安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>301号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------301号--2005.08.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「パーム油・ウィスキー・プロピレングリコ
ール・大根と蜂蜜(Q&A)」「牛乳」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 おやつに関して、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私には、4歳と、2歳の子供がいます。周りのお母さん方が自分
の子供に与えているお菓子、幼稚園でもらってくるお菓子までも、
いわゆる普通のスナック袋菓子です。私は、子供のおやつといった
ら果物か手作り、表示を見て無添加に近い市販品しか与えていませ
ん。目的は、虫歯予防、塩分、糖分、添加物の摂取をなるべく避け
たいからです。

 先日、保健所の保健衛生課の方とお話してきたのですが、添加物
も国で認められている物だし、「一生とり続けても安全」だと言わ
れました。渡辺様の本でも、その様な感じの見解でしたよね。

 でも、小学校に入る前の小さな子供に、あの様な「しょっぱい」
「味の濃い」、一部では「アレルギーの原因」になると言われてい
る様な物質を使っているお菓子を与えるのはどうかと思えてなりま
せん。

 気にしすぎでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「安全」ということと、「趣味」や「文化」の問題はおなじでは
ありません。

 安全性の確保ということからいうと、現在の市販の菓子は、別に
問題ないと考えてよいでしょう。

 ただし、身体に悪くないかどうかは、食べ方を切り離しては考え
られません。どんなものでも、偏った食べ方をすればよくないこと
はわかると思います。

 でも、偏った食べ方をすればよくないからといって、その食べ物
自身がよくないということはできません。

 インスタントラーメンばかり食べていては健康を害することは自
明です。しかしだからといってインスタントラーメンが健康によく
ない食べ物だということではありません。

 悪いのは偏った食べ方をしている人自身なんですね。

 おなじように、菓子についても、そればかり食べるようなことは
おすすめできませんが、少しでも食べてはいけない、というのも間
違っていると思います。

 家ではなるべく手作りのものを食べさせているのですから、幼稚
園で食べる分くらいは気にすることはないです。

 もちろん、幼稚園で出るお菓子も、よりよいものになってほしい、
ということはわかります。このあたりは皆さんで話し合っていくこ
とでしょう。でも、手間や予算の関係もありますので、絶対ダメ、
というような立場では話し合い自体が成立しません。少しずつ改善
していければよい、ということで臨んでほしいところです。

 最終的には子供はやがて大きくなって、食べるものは自分で選ぶ
ようになります。そのとき、どういう食生活をおくるのかは、やは
り子供のときの経験が基礎になりますから、できるだけ手間をかけ
てやってほしいと思います。

 ここでもあまり偏狭になって、市販のお菓子は一切禁止する、な
どとやりますと、反動の方が大きくなってしまいます。何事も偏っ
てはダメだ、というのが私の意見です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここでは書きませんでしたが、「手作りの食べ物」と「女性の社
会的生活」の関係は、大きな問題を抱えています。このあたりは別
の機会に考えたいと思いますが、ご意見などいただけましたらあり
がたいです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.パーム椰子油は食品として使える様になっている物なのでしょ
うか?どんな所(スーパー等店舗)で販売しているのか、教えてい
ただけますでしょうか。

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A.パーム油は近年生産を伸ばしている油です。説明のページがあ
りましたので、紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(1) パーム油の歴史

 今日、栽培されているオイルパーム樹の原産地は、アフリカの西
海岸といわれています。

 1848年にインドネシアにあるボゴール植物園に西アフリカから4
本のパーム油の樹が入ってきました。これが、東南アジアに入って
きた最初のオイルパームでした。その後、それらの種子からのもの
が、1870年にマレーシアにも移植されました。最初は、農作物とし
てではなく、勧賞を目的としたものであったようです。 

 マレーシアで農作物として栽培されたのは、1917年で、セランゴ
ール州のテナマランエステートが最初でした。

 その後、石油化学の進歩で合成ゴムがめざましく成長した結果、
天然ゴムがあまり使われなくなりました。当時、天然ゴムを主な輸
出品としていたマレーシアは、これに対応して農業の多角化を進め、
ゴム園の転換を推し進めました。この結果、多くのゴム園林はパー
ム園に変わり、さらにジャングルが開拓され、新しいパーム農園も
つくられました。  

 マレーシアのオイルパームの栽培面積と生産量は短期間に大きく
伸び、現在も増え続けています。

(2) パーム油の特徴

 パーム油には次のような特徴があります。

・単位栽培面積から1年間にとれる油の量が大豆の15倍、菜種の10
倍と生産性が高い。

・大豆、菜種は毎年、種蒔きをしなければならないが、オイルパー
ム樹は一度、植樹すると約25年間、1年中を通じて収穫できる。

・大豆や菜種などの植物油に比べパーム油の収穫量は天候の影響を
受けることが少ない。

・ 価格は植物油の代表である大豆よりも安い。

(3)パーム油の用途(約90%が食用、残りの約10%が工業用)

