安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>247号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review----------------------------
-------------------------------------247号--2004.08.01------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「南高梅・水道水・テフロン・こんにゃく・
パスタソース・国産小麦粉(Q&A)」「国産小麦粉」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 このメールは前回から持ち越しの分です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省では、改正食品衛生法に基づき、食品中に残留する農
薬、動物医薬品及び飼料添加物について、ポジティブリスト制を平
成18年6月までに導入することとしておりますが、このホームペ
ージのQ&Aの問3で、加工食品についての考え方が出されており
ます。

-------------- 一部引用---------------------------------

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu/031028-1b.html
問3 加工食品における残留基準の考え方は

答  現在の残留農薬基準では、多種多様な加工食品が存在するこ
とから、個別にコーデックスにおいて基準が作成されている小麦粉
など一部の加工食品を除き、個々の加工食品に基準を設けていませ
ん。

 加工食品については、食品の輸入者は、原材料の栽培段階から農
薬の使用管理、使用実態等を調査し、我が国の食品衛生法に適合し
ていることを検査などで確認していただく必要があります。また製
造加工者にも原材料、中間製品、最終製品等各段階において同様な
確認を行うよう指導することとしています

-----------------終了-----------------------------------------

 この中の加工食品は、乾燥野菜とか、冷凍野菜、カット野菜などほ
とんど手を加えていない半製品を想定しているようにも感じますが、
このままの感覚ですすめば、大手販売店は たとえばソース、スープ、
タレに使っている野菜についても原産地、農薬証明を要求することに
なるのではと思います。どこかネットで、農薬に対する安心に対して
は、10%ほどのコストアップを認めるような消費者意識の報告もあ
りましたが、現実は無理でしょうね。全体でみればすごいコストアッ
プになるかと思います。18年までに、農薬一斉検査法で何百種類も
の農薬が 1検体10万円くらいで分析できるようにでもならない限
り・・・・・・。

 もちろん、これから第2案、第3案と意見を取り入れて修正される
ものでしょうが、渡辺さんの、輸入加工食品に対する農薬の意見も書
いてもらえたらありがたいです。加工食品といっても、カット野菜か
ら 異性化糖、Lグルタミン酸まで全部一緒の扱いは問題ですよね。

追加)

 それから、インターネットメールマガジンの著作権ですが、論文な
どと同等の扱いよりは、どちらかというと、話言葉と同じかそれより
もうちょっと襟をただすくらいの扱いでよいのではとおもいます。論
文のように、いつまでも残るものではないのですから。逆に話す言葉
の中で、もう少し 自分の意見か、他人の意見かを分けて話せる人が
増えればな・・と感じる次第です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私からの返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 しかし、加工食品の農薬について、どうしろと言うのでしょうね。
具体的にどのような管理方法を想定しているのか、見当がつきませ
ん。お役人の作文で現場が迷惑することになりそうな気がします。
もちろん、原料の生産工程まで管理することは、できればそれに越
したことはないのですが。

 「できればよい」が「するべきだ」になってしまうのは、小学生
の学級会ですよね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は前回紹介したメールに関連しての話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

楽しく拝読させていただいています。
先月の下記の記事、真意が理解できなかったのですが。。。。


>つぎはお医者さんの話。
>
> --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
>
> > 伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く
> >  【宮崎大学教授・医学博士】島田彰夫著 東洋経済新報社
> ...
> > --〔↑引用おわり〕------------------------------------------
> >
> >  この一節を読めばわかりますが、アホとしかいいようがないです
> > ね。科学的な思考力のない人が医者をやっているというのはこわい
> > です。
>
>  毎度毎度、重箱の隅つつきですいません。
>
>  医学博士だからといって医者とは限りませんよ :-)
>
>  医師免許は医博の前提条件ではないので、どこかで修士号をとっ
> て、そのあと大学院の医学研究科で博士号を取れば、医師免許なし
> で医博になります。
>
>  私の知っている人で2人そういう人がいます。ひとりは心理学科
> から脳科学に転じ、今は古巣の心理学科に戻って教授。もうひとり
> は蛋白質の解析をやった人で今は化学系の助教授。さらにもうひと
> り、私の後輩で、医学を全く知らずに医博を目指している人(この
> 人は統計学が専門で、医学研究科所属の統計学の先生のところで勉
> 強している)を知っています。

