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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------24号--2000.04.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

    「ダイオキシンと放射能」
    Q&A「かまぼこ」
    「蜂蜜」その1

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 昨年の「ニュースステーション」での大騒ぎ以来、「ダイオキシ
ン」の話は少し下火になっているようです。

 あの時、問題となった数値は、実はお茶の葉から検出された、と
いうことでしたが、以前にも、似たようなことがありました。

 チェルノブイリ原発事故の際、日本にも影響があったようで、取
り扱っていたお茶から、生協で決めた基準値以上の放射能が検出さ
れた、ということで、大量のお茶を処分した生協があったのです。

 「放射能」というのは、直接人間に被害を与える、「放射線」と
は違います。この場合は、いずれ崩壊(核分裂)を起こして、その
ときに放射線を放出するであろう、核分裂性の原子をどれだけ含む
かを調べるのです。

 ある放射性の原子は、「半減期」と呼ばれる固有の時間を持って
いて、その時間がたてば、ちょうど半分のものが核分裂していきま
す。

 半減期が1年ならば、2年で4分の1、3年で8分の1、という
具合に減っていきます。どんどん減っては行くのですが、なかなか
ゼロにはなりません。

 ちなみに、半減期が数億年、というものもあります。人間的な時
間では、ほとんど減らない、恐るべき放射能、と思いがちですが、
この場合は実はほとんど核分裂をしないわけで、半減期のあまり長
い核種は、危険なものではありません。危険なのは、半減期の短い、
急激に核分裂していく性質のものです。

 食品に含まれる放射能(放射性原子)くらいでは、手に持っても
別に害はないのですが、食べ物ですので、体内に取り込まれ、体の
どこかに蓄積された場合、ごく近距離で、体内の細胞が放射線をあ
びることになります。

 これを「体内被爆」といって、ガンの原因になるなど、いろいろ
と問題をおこすので、他の物質と違って、食品の放射能は厳しく規
制される必要があるのです。(当然、体内に蓄積されやすい、ヨウ
素などが最も危険な核種です。)

 当時、輸入食品からは、多くの放射能が検出されていました。特
に多かったのは、乳製品、パスタ、香辛料です。

 乳製品は、牛の食べる牧草に放射能を含む雨がかかったせいで、
特に問題でしたが、それ以外は、よく考えると、乾物ばかりでした。

 放射能は「ベクレル」という単位ではかりますが、これは検査対
象の単位重量あたりの、放射性物質を、意味します。同じ量の放射
性原子が存在しても、その半減期の長さによって、数値は変わって
きます。

 「単位重量あたり」いというところがミソで、同じものでも、生
のままと、乾燥させたものでは、数値が違ってきます。

 生椎茸では問題ない数値なのに、干椎茸にすると、ひっかかった
りするのです。こうして、当時は乾物ばかりが問題になっていまし
た。

 乾物と生ののものとでは、1個あたりの重さは違いますが、食べ
る時はおなじ1個の椎茸です。(たぶん、生のもののほうが、個数
としては多く食べるでしょう。)問題なのは、食べた後の体内被爆
なのですから、表面に出てくる数値だけを問題にしても仕方ない、
と当時主張したのですが、なかなか聞いてもらえませんでした。

 件のお茶も、生の葉では問題はなく、また「お茶」にした時点で
も問題のあるものではありませんでした。乾燥させて商品とした、
「お茶の葉」であるときだけ、基準を上回った数値になったのです。

 はじめから、基準を上回ることを知っていて検査して、その廃棄
処分をマスコミに発表する、というパフォーマンスに使ったわけで、
その生協の宣伝工作は、大成功だったようですが、踏みつけにされ
たお茶の生産者は、実に気の毒でした。

 昨年のダイオキシン騒動のときも、検査した人は、お茶の葉(と
いうか、乾燥させたもの)からは、高い濃度で検出されるのを知っ
ていて、わざと検査品目に「お茶の葉」を入れておいたのだと思い
ます。

 野菜の検査、といっておきながら、お茶の葉がリストに入ってい
るのは、どう考えても不自然です。

 検査自体にウソがなくても、このように、数値を利用して、ウソ
をつく、ということはいろいろとできるものだという話でした。

(肝心のダイオキシンの話は、次回ということにします。)

