安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>285号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------285号--2005.04.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「醤油・原産国・冷凍野菜(Q&A)」
「米の流通」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 環境ホルモンの話題でメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 環境ホルモンの記事を読ませて頂き、少し意見を言いたい気持ち
になりました。

 以前も似たような内容の投稿させて頂きましたが、科学者が真実
を語れるのはあくまでデーターによる立証だけです。裁判ではあり
ません。科学的判断を科学的知識に乏しい裁判官が判断を下せるわ
けがありません。この世界では、でたらめなものから真実のものま
で色々な研究発表がなされています。この研究発表のデーターを複
数の研究者が確認の研究を行い、その分野の学会に認められるよう
な成果を出し、初めてそのデーターはかなり真実に近いものだろう
と常識化します。

 今回、環境ホルモン巻き返し派の発言内容では、「科学的な立証
は困難であるが、疑いがあるので、予防的な観点から取り組む必要
性がある」と言った趣旨のもので(個人的にこう解釈しましたが)、
さらに当初生殖器への影響からアレルギーやぜんそくへの影響のタ
ーゲットを修正しているかのような表現が見受けられることから、
結局は「生殖器への国の環境ホルモンリストについての影響が証明
できなかった」のが事実で、でも「色々な疑いはありますよ」とい
う内容と個人的に受け止めました。

 しかし、これは影響の視点を生殖器への影響が大きい環境ホルモ
ンとされるものから、アレルギーやシックハウスなどの化学物質過
敏症へ変えたことになれば、環境ホルモン本来の影響を主張し続け
るのであればおかしいと感じます。

 また、科学者の研究には莫大な研究資金が必要です。私は自然科
学系だったので、測定器を買うにも四苦八苦している研究室にいま
したが、工学部などは企業とタイアップしてものすごく設備が整っ
ていたのが記憶にあります。

 環境ホルモン関連の研究をされてる”いわゆる”企業側、消費者
側にもそれぞれ研究資金を出すスポンサーがいます。研究資金を出
す人にはあまり逆らえない、もしくは研究資金を出して欲しいため
出して欲しい人の利益になる研究をする人は残念ながらある程度は
存在すると感じます。

 企業側は当然企業利益を消費者側には消費者利益をとなりますが、
一つ注意点もあります。こう書くと一般消費者にとって、企業は悪
と受け止められがちですが、そうでもないのです。

 以前、国内の無登録農薬問題(国が認めていない農薬を違法に輸
入して農作物に使用した問題)と中国産冷凍野菜の基準値違反が多
発した事件が同時期に発生したときに、とある消費者団体はほとん
ど中国産しか問題視しない姿勢を示し、発ガン性の可能性がある農
薬を国内で使用したことについてはほとんど暖かく静観していまし
た。一体誰のための利益を代表するのかと思いましたが、その団体
の元スポンサーがどこかというのを知っていましたので、納得いき
ました。(このあたりは具体的には記述を避けます)ただ、その団
体の方が今回の環境ホルモンに関わっているようです。

 これらのシガラミをなくした純粋な科学的事実を追求するために
は、公の場でお互いの意見をぶつけあいし、お互いの多くの問題点
を解決する作業が必要であって、裁判は相手の意見を法的に封じ込
める行為でしかなく、真実の解明ではありません。これは消費者の
利益にはならない行為であると言えます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 国はようやく環境ホルモン問題の見直しに入っていますが、関係
者の反発はまだまだあるようですね。そんな中での訴訟問題だと私
も思ったわけです。どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.醤油について 原材料に、アルコール、とあるのはなぜですか?

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A.原料に醸造用アルコールを使っているからです。醤油の醸造時、
アルコール(エタノール)は自然とできてきます。このアルコール
には、醤油に生えるカビ(産膜酵母)を抑える力があるため、一定
の濃度以上であることが期待されます。

 しかし通常はなかなか効果のある濃度にならないので、醸造用ア
ルコールを添加します。

 アルコールを添加しない醤油は、開封後すぐにカビが生えてくる
ことが多いのです。

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Q.アメリカの牛肉輸入の検査基準が20ヶ月以下さえ外そうとして
いるニュースの中、政治的に輸入解禁が止むを得ない場合、食品表
示としてアメリカ産牛肉という表示を加工食品にまで徹底して明記
することはできないものでしょうか。リスクを知りつつ個人の判断
で食するのは問題ないことですが、知らず知らずのうちに、アメリ
カ産牛肉が口の中に入ることは避けたいからです。輸入解禁になっ
て、政府の規制がなくても、消費者が口にしなくなって輸入量が以
前より減少するのなら、これは政治的に圧力のかけようがありませ
ん。このような徹底した国別牛肉使用明記を徹底することはできな
いのでしょうか?