 この記事を読んだとき、島田教授が医学博士の称号で権威付けた
「科学思考力のないアホな医者」のように思えました。早速、この
本を取り寄せて熟読しましたが、明治維新を起源とする日本の「食
育」の誤りを指摘した極めて科学的で真面目な内容でした。

 アホなのは栄養学者(島田教授に言わせると栄養素学者)と厚生
省と文部省(いまでは官庁名が変わっていますが)の官僚のようで
すね。この本は医学博士の権威を借りて健康食品の宣伝をしている
ものではなく、むしろサプリメントの使用に批判的な内容もありま
す。

 渡邊さんのコメントはこの本の内容とは無関係のような気がしま
したが、私の理解力不足なのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私からの返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 まず、「医者でなくても医学博士」という話はこういう例もある
というだけで、他意のない情報だと思います。

 この島田教授の件は、この教授の言っていることの評価と密接に
関係しています。教授の意見ははっきり言ってトンデモ本の類だと
私は思います。この意見に賛同されているようなので、私とは見解
を異にされていることはあらかじめご了承ください。

 私はこの教授の意見が、科学的な推論ではなく、科学者らしくな
い思い込みで語られたものである、という意見です。こういう説が
広まるのはよくないことだと思いますので、「医者や教授の言うこ
とだからといって頭から信用してはいけない」と言っています。

 ここでこの教授の説への見解が異なる場合、何を言っているのだ、
ということになるのでしょうね。でも私にはこの教授がまともな科
学者であるとは思えないのも事実です。言い方がきつかったかもし
れませんが、そういう見解もあるということでご了承をお願いしま
す。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 牛乳のように長い歴史を持つ食べ物が有害であると論証するには、
それなりの手続きがいります。いくらもっともらしくても、ちゃん
とした科学的な裏付けがない説は単なる妄想と一緒です。このあた
り、機会があったら詳しく調べてみたいですね。

 次は疑問?のメールです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深く拝見させて頂いております。そこで最近の質問内
容についてちょっと疑問に思うことがありましたのでメールさせて
頂きます。

 いろいろな方がこのメールマガジンを購読されていると思います
が、もう少し自分で調べた上で、意見を聞いてもいいのでは?とい
ったような質問が多いように思いました。これは私がどうこういう
ような問題ではないと思いますが、私も会社での業務内容が渡辺さ
んと通じる部分があり、そう感じました。

 いまやネット社会と呼ばれ、調べ物をするのも昔と比べ物になら
ないほど情報があふれています。書物に関してもかなりたくさん出
回っていると思います。まず。疑問に思ったことは自分で調べるの
が原則ではないでしょうか?事実私の部署でもそのクセづけをして
います。調べられるだけの情報はいくらでもあるのではないでしょ
うか?ただし、最近全て書いてあることが正しいわけではない・・
・とのお話もしらほら・・・。その辺り不安ではありますが(+o+)
ただ、質問を通して勉強をしている方もいらっしゃると思いますの
で、よりこのメールマガジンの活躍の場が広まればなぁと思ってい
ます。

 渡辺さんの見解もお聞かせいただけたら幸いです。これからも頑
張ってください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私からの返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ご指摘の件は私としてはあまり気にしていないのです。「調べれ
ばわかる」でよいのなら、Q&Aは開設する必要がないわけですか
ら。

 実はすぐに答えられる質問は少なくて、結構検索したりして調べ
ています。インターネットの世界も長くいるとマンネリ化するので
すが、そのたびに新しい発見があったりして、私としては勉強にな
っています。

