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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------214号--2003.12.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「カドミウム」「アミノ酸・もやし・プロピレングリコール
・肉・BSE(Q&A)」「BSE」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品の国際規格を決める国際機関「コーデックス委員会」がコメ
に含まれるカドミウムの残留基準を「0.2ppm(1キロ当たり
0.2ミリグラム)以下」とする案を示している問題で、厚生労働
省は同委員会に「0.4ppm以下」に緩和するよう求める修正案
を提出する方針を固めた。同省は「修正案でも国民の健康は十分保
護され、必要以上の厳格な基準は過剰規制になる」との考えで、9
日に開く薬事・食品衛生審議会食品規格部会の審議を経て、正式決
定する。

 カドミウムは体内に蓄積されると、健康被害を起こすと指摘され
ており、国内では食品衛生法に基づくコメの残留基準を1.0pp
m未満と設定している。しかし、農水省は0.4ppm以上のコメ
を「準汚染米」として農家から買い上げており、流通は事実上規制
されている。コメ以外の基準は設定されていない。

 一方、食品中のカドミウムの国際基準作りを進めているコーデッ
クス委員会は低濃度のカドミウムの影響を重視し、コメの残留基準
を0.2ppm以下とする提案をした。このほか、大豆などの穀類
や野菜、水産物などの基準案も示しており、関係国に今月15日ま
でに意見を出すよう求めている。

 厚労省は同委員会の基準案を適用した場合、日本人が摂取するカ
ドミウム量を試算した上で、コメなど一部の品目については過剰規
制につながると判断。修正案としてコメを0.2ppmから0.4
ppm以下、大豆を0.2ppmから0.5ppm以下に引き下げ
る一方、同委員会が基準を設定していないトマトを0・05ppm
以下とすることなどを求める方針だ。

 コーデックス委員会は今後、各国から寄せられた修正案などをさ
らに検討し、早ければ来年6月にも国際基準を設定する見通し。厚
労省はコメの国内基準を現行の1.0ppmから0.4ppm以下
程度に引き上げるほか、別の食品についても基準を設ける方針で検
討を進めている。コーデックス基準に強制力はないが、同基準と国
内基準が異なった場合は「設定の根拠を十分に検討した上で、必要
であれば国内基準を見直したい」(食品安全部基準審査課)として
いる。【須山勉】

 ◇カドミウムとは 自然界に存在する重金属で、ほとんどの食品
に含まれている。特に火山地域や鉱山に多く存在し、日本人が食事
から取るカドミウムの量は近隣諸国の2〜3倍で、先進国でも最高
レベル。体内に蓄積されると、腎臓などに障害を起こすと指摘され
ている。イタイイタイ病の原因として知られるが、通常の食品や水
に含まれる低濃度のカドミウムを摂取しても、同病を発症すること
はない。

■カドミウム基準値のコーデックス案と厚労省の修正案
※主な品目のみ。単位はppm。
( )内は日本で適用した場合の違反率

品目     コーデックス案    厚労省案

コ  メ   0.2(3.3%)  0.4(0.3%)
大  豆   0.2(16.7%) 0.5(0.6%)
サトイモ   0.1(11.0%) 0.3(0.5%)
ニンニク  0.05(29.5%) 0.2(0%)
オクラ   0.05(25.0%) 0.2(0.7%)
トマト    設定せず       0.05(0%)
[毎日新聞12月7日] ( 2003-12-07-03:00 )

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/892632/83J83h837e83E8380-0-1.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031207-00000112-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 現行の1ppmだとほとんどひっかからないが、0.4ppmで
0.3%、0.2ppmだと3.3%がひっかかってしまうという
のが日本の米に含まれるカドミウムの量であるわけです。

 コーデックス案だと、2〜30万トンの米が食べられなくなると
いうのですから、大変です。厚労省案でも2〜3万トン、決して少
ない量ではありません。現状でもこれだけの米は処分されているわ
けです。

