安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>266号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------266号--2004.12.012------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ブルーキュラソー・魚の干物・乾燥ゆば・
グリセリン脂肪酸エステル(Q&A)」「不安の海の羅針盤」

-PR---------------------------------------------------------
浄化槽・排水処理のことなら、「 環境デザイン.COM」に

浄化槽の設計・管理を通じてきれいな水環境つくりに貢献します。
きれいな排水が出て、維持管理費の安い浄化槽が設置できます。
ディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)もOKです。
-PR---------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 いただいたメールを紹介します。まずはラップについて。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ラップについて読んでいて感じまして、メールいたします。

 塩ビという問題から少しそれますが、アフリカのある国では、ビ
ニールのような物は貴重で例えば、怪我した足をビニールのような
もので雑菌から保護してやれば破傷風にかからずに済むものを、そ
れがないばかりに・・・という話を、以前、聞きました。

 それ以来、我が家では、ビニール袋、ラップ、アルミホイルなど
は一切、買わないようになりました。あまりに安易に捨てていた事
に、良心が痛みました。

 食品は、タッパーや容器に詰め替え保存してレンジは、レンジ専
用のフタを使っています。

 ラップを使用しない事は、それほど不自由には感じないものです。

 ビニール袋も、わざわざ、買わなくても、何かをいただいた時や
何かを買った時に、必ず、入ってます。せめて、気休めですが、1
回は、使い回すようにしています。それでも、足りないことはなく、
溜まって、溜まって仕方ありません。

 使わない、買わない事も、是非、選択肢の1つに加えていただけ
ればと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次はミネラルウォーターについて。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本で作られているミネラルウォーターは多くがフィルターで除
菌したものです。それと硬度は水に含まれるマグネシウムやカルシ
ウムの量で決まりますので加熱殺菌は関係がないです。

参照サイト
http://value.zero.ad.jp/~zav06243/water.htm

 日本でのミネラルウォーターの多くは機械を通してフィルター除
菌し、パック詰されます。管理が適切であれば、ほとんど無菌の水
となります。水道水もほとんど無菌ですが、残留塩素があるという
ことが義務付けられていますのでどうしても塩素臭い水になります。
ミネラルウォーターは塩素がないことが「おいしい」一因ですが、
反面、取り扱いが悪ければ雑菌が増える危険があります。

 製造機械の洗浄殺菌は欠かせないものなのに、案外いいかげんだ
ったりします。20リットルのポリ容器などに入れるミネラル水は容
器の殺菌はどうしているんでしょう?

 いろいろ調べてみると、ミネラル水は製造機械(かんたんな機械
でも)の洗浄殺菌が適切でないと雑菌はいくらでも増えるようです。
冷水のサーバーが飲食店などに設置されていますが、それは塩素を
含んだ水道水だからこそOKです。沸騰させ塩素を飛ばした水やお茶
などでは雑菌は増え放題です。

 推測になりますが、神泉水も製造機械の洗浄殺菌がいいかげんだ
ったのではないでしょうか。水では健康になれない、まさにそのと
おりだと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「加熱すると硬度が下がる」というのはちょっと書き方が悪かっ
たでしょうか。沸騰させると硬度が下がるというべきでした。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

水中の硬度成分(Ca2+、Mg2+)のうち、炭酸水素塩は、煮
沸すると

 Ca(HCO3)2  ―→  CaCO3↓ + CO2 +H2O
 炭酸水素カルシウム   炭酸カルシウム

の反応で沈殿するため、除くことができます。炭酸水素塩として含
まれる硬度を一時硬度とよび、煮沸によって除去できない、塩化物
や硫酸塩として含まれる硬度を永久硬度と呼びます。

http://www.live-science.com/honkan/theory/kousui.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私は一般的に硬度が下がるように誤解していましたが、下がるの
は炭酸水素塩として含まれる硬度だけだということです。

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.ブルーキュラソーの青はなんという着色料でしょうか?安全性
は?

