安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>283号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------283号--2005.04.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「平均寿命」「バナナ・お茶・卵(Q&A)」「全頭検査」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 平均寿命のニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 世界保健機関(WHO)が七日発表した二〇〇五年版の「世界保
健報告」によると、平均寿命が世界で一番長い国は日本で八十二歳
だった。男女別では、日本とモナコの女性が八十五歳で最長寿。男
性も、日本はスイスやスウェーデンなどと並び七十八歳で最長寿だ
った。日本は前年版報告に続き世界最長寿国。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20050407/eve_____sya_____011.shtml
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本が世界一の長寿国であるのは、どうやら間違いのないところ
のようです。食べ物について、いろんな不安を煽っている人たちは、
この事実の前でもう一度考え直してみるべきだと思います。

 わかったようでわからない「平均寿命」ですが、「生命表」とい
うものから算出されています。5年に一度、完全生命表、毎年簡易
生命表がつくられています。

 一番最近の、第19回生命表(2000年)が以下のページに掲載され
ています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/19th/

 5年に一度ですから、今年はまた完全生命表がつくられるわけで
す。

 この表、ながめているだけで結構面白いです。出生10万人のうち、
何歳で何人生き残っているか、というのがポイントです。女性の表
を見ると、こんな感じです。

年齢 生存者 平均余命 (年齢+平均余命)

0 年 100,000 84.60 84.60
10   99,544 74.98 84.98
20   99,413 65.08 85.08
30   99,110 55.26 85.26
40   98,585 45.52 85.52
50   97,404 36.01 86.01
60   94,771 26.85 86.85
70   89,140 18.19 88.19
80   74,529 10.60 90.60
90   38,773 5.29 95.29
100   4,998 2.72 102.72
110   61 1.56 111.56

 生存者が99%を下回るのは33歳、95%以下になるのは60歳、90%
をきるのは69歳、80%は78歳、70%は82歳、半分以下になるのが88
歳です。

 私の父親は74歳で死にましたが、ちょうど男性の3割が死ぬとこ
ろです。母親は80歳で元気ですが、女性はまだ3割以上生き残って
いるわけです。80歳になった人の平均余命は約10年、まだまだ元気
でいてくれそうです。

 案外死なないものだなあ、というのが実感です。一番死亡率の低
いのは小学生のころ、20歳台のうちはよほどのことがない限り死な
ないものです。このころはたぶん事故が一番で自殺が二番だと思い
ます。

 この表を見ている限り、80歳くらいまでは元気で当たり前、とい
うところです。100歳以上に達する人が5%ほどいて、今日本では
百歳を越える人がすごい勢いで増えているのだとか。また、老人が
寝込んでしまう期間は約3年間、元気でいる期間もずいぶんと伸び
ています。

 60歳くらいでは年寄りには入りませんし、70・80はまだまだ若造
といわれそうです。何ともおめでたいことです。

 変な脅しは無視して、人間は案外死なないものだ、と考えている
ほうがよさそうに思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.バナナについて教えて下さい。バナナの筋にそって皮が裂けて
実が見えるときがあります。買って直ぐ気づく時もあれば、数日し
て気づく事もあります。そのまま食べても大丈夫でしょうか?

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A.バナナは熟していない青いときに収穫して輸入されてきます。
黄色くなったバナナには虫がついていることが多いので、輸入は禁
止されています。国内で熟成させ、黄色くなってから売っているわ
けです。

 この追熟がうまくいかないと、皮がへんに厚かったり、筋っぽか
ったりするようです。また、皮が薄くなってしまって、裂けてしま
うこともあります。

 状態としてはほめられたものではなく、追熟の失敗といってよい
のでしょうが、別に食べても害はないと思います。でも、あまりお
いしくないかもしれませんね。

 家庭では房のまま吊るしておくのがよい、とかいいますが、なる
べく冷やさないように、また風通しのよいところがよいそうです。
ご存じのように冷蔵庫に入れるとすぐに悪くなってしまいますので、
冷えは禁物です。

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Q.カフェインは栄養の吸収を阻害するので、サプリなどはお茶で
飲まないように、とよく聞くのですが、それならば普通の食物の栄
養はどうなのでしょう。

 栄養素に気を遣った食事をしても、食中や食後に日本茶を飲んで
はいけない、ということだと、今までの食習慣は何だろうと思って
しまいます。

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A.カフェインがダメなサプリメントって、何なのでしょうか。ど
うもよくわからないです。たぶん、具体的な阻害作用があるという
ものではないと思います。

 薬を飲むときに、お茶は避けるように、とよく言われますから、
その影響でそう言われているのでは?

