安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>229号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------229号--2004.03.28------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「トウモロコシ・リンゴジュース・卵豆腐・
着色料・牛乳(Q&A)」「保存料不使用」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 放射線ついての補足のお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「飛行機で上空を飛ぶと宇宙線による放射線被曝が多くなるという
話もあります。」ということですが、一般乗客レベルでしたら問題
ないと思われます。この件で指摘されているのは、かなりの時間飛
行機に乗っている乗務員についてと記憶しております。

 人が自然界から受ける放射能源は、渡辺さんのご指摘のあったカ
リウムや宇宙からくる宇宙線、岩石などです。常に微弱ではありま
すが、放射線を浴び続けているのに人類が皆ガンなどにならないの
は、人体に放射線のダメージを受けても自然界レベルの量であれば
修復する機能が備わっているからです。ですから、多頻度に及ばな
いレントゲンや飛行機に乗ったレベルでは、ご心配ないです。

 ただし、コバルト60の照射実験は別です。法律でも厳しく規制さ
れています。知識のない一般の人が扱うと恐ろしい事態を招きます
のでご注意下さい。

 補足ですが、人体の大部分を占める炭素にも一部は微弱な放射性
物質が含まれています。これは、歴史遺産などの年代鑑定に利用さ
れています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ご指摘の炭素の放射性物質というのは炭素14という放射性同位
元素のことですね。

 炭素14は半減期5730年ということですから、カリウム40より
はるかに早く崩壊します。ということは放射能も強いということに
なります。幸い、ごく微量しか存在しないので、放射能という面か
らは影響は少ないようです。

 考古学の遺物の年代を測定する技術に使われているのが有名です。
世界中の遺物はこの方法で年代を測定していますが、何故か日本だ
けが採用していませんでした。今まで定説とされていた年代と矛盾
する結果が出るからです。

 これはもちろん、いままでの定説が間違っているわけで、ようや
く炭素14測定法による実年代が認められようとしています。もう
すぐ教科書の縄文時代〜弥生時代の記述が書き換えられることにな
りそうですが、きっとびっくりすると思いますよ。

 この話は以下のサイトが参考になります。

放射性炭素(炭素14)で年代を測る
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/dm2k-umdb/publish_db/books/dm2000/japanese/02/02-12.html
国立歴史民俗博物館研究報告会「弥生時代の実年代」
http://www.rekihaku.ac.jp/kenkyuu/katudoh/kenkyuhokoku/031221/

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.中国からトウモロコシエキスの輸入を手がけようとしているの
ですが、遺伝子組み換えトウモロコシの研究が、中国では米国並み
に進んでいると言われ、色々ネットで見ていくうちに、ここでも日
本国の情報操作を見るような気がしてお尋ねします。本当のところ
は在来種の品種改良と、遺伝子組み換えの品種では危険性に違いが
有りますか?

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A.遺伝子組換え技術の安全性についてはよくわからない部分があ
ります。そこで、普通の新品種では行わない厳密な安全性の審査を
して、合格したものを栽培するようになっています。

 だから現在認可されている遺伝子組換え作物は安全だといえるの
ですが、すべての遺伝子組換え作物が安全だという意味ではないと
思います。

 安全性の確認という難しい作業がありますので、技術そのものは
どこでも研究していますが、実際に開発に成功しているのは一部の
大企業のものしかないはずです。

 中国での研究がどうなっているかはわかりませんが、独自に開発
した遺伝子組換え作物をつくっているわけではなく、あるとすれば
アメリカの品種を導入しているのだと思います。

 何しろ中国のことですから、その辺はわからないことが多いです。
もし中国独自の開発だ、ということになったら、たぶん輸入できな
いはずです。アメリカ産の遺伝子組換え作物は日本でも安全性の承
認を受けていますが、中国産でそのようなものはなかったはずです
ので。

 承認を受けているものならば大丈夫と思いますが、よく調べてみ
たほうがいいでしょうね。

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Q.リンゴの濃縮還元ジュースがありますが、透きとおった茶色の
ものとリンゴの色そのままのものとありますが、どういう違いがあ
るのでしょうか?

 またストレート果汁と濃縮還元とでは成分的な違いはありますか?
ストレートでは多少酵素などは残っているのでしょうか。

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A.リンゴジュースに2種類あるのは、以下のようなことです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

・リンゴジュースはスーパーやコンビニなんかでよく見かけると思
います。ところで、このジュースには2種類あるのはご存じでしょ
うか?


