二次的な生産と考えて、
飼料の自給率を問題にします。

 品目別自給率に飼料自給率をかけたものがカロリー自給率で、こ
の数字をトータルに見たものがカロリーベースの食糧自給率という
ことになります。

 統計としては信用してよい数字が出ていると思いますが、このあ
たりの計算方法をきちんと伝えないで、低めに出るカロリーベース
の数字だけを声高に叫んでいるというのはやはりある種のプロパガ
ンダなんだと私も思っています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回もいただいたメールの紹介とその返信だけでメールマガジン
ができてしまいました。いつもありがとうございます。

 正月もすんで、2日働いたらまた3連休です。これはなかなかよ
いですね。その後が悲惨なことになりそうですが。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-322号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4296名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/