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.質問ですが、私の姉は猫を飼っています。その猫が、かまぼこ
が大好きで、蒲鉾を持っていると追いかけてくるほどです。市販の
蒲鉾を食べるとその猫は、決まって下痢をします。人間は解毒能力
が猫より、数倍もあると思いますが毎回、猫が下痢をするのを見る
と、恐ろしくなります。

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A.かまぼこの原料は魚のすり身です。その他の材料として、

調味料(すり身にするとき、魚の味は大半、逃げてしてまいます。
それで、味をおぎなうのです。市販品では、化学調味料が普通に使
用されています。)

塩(かまぼこの弾力を出すには、塩分が必要です。)

砂糖、ソルビトール(これらは、味以外にも、かまぼこを作る際に
有効な働きをするようです。)

でんぷん(柔らかめのかまぼこはでんぷんで増量しています。)

などはどんな蒲鉾にも使われています。添加物としては、

着色料(赤い色のものには使用しています。)
キシロース(糖の一種で、焼き色を付けるためのものです。)
保存料(ソルビン酸が主に使われます。)

といったところです。

このうち、猫に下痢をおこしそうなものは、

ソルビトール
(糖アルコールの一種で、おなかをゆるくする働きがあるようです。)

です。細菌が繁殖しても、下痢になりますが、そんな時は、こちら
が気がつきますよね。

ソルビトールは粘りけのある物質で、上品な甘さがあり、練り製品
とか、佃煮とかには、特によく使われています。毒性については心
配ありませんが、おなかをゆるくするのは事実と思います。(便秘
にはよかったりして)

原料のすり身は、普通、冷凍のタラすり身ですが、この冷凍すり身
にすでにソルビトールが含まれていることが多いのです。
(製造上の必要によります。)

生魚から、直接すり身を作ると、とても美味しい蒲鉾ができますが、
高価なものになります。下痢をする、しないは、このへんの違いに
よるのではないかと私は思います。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「蜂蜜」その1
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【蜂蜜の成分】

 蜂蜜は天然の甘味料として、よく使用されますが、蜜蜂が集めて
くる花の種類によって、いろいろなものがあります。

 レンゲ蜂蜜が代表的ですが、アカシアやヒマワリなども多いよう
です。国内では、果樹の受粉用に蜂蜜を果樹園にはなすことが多い
ので、私の住んでいる場所の近所では、よく「みかん蜂蜜」が売っ
ていたりします。

 元の花の種類によって、微妙に味が違うそうですが、誰でもすぐ
にわかるほど違うのかどうか、よくわかりません。

 花の蜜が、蜜蜂の体内に入って、結果として甘い蜜ができるので
すが、蜂蜜の主成分は、「果糖」です。

 砂糖が「ブドウ糖」と「果糖」とが分子ずつ結合した「蔗糖」と
いう糖(二糖類)からできていることは以前に書きましたが、蜂蜜
はこのうちの果糖が主成分になっています。

 もちろん、その他の栄養分もありますので、蜂蜜は栄養的にみて
高く評価されています。また、非常に保存性が良いことでも、知ら
れています。

 果糖は温度が低い方が甘く感じる、という性質があります。砂糖
は逆に温度と甘さが比例しますので、熱い飲み物には砂糖を、冷た
い飲み物には蜂蜜を使うのが合理的です。

 熱い飲み物に蜂蜜を入れると、全然甘く感じませんので、注意が
必要です。「蜂蜜なら太らない」などという人もいますが、そんな
ことはありません。カロリーは砂糖も蜂蜜も同じようなものですの
で、使いすぎにはご注意下さい。

【蜂蜜の結晶】

 純粋の蜂蜜は、温度が低くなると、結晶しやすくなります。この
結晶は、蜂蜜中にある、花粉などの不純物をタネに成長しますので、
不純物の多い蜂蜜は結晶しやすくなります。

 シロップなどの混ぜ物をした蜂蜜は結晶しないのですが、純粋の
蜂蜜でも、不純物の濾過をちゃんとしているものは、なかなか結晶
しません。従って、結晶するかどうかで、純粋の蜂蜜かどうかを見
分けるのは、このごろでは難しくなりました。

 ドラム缶で輸入されてきた蜂蜜をビンなどに詰めると、どうして
も最後の方で詰めたビンは結晶しやすくなりますが、これは不純物
が底の方にたまっているためです。結晶しやすい蜂蜜は、品質とし
ては、余り良くないものだと思ってください。