 Q&Aへの質問が少なくなりますと、メールマガジンの発行もピ
ンチですので、これからもどんな質問でもOKということでいきた
いと思っています。

 子供から、宿題の答えをおしえて、とか、学生のレポート用の質
問なんかには、わりと冷たくしています。

 また、あまり馬鹿馬鹿しいのや、個人的に立ち入った内容のもの、
私が答えられなかったものなどもメールマガジンには掲載していま
せん。

 これでも一応、選別してから掲載しているというわけです。

 ご意見のメールも、あまりに思い込みの強いものや話のすじが見
えないものは掲載しないことがあります。

 このあたりもご了承いただきたいところです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.今年、紀州の南紅梅を購入しました。しかし、漬けた後皮が硬
く、種の先端が2mm程鋭く尖っていて、食べるときに刺さりそう
で怖いのです。私の姉は長い間南紅梅を漬けていますが、こんなこ
とは初めてと言っております。これは台湾産の梅である可能性はあ
りませんでしょうか?種を見て国産と台湾産の違いを見分ける方法
がありましたら教えて頂きたくメールさせて頂きました。よろしく
お願い致します。

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A.その他には変ったところはないのでしょうか。

 加工用の梅は輸入されていますが、「生」で売っている梅は輸入
ではないと思います。梅は収穫してから販売できる期間が短いので、
輸入のものは出回っていないはず。

 タネのとがっているのもときどきありますが、みんなそうだとい
うのはヘンですね。

 ただ、同じ「南高梅」でも、場所やなり方によって、微妙に違う
ものが出来ています。そういうものにあたったということではない
でしょうか。

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Q.水道水を白い陶製のカップに入れてしばらく置いておくと、カ
ップの中がピンク色に変色してしまうのです。塩素が原因なのかそ
の他の化学物質が原因なのかはっきりせず、正直、不安です。自然
の湧水の場合、同じことをしても、全く変色しないのです。何が原
因か分かればご教示戴けると幸甚です。

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A.変色してくるというより、元々ごくわずかに着色していたので
はないでしょうか。

 赤い水というと、鉄分の関係が考えられます。もともと鉄分の多
い水なのか、それとも水道管のせいなのかはわかりません。

 あと、赤い色というとカビも原因になりますが、この場合は水そ
のものが色づくようですので、違うと思います。

 着色した水は問題ですので、水道局で調べてもらってはいかがで
しょうか。

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Q.テフロンのシチュー鍋を愛用していたのですが、底のテフロン
が剥げて白い粉のような物がつくようになってきました。初めは極
微量だったのでカルキかと思っていたのですが、最近では指につく
ほど出てきます。これは身体に有害な物質なのでしょうか?この鍋
で作った食事を子供に与えてきたので不安でいっぱいです。よろし
くお願いいたします。

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A.鍋の材質は何でしょうか。ご質問の場合、テフロンが剥がれて
きたものか、鍋の金属がサビ?たものかでしょうね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ふっ素樹脂加工の表面には目に見えないミクロな孔(ピンホール)
があります。料理を長い間入れたままにしておきますと、そのミク
ロの孔から油や調味料が浸透して中で加熱膨張してコーティング膜
を押し上げたり、金属部分(アルミなど)に達してしまうと、その
金属を腐蝕させて空洞ができそれが調理中に破れて剥がれたりしま
す。これを防ぐには、調理器具の中に料理をいれたままにしない事、
使用後はきちんと洗っていただく事が大切です。また空焚きや強火
での使用、角の鋭利なヘラの使用も剥がれの原因になりますので、
注意しましょう。

http://www.teflon.jp/nandemo.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これに該当するかどうかわかりませんが、似たようなことがおこ
っているのでしょう。いずれにせよ、こうなった時点で鍋としては
ダメだと思います。

 今までの使ったことについての毒性は心配するほどではないでし
ょう。テフロンを高温に加熱すると、変質して毒性のある物質がで
きるという話はありますが、鍋の使用温度くらいでは大丈夫だと思
います。また、テフロン自身は毒性はほとんどありません。

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Q.こんにゃくができるまで(作り方)を絵入り&わかりやすく教
えてください。

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A.こういう聞き方はいけませんね。まず、人にものを聞くときに
「絵入り&わかりやすく」というような聞き方は日本語にはありま
せん。もっと丁寧に言うものです。

