安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>318号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------318号--2005.12.11------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「玉ねぎ・肥満・缶詰・塩分濃度計・蜂蜜・
賞味期限(Q&A)」「食育」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今週もいただいたお便りを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アメリカ産牛肉は「安全」といえるのでは?

 イギリスのように18万頭も狂牛病の牛がいて、危険部位を食べ
る食習慣があっても150人程度しか発病者がいない。非英国人で
は10人チョットしか発病者がいない。(そのうちの5人は英国滞
在有りといわれています)

 アメリカは日本ほど厳しくないにしても以前と違い検査・危険部
位の除去はされている。こう考えるとアメリカ産牛肉を食べること
による狂牛病のリスクは限りなく低い。

 更にもう一つ比較をしてみましょう。国立がんセンターのHPを見
ると「喫煙は、さまざまながんの原因の中でも、予防可能な単一の
要因としては最大と考えられています。欧米の研究では、がん全体
の30%、特に肺がんの90%近くは喫煙が原因と考えられています。」

 肺癌の死者は年間5万人以上。おおざっぱに考えてタバコによる
肺癌の死者は10年間で約50万人、対して狂牛病による死者は英
国を除いた世界で10数人。タバコよりも何万分の一ほどの確率し
か狂牛病になる確率は無いと言えるのでは?

 リスクの計算より反米感情、国内業者の保護、正義の味方を演じ
たい、センセーショナリズムで一儲けといったことが優先されてい
るのではないでしょうか?

参考にしました。
http://ameblo.jp/mayumayujolly/entry-10006779091.html
http://www.yasuienv.net/BSEPolitical.htm
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=330
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 309号でこの問題について書きましたが、いよいよアメリカか
らの輸入が再開されるようですね。

 世論調査などでは買わないという人の方が多いようです。実際の
消費者の行動がどのようなものになるか、興味深いです。

 アメリカ産牛肉の輸入は一部を除いてそう簡単には増えないので
はないかと考えています。今でも牛肉は別に不足しているわけでは
ありません。全消費量は変わらないのに、そこに割り込もうとする
わけですから、そう簡単にはいかないだろうというのが第一の理由
です。

 第二の理由はスーパーなどは消費者の反応を見ながら慎重に対応
するだろうということです。こちらはしばらくすれば解決しそうで
す。

 第三の理由は肉の流通業界の閉鎖性ですね。このあたりがどうな
るのかはよくわかりません。

 アメリカ側は日本産の牛肉の輸入を禁止していましたが、これは
同時に解禁ということで、もともと合意があったようです。

 自分はどうするだろうかと考えると、まず私は牛肉をあまり買わ
ないのです。たまに買うときは国産肉を選ぶ傾向があります。でも
ときどきはオーストラリア産も買います。このオーストラリア産と
アメリカ産を区別することはたぶんないと思いますので、ごく少し
(たぶん月に1パックとか)はアメリカ産牛肉も買うことになると
思います。

 このごろ昼食は外食なのですが、そこでもあまり牛肉を使ったも
のは食べていないような気がします。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.野菜のカビについての質問です。私は職業柄野菜のカビにたび
たび遭遇します。一番多いのが玉ねぎです。玉ねぎは、収穫してか
らしばらくたつと、皮と実の間に黒いすすのようなカビ!?がでま
す。それを拭いて食べてるのですがやはり体に悪いのでしょうか!?
マスクをしていますが、多少は吸ってしまうので心配してます。

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A.タマネギは乾燥がよくないとカビが発生しやすいです。このカ
ビは生育中にも出ることがあって、灰色腐敗病などといわれている
そうです。

 カビの生えた食品は基本的に食べない方がよいです。だからふき
とるというより、カビの生えた部分を切り取ってしまう方がよいと
思います。

 吸い込んだときにどうなるかはちょっとわかりません。害があっ
たという話も聞きませんから、大丈夫だとは思いますが、どうなの
でしょうか。

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Q.魚も食べ過ぎると肥満になるのですか?肥満の原因は炭水化物
の取りすぎだとテレビでみました。魚にはほとんど炭水化物はあり
ませんが、やはり魚でも毎日食べていると太るのですか

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A.肥満の原因は厳密に言うと消費するカロリーより摂取するカロ
リーの方が大きいから、余った分を体内に貯蔵してしまうのです。

 カロリーは主に炭水化物、脂肪、タンパク質の三大栄養素から摂
取しています。日本人は普通炭水化物が約半分、残りを脂肪とタン
パク質で半分くらいずつ、という感じでしょうか。

 タンパク質や脂肪が中心の食事でも、もちろん肥満はおこります。
その上、こうした食事では肥満とともに心臓病などを併発すること
が多く、アメリカなどでは問題になっています。

 魚を中心にしていると、肉中心よりも問題は少ないそうです。で
も毎日たくさん食べれば、やっぱり肥るでしょうね。

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Q.単に安全性というと非常に漠然なのですが、国内で販売されて
いる缶詰に安全基準等御座いますでしょうか?