食用:フライ油、マーガリン・アイスクリーム・チョコレート・シ
ョートニング(パン、ケーキの製造に使われる)などの原料。

工業用:化粧石鹸・洗剤・シャンプー・化粧品などの原料。
将来的にディーゼルエンジン油としての活用も期待されています。

http://www.jskl.edu.my/pages/introduce-Malaysia.f/pages/6-6.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 輸入されてくる時点で、食品の原料としては使える状態です。精
製してサラダ油にする、というのも不可能ではないのでしょうが、
国内でもう一度精製するというのはやっていないようです。

 ご質問の、売っているところというのは私にはわかりません。パ
ーム油を店で売っているというのは見たことがないです。

 インターネットの通販では、ときどき見つかりますが、どうもび
っくりするほど高いものしか 見当たりません。これはちょっと普
通に使うものではないですね。

 どういう理由でパーム油をお求めなのでしょうか?アレルギーの
関係でしょうか。とりあえず、パーム油以外で探した方がよいよう
に思います。

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Q.ウィスキーに最近発ガン物質が入っていることが判明したとの
噂を聞きましたが本当でしょうか。

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A.ウィスキーには発ガン性があります。別に最近わかったことで
はなく、周知の事実です。

 発ガン性の正体はエタノール(アルコール)ですね。だからウィ
スキーに限らず、お酒はみんな発ガン性があると言えます。

 最近、エタノール以外の発ガン性が見つかったという話は知りま
せん。厳密に言うと、ウィスキーの味や香りを作っている物質の中
には発ガン性があるものも見つかるでしょうが、問題になっている
ということは聞かないです。

 新たな発ガン性物質が見つかっても不思議ではありませんが、エ
タノールより強力な作用がある可能性はないと思います。(含まれ
ている量が違いますので)

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Q.プロピレングリコールについての無害性の記入がありましたが
どうして食品添加物としての使用が2%未満というのが決まってい
るのでしょうか?発ガン性についても可能性があると思うのですが
・・・無害と断定していたともうのですがその根拠はどうでしょう
か?

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A.基準が決まっているから、その範囲内では無害だと考えられま
す。通常の毒性はあくまで量との関係で決まります。

 どんなに大量にとっても無害なものはありませんし、逆にどんな
に少なくても有害というものもありません。

 これは基本的な考え方ですので、ぜひご理解いただきたいと思い
ます。

 発ガン性に関しては少し事情が違います。何を根拠に可能性があ
るといわれているのかはわかりませんが、少なくとも少しでも発ガ
ン性が疑われた時点で食品添加物の指定が取り消されます。

 これは発ガン性だけは通常の毒性と違って、ごく少量であっても、
影響があるのではないか、という考えがあるからです。この考えが
正しいかどうかはわかりませんが、現状では発ガン性だけは別枠で
考えているようです。

 発ガン性の心配がなく、無害と思われる基準値が決められている
のですから、その基準値が守られている限りは無害と考えてよい、
ということです。

 もちろん、基準値を超えたりすれば別の話になります。最終的に
は一日許容摂取量というものがありますので、そこで判断すること
になります。

 私もプロピレングリコールをどんどん使ってよい、といっている
わけではありません。使わない方がよいのですが、かといって現状
の使い方で被害が出る可能性はないだろう、ということです。

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Q.気管支喘息には大根と蜂蜜がいいとよくいわれますが、なぜ大
根と蜂蜜なのでしょうか?大根と蜂蜜の成分がなにか関係している
のでしょうか?

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A.大根と蜂蜜というと、こんな根拠のようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

喘息の良いといわれる食べ物

●大根

 秋から冬にかけてぐっと味が良くなってきます。大根おろしがい
いのですが、そのままだと辛いので、水あめや蜂蜜などで甘味を足
しお湯を加え温かくして飲みます。

 咽喉を潤し、咳を和らげてくれます。

http://www.ekanpou.org/bing/bing32.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは漢方薬のサイトの情報です。漢方は基本的に科学以前の方
法です。信憑性が全くないわけではありませんが、科学的な根拠が
あるというわけではありません。

 だから、これ以上のことはわからないと思います。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「牛乳」
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 このごろまた「牛乳有害説」というのがはやっているらしいです。
こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

『知らなきゃ絶対損する健康法の裏技・裏情報(ID:0000163660)』

 上記のまぐまぐのメールマガジンに、「牛乳を飲む危険性」が書
かれていました。1日に牛乳瓶1本くらいなら心配する必要はない
と思っていますが、「牛乳は健康に良い」という今までの概念が覆
されているので、気になりました。どう思われますか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このメールでその説として、こんなことを紹介していただいてい
ます。(他にもありますが省略)

