安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>302号
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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------302号--2005.08.21------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------
「いただいたメール」「寒天・腐敗・冷蔵庫・梅干(Q&A)」
「パーム油」
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--〔話題〕--------------------------------------------------
今週もいただいたメールを紹介します。まず、賞味期限について。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
相変わらず賞味期限に関する質問が絶えないようで、やはり消費
者の関心事であることは間違いないのでしょう。
以前酒類関係の品質管理をやっていましたが、ご承知のように酒
類には期限はありませんが、対外的に考え社内の出荷基準を設けま
した。それでも紙パックの清酒やワインでは必要でしょうが、ガラ
ス瓶入りのウィスキーや焼酎にはなんで必要か疑問が残りました。
さて、当地のテレビCMを見ておりましたら、最近以下のような内
容(若干記憶が正確ではありません)がありました。
「この製品は○○週間くらいは持ちますが、お客様のためを考えそ
の3分の1に賞味期間を設定しました。」
消費者の安全のために万が一を考え短めにしたということを強調
したかったのでしょうが、知らない消費者が買ってきて冷蔵庫に入
れていた品物を見て期限が切れていると思えば普通捨ててしまいま
すよね。(まだ十分食べれるはずなのに)これはお客様のためとい
うよりは自分の売上のためになるんじゃないでしょうか。
私はまだ戦後の混乱が色濃く残っていた年の生まれですが、幼い
ころはまだ食料も貴重で少々古くなってもそれだけでは捨ててはい
ませんでした。ちょっと口に入れてみてこりゃだめだと言うと残念
ながら捨てたものです。家内はそれよりかなり遅い生まれのせいか、
古くなった食べ物はどんどん捨てる性癖があります。
もっと若い人たちはそういった傾向がより強いのでしょうね。ま
ず自分の食べるものは自分で見極めるという責任をもち、メーカー
や販売者の責任ばかり主張されるのもちょっと、、、メーカーの本
音?です。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
次は中国産食品についての質問です。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
中国産の食品や中国からの輸入野菜の安全性についておうかがい
します。
中国産製品について、農薬などの使用に関しては、こちらでは
「輸入の検査のときにひっかからない程度なので問題ない」という
ような回答が、これまで何度か出ていました。
が、農薬だけにとどまらず、中国の食品については、やはりどう
にも安心できないような気がしてなりません。
たとえばこのようなサイトの情報など・・・
http://blog.livedoor.jp/safe_food_of_asia/archives/50010839.html
こうした話が何度も出てくる背景は、中国を良く思わない誰かに
よる情報かく乱のような気もします。が、実際問題として「生ごみ
餃子」の話などを聞くと、どうもただの作り話ではないようにも思
います。
はたして、実際のところはどうなのでしょう・・・真実はけっき
ょくわからないのでしょうか?
