安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>320号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------320号--2005.12.25------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「もやし・わかめ・野菜・調理済み食品・脱
酸素剤(Q&A)」「アメリカ産牛肉」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今週もいただいたお便りを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 はじめまして。いつも記事を興味深く拝見させていただいており
ます。

 今週のメールマガジン中のもやしに関するコメントにつきまして
疑問がありますので、ご教示ください。
 
「『無漂白』の表示がないもやしは漂白されている」とのことです
が、食品衛生法ではもやしの漂白を禁止しています。

 「無漂白」の表示がなくても漂白剤の使用はないと考えますがい
かがでしょうか?

 詳しくは下記サイトをご覧ください。
  http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=170

 もう一点あります。

 「放射線照射は抗生物質などの薬品と違い、残留性はありません
から、じつは安全性に問題があるということではありません」

 とのことですが、照射によって生じる物質(2-ドデシルシクロブ
タノン(2-DCB)等)の毒性が問題になっています。

 渡辺さんが考えられるほど安全な技術ではないと考えますが、い
かがでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もやしについては、他の方からも同様のご指摘がありました。

 たしかに、ご紹介のページには、『食品衛生法では「生鮮野菜な
どに、発色、漂白を目的に食品添加物を使用すること」が禁止され
ています。』とありますね。これはそのとおりだと思います。

 でも、もやしを漂白するのは昔からよくおこなわれていたのです。
私はあちこちで実際に漂白?しているところを見てきました。あれ
は何だったのでしょうね。

 「発色、漂白を目的に」というのとは違い、出荷時の洗浄のとき
に使っているので、よいという解釈なのでしょうか。

 ただし、最近では漂白しないものが主流になってきているらしい
のはわかりました。そういう意味であの回答は誤解のもとですね。
Q&Aのページには追記しておきます。ご指摘ありがとうございま
した。

---追記:

 「次亜塩素酸ソーダ」は漂白剤ではなく、殺菌料として食品添加
物に指定されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

用途

野菜、果実、飲料水、製造装置や器具の殺菌など

特性・効果

 水によく溶け、強力な殺菌作用と漂白作用を有するために、食品
の殺菌に使用されます。非常に不安定で、加熱などにより容易に分
解します。独特の塩素臭があるため、使用後、洗浄で除去されます。

使用基準

 ごまに使用してはならないとなっています。

安全性

 使用後は洗浄等により除去されます。

食品への表示

 使用後は洗浄により除去されるので、加工助剤として表示は免除
されます。

http://www.eiken.city.yokohama.jp/food_inf/data/Additive_back/sakkin_01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私が見たのはこれを使っているところでしたが、上記のページを
読むかぎり、食品衛生法違反ではないようです。これを使っていな
いことを「無漂白」というので話がややこしくなっているようです。

 次のページはメーカーサイトでの紹介です。
http://www.takasugi-seiyaku.co.jp/prdt/04_01.html

---追記終わり

 放射線照射については、以下のようにWHOの見解がでているそ
うです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「長期間の動物実験と Ames 試験がネガティブという結果を含む、
現時点での科学的証拠に基づいて、2-DCB および 2-アルキルシク
ロブタノン類は消費者の健康リスクを損ねないと判断する。WHO は
これまで、FAO/IAEA/WHO の専門家グループや各国各地域の専門家
によって導き出された "照射食品は、安全で、栄養学的にも適合性
がある" という結論に疑問を挟む様な論拠は持っていない。」

http://takafoir.taka.jaeri.go.jp/dbdocs/001007000016.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このサイトには非常にたくさんの文献が紹介されています。
http://takafoir.taka.jaeri.go.jp/dbdocs/db_index.html

 放射線照射の生成物については非常に低い危険性しかない、と考
えています。

 ただし、私は放射線照射による殺菌そのものには批判的です。理
由としては以下のところをあげておきます。

(1)放射線照射された食品の安全性には問題はないが、放射線照
射をおこなうこと自体はかなり大きなリスクがあること。(放射性
同位元素の扱いなど)

(2)したがって、食品工場ごとに放射線照射の設備をつくるのは
あまり現実的ではなく、この技術を使用できる生産者は限られてし
まうこと。(不公平!)

(3)最終段階で放射線照射をおこなえば、殺菌に関しては問題な
くなるので、それまでの工程での衛生管理のレベルが低下する可能
性があること。

 私は放射線照射は有効な技術ではあるが、極限的な状況に限って
使うべきで、一般の食品全体に使うことはよくないと考えています。

 しかし、放射線照射された食品に毒性があるかのように言うのは
やはり違うと思うのです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.もやしについて、質問します。豆は遺伝子組み替えの心配があ
りますが、もやしも、遺伝子組み替えをしているのでしょうか?

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A.大豆以外の豆(黒マッペ、緑マッペ)ではそういうものはない
と思います。大豆もやしの場合はあり得ますが、表示をしていると
思いますので、それを見ればよいです。

 遺伝子組み替えの大豆がよいとか悪いとかいうのはまた別の話で
すが、とりあえず食べて心配のあるようなものではないと思います。

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Q.わかめについて、質問します。自然食品の店で購入した、海藻
サラダの原材料を見ると、韓国産でした農薬などの心配があります
か?国産のものを求めたほうが、いろいろと安心できると思います
か?