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「私は長年にわたりアメリカで患者さんの検査・治療を行ってき
たなかで、牛乳を飲み続けて、骨粗そう症になった人をたくさん見
てきました。

 アメリカ、デンマーク、フィンランド、スウェーデンといった酪
農のさかんな、乳製品を大量に摂取している国の人に、骨粗そう症
や股関節骨折が非常に多いことも、牛乳がカルシウムの吸収にあま
り役立っていないことを証明しています。

 最近になって(2001年)、ハーバード大学でも78000人
の人を対象に、十二年間調査した結果、牛乳を飲めば飲むほど骨粗
そう症になると報告しています。」

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 医者がトンデモ説を唱えるときの典型的な文ですね。まず、「牛
乳を飲み続けて、骨粗そう症になった人」というのが根拠不明です。
その人がどれくらい牛乳を飲んでいたのかを調べたとは思えません
し、「牛乳を飲み続けて、骨粗そう症にならなかった人」が全く視
野に入ってきません。

 こんなのがアリであれば、どんな食べ物でも悪役に仕立てられま
す。「納豆を食べ続けて骨粗そう症になった人」も茨城県あたりに
行けばたくさんいそうです。

 「乳製品を大量に摂取している国の人に、骨粗そう症や股関節骨
折が非常に多い」というのもよく聞く話です。某雑誌で見たときは
「骨粗そう症」ではなく、「股関節骨折」のグラフしか出ていませ
んでした。ここで突然「股関節骨折」が持ち出されるところを見る
と、おなじネタなのでしょう。

 国によって統計の採り方が違うので、国別に比較するときは注意
が必要です。うっかりすると、同じものを比べているつもりが、全
く違う症例を比べていたりします。これが第一のポイントです。

 第二のポイントは、もしデータが正しくて、国によって発生する
率に違いがあったとしても、その理由はたくさん考えられます。そ
の中から牛乳の影響だけを取り出すためには、非常に難しい操作が
いるはずです。このあたりは統計を扱うときの初歩です。

 第三のポイントはもっと馬鹿らしい話で、この数字の元になった
患者がどれくらい牛乳を飲んでいたかというデータがないことです。
「牛乳消費量の多い国」の国民だからといって、全員がたくさん飲
んでいるとは限りません。つまり、全体として全く無意味なことを
言っているのです。

 最後のハーバード大学の話は私は知りませんでしたので、「ハー
バード大学 牛乳」で検索してみました。すると、こんな情報があ
りました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 欧米の10件の追跡調査に参加する男女53万人を6−16年追跡した
ところ、牛乳を一日250g以上飲むグループでは大腸がんのリスクが
15%低く、カルシウムを一日700mg以上とるグループでもリスクが20
%ていど低かった。ハーバード大学のグループによるこの研究は、
米国立がん研究所ジャーナル2004年7月7日号に報告された。

http://www.metamedica.com/news2004/2004072201.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは全く違う研究です。この意見の研究については、具体的に
どのようなことなのか、よくわかりません。だから正しいかどうか
も私にはわかりません。

 全体として、「牛乳有害説」に根拠はないと思います。よくある
トンデモ説の一つです。

 さて、どうして「牛乳有害説」が登場してきたのか?という問題
です。これは反文明運動の一種なんでしょうね。日本では、牛乳は
長い間、消費者運動の飯のタネになってきました。

 産直運動から始まって、低温殺菌牛乳への取り組みなどもありま
した。真面目な運動ではあったのですが、そのかたわらではトンデ
モな説も流れていたのは事実です。消費者運動に理解を示していた
高橋晄正さんを怒らせてしまったのも、こういういい加減な情報を
流す人たちでした。

 最近はもう一つ意味不明な、ビン牛乳の復活というのも流行して
います。いまさらビン入りの牛乳を飲んで、何がうれしいのかどう
も理解できないでいます。

 その流れの延長線に、オカルトの最果てとして「牛乳有害説」も
ある、というのが私の想像しているところです。「○○の牛乳はい
けない」がとうとう「牛乳全部がいけない」に行ってしまったので
すね。

 いつも思うのですが、こういう言ったもの勝ちの風潮は困ったも
のです。世の中には大まじめにウソを言う人も多いのに、どんなト
ンデモ説でもとりあえず聞いてみる、人のよすぎる人が多い…。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 この週末は夏休みで、ゆっくりしました。5日も休みが続くのは
ありがたいです。

 その上、来週は20日(土)から23日(火)まで、旅行に出か
けます。このメールマガジンは出発前に予約しておきますが、届い
たころには私は台湾にいる予定です。

 大陸の方はなんだか危なそうなので、同じ中国語が通じるところ
ということで、台北に行きます。本当に通じるかどうかはわかりま
せんが。

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