 それから、こんにゃくの作り方を書いたサイトはたくさんありま
す。http://www.google.co.jp/ へでも行って、「こんにゃく 作
り方」で検索しましょう。すぐに見つかります。

 ただし、そこに書かれていることが正しいとは限りません。何で
も自分で探し、書かれていることが正しいかどうかも自分で考える
のがインターネットでものを調べる方法です。

 調べればわかることを人に聞いていては勉強になりませんよ。

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Q.飲食店を経営しております。私の店で、自家製のパスタ用トマ
トソース、サラダ用ドレッシングを店頭販売したいのですが、どの
ような容器(ビンなど)で、どのような状態(真空、冷凍、レトル
トなど)のものを販売していけばよいでしょうか。また、それに必
要な機材はどういったものをそろえればいいのですか。

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A.こういうことは最初は雲をつかむような話でしょうね。しかし
私が教えられることでもないのです。

 たぶん瓶詰などにすることで販売は可能だと思います。しかしど
れくらいの投資をして、どれくらいの事業として展開するのかで、
話は全く違ってきます。

 世間にはいろんな方法で作った自家製ソースなども販売されてい
ます。まずその辺から研究されてみてはいかがでしょうか。また、
消費者の反応を見るために、ソースの持ち帰りなどを企画して、試
して見るのもよいと思います。

 それから、衛生面の心配は保健所で相談すると、いろいろと教え
てくれると思います。そのあたりも調べる必要がありますね。

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Q.国産小麦粉のはるゆたかブレンドですが、捏ねている時点での
弾力が違います。仕上がりもとっても美味しいですよ。外国産の粉
はそんなに上質なんでしょうか。

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A.国産小麦の中では、ハルユタカはかろうじてパンに使えるレベ
ルの強力粉になります。しかし、ハルユタカと輸入強力小麦との製
パン性の違いは数値として明らかです。

 ご指摘のように、かなりよいという判断になるようでしたら(個
人の判断にもよりますが)、グルテンを強化している可能性があり
ますね。

 ハルユタカのブレンドということですから、

ハルユタカ+国産小麦粉+グルテン添加

または

ハルユタカ+輸入小麦粉

のいずれかです。

 製パン性の違いはグルテンの量と質の問題ですので、グルテンを
添加してやれば、非常に立派なものになります。もとのグルテンは
ハルユタカの等外品からとる方法と、輸入小麦からとるものとがあ
ります。

 ただし、個人の判断としてハルユタカで十分な製パン性があると
判断することは可能ですので、単にそういうことかもしれません。

 この場合は普通の強力粉と比べてみればわかりますね。市販の強
力粉と遜色ないようでしたら、まず間違いなくグルテンを添加して
います。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「国産小麦粉」
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 上のQ&Aに質問された方から、こんな返信をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 早速、ご丁寧にお返事頂きありがとうございました。

 グルテンを強化しているのかもしれませんが、HP等で見る限り、
パン作りを楽しんでいる人々にとっても、はるゆたかの良さは、共
通認識のようですが。

 日清のカメリアとは(これも国産小麦でしょうか?)比較になら
ない程、良いものと認識してます。これは使って実感したものです。
また、食べた周りもなぜ違うという程です。遜色ないのではなくて、
よりよいのです。

 はるゆたかブレンドはじめ、国産小麦は1kgで買うと確かに高い
ですが、5kg買いをすれば、さほど金額的にもかわらないと思いま
す。

 高くても価値ありと思い、購入してましたので、渡辺様の指摘が
とても驚き、お尋ねさせて頂きました。

 先日たまたま、国産小麦が手に入らず、昭和のカナダ産100%の小
麦を買ったので、それとの違いを確かめてみたいと思います。実際
触って捏ねるのが、一番違いがわかります。

 「数値」・・ですが、食品ですので、数値で測れないものもあり
はしませんか?素人が生意気申しますが・・・、本当に美味しいの
で、是非一度、渡辺様も食されていただけたらと存じます。

 お忙しい中、ありがとうございました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 好みの問題は私が言うことではないので、それで結構なんですが、
一応、補足しておきます。