------------------------------------------------------------

A.きれいな青色をしたリキュールですね。一つの製品ではありま
せんから、商品ごとに同じとは限りません。だから正解はわかりま
せん。ビンを見たら着色料の表示はしてあると思いますので、ご覧
ください。

 だいたいは青色一号とか、そんな着色料だと思います。青い飲み
物というのはちょっとおいしくなさそうに思うのですが。

------------------------------------------------------------

Q.魚の干物を食べる機会が増えましたが、干物は発がん性が高い
ときき不安を感じています。干物の発がん性は、どの程度なのでし
ょうか?

 干物ではない肉・魚にも亜硝酸と反応する二級アミンは存在して
いるとのこと。なのに干物が問題視されるのはメルマガ264号の塩
タンでふれてらしたように塩分によって変質の度合いが高いからな
のでしょうか?それとも、温風干しより天日干しのものが特にいけ
ないとも聞きますから紫外線の影響なのでしょうか?

 大根おろしで中和されるときき、一緒に食べるようにはしていま
す。野菜と一緒でなければ(大根も野菜ですが…)大丈夫なのでし
ょうか?一方、焼いただけでダイオキシンが発生するとの記載もみ
ました。

 添加物などに比べ問題視されなかった理由なども含め教えていた
だければと思います。

------------------------------------------------------------

A.こういう話はそう言っている人にきいてもらわないと、意味が
わからないです。私は干物と発ガン性のことを言った覚えはありま
せん。

 いったい、どういう情報を得て、何を心配しておられるのでしょ
うか?少し落ち着いて考えた方がよいと思います。情報中毒という
気がしますよ。

 何か具体的に心配なことがありますか?心配しなければいけない
理由とは何なのでしょうか?もし、具体的に心配なことがあるよう
でしたら、そのことに正面から取り組んだほうがよいと思います。
別に干物があなたを苦しめているわけではないと思いますので。

------------------------------------------------------------

Q.2年前に、乾燥ゆばの料理を食べて40分位したら猛烈な吐き気
と胸の苦しさがありました。それから9ケ月後に、また乾燥ゆばを
昼に食べましたら7時間後位に呼吸が苦しくてすごく怖かったです。
52歳女性です。乾燥ゆばに死ぬかと思うほど苦しむような薬品が使
われているとは思えないのですが。食物アレルギーなのでしょうか。

------------------------------------------------------------

A.病院へは行かなかったのでしょうか?食べ物で苦しくなるとい
うのは、中毒をおこしたかアレルギー反応か、どちらかですね。

 中毒というのは原因が化学物質のときもありますが、圧倒的に微
生物によるものです。「薬品」という言葉をつかわれていますが、
食品に使うのは「食品添加物」で、「薬品」とは違う概念のもので
す。

 当たり前ですが、こういう激しい中毒症状をおこすような食品添
加物は存在しません。異物として他の化学物質が混入していたこと
は可能性としてはあります。

 しかし、9ケ月後にまた同じものを食べたのではなく、別のゆば
だったのでしょうから、異物の混入とか、微生物の繁殖だとかが同
じように起こっていたというのは考えにくいですね。

 つまりアレルギーの可能性の方が強いということです。こういう
食品アレルギーで死んでしまう人もあります。ゆばは大豆製品です
から、もしかしたら他の大豆製品でも反応してしまうかもしれませ
ん。こんど似たような症状がでるとちょっと心配ですから、医者に
診てもらって用心したほうがよいと思います。

------------------------------------------------------------

Q.「グリセリン脂肪酸エステル」は、一般には「安全性に問題は
ありません」とされていますが、先日、国会では「グリセリン脂肪
酸エステル」にガンを進行させる作用があるという質問が行われて
いたようです。いかがお考えでしょうか。

------------------------------------------------------------

A.そのニュースは知りませんでした。国会でとりあげられたから
といっても別に心配はないと思いますよ。国会議員の程度はかなり
低いですから、とんでもない質問が多いのはご存じのとおりです。

 食べ物の3大栄養素に脂肪があります。脂肪というのはグリセリ
ンという物質に脂肪酸が結合したものです。脂肪酸は長くつづいた
炭素原子の鎖に、脂肪酸基がついた酸です。グリセリンは水酸基を
3つ持っていて、3価のアルコールと呼ばれています。このグリセ
リンの3つの水酸基に、それぞれ脂肪酸がエステル結合したものが
脂肪です。