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A.わかめというのは海草ですよね。海草にどうやって農薬を使う
のか、ちょっとわかりません。養殖しているものなら、そういうこ
ともあるでしょうが、わかめは自然に生えているものをとっている
のではないでしょうか?

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Q.化学肥料や農薬の使用で野菜や果物の味は落ちる=有機や無農
薬の作った方が美味しいという俗説(真実かも知れないが)を検証
した人は今までにいるのでしょうか?

 安っぽいグルメマンガによくあるパターン、老人がスーパーで売
られている野菜等に不味いと言って、その老人に有機や無農薬のも
のを食べさせると「これこそ昔のものと同じ味だ」と喜んで、食べ
る。

 また最近読んだあるマンガ画家の体験物語です。彼は若い頃高級
呉服店で働いていました。最近当時の同僚と会い30数年ぶりに反
物を見せてもらったところ昔と何か感触が違う。おかしいおかしい
と言っているとその同僚が桑の葉が化学肥料栽培になったからだと
説明し「昔のカイコは全部有機肥料で育ったから・・・」とつぶや
いたと。

 本当にこんなことはあるのでしょうか?糖度等を計測したり、数
多くのモニターによる実験をした例はありますか?

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A.野菜においしい野菜とおいしくないものとがあるのは事実だと
思います。作り方や鮮度によって、味は確かに違います。

 それが農薬や化学肥料を使うか使わないかだけで決まるのなら、
簡単な話ですが、実際にはそんなに簡単ではないと思います。有機
栽培でもまずい野菜とか、慣行栽培でもおいしい野菜とかもあると
いうのが私の認識です。もちろん、その逆の例の方が多いかもしれ
ませんが。

 それでは、どうすればおいしい野菜ができるのか?これは多くの
農家が真剣に取り組んでいる問題です。みなさん経験からいろんな
説を持っておられると思います。私が論評したりするものではない
ので、そういう取り組みには敬意を表したいと思っています。

 マンガの話はまた別だと思います。白土三平の忍者マンガを持ち
出すまでもなく、マンガは現実の世界を思いっきり単純化した世界
観で成り立っています。だからマンガの世界を現実と違うといって
批判したり、マンガにこう書いてあったといって現実の世界を批判
したりするのはナンセンスだと思います。

 現実とは違う論理で成り立っているから、マンガはあんなにおも
しろいのではありませんか!

 カイコの話もまるでマンガの中の話のようですね。絹という化学
物質が桑の肥料によって変化するはずがないでしょう。違うのは製
糸や織、染色の技術の違いに決まっています。カイコの方で考える
と、品種や産地の違いもあるかもしれません。

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Q.市販売されている調理済み食品の味付けは、どうしてあんなに
甘いのでしょうか。

 万人向けを意識するとああなるのか、それとも何かの添加物の味
を消すためのものなのですか? 個人的には“甘好き”ですが、そ
んな私でさえ顔をしかめたくなるほど異常な物があります。

 逆に、過度にしょっぱいものもあります。何でこんなに塩を使う
必要があるのかと思う酷さです。これは日持ちさせるためですか?

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A.食べ物を作って売ろうとする側からすると、味の問題はたいへ
んな神経を使うところです。私も昔、生協で手作りの惣菜を作って
もらっている人たちに、自分がおいしいと思うより、もう少し甘く
してください、とお願いしていたものです。

 自分で作ってその場で食べるものより、少し甘いめの方が保存性
もよく、消費者の受けもよいように考えていました。はたしてそれ
が正しかったのかどうかわかりませんが、現場ではたぶん似たよう
なことを考えて作っていると思います。

 コストの関係から、家庭のように贅沢な材料を使えない、調味料
なども配合されたものを使いがちである、保存料などをつかわずに
ある程度保存性をよくしようとしたら、砂糖や塩の力に頼ることも
必要、こんなところもあると思います。

 また、うす味すぎると消費者には支持されない、という思いもあ
ります。これはそんなことはない、という声が消費者から聞こえて
きそうですが。

 化学調味料をうまく使うと、このあたりをごまかすことができま
す。がんばって化学調味料をうんと少なくすると、甘すぎるとか塩
辛すぎるとかいうクレームがついたりすることもありました。こう
いうとき、塩分の率を比較してもダメなんですね。

 ときどき、思いっきり甘いのや塩辛いのにあたるときもあります。
これはメーカーのレベルが低くて、適正な味にできていない、とか、
作り方を間違えた、とかいうこともありそうです。ウソのような話
ですが、よほどのメーカーでないとおこり得ることだと思います。

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Q.脱酸素剤が餅にくっついていたのを気付かず、トースターで焼
いて子供達と食べてしまいました。袋がとけて破け、中のこげ茶色
の粉末が出てしまっているようでした。夜に食べて翌朝気が付きま
した。現在妊娠している(4週〜5週目)可能性が強いので、胎児
への影響がとても心配です。子供達も特に変わった様子は見られま
せんが大丈夫でしょうか?ご返答宜しくお願いします。