こちらのサイトでは、いつも食にまつわるトンデモ話を理論的に
一蹴されているので、ぜひ率直なご意見をいただきたいと思いまし
た。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
以下は私からの返信です。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
「生ごみ餃子」は韓国の事件でした。まあ似たようなものといえ
るのかもしれませんが。
中国の食品問題は前にもとりあげましたが、ますますひどいニュ
ースが多くなっています。これは「衛生観念の欠如」という民族の
文化の問題と、共産党支配下での資本主義化ということがひきおこ
した、「モラルなき資本主義=拝金主義」という社会全体の腐敗が
関係していると思います。
はっきり言って、当分よくなりそうにないです。政府は必死にな
って改善しようとしているようですが、その政府の権力機構そのも
のが腐敗していますので、効果があるとは思えません。
ただ、日本に入ってくるものに関しては、実はあまり心配してい
ません。輸入は日本側でおこなっていますので、ちゃんとしたとこ
ろが輸入したものについては、たぶん問題ないレベルだと思います。
日本に輸入されてくるもののほとんどは、中国で流通しているも
のを買いつけたのではなく、日本向けに生産させたものです。
輸入商社に勤めている人の努力は大変なものだと思います。私は
ある程度これを信頼しています。例の健康食品などを輸入してくる
ような、とんでもない詐欺師、犯罪者の類もありますが、大部分は
まじめにやってくれているはずです。
買う側からすると、「中国産」というだけで信用が落ちるのは仕
方ないですね。中国産食品の信用はすでに地に墜ちたと思ってよい
です。
輸入業者としては、どうすれば中国産食品の信用を回復できるか、
またできないようなら撤退を考えるのか、難しいところだと思いま
す。中国産であることを隠してしまう、最悪の選択をすることがな
いよう、期待しています。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
どうもありがとうございました。
--〔Q&A〕------------------------------------------------
「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は
why@kenji.ne.jp
です。いつでもどうぞ。
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Q.国産の寒天が品薄で中国産のものを買ったのですが 表示には
無いのですが 添加物とか漂白とか心配です。現在 市販されてい
るものはどうなものが多いですか。中国産でいろいろ心配な食物も
報道されていますが大丈夫でしょうか。
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A.寒天はテングサを原料に、いったんゲル(寒天を食べるときの
ような状態)を作り、冬の寒さで凍結させて製品にするのが本来の
製法です。
こういう製法の寒天もありますが、現在ではオゴノリから作る、
新しい製法が一般化しています。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
オゴノリを1.5〜2%の水酸化ナトリウム溶液中で90℃,3〜4時間
処理を行う。アルカリ溶液を流去後,塩素系漂白剤で漂白する。良
く水洗して,アルカリを除去したオゴノリに20倍量の水を加え,
煮沸して寒天成分を抽出する。得られた寒天抽出液に珪藻土を加え,
熱時ろ過を行う。得られた清澄液を浅いプールに注入・放置する。
得られたゲルを良くほぐし,バラスト荷重による一次脱水と油圧機
による二次脱水の組み合せで,脱水を行う。脱水物は熱風乾燥機で
水分10%になるまで乾燥,粉砕,分級して粉末寒天を得る。アルカ
リ処理時のアルカリ濃度,処理温度,処理時間。寒天抽出時の水量,
抽出温度,抽出時間。脱水時のゲル中の寒天濃度,荷重の掛け方,
最終圧力,脱水時間等は実験を行って,チェックしながら操業する。
このようにして製造されたテングサ寒天とオゴノリ寒天の区別はほ
とんで認められない。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsp/pdf-files/38SeaweedIndustry.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
この製法では水酸化ナトリウムや塩素系漂白剤を使うのが普通な
ので、「無添加」の寒天というのは本当にあるのか、疑問に思うと
ころです。
いずれにせよ、製品中に問題となるような成分が残っていること
はほとんどないと思います。
ただ、現今の中国産食品を見ていると、信頼度が下がるのは事実
ですね。私は気にするほどのことはないと思いますが。
「寒天ダイエット」がはやっていて、寒天が品薄になっているの
だとか。こういうのに乗せられているのもよいことなのかどうか、
わかりません。
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Q.物が腐ると水っぽくなったり、ねばねばしてきたりするのはな
ぜですか?
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A.食べ物が腐敗していく過程では、微生物が繁殖していきます。
また、もともとあった酵素による、自己消化という現象もおこりま
す。
この過程で細胞膜などの食べ物を構成していた部分が壊れます。
また、タンパク質などの大きな分子が分解されていきます。
食べ物はもともと大量の水分を含みますから、このような結果、
水っぽくなっていくのだと思います。
ねばねばするのは、微生物の繁殖の結果、そうした成分ができて
くるのでしょうね。納豆は大豆の腐ったものですが、あのねばねば
は納豆菌が作っているのだそうです。それと似たようなものでしょ
うか。
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Q.栄養士で、今は30食ぐらいの食事を提供しています。温かい
食品を冷蔵庫に入れて冷やす時は、あら熱を取ってから入れるのが
普通だと思いますが、この時期は常温においておく方が不安にも思
います。常温で冷ますのはどうなのでしょうか?2時間は菌は増え
ないと聞いたことはありますが。
熱いまま冷蔵庫に入れたら冷蔵庫内の温度が上がってしまいよく
ないとも思います。(30食ぐらいならものによっては氷水で冷や
すことも可能ですが)
また調理師さんがすぐに冷やそうと熱いまま冷蔵庫にラップなし
でものをしまっています。ラップをすると水滴がついて、それが落
ち、物が腐る原因となるからといっていました。水分が多いものは
腐りやすいということでしょうか?