 この結晶は、だんだんと育ってきて、しまいには、全体が固まっ
てしまいます。でも、湯せんなどして、温めてやると、とりあえず
は元に戻ります。(不純物を取り除くわけにはいかないので、いず
れまた固まりますが。)

【ボツリヌス菌】

 最近の蜂蜜には「一歳未満の乳児に与えないで下さい。」という
表示がしてあります。これは蜂蜜中に、「ボツリヌス菌」の胞子が
含まれていることがあるためです。

 蜂蜜は糖分の固まりで、水分活性が充分低いので、最近が繁殖す
るということはありません。ボツリヌス菌は非常に強力な毒素を作
る、恐ろしい食中毒菌ですが、蜂蜜の中で繁殖して毒素を作る心配
はありません。

 また、蜂蜜中の胞子が体内に入っても、体内でボツリヌス菌が繁
殖する、という危険性も、普通はありません。

 一歳未満の乳児は、まだ胃酸の分泌などが充分でありませんので、
まれにこのボツリヌス菌が体内で繁殖することがあります。この危
険性は、無視できないほど可能性としてはありますので、赤ちゃん
には「絶対に」蜂蜜は与えないで下さい。ボツリヌス菌の胞子は、
耐熱性が高く、家庭では、どのようにしても、殺菌できないと考え
られますので、たとえ生のままでなくても、与えてはいけません。

【抗生物質】

 このごろは、何でも国産品をありがたがる風潮がありますが、蜂
蜜については国産品は避けたほうが良い、という話をします。

 東京のさる生協で、「国産蜂蜜」として販売していた商品に、実
は輸入の蜂蜜が使用されていた、という事件がありました。

 初めは単なる製造業者の約束違反かと思いましたが、調べてみる
と意外な事実がわかったのです。

 実は、国産蜂蜜からは、高い濃度の抗生物質が検出されるため、
検出限界以下まで、薄めるために、輸入の蜂蜜を混ぜていた、とい
うのです。

 蜂蜜からは、抗生物質が検出されてはいけないことになっていま
すので、輸入の際の検査では、抗生物質が検出されないことが求め
られます。

 実際、輸入品がこの抗生物質検査にひっかかる、ということは聞
いたことはありません。

 ところが、国産品の場合、このような検査の機会がないため、検
出されてはいけないことにはなっていますが、実際は野放し状態で
す。

 また、国内では、名前は忘れたのですが、蜂蜜の疫病が発生する
ことがあるので、ほとんどの養蜂業者で、抗生物質が使用されてい
るようです。

 実際、その事件の際、その生協が行った調査でも、国産の蜂蜜か
らは、ほとんど抗生物質が検出されたそうです。

 抗生物質を検査すれば、国産かどうかわかる、というのは冗談で
すが、とにかく、国産の蜂蜜は避けた方が賢明だと思います。

 最初に書きましたが、花の種類によって蜂蜜の味は変わりますが、
いずれにせよ、蜂蜜には違いありません。国産の蜂蜜が輸入のもの
より、優れているという根拠は、別に何もありませんので、蜂蜜に
関しては、輸入品をおすすめします。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回の「お茶の葉」の話と、「蜂蜜」の話は、実は同じ生協グル
ープの話です。

 送られてくる機関誌などを読んでいると、いろいろな事件の記事
があるものです。そのなかでも、特に印象に残っているものを、記
憶によって書きました。

 書き方でわかると思いますが、いろいろとパフォーマンス好きの
このような組織は、私は嫌いです。生協と名乗りながら、その実、
組織の拡大と商売を自己目的にしているところも、困りものですが、
何か偉そうにしている組織も、違っているんじゃないか、と私は思
います。

 高収入、高学歴の東京の主婦層には結構人気があるようですが。

 このメールマガジンの話は、すべて私の経験談なのですが、何し
ろノートや日記をつける習慣がないので、全部記憶モードで書いて
います。事実関係に関しては間違っていないと思いますが、数字が
なかなか出てこないのは、実はそのせいです。

 「かまぽこ」の件は、メールをいただいて苦し紛れに書きました。
内容には全然自信がありません。ご批判、ご意見をお願いします。

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