安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>30号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------30号--2000.05.28------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     小麦粉の残留農薬
     Q&A「スポーツ飲料」
     「パン」その2
     「増粘多糖類」その1

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 「農薬のお話」というサイトがあります。

http://members.tripod.co.jp/gregarina/

 ここではNHKの「地球法廷」というホームページを「目の敵」
にして、反論を掲載しています。

 「地球法廷」などという名は、何だか偉そうで好きになれません。
それでいつも面白く読んでいるのですが、今回、ちょっとショッキ
ングな記載があったので、紹介します。

 小麦粉について、輸入小麦と国産小麦との残留農薬検査結果の比
較表です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

まず,小麦について検討する。以下に,手元にある95年度と96年度
の厚生省による残留農薬検査結果資料を用いて小麦でのマラチオン
とクロルピリホスメチルの残留量を示した。

マラチオン(基準値は8.0ppm)

年度 国産・輸入 検査数 検出数 検出範囲(ppm) 検出率
95  国産品   25    7  0.002-0.02   28%
95  輸入品   98   30  0.01-0.75   31%
94  国産品   16    5  0.005-0.018  31%
94  輸入品   62   16  0.01-0.73   25%


クロルピリホスメチル(基準値はない)

年度 国産・輸入 検査数 検出数 検出範囲(ppm) 検出率
95  国産品    6    4  0.007-0.018  67%
95  輸入品   83   22  0.008-0.91   27%
94  国産品    5    0    -     0%
94  輸入品   22    7  0.02-0.25   32%

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 細かく見れば、輸入小麦の方が残留濃度が高くなっているようで
すが、ここからわかることは、

(1)検出率(検査したうちの残留農薬が検出された率)は輸入・
国産共に差はない。

(2)検出量は輸入小麦の方に高いものがあるよう。(=国産では
検出されてもごく微量である。

(3)いずれにせよ、残留基準から見て、安全性に問題のあるレベ
ルではない。

 といったところです。

 私は「ポストハーベスト農薬」に関しては、輸入小麦の方が危険
性が高い、と思っていましたし、そう言ってきましたが、この表を
見ると、そうではないということになります。

 この表自体は作者のグレガリナさんが手持ちの資料から作成され
たそうです。公表されている資料から、こういった表ができるので
あれば、いままで言ってきたことを訂正しなければなりません。

 どなたか、これに反論できるデータをお持ちの方はいらっしゃい
ませんか?

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--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.最近、やたら増えている健康飲料とかスポーツ飲料といわれる
ドリンクの味についてひとつ。
 私は、みな似たような味、「ポカリスエット」味と大した違いな
いと思っていますが、> どうして健康飲料と銘打ったものは、ああ
いう味になるのでしょう、(といいますか、するのでしょう?)

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A.スポーツ飲料というのは普通無果汁で、各種のミネラル塩やビ
タミン類を添加しているものです。いわば添加物のかたまりなので
すが、ミネラル、ビタミンの補給に役立つ、とアピールしています。

 また、人間の体液とほぼ同じような濃度にしていますので、吸収
が早い、という特徴があります。点滴用に「生理食塩水」というの
をよく使いますが、あれも同じようなものです。

 で味なのですが、これらの添加物の味にやっぱり引きずられるよ
うです。クエン酸なども入ることが多いので、有機酸の酸っぱさと
ミネラル塩(代表は食塩)の塩辛さが必ず感じられます。

 無糖にして、そのままという、いさぎよいやつもありますが、普
通はそれではあまりに飲みにくいので、少し甘味をつけています。

 こうして、酸味・塩味・甘味とすこしずつつけていくと、ポカリ
スエットの味になるというわけです。

 甘味はさっぱりとした甘味を持つグラニュー糖やぶどう糖・果糖
などが多いようです。アスパルテームとか、甘草とか、砂糖以外の
甘味料を使ったものは、また独特の甘さで、少し感じが違います。
はっきり言って、私は好きではありません。

 飲料では、果汁系、お茶系、コーヒー系、スポーツ飲料系、その
他、という感じですが、最近は果汁系の甘いものより、スポーツ飲
料系の軽いもの(ニアウォーターなどとも言います)も人気してい
るようです。

 いろんな商品が登場していますが、味については、

http://www2.ocn.ne.jp/~pokatyu/index.htm

で発行している、「週刊 食っちゃえ!」でよく紹介されています。
このメールマガジン、お菓子ばっかり食べていて、ちょっと気持ち
悪くなったりしますが、文章で味を上手に表現してくれるので、読
めばどんなものか、想像がつくのが面白いところです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「パン」その2
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

山崎の新食感宣言について話を聞いていたので書いてみました。

食感の秘密は、タピオカ澱粉を使っているからだそうです。これは
米澱粉と成分がにていて、もっちりした食感になり、焼くとあられ
のように表面がパリっとするそうです。

少し前に話題になったカヌレはこの澱粉の割合が多いのだそうです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「タピオカ」を手持ちの電子辞書で引いてみると「=キャッサバ」
で、以下のように書いてありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

【タピオカ】

 植物「キャッサバ」の別名。また、その根茎から採った澱粉。良
質だが有毒なシアン酸を含有するので水洗いをくり返して取り除く。
熱帯ではさつまいもに次いで重要な澱粉食料。

【キャッサバ】

トウダイグサ科の落葉低木。ブラジル原産で、古くからアメリカイ
ンディアンの主食の一つ。今日では東南アジアで盛んに栽培されて
いる。幹は高さ二〜四メートル。葉は長い柄をもち掌状に深く切れ
込み、互生する。葉腋に花柄を出し、先端に黄白色の小花を円錐状
にたくさんつける。根はダリアのように著しく肥厚し、長さ三〇〜
八〇センチメートルになり食用とする。いものき。タピオカの木。
マニホットの木。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それから、もう一つメールをいただいて、それでは、「スターチ」
と「グアーガム」を使っている、ということでした。