1.混濁果汁(クラウディタイプ)・・・酸化防止剤としてビタミ
  ンCを搾汁行程で加え、混濁物質があっても汚い色にならない
  ようにしたもの国内産が多い。

2.透明果汁(クリアタイプ)・・・搾汁した果汁にペクチン分解
  酵素を加えて、混濁物質を分解・除去したもの。海外産が多い。

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~totsuken/apple%20.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本では混濁タイプが好まれるようですね。

 濃縮果汁では成分のうち、揮発性のものは失われます。香りの成
分などが揮発してしまいますので、これは集めて香料として使いま
す。

 濃縮還元のものでは、香料を添加しているものが多いです。

 ストレート果汁は搾った後すぐにビン詰めするか、冷凍保存して
おきます。ジュースは非常に発酵しやすいので、保存はなかなか大
変なんです。

 酵素というのはよくわかりませんが、加熱殺菌しますので、酵素
としての効力はなくなっているはずです。

 果物に含まれる酵素は変色させたりしますので、ない方がよい成
分です。ただし、酵素もたんぱく質ですので、効力がなくなってい
ても、飲んだときは栄養素としては有効です。でも、ジュースにた
んぱく質を期待しているわけではありませんから、どうでもよいこ
となのでは?と思います。

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Q.卵豆腐と茶碗蒸との違いはだし汁の割合だけなのでしょうか?
食品に規格基準などがあるのでしょうか?

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A.具が入っているかどうかが一番大きい違いなのでは?

 卵豆腐は卵とだし汁が1:1、茶碗蒸しは1:3くらいだそうで
すが、それ以外に具の問題があります。最近は具入りの卵豆腐なん
かも売っていますね。

 加工食品については、普通規格基準とかはありません。基本的に
自由に考えて作り、市場で支持されたものが生き残っていくわけで
す。

 ただ、メジャーな品目になると、JASで基準を作ったり、公正
取引規約などを設定することがあります。

JAS規格は81品目292規格
http://www.jasnet.or.jp/rule/kikakuitiran.htm

公正取引協議会は食品で35団体
http://www.jfftc.org/kyougikai/kyogikai/itiran.html

製品の規格ではありませんが、品質表示に基準のあるものもありま
す。
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/new_jas/hourei/hinnpyou.htm

これらの食品以外は、自由競争ですし、基準を満たしていれば、あ
とは自由ということでもあります。あえて基準からはずれて、新し
い価値を主張することもありますので、作るのは自由と考えてよい
でしょう。

 これらの基準は、中身が違うのに、あるよく知られた食品だと、
わざと誤認させるようなものを排除するのが目的です。

 自分から違うものだ、と主張していれば問題ないわけです。

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Q.現在妊娠5週(2ヶ月)の主婦です。着色料についてお伺いし
たいのですが。つい3、4日前実家に行ったとき、父に勧められよ
く和菓子屋で売っているいわゆる「三色だんご」を食べました。三
色のうちピンクを一つだけ食べてしまったのですが、原材料名を見
たところ、「赤色3号」とありました。心配になっていろいろ調べ
たら「発ガン性、変異原性、遺伝毒性」などといろんなサイトで見
て大変心配です。胎児に影響はないでしょうか。何しろ4週から7
週までが絶対過敏期ということでいてもたってもいられません。

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A.これは大丈夫ですから、ご安心ください。だんご一つで何かあ
るようでしたら、猛毒の類ですよ。

 食品添加物は国が一定の使用基準を設けて許可しています。ある
化学物質が「絶対に」安全であることを証明することはできません
し、実際「絶対に」安全な物質などは存在しません。これはどんな
ものでも、量が多すぎれば毒になるということでもあります。

 そこで、これくらいの使用量なら、「毎日食べつづけても」安全
だという量を基準に使用基準を定めています。

 だから、その団子を毎日食べつづけても問題ないとみているわけ
です。

 もちろん、科学的な情報は日々新しくなっていきます。今後、こ
の量では毎日食べつづけては心配だというデータが出て、基準が変
更になったり、食品添加物の許可を取り消されたりすることがあっ
ても、だんご一つで問題があるということにはなりません。

 食品添加物についていろいろ悪くいうサイトが多いのですが、ほ
とんどのところは信用するに足りません。

 一部の人がとなえた説やまったくのデマが増殖しているだけです。

 着色料がよいものだという気はありませんが、少なくともだんご
一つでなにか問題があるということはあり得ません。

 妊娠中は気にするのが一番よくないですからね。

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Q.アメリカ在住です。娘が牛乳が大好きでよく飲むのですが、ア
メリカのミルクにはホルモンがかなり入っているということを聞き
ました。本当でしょうか??

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A.乳牛にホルモン剤を使用することはあるようです。

 米農務省(USDA)は、米国の酪農家の約17%がrBSTを使用し、投与
されている乳牛は全体の32%にあたると発表した。

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030918205.html

 上記サイトによると、乳量を増やす効果と一定の副作用があると
いうことです。この副作用はもちろん牛に対してのもので、人間へ
の被害の報告はないようです。

 FDAでも許可しているので、人体への被害を心配することはな
いと思います。

 農業側からよると、乳量を増やすために薬剤を使用するというの
は、自殺行為に等しいと思います。農業にとって一番の問題は作り
すぎなのですから、「豊作貧乏」を自ら招いてどうするんだ、とい
う感じですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「保存料不使用」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 セブン・イレブンのHPに、こんなのが載っていました。