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A.微生物が繁殖するのに適した温度があります。熱い食べ物が冷
えていくとき、温度はこのところを通って下がっていきます。微生
物の繁殖を防ぐには、この温度帯を通過する時間を短くすることが
大切だ、とされていますね。
単純にこのことだけを考えれば、熱いうちから冷蔵庫に入れるの
がよいのでしょう。しかし冷蔵庫の内部には悪影響がありますので、
このための専用のものを用意しておく必要がありそうです。
食品工場のラインでは、加熱工程のあと、冷却工程があるのが普
通です。コンベアで移動しながら、段階的に温度を下げていきます。
小さな厨房でも、そうした工夫のための装置はあるのではないでし
ょうか。
水分が多いものは腐りやすいです。でも、水分だけでいるわけで
はありませんから、どのようなものが溶けているのかが問題になり
ます。塩や砂糖が多く入った料理なら、微生物が利用できる水分は
意外と少なくなります。水分活性というやつですね。
で、熱いときに蒸発した水分が、水滴になってもどってくると、
その水滴の部分は微生物にとってちょうどよい状態になってしまい
ます。だからやはり水滴はいけないのでしょう。
ラップをかける理由は「乾燥を避ける」「臭いが移るのを防ぐ」
「ほこりや他のものが混じらないようにする」などでしょうか。よ
く考えると、短期間に冷やすときには必要ないというか、ジャマな
ものだと思います。
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Q.疲れてきた油に梅干を入れると少しの間油が復活します。(か
に泡が消える。)なぜでしょうか?
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A.梅干の酸が油の酸化物や重合物を分解するからだ、などという
話はよく聞きます。もう少し具体的にと思って調べましたら、メー
カーではこう言っています。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
梅干しを焦げるまで揚げる、水分の多い野菜を入れる…など、昔
から油を若返らせる言い伝えがありますが、これらは迷信です。一
度疲れた油は、もとには戻りません。
http://www.nisshin-oillio.com/q_a/3_q7.shtml
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
いったんできた酸化物も、水分の多いものをあげると分解する、
という実験報告は読んだことがあります。梅干の効果も似たような
ものだと思います。だから全く効果がないわけではないでしょうが、
現実的にはメーカーの言うように割り切った方がよいのかもしれま
せんね。
--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「パーム油」
------------------------------------------------------------
ヤシ油について、こんなメールをいただきました。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
いつも興味深く読ませていただいております。
ヤシ油の記事がありましたので、私の経験?などを記し、また若
干の質問にお答えいただければ幸です。
第二次世界大戦が終わってから日本は食糧不足でした。油もその
一つですが、ヤシ油の配給があり、当時は有り難かったものです。
ただし、ちょっと低温になると固化して、一升びんに入れた油を鍋
に移すのに母親が困っていたことを思い出します。また、ヤシ油は
特有の匂いがあり、気にすると食欲がなくなりました。
私は3年前まで5年間フィリピンに滞在したのですが、着任早々
の健康管理講話で、フィリピンではヤシ油が多く使われており、場
合によっては下痢をしたりするのでなるべく食べないようにとの注
意がありました。事実ショッピングセンターなどのファーストフー
ド店の前を通ると特有の懐かしい?匂いがしたものです。
ところで、現在の油脂原料にはヤシ油が大きな割合を占めている
ようです。ただし、食用その他には水素添加やその他の方法で加工
し、食用あるいは工業用に相応しい油脂に変えていると思うのです
が、詳しいことが分かればご教示下さい。
なお、シンガポール観光の時にマレーシアも訪れたのですが、ガ
イドがマレーシアの主要な輸出品はと聞かれて、錫とゴムと回答し
たところ、メールに書かれたように天然ゴムの需要減少に伴い、ゴ
ムのプランテーションがヤシ畑に替わったということを教えられま
した。蛇足ですが、フィリピンはヤシ油主要産出国ですが、マレー
シアに追い越されて困っているとのことでした。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
まず、普通、「ヤシ油」と言われているのは「ココ椰子」の油を
さしています。ココナッツというと、南洋の海岸に生えている、あ
の椰子の樹の実ですね。
ココナッツの実の中の白い脂肪の部分(コプラ)からとるのがヤ
シ油です。
近年、マレーシアで栽培されるようになって注目されているのは、
同じ椰子でも「パーム椰子(油椰子)」と呼ばれる、別の種類の椰
子です。こちらは比較的小さい実が、たくさんできます。
また、実から直接とる「パーム油」の他に、実の中の核(種子?)