 実はそのメールをうっかり削除してしまったようなのです。申し
訳ありません。

 ということで、この「スターチ」=「タピオカ澱粉」と考えてお
きます。結局、この新しいパンは、原料に小麦とは違う澱粉を加え
ることで、新しい食感を作っている、ということになります。

 いろいろ教えていただいて、ありがとうございました。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「増粘多糖類」その1
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 食品の表示に、「増粘多糖類」ということばが時々、でてきます。
「多糖類」というのは文字通り「糖」がたくさんつながっているも
ので、でんぷんやセルロースも多糖類ということになります。

 この中でも、水分と親和性があって、ゲルを作るようなものを、
「増粘多糖類」といっているようです。主に海草などから抽出され
ていますが、ものによって、いろいろな原料があります。

 糖(この場合は「単糖(ぶどう糖など)」です)のつながり、と
いうのは、分解するときにエネルギーを得られるような結合です。
したがって合成するのはエネルギーがいるので、案外むずかしく、
このような物質は生物が体内で作ったものを利用するのが基本です。

 主なものとしては、
+++++++++++++++++++
アルギン酸
-------------------
褐藻類より、温時〜熱時水又はアルカリ性水溶液で抽出し、精製し
て得られたものである。成分はアルギン酸である。
+++++++++++++++++++
カラギナン
-------------------
イバラノリ、キリンサイ、ギンナンソウ、スギノリ又はツノマ夕の
全藻から得られた、ι-力ラギナン、κ-カラギナン及び λ-力ラギ
ナンを主成分とするものである。
+++++++++++++++++++
キサンタンガム
-------------------
グラム陰性細菌(Xanthomonas campestris)の培養液より、分離して
得られたものである。主成分は多糖類である。
+++++++++++++++++++
グアーガム
-------------------
マメ科グァーの種子の胚乳部分を、粉砕して得られたもの又はこれ
を温時〜熱時水で抽出して得られたものである。主成分は多糖類で
ある。
+++++++++++++++++++
ペクチン
-------------------
アカザ科サトウダイコン、キク科ヒマワリ、ミカン科アマダイダイ、
ミカン科グレープフルーツ、ミカン科ライム、ミカン科レモン又は
バラ科リンゴより、熱時水又は酸性水溶液で抽出したものより得ら
れたもの又はこれをアルカリ性水溶液若しくは酵素で分解したもの
より得られたものである。成分はメチル化ポリガラクチュロン酸等
の多糖類である。
+++++++++++++++++++
(「食品添加物を調べてみよう」
http://fcg.japan-site.com/additive/index.html
より引用)

などがあります。いずれも、難消化性の食物繊維と呼ばれるもので
すし、毒性が心配なものではありません。

 一つだけ、カラギナンについては、いろいろと言われています。
ある人の本には、「カラギナンにガンを誘発する作用があるのはよ
く良く知られている」と書いてあったので、調べてみたことがあり
ますが、どうもその件について書いているのは、ご本人だけのよう
でした。

 たくさん本を出している人なので、最初はすこしふれただけの情
報を、次の本で自己引用するのです。そして何度目かになると、だ
んだんと「この件は有名である」とか、「よく知られている」など
というようになっていくのです。

 日本生協連の天然添加物の要注意リストにも、載っていたことが
あります。

 事実としては、他の多糖類ではまったく問題のおこらなかった、
大量投与による動物実験で、カラギーナンだけに潰瘍ができた例が
あった、という実験報告が昔あったようなのです。

 この実験そのものは嘘ではないと思いますが、それ以降の実験で
は、再現されていないので、日本の一部の論者以外では、全く問題
にされていない、ということで私は調査を打ち切りました。

 用途としては、ゲルを作る以外に、乳化剤としてよく使われてい
ます。ドレッシング類では、表示は乳化剤となっていますが、使用
しているのは界面活性剤ではなく、この多糖類であることが多いの
です。

 私の紛失したメールにも、そのようなことが書いてあり、パンで
も乳化剤としての役割で使われているようでした。

 毒性については問題のない添加物なのですが、便利なので安易に
多用される傾向はあります。水分活性を下げたり、食感をよくする
ので、お惣菜などにも使われています。こうした使い方は邪道だと
おもうのですが、いかがでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 メールマガジン「安心!?食べ物情報」も30号を迎えました。いつ
もご愛読、ありがとうございます。

 このマガジンの掲載内容は、逐次、 ホームページ「安心!?食べ
物情報」に掲載していっていますが、半年経過して、かなり情報も
たまってきました。それで、ホームページの構成をリニューアルし
ました。

http://www.kenji.ne.jp/food/

 いままで、トップページには情報を掲載していなかったのですが、
「What's New」のページの情報をトップにもってきて、いままでに
書き込んだ内容が一目でわかるようになっています。

 ホームページ素材集のサイトから、おいしそうな食べ物のイラス
トをもらってきて、張り付けてあります。(ただの飾りです。)

 「今週の安心!?食べ物情報」というボタンもあって、それをクリ
ックすると、別ウインドウで、最新号が開きます。このへんは、私
のもう一つのサイト「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」

http://why.kenji.ne.jp/

 のスクリプトをそのまま使いました。

 見た目もちょっと良くなったと思います。ぜひお立ち寄りくださ
い。

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--30号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -----------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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