 だから普通の脂肪も「グリセリン脂肪酸エステル」と言えます。
この場合、3つ脂肪酸がつきますので、「トリグリセリド」といい
ます。モノ(1)、ジ(2)、トリ(3)、テトラ(4)、ペンタ
(5)、ヘキサ(6)…というのは化学の世界での数の数え方です。
3つ全部に脂肪酸がつかないと、2つならジグリセリド、1つなら
モノグリセリドといいます。

 食品添加物としての「グリセリン脂肪酸エステル」は、この「モ
ノグリセリド」のことをいいます。水酸基が2つ余っているので、
こちらが親水基になり、界面活性があるため、乳化剤などにつかわ
れています。

 モノグリセリドは食品添加物の中でも、毒性の低いものの一つで
す。消化されたあとはグリセリンと脂肪酸になりますから、これに
毒があったら私たちは脂肪を食べることができませんね。現実に、
脂肪の中はトリグリセリドだけでなく、モノグリセリドやジグリセ
リドも普通に存在しますので、悪者にしても仕方ないです。

 脂肪は体によくないと思い込んでいる人もありますが、食べすぎ
れば問題なだけで、必須栄養素であることは間違いありません。食
品添加物を悪くいいたいときに持ち出してくるにはあまり適切なネ
タではないと思います。

 ガンに関係しての話では、全く関係ないということではないかも
しれません。というのは、脂肪酸自体にそういう働きがあるという
説もあるからです。私たちが普段食べている食べ物自体に、ガンを
促進する働きがあるらしい…。当然といえば当然ですが、なかなか
悩ましいところです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「不安の海の羅針盤」
------------------------------------------------------------

 今回は「書評」です。以前に「後記」の欄で少し紹介しましたが、
中西準子さんの「環境リスク学−不安の海の羅針盤−」がよく売れ
ているようです。

 この手の本で一万部を越え、現在も重刷中といいますから、大変
なヒットです。中西さんのサイトには書評のリンク集があります。
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/rashinban/

 ここで今週傑作だったのは、エコノミストに日垣隆さんの書いた
文がそのまま画像として掲載されていたことです。
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak281_285.html#zakkan285

 中西さんはこう書いています。「文章のするどさ、うまさはいつ
ものことだが、私がこうありたいなと思うことを書いて頂いた。自
分の過去や現状がどうかについて考えると恥ずかしいが、この文章
を額に入れて、ここに書かれたことを目標にして生きていきたいと
思う。」

 天下のひねくれ者、日垣隆氏にほめられても素直に喜べるところ
が大物ですね。書いている方も本気なのでしょうが。

 それはさておき、私の感想を書いておきます。中西さんのことは
以前に書きましたので、そちらをご覧ください。
http://food.kenji.ne.jp/review/review244.html

 この本の印象はやはり自伝的な「最終講義」のあたりが強いです。
後半は彼女のホームページでいつも書かれている「雑感」からの文
章なので、みんなすでに読んで、小ネタ集のような感じです。科学
者の文章としては非常に読みやすいので、初めての人でもたのしく
読めると思います。

 彼女の人生をふりかえってみると、最初は役人や大企業と敵対し、
消費者運動の人々が味方でした。その後、彼女の主張が徐々に役所
に取り入れられ、今や「個人下水道」に補助金がつくのが当たり前
になりました。

 昔は都合の悪い説は圧力をかけて押しつぶそうとしていた経済界
も、このごろは様変わりして、中西説を推す人が増えてきています。
その代わりに昔は味方だった消費者運動の側が完全に敵対する方に
まわってしまいました。

 私も生協時代の終りごろ、中西さんの説を紹介しただけで白い目
で見られたものです。(私の生協の理事の人は比較的理解がありま
したが、原理主義みたいな人の多い生協もあったのです。)

 これはあちこちの書評で言われているように、中西さんがあくま
で事実を追求してきたからだと思います。昔は事実というのはフタ
をして隠しておくものでした。それをあばきたてる中西さんは権力
側にとっては押しつぶすべき存在だったのです。そのことは本の中
にも詳しく書かれています。