「平成13年8月、セブンイレブンはお客さまの食へのこだわりや健
康志向の高まりにお応えするため、コンビニエンスストア・チェー
ンでは初めてお弁当、おにぎり、お惣菜、麺類などのオリジナル商
品において「保存料・合成着色料」を使用しない商品を販売開始し
ました。このためには、製造法などの見直しだけでなく、従来以上
に徹底した温度管理、鮮度管理が必要とされます。そのため以前か
ら進めていた衛生管理手法をさらに推進し、全国の専用工場ごとに
管理体制を強化。また、お客さまに安心して召し上がっていただけ
るよう、物流および店舗においても商品の温度帯別品質管理を厳格
に実施。ここまでできたからこそ、 商品開発が実現できたのです。」

 これに対して、僕は、腐るのが自然の摂理。例えば「25度で4
8時間もつ」ようにするためには、何か入れないと、うそだろ、と
思ったのですが、業界に詳しい友人は、「例えば、無菌パックの
「サトウのご飯」や、常温で一ヶ月以上もカビが生えない「ヤマサ
キダブルソフト」は、いずれも保存料なし。単なる食品衛生管理だ
けで菌の増殖を抑えている。セブンイレブンのおにぎり工場も、す
ごい衛生管理の結果、48時間もつおにぎりができる」といいます。

 ホントに添加物なしで、そんな魔法のようなことができるのでし
ょうか。セブンの真実は、どうなんでしょうか?よろしかったら、
教えてください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私からの返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「保存料・合成着色料を使用しない」ということに関しては本当だ
と思います。

 その食品を使う工場で使用していないだけなのか、いわゆるキャ
リーオーバー、原料のすべてに使用していないかどうかまで徹底し
ているのかはわかりません。

 着色料に関しては使わなければすむだけの話ですが、原料のすべ
てにわたって、着色料を使っていないものを手配するのは結構面倒
でしょうね。

 保存料に関しては原料に使ったものがあっても、全体としては効
果は期待できません。やっぱり衛生管理の徹底が一番だと思います。

 ただし、酸味料やpH調整剤など、保存料そのものではなくても、
保存性をよくする効果のある添加物というのはあります。

 これらを使っている可能性は大いにあります。その場合でも、
「保存料・合成着色料を使用しない」ということには違いないで
す。

 ご飯に関しては真空包装ですし、パンは高温で焼いて製品にしま
す。こうしたものは比較的保存しやすいですが、お弁当については
いろいろと工夫されていると思いますよ。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 保存料でない保存効果のあるものとしては、グリシンがあります。
これは「調味料、強化剤」として食品添加物に指定されていますが、
なかなか複雑な効果があるようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 グリシンは,最も簡単な構造の非必須アミノ酸で,動物性タンパ
ク質中に比較的多く含まれています。通常,エビやカニの風味をつ
けるための調味料として用いられますが,栄養強化剤としても利用
されています。また,抗菌作用,緩衝作用,酸化防止作用などを有
することから広く食品に用いられています。

http://www1.odn.ne.jp/~cak40870/kakou-t-choumi-gurisin.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 緩衝作用というのは、pHの変化を小さくする作用です。食べ物が
腐敗するまで、一種類の細菌しか繁殖しないということはなく、細
菌の繁殖によってpHが変化し、細菌の種類もそれにつれて移り変わ
っていくのだそうです。こうして腐敗のステージが進行していくわ
けです。

 緩衝作用のある物質があると、pHの変化が少なく、次の段階への
移行を遅らせることかできるといいます。

 また、pH調整剤というのは普通は有機酸で、あらかじめpHを下げ
ておくのに使います。肉が比較的腐敗しにくいのは、成分の分解過
程で乳酸などができ、かなり低いpH(強い酸性)になっているから
です。有機酸はそれ自体抗菌効果がありますので、微妙に酸っぱく
感じられる程度に入れることがあります。

 もちろん、製造段階の衛生管理、流通段階での温度管理の徹底が
必須です。便利さを追求するコンビニでも保存料を使わないという
のは進歩だと思いますが、大変な手間ではあるでしょうね。

 上記の添加物の問題はありますが、今のところこんなところまで
文句を言っても仕方ないです。食品業界全体がこういう方向に進ん
で行けばよいと思います。でも、そうなると小さなメーカーは淘汰
される運命になってしまうでしょうから、その辺が難しいところで
す。

 がんばってこの流れの先頭にたつくらいの努力がいるのだと思い
ます。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 このメールマガジンが届くころはまだ中国にいます。火曜日の時
点で予約発行していますので、それ以降のニュースには対応してい
ません。あらかじめご了承ください。

 一応、ノートパソコンは持っていきますし、中国では結構よいホ
テルに泊まるので、インターネットへの接続もできるのですが、宴
会で飲んだりしますので、たぶんメールの返信は遅れていると思い
ます。これもご了承お願いします。

 中国語初心者のくせに夫婦で中国旅行するのですから、ちょっと
緊張です。仕事で行くのとは違い、今度は全部自前の行動です。奥
さんもついてきますし…。無事帰ってきたかどうかは来週のお楽し
みです。

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-229号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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