からとる「パーム核油」があり、少し性格の違う油が二種類とれる
のが特徴です。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
<ヤシ油とパーム核油、牛脂とパーム油の脂肪酸組成>
============================================================
カプ カプ カプ ラウ ミリス パルミ ステア オレ リノ
ロン リル リン リン チン チン リン イン ール
酸 酸 酸 酸 酸 酸 酸 酸 酸
============================================================
炭素数 6 8 10 12 14 16 18 18:1 18:2
============================================================
ヤシ油 0.4 7.7 6.2 47.0 18.0 9.5 2.9 6.9 0.2
------------------------------------------------------------
パーム
核油 0.1 3.6 3.5 47.3 16.4 9.1 2.3 16.8 0.3
============================================================
牛脂 4.1 31.0 18.2 41.2 3.3
------------------------------------------------------------
パーム油 0.2 1.1 43.1 4.0 40.7 9.7
============================================================
http://plaza.harmonix.ne.jp/~krand/dia/nettairin.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
ごらんのように、パーム油は牛脂と、パーム核油はヤシ油(ココ
椰子油)に似ています。
パーム油の利用については、以下のようなページがありました。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
大雑把な公式データや、油の専門誌などから私なりに調べた数字
は(92年度なので古くて申し訳ないが)以下の通りである。
・ マーガリン類や粉末調味料 60,000トン
・ ショートニング 55,000トン
・ 精製ラード 10,000トン
・ 即席麺、菓子の揚げ油、外食店での揚げ油 43,000トン
・ 冷凍・レトルト食品、菓子用油脂 100,000トン
・ 石鹸や洗剤類 15,000トン
・ 工業用潤滑油、樹脂、塗料、化粧品や医薬品 46,000トン
・ その他 10,000トン
・ 92年度需要合計 344,000トン
パーム油はあらゆる油脂の中でダントツに生産増加が進んでいる。
マレーシアでは、1960年には7万2000トンに過ぎなかったパーム油生
産が、96年にはその100倍以上の840万トンにまで伸びている。その理
由は、
・ あらゆる油脂の中で一番安い。
・ あらゆる油脂の中で一番の反收がある。1ha当たりの収穫量が
3,475キロ。これは大豆の10倍以上、ナタネの8倍以上に相当する。
・ 年間を通じての収穫が可能。
・ 精製後は酸化しにくい。米ヌカ油の倍は日持ちする。
・ 食品の風味を変えない。
などがあげられる。(略)
●付録 本文を補足する意味で、パーム油の利用項目を大雑把に書
き出してみました。
・単体油−−主に揚げ油。インスタントラーメンや揚げ菓子、外食
店での揚げ油などに利用。
・粉末状油脂−−ケーキミックス、即席スープ、カレーの素などの
調味食品用。粉末調味料など。
・乳化状油脂−−コーヒー用のクリーム、ホイッピングクリーム、
デザートホイップなど。
・加糖マーガリン。
・ホイップ型マーガリン。
・低カロリースプレッド。
・ビスケットの練り込み用油脂、サンドクリーム用油脂、スプレー