 そのころから、権力に敵対する側はそれに対抗して、いろいろと
宣伝するのですが、その中には必ずしも事実でなくても、人々を煽
動できるのであればそれでよい、という風潮が少なからずありまし
た。「事実は隠されている(陰謀)」わけですから、それをあばく
側に正義があり、事実そのものを実証する責任は権力の側にあって
それに敵対する側にはないと考えていたのです。

 だから、実際は根拠薄弱だったり、事実無根だったりすることで
も、平気な顔をしてそういう主張をしてきたのが消費者運動側の偽
らざる実状でした。そういう中で、明快な論理と事実の裏付けを持
った中西説というのは非常に期待されてかつがれていたと思います。

 しかし中西さん自身は別に運動のためにそういう説をとなえてい
たわけではありませんので、やがて運動の側に都合の悪いことも言
い出します。それが「環境ホルモン空騒ぎ」(新潮45、1998年12月
号掲載)です。
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/45draft.html

 ちょうど私が生協をやめた年です。この「環境ホルモン」に関し
ても結局、中西説が勝利を収め、環境省は例の環境ホルモンリスト
を完全に取り下ざるを得ない状況になっています。

 さて、この本の眼目は「リスク評価」です。環境問題も昔の公害
のようなとらえ方ができれば話は簡単です。絶対に許されない事態
ですので、万全の対策をとるのが当然ということです。しかしその
後、環境問題が程度しては重大な被害が出ているわけではなく、し
かもその対策が他にも影響を与えてしまうような、微妙な問題が多
くなってきました。

 微妙であるほど、慎重に検討しなければいけません。この対策と
あの対策の、どちらが重要なのか、比較検討しようとするわけです。
比較するためにはその「ものさし」が必要です。そして比較される
側はある程度数値化されないと比べようがありません。

 ということで、「リスク評価」というのは一見比べようもない環
境中のことがらどうしを、ある共通の尺度で比べて評価しようとい
うことになります。

 現在の中西説では「平均余命への影響」ということになるのでし
ょうか。この本を順にたどっていくと、その考えのすじ道がだいた
いわかると思います。

 一番強く印象に残ったのは「クォリティオブライフ」(生活の質)
という概念を比較数値に持ち込むのは反対だったという中西さんの
話です。確かに、「余命」などという形で時間を問題にしているう
ちはみんな平等なのですが、「質」を問うた瞬間に、「天才の生活」
と「障害者の生活」が同じ価値なのか、という大問題につきあたっ
てしまいます。

 「同じだ」と言い切りたいところですが、それでは被害を受けて
失われた能力を評価することができません。もともとそういう能力
を持っていない人もいるわけですから。逆に失われた能力を評価す
れば、もともと持っていない人ははじめから低く扱われてしまいま
す。

 中西さんが「生活の質を問うな」と言っていたというのは、そう
いう配慮からで。今、ある程度それを研究することを許しているの
は、最終的には避けて通れないということを自覚しているからです。

 不安の海の渡っていく羅針盤を作るためには、今までわれわれの
社会を支えていた思想そのものも解明していかねばならない、そん
な覚悟がほの見えます。いずれこの問題は個人の資質や能力だけで
はなく、国際的な不平等の問題などにも行き着きます。建前で語る
分には簡単ですが、本当に現実のレベルで解決していくためには、
私たちはまだまだ苦しい道を歩まねばならないようです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 もう年末が近づいてきました。なんだか速いです。昨年のいまご
ろは中国の案件もようやく終り、けっこうのんびりしていましたが、
今年はいろいろと動きがありました。雑誌の連載をはじめたのもそ
の一つです。(「月刊食生活」)でもこれももうすぐ終りです。

 宮沢賢治学会の理事になったのも私にとっては大きな事件です。
本物の学者・詩人の中に変なのが一人紛れ込んでいますが、結構大
きな顔をしていっしょに飲んだりしています。詩人の入沢康夫さん
と友だちなのが自慢です。

 その学会の催しの帰り、花巻からの飛行機が欠航になって、ひど
い目にあいました。新幹線と夜行バスで12時間あまりかけて大阪
に帰っています。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-266号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4401名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/