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A.生鮮品と加工品で表示の内容は違ってきます。生鮮品について
は、輸入品は原産国を表示することになっています。現状でもまず
問題なく表示されているはずです。

 加工品の場合はそうではないので、ちょっとわからないと思いま
す。メーカーによってはトレーサビリティに取り組んでいて、原産
国表示までしているところはあるかもしれません。

 現状でアメリカ産牛肉を特に危険だと判断する理由はないです。
国産とそれほど違わない危険性(ほとんど問題はない)と思います。

 何だか輸入をごり押しされているようでいやだ、ということであ
れば、消費者には当然選ぶ権利はあります。表示がなければわかり
ませんから、加工品の場合でも表示するようになっていってほしい
ところですね。こういうことは政府に規制を要求するより、メーカ
ーに要求する方がよりよいと思います。

 メーカーにどういう風に要求するかというと、みんなが表示して
いるメーカーの商品を買うようにすればよいだけのことです。メー
カーは市場に敏感ですから、そうなれば自然と表示もしますし、売
れない国のものは使わなくなります。

 ただし、見込みとしてはそういうことが起る可能性は小さいです。
はたしてどれくらいの人が本当にそういうことを気にしているのか、
ということが問題ですね。吉野屋の例を出すまでもなく、残念なが
ら?気にしない人の方が多いようですから。

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Q.中国産冷凍野菜の残留農薬について教えて下さい。近所の業務
食材店で、生野菜の数分の一の価格で冷凍野菜の大袋が売られてい
るので、節約のためにそれを利用するようになりました。今は生野
菜はあまり買いません。種類も豊富で、ニンジン、小芋、インゲン、
オクラ、ほうれん草、枝豆、カボチャ、小松菜、レンコンなどなど、
たくさんの野菜が冷凍で手に入るので重宝しています。

 ただ、最近、中国や台湾産などの冷凍野菜の残留農薬のことを耳
にして、かなり心配になってきました。毎日のように、このような
輸入物の冷凍野菜を取りつづけているのですが、実際のところ、農
薬の影響はどのていど問題でしょうか??

 生野菜も輸入物が多いし、冷凍だからといってそれほど心配しな
くても良いのか、それともやはり、国産の野菜と輸入物の野菜、特
に冷凍のものとでは危険度は全然違うのでしょうか。

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A.まず、「農薬が検出された」ということと、「農薬によって健
康被害が出た」ということは全く違うことです。

 輸入品、国産品ともに農薬が検出されることは珍しいことではあ
りません。しかし「健康被害が出た」ということはありませんので、
それほど神経質になる必要はないのが現状です。

 輸入品は全量ではありませんが、輸入時に検査され、そこでひっ
かかってきます。このことが問題になっているわけです。産地での
農薬の使用方法に問題がある場合と、国ごとに基準が違うためにお
こる場合があります。

 一口に中国産といっても、非常に怪しいものから、商社などがき
ちんと管理しているものまで、いろいろです。総体としてはやはり
国産より信用が落ちるのは今のところ仕方ないですね。

 国産の農産物は輸入時の検査にあたるものがありません。ほとん
ど野放しの状態で市場に出荷されています。現状はそれほど問題な
いようですが、「国産だから安心」というのは迷信の一種です。

 冷凍野菜はメーカーがからんできますので、生鮮野菜よりは問題
が少なく、国産品を原料にしたものはまず安心だと思います。輸入
品についても、それほど心配はないでしょうが、今でも時々検査で
ひっかかっています。

 しかしいずれの場合も、現状では健康被害が出る類のものではあ
りません。そんなとんでもない農薬汚染はあまり想像できないです
が、「もしも」と考えるならやはり国産原料の方が少しは安心かな、
と思います。あくまで気持の問題なので、とりたてて言うほどでは
ないのはもちろんのことです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「米の流通」
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 久しぶりに大きな不正流通の事件がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 全国農業協同組合連合会(全農)グループの全農秋田県本部(秋
田市)が、子会社「パールライス秋田」などとの間でコメの取引が
あったように装い、国から補助金約千二百万円を受け取っていたこ
とが二十一日、農水省の調べで分かった。

 架空取引したのは「あきたこまち」「めんこいな」「ひとめぼれ」
の地元三銘柄で、農水省は高値で落札されたように見せ掛け市場価
値を押し上げようとした疑いがあるとみている。

 農水省は補助金適正化法違反罪での刑事告発も視野に関係者から
事情を聴いているが、牛海綿状脳症(BSE)対策の牛肉買い取り
事業に続き、補助金の不正受給を見抜けなかった同省のチェック体
制も問われそうだ。

 全農秋田県本部は、パールライス秋田がコメ取引で抱えた不良債
権の穴埋めのため、同社に玄米を不正に売却していたことが発覚し
たばかり。

 農水省によると、全農秋田県本部は昨年五〜六月、二○○三年産
の計約三千トン(販売価格約八億八千万円)をパールライス秋田と
民間の卸売業者一社に販売したとして、全農を通じ国に補助金を申
請。約千二百万円を受け取ったが、実際は架空取引だった。