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A.缶詰の品質についてはJAS規格で定められています。製法な
どを規定したものですが、缶詰の場合は安全性の基準になると考え
てよいと思います。

 もともと、缶詰は長期保存を目的として開発された食品の包装方
法です。その基準にしたがっている限り、安全性は確保されている
と考えられます。

 表示などにも基準はあります。以下に紹介するのは業界で発行し
ている「缶詰手帳」の目次です。だいたいこんな項目が基準として
はあるのだという理解でよいのだと思います。
http://www.jca-can.or.jp/publishing/books/techcont.htm

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Q.職場で塩分濃度計を使っています。主に汁物に関して使用して
いるのですが、汁の温度によってかなり変動があります。考えられ
る原因はなんでしょうか。

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A.塩分濃度計にもいろんなタイプがありますが、主に電気伝導率
を調べるものが多いです。この電気伝導率が温度により変化するよ
うです。(1℃の上昇で約2%増加)。
http://www.takara-sangyo.co.jp/kouza/dendo.htm
http://www.krkjpn.co.jp/glossary/13.html

 このため、温度補正を自動的におこなう機種も販売されています。

 どうして温度によって電気伝導率が違うのか、というのは私に聞
かないでください。

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Q.こんにちは。蜂蜜について伺います。蜂蜜の賞味期限は、どの
ような目安で決めているのですか?だいたい何年ぐらいでしょうか?
見た目に問題がなければ賞味期限を過ぎても食べられるのですか?
(品質は落ちるでしょうが)

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A.蜂蜜の賞味期限は普通2年くらいでつけられているようですね。
蜂蜜は非常に保存性のよいもので、一般的な意味の賞味期限とはな
じみが悪いのですが、缶詰にも賞味期限がつくご時世ですので、こ
れは仕方ないです。

 ショ糖を結晶させている砂糖は今でも賞味期限をつけずに販売し
ています。蜂蜜は液体ですので、そういうわけにもいかないようで
す。湿気を吸ったりするとカビが生えたりすることもあります。

 濃度が充分ある純粋の蜂蜜なら、ほとんど悪くなることはありま
せんから、何年たっても食べられるのが普通です。ただし、保存状
態にもよりますし、保証のかぎりではありません。

 賞味期限内ならメーカーが保証しているわけですが、開封後はそ
うではありません。開封後や、賞味期限が切れてからも、食べられ
るといえば食べられますが、あくまで自己責任です。ちょっとなめ
てみて、おいしければ問題ないと思いますが、食べられるかどうか
は人それぞれの判断によります。。

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Q.ノンレトルトの惣菜(殺菌温度100℃10~15分)での賞味期限は
どのぐらいが適切でしょうか。又、チルドで3ヶ月~半年程度の賞味
期限の商品(たとえばおでんなど)が販売されておりますが、どの
ような殺菌をしているのでしょうか。

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A.実際の商品の賞味期限設定については、私には答えられません。
製造者がそれぞれに実験などをして決めるしかない性質のものです。

 冷蔵指定など、条件にもよりますね。一般には消費者側での温度
管理はあまり信用せず、きちんと冷蔵保存したときの半分くらいを
賞味期限にしていることが多いようです。

 ある程度長期の賞味期限を設定しているのは、加熱調理と殺菌が
一体になった調理をしているものだと思います。いったん加熱して、
できた商品を包装するのではなく、まず原料や半製品を包装し、そ
の後容器内で加熱調理するのですね。

 賞味期限まで実際にもてばよいわけですから、製造方法の工夫に
はそれ以外にもいろいろあると思います。基本はやはり衛生管理と
いうことなのでしょうか。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「食育」
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 このごろ新聞などで「食育」という言葉をよく見かけます。どう
も怪しげだと思って無視していたのですが、農水省がやっているの
ですね。農水省のサイトで、「我が国の食生活の現状と食育の推進
について」というPDFファイルをみかけました。
http://www.maff.go.jp/syokuiku/kikakubukai.pdf

 いろいろと資料が載っているので、少し紹介してみます。

◆ 食料消費割合の変化(1人1日当たり:供給熱量ベース)

 1960年、1980年、2004年の比較があります。1960年には米が半分
近くを占めていたのですね。米の占有率は48.3、30.1、23.4とどん
どん下がっています。10〜20くらいまでは下がりそうです。それな
のに日本の農村では米の作付けが圧倒的に多いのはどうも困ったこ
とです。

◆ 栄養バランスの変化

 「適正比率は、食料・農業・農村基本計画における平成22年度
の目標値P(たんぱく質)13%、F(脂質)27%、C(炭水化物)
60%」だそうです。この比率によってゆがめられたグラフを掲載
しています。実際の割合を示すのではなく、決められた値との相違
をグラフにするのは、あまりよくないのでは?と思います。

 このグラフでは1980年がほぼ理想的に収まり、2004年では脂肪が
やや多すぎるというふうに読めます。28.7%の脂肪が27%のポイン
トよりはみ出していますが、すこし大げさに書きすぎのような気が
します。1.7%でなぜこんなにはみ出すのでしょうか。