 私は食事からとる栄養を、栄養素に還元して、薬やサプリメント
と同じように考えるのは間違っていると思っています。食生活は文
化そのもので、栄養学が後知恵なんです。だから食事のときにお茶
を飲む文化は変更する理由はないです。気にしないのが一番です。

 ただし、薬は食生活とは全く違いますので、気にしてください。
問題はサプリメントはどちらになるか、ということです。これは趣
味によります。薬なみにしないと気の済まない人もいるでしょうし、
食事と同じで気にしない人もいます。私は気にしない方に一票です。

 サプリメントは薬ではありません。だから医者の許可なくとって
よいのです。でも、これは薬のようには効かないよ、ということで
もあるので、気にするほどではないと思うのです。

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Q.スーパー等で卵の差別化をしきりにしております。ところが、
この中に飼料に木酢液を使用とうたっているものが一つならずあり
ます。何故あえて木酢液なのか、考えてしまいました。これは今鶏
卵業界ではブームなのでしょうか。鶏も炭やら何やら分けの分から
ないもの食べさせられて気の毒のような気がします。業界の人は、
商品の差別化では手当たり次第のことをしているのでしょうか。そ
れとも、木酢液に何か新たな発見があったのでしょうか。

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A.鶏のエサにいろんなものを加えてみるのは流行なんでしょうね。
お茶類とか、ハーブとか、それなりに効果があるという研究もある
ようです。

 養鶏場の方では、差別化という意識と、よりよいものを生産する
ための研究という面と、両方あると思います。案外真面目に取り組
んでいるところが多いのですよ。

 ただ、流通業界の意識はちょっと歪んでいまして、生産側のそう
いう努力を、商品の差別化の問題としてしか考えない傾向はありま
す。

 木酢を使うというのは、一つはエサの消毒だと思います。強力な
殺菌力がありますので、防腐剤の代りになります。また、基本的に
は有機酸ですので、栄養的な効果もあるのかもしれません。

 ただし、基本的には毒物ですので、それほど多量には使えないは
ずです。実際は防腐剤代りに少量使っているだけで、そういう宣伝
をしているのではないか?というのが私の想像です。ちょっとスジ
悪ではないか、と思いますが、本当のところはよくわかりません。


--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「全頭検査」
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 BSEの問題というより、アメリカ産牛肉の輸入再開の問題にな
ってしまった感がありますが、少しずつ動きだしているようです。

 まず、国際機関である国際獣疫事務局では全頭検査は必要ない、
という結論を5月にも出すようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 家畜の国際的な安全基準を決める国際獣疫事務局(OIE)のベ
ルナール・ヴァラ事務局長は10日都内で講演し、日本がBSE対策
として取り組む全頭検査について「科学者の多くはそこまで必要と
は思っていない」と否定的な考えを示した。

 同事務局長は「世界で見つかったBSE感染牛のうち、若い牛は
日本の2頭だけだ」と指摘。今年5月に開かれるOIE総会で、B
SE検査を含めた安全基準の改正案を提出する考えを示した。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050310AT1F1001U10032005.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これに対して、日本政府は反対の方針のようです。金のかかる全
頭検査をしなくてよいよ、と言ってくれているのに反対するのです
から、よほど思うことがあるのでしょう。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 動物衛生に関する国際機関「国際獣疫事務局」(OIE)がBS
E(牛海綿状脳症)国際安全基準の大幅緩和を提案している問題で、
農林水産省と厚生労働省は8日、専門家会合を開き、対応を検討し
た。OIE案はこれまで規定がなかった「骨なし肉」を、月齢に関
係なく貿易できる肉として明記しているが、会合では「安全性が確
保されない」との意見が相次ぎ、政府としてOIE案に反対してい
く方針が決まった。

 OIE事務局は3月下旬、(1)「骨なし肉」を無条件で貿易可
能な物品として新たに規定(2)脳など特定危険部位の除去対象月
齢を「生後12カ月」から「30カ月」に緩和(3)国別の感染危
険度クラスを現行の5段階から3段階へ簡素化−−などの基準緩和
案を日本など加盟各国に提案していた。緩和案は5月のOIEパリ
総会で正式提案される。

 日本は「BSE検査で感染確認できるのは生後21カ月以上」と
して、「生後20カ月」を国内安全基準にする予定。島村宜伸農相
は8日、「現段階では受け入れ難い」とOIE案に反対の姿勢をあ
らためて表明した。