 国産小麦粉でパンを焼く、という本がヒットしたのはもう今から
15年ほど前になると思います。そのころ、生協などでもパン用の
小麦粉を国産で手配しようと、いろいろと試していました。

 小麦粉には「薄力粉」「強力粉」があります。これは主に含まれ
るたんぱく質の量の差なんですが、元々の小麦の品種が違うのだ、
と理解しておくことができます。

 市販で特に断らずに「強力粉」として売っているものは、ほとん
どカナダ、アメリカからの輸入小麦からつくられています。国産小
麦では「強力粉」に相当する小麦は存在しないのです。その中で、
北海道のハルユタカという品種はかなり強力粉に近い小麦粉をつく
ることができるということで注目されました。

 実際、試してみると輸入小麦と同等とはいきまんが、何とかパン
が焼けるレベルでしたので、ハルユタカ単品で「国産強力粉」とし
て販売するようになりました。商品としてはいろんな製粉業者から
販売されていました。

 過去形で書いたのは、そのうちハルユタカが不足してきたのです。
ハルユタカはもともと春撒き小麦で、収量が少なく、等外品が多い
など、いろいろと難しい品種なのです。それで徐々に作付け面積が
減少し、パン用として人気が出るとともに、どこの製粉業者も必要
量が確保できなくなってしまいました。今から十年くらい前の話で
す。

 需要はありますので、何とか代替品を考えなければなりません。
そこでとられた方法はハルユタカと他の国産小麦とのブレンドで出
荷する、というものです。他の小麦はみんなパン用としては落第も
のですので、これではパン用としては苦しいのです。そこでグルテ
ンを添加してパン用とすることにしました。

 それまでも一般のパン屋で「国産小麦使用」というものは、グル
テンを添加しているものが多かったのです。前述のように、強力粉
かどうかはたんぱく質(グルテン)の量によりますので、グルテン
を添加してやれば、どんな小麦粉でも、立派なパン用小麦粉になり
ます。また、グルテンの質も問題になります。そこで、こういう場
合は輸入品のグルテンを使っていたのです。

 私たちは国産小麦使用といいながら、輸入グルテンを添加してい
るのはインチキではないか、と批判していました。その私たちもグ
ルテンを添加せざるを得なくなったのですが、このときはハルユタ
カの等外品からとったグルテンを添加し、グルテンも国産小麦から
のものだから、許容範囲内だとしたのです。

 そのグルテン添加の小麦粉を扱ったところ、使用した人からの反
応は今までよりずっとよい、というものでした。はじめからそうな
ることはわかっていたのですが、ちょっと脱力感があったのは覚え
ています。

 以上のような経過で、今でもパン用国産小麦粉といえば「ハルユ
タカブレンド」で、グルテンを添加したものになっていると思いま
す。評判がよいのは結構なことですが、だからといって、国産でパ
ン用のよい小麦がとれるようになったわけではありません。グルテ
ン添加はやむを得ない処置とはいえ、やはり邪道には違いありませ
んから、はっきりとそのことは伝えておいた方がよいと思います。

 その上で、ハルユタカブレンド小麦粉をお使いいただくのは、私
としても反対するものではありません。国産小麦をぜひ応援してや
ってほしいと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「月刊食生活」への連載が今年の4月号からはじまっています。
今日は9月号の原稿を書きましたので、やっと半年分を書き上げた
ことになります。今までに書いたネタは「無添加ハム」「卵」「牛
乳」「中国産野菜」「産直野菜」「牛肉」(8月号・未刊)「鮮魚」
(9月号)ときています。これ、まとめて本にならないかなあ、な
どと妄想していまして、サイトでの公開については思案中です。

 こういう記事を書いていると、食べ物の生産現場を訪ねて、あち
こち走り回ったことがなつかしく思い出されます。あまりよいやめ
方ではなかったので、しばらくは思い出してもつらかったのですが、
ようやく楽しく思い出せるようになってきたのでしょう。それとも
単に歳をとったということなのでしょうか。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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