 架空取引はコメの指標価格を形成する「コメ価格センター」(東
京)を通じて実施され、同時期の実勢価格を上回っていたという。
農水省は「価格操作が行われていたとすれば、コメの流通の根幹に
かかわる」としている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp05042112.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはBSE関連の牛肉不正買い上げ事件と同じで、流通制度の
根幹が腐っているということを示す事件です。米の流通は牛肉の流
通と並んで、農水省の巨大な利権なんですが、その全体がこのよう
な不正の横行する世界になっています。

 1993年、天候不順による米の不作は本当にあったできごとですが、
その後に起った米不足の騒ぎは実は本来ならおこらなかったはずの
ことでした。一年間の米の消費量に対する不足はわずかなものでし
たから、早場米の早期消費と、端境期の緊急輸入で事足りたはずな
のです。

 ところがこのとき、米の先高を見越した全国の農協(経済連)が
全面的に売り惜しみをしたため、流通する米がなくなってしまった
というのがことの真相でした。そして今回と同じように、農水省自
体がそのことに暗黙の了解を与えていた疑いが濃厚だと私は思って
います。

 売る米がなくて流通業界が困っていて、しかも経済連の倉庫には
米がたくさん積まれていたのに、それを売らなかったのです。私は
そのころ、単協(市町村単位の農協)とつきあいがあり、米の出荷
をお願いしたところ、経済連のところで停められているので米を動
かせない、と言ってきました。

 これだけでもあきらかな不正取引で、刑事罰相当だと思います。
しかし農水省の黙認のもと、全国の経済連はそういう不正に走った
のです。マスコミも輸入米の悪口は書いても、そういう不正は一切
報道しませんでした。消費者団体もそうです。自分たちが困ってい
るのに、その犯罪を告発しないというのは実に不思議な現象でした。

 牛肉の不正買い上げで、ハンナンの元社長が刑事責任を問われて
います。しかしあれも農水省の暗黙の了解なしにできた犯罪ではあ
り得ませんので、元社長だけを罰しておしまいでは不正の根本は一
掃できないと思います。

 米に関してもそういう不正の構造が温存されてきたというわけで
す。今回の事件はたまたまそういう悪事が働かれたということでは
なく、みんなやっているのに運悪くばれてしまったということでは
ないでしょうか。

 こんな低レベルの価格操作が機能できるような市場取引?という
こと自体に問題があります。米の自由取引制度を実現すれば、簡単
に解決する問題です。なぜ、米の自由取引が実現できないのか?と
いうことを、私たち日本人は真剣に考えてみなければならないので
はないでしょうか。

 最近、中国の歴史に凝っていまして、中国と比べると、日本人は
お上の善政に期待することができた幸せな民族だったのだと改めて
思います。そのことが犯罪や争いの少ない、平和な社会を作ってき
たというよいところと、肝心のところで自主独立し、リスクをあえ
て引き受けようとしない国民的な弱さを作ってきたところとがある
と思います。

 現状で自由取引ができない最大の原因は、「減反政策」が必要な
ことでもわかるように、放置すれば米の相場が崩壊してしまうから
です。市場の動静も見ずに、無目的に生産される米の量が多すぎま
す。この崩壊を避けようとすれば、何らかの統制をするしかありま
せん。そして無理な統制は必ず腐敗を産むのは、中国の例を出すま
でもなく、明らかなことです。

 なぜ、減反政策が必要なのでしょうか。それは価格が暴落するの
がわかっていても作り続ける、当事者能力のない農家が多数派なの
で、本来市場の調整にまかすべきところを、役人が善意で介入せざ
るを得ないからです。

 ところが、その当事者能力のない農家というのは、価格が暴落し
ても痛くも何ともない人たちなのです。言うまでもなく、農業収入
が小遣い銭以下の意味しか持っていない、兼業農家のことです。私
は最終的には、価格暴落のリスクを負うつもりのない人が、米を生
産するのを禁止するしかないのではないかと考えています。

 そして今回の不正事件の当事者も、農協から給料をもらって生活
している、兼業農家の人たちでしょう。最悪なことに、彼らはこの
不正を、あくまで善意でやったのだと思います。社会の根本が、こ
んなところから腐っていくのではないでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国の「反日デモ」なんかを見ていると、おまえらはアホか、と
怒りたくなります。でも日本人も別のところでアホなところを抱え
ているのかもしれないな、なとどと考えてしまう、米の不正流通の
事件でした。

 来週はいよいよ連休のはじまりですね。今年は長く休めるので、
来週末には旅行に出ます。メールマガジンは水曜日ころに配信予約
して、滞りなく出す予定です。時間がなくてつらいのですが、こう
いうときに頼りになるのは、みなさんからいただくお便りです。ぜ
ひよろしくお願いします。

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