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A.脱酸素剤の中身は鉄の粉です。使い捨てカイロと同じものです。
鉄が酸素と結びつく(錆びる)ことによって、包装の中の酸素を減
らすわけです。このとき発熱しますので、カイロの方はこの熱を利
用しています。

 鉄の粉ですので、別に毒ということはないと思います。あまり大
量にとれば別ですが、鉄の毒性が問題という話はあまり聞かないで
すね。

 鉄製の鍋やフライパンからは鉄が食べ物に溶けて出て、これが栄
養素としての鉄の補給になっている、という話もあります。

 とにかく、食べるものではありませんので、食べてしまったこと
は失敗でした。でも、現在症状が出ていないのなら、心配するほど
ではないと思います。もし、何か症状があったら、医者に診てもら
うべきでしょうね。妊娠の検診のときに医者に話してみたら、どう
いわれるでしょうか。これは私にはわかりません。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「アメリカ産牛肉」
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 いよいよアメリカ産牛肉の輸入がはじまりました。テレビでもい
くつか報道されていましたが、もう店に出しているところもあるよ
うです。

 「内蔵肉」としてハラミ肉もありました。焼き肉屋ではおなじみ
の部分です。昔、冷凍もののハラミ肉をよく扱っていましたので、
なつかしかったです。

 もちろん、アメリカからの輸入です。なぜか国産でよいハラミ肉
というのはなかなか手に入らないのです。仙台のタン塩が原料がな
くなって困っているというニュースもありました。よいタンはやは
りアメリカ産なんですね。

 日本の肉の流通では、内臓肉の流通がかなり弱点があります。こ
れは精肉(枝肉)とは別のルートが流通しているためです。また、
元々の牛自体、なかなかよい内蔵肉が得られないのだという説もあ
ります。

 いまだに安全性の問題で心配している人もあると思います。私の
考えとしては、アメリカ産牛肉の危険性は国産牛肉の危険性とほぼ
同じ程度ですので、アメリカ産牛肉が心配な人は牛肉そのものを避
けるのがよいと思います。

 まず、BSEの発生工合ですが、いくら全頭検査していないとは
いえ、2年間で2頭?ですからイギリスどころかヨーロッパ諸国と
比べても少ないと考えてよいはずです。日本と同等か悪くても少し
多い程度におさまるはずです。

 国産牛肉との違いは全頭検査していないことです。したがって感
染していても出荷される危険性はあります。このリスクは若年牛の
場合、もともと検出できないと考えられますので、国産牛肉と比べ
てそれほど大きくなるものではありません。

 もともと肉牛は経済性のため、満2歳未満で出荷されるのが普通
です。例外は高級和牛で、これは4〜5歳に達するものもあるそう
です。

 処理場の処理では逆に日本の方が少しリスクが大きくなるようで
す。よくアメリカで肉の処理がいい加減だというような話も聞きま
す。たぶんウソではないと思いますが、日本と比べてどうかという
点ではずいぶん変わってきます。

 平均的なレベルからみて、日本の処理場はアメリカのものには及
ばないと思います。アメリカで批判されているのは先進的すぎる方
法です。大きな声ではいわれていませんが、日本で問題になるのは
全近代的な設備と衛生管理の不備ですから、レベルの違いは明らか
でしょう。

 どうも日本人は自国には甘くて、このあたりの問題をあいまいに
してきたように思うのです。

 逆にアメリカでは先進的すぎる手法に対する反対が盛り上がって
きていて、日本でもその影響によって、アメリカの処理はいいかげ
んだという認識が広まっています。これは少し視点にズレがあるの
ですね。

 アメリカ人が効率第一主義を反省するのは結構なことです。しか
し日本の非効率がよいという話にはならないのではないか、と私は
思います。

 脳髄が飛び散るからやめた方がよいといわれているピッシングと
いう方法は、アメリカではおこなっていませんが、日本では160
施設中115の施設でおこなっているということです。

http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai17/prion17-siryou3-2.pdf

 日本では全頭検査で、アメリカでは特定危険部位の除去で対応し
ていて、結果としてのリスクはほとんど変わらない、というところ
です。

 あとは消費者がどう判断するかですが、案外何もおこらず、常識
的なところに落ち着くのではないかと思います。この間伸びてきた
オーストラリア産も、アメリカ産に駆逐されないようにがんばるで
しょうし、国産肉にはやはり支持が多いです。このあたりが一定の
シェアを占めていくということになるのは当然の話です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回で2005年の配信はおしまいです。次回は1月1日になります。
いつもどおりに配信するつもりですが、回線事情によっては遅れが
あるかもしれません。

 このメールマガジンは1999年の12月にスタートしています。満6
年を過ぎたことになります。ご講読ありがとうございます。また、
いつも情報、感想や貴重なツッコミをいただいている皆さんにもあ
らためて感謝いたします。

 来年もよい年でありますように!

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