 OIE基準に強制力はないが、世界貿易機関(WTO)の紛争処
理の際に判断基準として利用される。仮に緩和されれば、米国が
「国際基準違反」を理由にWTOの場などで日本への批判を一層強
めてくることが予想される。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050408k0000e030096000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ところが、日本政府の期間である、食品安全委員会では、全頭検
査の見直しを方針として打ち出しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛海綿状脳症(BSE)の国内対策見直し案を審議している食品
安全委員会プリオン専門調査会は28日、全頭検査の対象から生後
20カ月以下の牛を除外する新たな基準を容認することで合意した。
31日にも開かれる食品安全委にも報告され、夏には新基準が適用
される見通し。米国産牛肉の輸入の前提となっている国内対策見直
しの決定で、再開に向け一歩前進したことになる。今後は、米国産
牛肉の安全性の評価に移るが、内容は国内対策以上に難しく、再開
時期は不透明だ。

 03年12月から輸入が止まっている米国産牛肉について日米両
政府は昨年10月、20カ月以下の牛を検査なしで輸入再開するこ
とで基本合意し、全頭検査の緩和がその前提条件になっていた。

 調査会では、昨年10月に出された全頭検査の見直し案について
健康への影響を検討。現在の全頭検査を生後21カ月以上に緩和し
た場合に、人に対する感染リスクがどう変化するかを評価した。

 その結果、BSEの感染源となる肉骨粉の使用禁止などの飼料規
制などで、生後20カ月以下の牛での病原体「プリオン」の蓄積量
が「少ない」と判断。特定危険部位も除去されており、検査を緩和
しても「食肉への汚染量は無視できるか、非常に少ない」とした。

 また、これまで欧州や日本で確認された感染牛の数や月齢などか
ら、生後20カ月以下の牛の中に含まれる感染牛は年間2頭以下と
試算した。

 その場合でも、(1)全頭検査の精度に限界があるため、感染牛
を発見できない(2)見つけられたとしても、最大1.62頭以下
にすぎず、特定危険部位の除去や水による洗浄などの対策で、病原
体が牛肉に残る恐れは極めて低いとした。

 これらから、検査見直しによる健康へのリスクの増加は「非常に
低い」と結論づけた。

http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20050329/K2005032802240.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アメリカ産牛肉の輸入再開に動く国際派と、国内畜産業の保護に
動く国粋派とが衝突しているような印象です。役所がいったん始め
た事業を自主的にやめるわけがない、というのは私のツッコミです。

 それで、私の意見は「リスクは非常に低い」というものです。B
SEが日本人に健康被害を出す可能性は0とはいいませんが、非常
に低いです。これ以上、あるかなきかのリスクに対して予算を投入
しつづけることはちょっと考え直すべきだと思います。

 全頭検査がいけないとか、どうすれば安全性が確保できるとかい
うレベルの問題ではなく、たぶん何もしなくても大丈夫な問題に対
して、これほどの金額を投入しつづけるのか、という経済的な問題
だと思います。

 世界中で感染症で死んでいく数百万から数千万の人々の、いくぶ
んかを救えるだけの金額だと思うのです。中国でも、医者に一生み
てもらえずに死んでいく人が億単位でいるといいます。中国へのO
DAが打ち切りになりそうなのは中国側の自業自得だとしても、こ
のあまりの非対称にはやはり考え込まざるを得ません。

 世界で一番安全な国の、きれいに掃除された道路から、虫メガネ
でゴミを拾っているような印象があります。片方にはゴミや糞で埋
もれた街角で寝ている人もあるのに…。

 全頭検査をした「つもり」になって、その金を世界中の病気を減
らすために使う、というのはあまりに夢物語なのでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 私はこの5月で54歳になります。その時点で平均余命は約26
年です。まだまだ長いような、ずいぶん短いような、ですね。

 10日に「農業経営者」という雑誌から、私のところに取材に来る
そうです。どういう記事にするつもりなのでしょう。昨年は毎日新
聞から取材を受けたのですが、企画に対してボロクソに批判したの
で、私の分はボツになりました。夜遅くまでつきあったのに(;_;)
(どんなにボロクソに言ったのか?などというツッコミはご遠慮く
ださい。饅頭怖い。)

 「食生活」の連載は一年延長してまして、第15回目(6月号)ま
で書きました。大きな書店だとおいてあるようなので、見かけたら
よろしくお願いします。

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