 全体に見て、現在の栄養バランスは悪くないと見えます。任意に
こしらえた基準と現実の数値がこの程度の相違をおこすのは当たり
前で、逆に理想に近すぎるという評価もあるかもしれません。

◆ 食料消費支出に占める外部化率の推移

 このグラフで驚いたのは、「外食率」が下がってきていることで
す。1990年ころをピークに下がり始め、最近では20年前の水準にな
っています。これでは外食産業は大変だなあ、と思いました。

 代わって「食の外部化率」は増加の傾向にあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

外食率・・・・・食料消費支出に占める外食の割合
食の外部化率・・外食率に惣菜・調理食品の支出割合を加えたもの

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 だそうですが、統計を信用する限り、外食の減少を上回って調理
済食品の購入額が増えているということになります。

 これは時代の流れでしょうね。問題といえば問題ですが、何が悪
いのかというと別に何も悪くありません。女性が家事に縛りつけら
れていた時代がよかったとは私には思えません。外食ばかりではな
く、家庭で簡単につくって食べられる料理を食べるというのは、よ
いことであるという面もあると思います。

◆ 平均寿命と健康寿命(2002年)

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

平均寿命とは、現時点での零歳児の「平均余命」のこと

健康寿命とは、健康という側面からみた寿命、すなわち国民が平均
的に病気や他人の介助等がなく、生存できる期間のこと

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本人は平均寿命は長くても、健康や福祉の面では劣っていると
いう思い込みを持つ人も多いです。ところが日本人は健康寿命で見
ても群を抜いて高い数字になります。

 平均寿命から健康寿命を引くと、健康ではない生存期間になるわ
けですが、その数字も日本人は短い方です。この数字はどこもあま
り変わらず6〜8年くらいですが。

◆ 供給熱量と摂取熱量の推移(1人1日当たり)

 供給熱量の方はやや増加ぎみですが、驚くのは摂取熱量が減少を
続けていることです。1970年代にピークがあったようで、2200キロ
カロリーを超えていたのが最新の数字では1863キロカロリーとかな
りの減少になっています。

 これは全体として高齢化したことが背景にあると思います。昔は
若者が多かったです。私も1970年代なら今の倍くらい食べていたよ
うな気がします。食べ放題などという店にもよく行ってました。こ
のごろは昼食バイキングの店などはとても損なように思って行かな
くなっています。

 この二つをグラフにすると、供給と摂取の差が開いてきています。
これを「食べ残しが増えた」と解釈したいようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

○飽食ともいわれる中で、食べ残しや賞味期限切れなどに伴う廃棄
等が食品産業、家庭で発生。これを、国民一人当たり供給熱量と摂
取熱量の差として捉えると、その差は拡大傾向で推移。

○家庭での食べ残し・廃棄について、農林水産省の平成16年度調
査によると食品ロス率は4.2%。また、食品廃棄物のうち一般家
庭から発生するものは約55%。

○世界には約8億4千万人にのぼる栄養不足人口が存在する中、我
が国は世界最大の食料純輸入国である一方で、かなりの食べ残し・
廃棄が発生しており、資源の浪費・環境への負荷の増大などが課題
となっている。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 栄養不足人口の話はウソではありませんが、これを日本人の食生
活と結びつけて考える根拠はありません。日本人の食べ残しが減っ
たからといって、栄養不足人口が減るわけがないのは、考えるまで
もないことです。

◆ 食育の必要性

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

○しかしながら、フードチェーンの多様化・複雑化や家庭等におけ
る食の教育力の低下など環境変化の中で、国民個々の自主的な努力
に委ねるだけでは健全な食生活の実現が望めない状況。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 お役人が勝手なことを言っています。「健全な食生活」をどう想
定するのかは人によると思います。また、農水省の主張しているも
のと現実の日本人の食生活の差はごくわずかです。

 何を根拠に「国民の自主的な努力では実現できない」と考えてい
るのでしょうか。官僚にありがちな選民思想がぷんぷんする文章で
す。

 時代の流れの中で、「健全な食生活」も変化していきます。懐古
趣味と保守主義を官僚主義の人たちが利用しているだけではないか?
というのが私の「食育」への評価です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 昨日は例によって早く寝て、日付が変わってから書いています。
ネタに困ってあちこちに行っていたら、「食育」のページに行き当
たりました。私はマスコミが流しているいろんなスローガンはたい
ていうさん臭いと感じるので、近寄らないようにしています。

 たまには、と思って読んでみると、なかなか面白いですね。結論
には賛成しませんが、こういうデータをまとめてくれるのは大いに
歓迎です。願わくばPDFファイルではなく、普通のHTMLで公
開してほしいです。

 「世界には食べ物に困っている人がたくさんいるのに、君たちが
食べ物を粗末にするのはよくないことだ」と子供に教えることには
賛成です。そういうことを気にする子になってほしいと思います。
しかしこれは国家の干渉するようなことなのでしょうか。儒教国家
には国民を道徳教育したいという欲望があるのですが、今の日本も
儒教国家なのか、と思ってしまいます。よけいなことはせずにもっ
とちゃんと仕事しろよな、というのが私の感想です。

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