オイル用油脂、ケーキ用のアイシング、ジャム、ママレード、バタ
ークリーム、カスタードクリーム、チョコレート用油脂、アイスク
リーム、惣菜、ドーナッツ、ドレッシングなど。
・冷凍食品、レトルト食品、惣菜など。
・工業用硬化油−−油脂に水素添加処理をしたもので、石鹸や合成
洗剤用の界面活性剤の原料にもなりますが、その80%前後が分解
用油脂の原料になる。
・分解用油脂−−脂肪酸やグリセリンの原料。その用途は多岐にわ
たる。例えば、塩ビ安定剤、プラスチック、金属石鹸、繊維、ゴム、
燃料、ゴム・タイヤ用加硫促進剤、界面活性剤、研磨剤、樹脂・塗
料・インク、医薬品・化粧品、潤滑油、爆薬など
・パーム油の成分は肌への乗りがいいとのことで、口紅などの化粧
品にも利用されている。
http://www.kiwi-us.com/~scc/ud/38a.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
さて、パーム油について語るとき、ついて回るのが「プランテー
ション」ということです。熱帯諸国が西洋の植民地だったころ、植
民地収奪の手段として、現地の農業生産体系を破壊して、単一作物
(サトウキビ、ゴム、バナナ、コーヒー、…)の大規模栽培をおこ
なったのが、いわゆるプランテーションです。
だから、どうしてもイメージが悪く、パーム油もプランテーショ
ン栽培だからよくない、という意見は根強いものがあります。上記
で引用したサイトなども、そういう主張で書かれているようです。
私はプランテーション=悪、という図式はちょっと早とちりでは
ないかと考えています。
確かに植民地式のプランテーションはその後の旧植民地諸国にと
って、マイナスの要素が大きいものでした。そこの利益が宗主国に
吸い上げられてしまい、後には自立が困難な(儲からない)農地だ
けが残されたのですから。
しかし、現代の発展途上国が、自力で大規模農業を成立させ、国
の経済発展に役立っている場合、それを同列に非難するのは間違っ
ていると思います。
もちろん、環境への配慮や労働条件などはいろいろと難しいもの
があるでしょうが、それらを自力では解決できないと決めつけるの
は、先進国の傲慢というものでしょう。
大豆やナタネを扱っている、穀物メジャーから見るとパーム油は
市場を脅かす憎い存在でしょう。しかし広大な面積を必要とする大
豆やナタネの生産と比べて、それよりも小さな面積で同等の生産が
可能な、パーム油だけが非難されるいわれはありません。
大豆やナタネならよくて、パーム油はよくないとする根拠は、中
緯度地域(主に先進国)と低緯度地域(主に発展途上国)との利害
の対立以外にありません。
マレーシアのパーム油プランテーションは、農地の確保と整理、
製品の加工と輸出など、あらゆる意味から現代プランテーション農
業の優等生です。これを非難するのは、熱帯諸国はいつまでも熱帯
雨林の中で、原始的な暮らしをしていればよいと考えていることに
他なりません。
パーム油はプランテーション栽培によって生産されているからよ
くない、という意見を見たら、このことを思い出してほしいと思い
ます。
--〔後記〕--------------------------------------------------
土曜日から次の火曜日まで、妻と二人で台湾旅行に行ってきます。
台北周辺だけの観光旅行です。3泊4日で、往復の飛行機代程度の
価格ですから、ホテル代はまるごと値引きされている感じですね。
正味2日半くらいの滞在ですが、今回は知人もなく、また案内も
ありませんので、私の中国語だけで、どれだけ見て回れるか、ちょ
っと心許ないところです。
ということで、このメールマガジンは出発前に予約していきます。
今回はパソコンも持っていかないつもりなので、しばらく連絡はつ
きません。よろしくご了承お願いします。
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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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