 日本の農地が本質的に持っている条件なので、なかなか対処が難
しいです。単純に「安全を守れ」というだけでは、日本の農業を見
捨てることになってしまいます。

 ここでは「食の安全」と「日本の農業を守る」ということが完全
に対立してしまっています。消費者運動の側では、この二つを同時
に掲げているところが多いので、どのように対応するのか、私は注
目しています。

 あえて現行基準からの引下げ反対!と主張するところがあれば、
大いに評価したいです。また、「日本の農業を守る」という主張を
捨ててコーデックス案に賛成、というのも論理的には正しいでしょ
うね。

 そこで、私の予想では、この件に関しては知らないふりをすると
ころが大部分だろう、というところです。難しそうな話題は避けて
おいて、おいしいところだけをとるのが習性になっていますから。

 私の意見としては、この難しい問題に最善の回答を出そうと努力
している厚労省案に一票を投じたいと思います。

 それから、いつも悪口を言っている毎日新聞の記事ですが、この
記事はなかなかしっかりしていて、とてもよかってです。思わず全
文引用してしまいました。(^^ゞ

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.タレやだしに添加されているアミノ酸は、化学調味料とイコー
ルであると以前聞いて、味覚を守るためにも、出来るだけ使わない
ように気をつけていたのですが、アミノ酸飲料が最近大人気ですよ
ね。

 あれは、調味料のアミノ酸と同じ成分のものを大量にとることに
つながるのですか?それとも、体内での働きが異なる別の種のアミ
ノ酸なんでしょうか?

 また、アミノ酸の抽出方法の安全性は、いかがなものなのでしょ
うか?

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A.アミノ酸はたんぱく質を構成するもので、20種類くらいあり
ます。それぞれに味があるのですが、調味料として使われるのは圧
倒的にグルタミン酸です。

 「調味料(アミノ酸)」という表示があったら、グルタミン酸ソ
ーダを使っていると思ってまず間違いないですが、他のアミノ酸を
使っても同じ表示になります。

 化学調味料=グルタミン酸ソーダというわけではありませんが、
まあご質問のような理解(タレやだしに添加されているアミノ酸は、
化学調味料とイコールである)も間違っているというわけではない
です。

 いまはやりのアミノ酸はそれとはだいぶ違う成分です。詳しいこ
とは個別の製品にあたってもらうしかないですが、たんぱく質を構
成する各種アミノ酸が使われていると思ってよいでしょう。

 CMで「バリン、ロイシン,イソロイシン」という掛け声をかけ
ているのがありましたが、あれがアミノ酸の名前です。

 参考までにアミノ酸の名前をあげておきます。

※バリン、※ロイシン、※イソロイシン、アラニン、アルギニン、
グルタミン、※リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、
システイン、※スレオニン、※メチオニン、※ヒスチジン、
※フェニルアラニン、チロシン、※トリプトファン、アスパラギン、
グリシン、セリン(※印がついているのは、「必須アミノ酸」です。)

 その他のアミノ酸は必須アミノ酸から体内でつくることができま
すので、必ず摂取しなければならないのは必須アミノ酸だけです。
しかし、現実にはこれらすべてのアミノ酸が食事から摂取されてい
ます。

 アミノ酸は簡単な化合物なので、いろんな方法で作ることができ
ます。最も生産量の多いグルタミン酸は糖分から微生物によって生
産されています。

 合成しにくいものはたんぱく質を分解してつくっていることもあ
ります。

 生物にとっては必須というか、生物はアミノ酸でできているとい
ってよいくらいですから、安全性についての問題はありません。

 合成方法の安全性についてはよくわかりませんが、問題があると
いうことは聞かないですね。

 「アミノ酸ダイエット」は流行していますが、この手の流行は毎
度のことですので、この先どうなっていくかはわからないです。

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Q.友人に、周富徳はもやしを洗わずに調理に使う、と聞きました
私はもやしは雑菌が多い、と前に聞いた事があったのでていねいに
洗って使用していました

 自分が気持が悪くなければいい、という事なら、私は洗わずに使
いたいと思っています。

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A.料理人の人は意外と野菜類は洗わないようですね。別に洗って
もよいでしょうが、あくまで気のものだと思います。

 もやしは漂白されていることが多いですが、食べるときまで漂白
剤(次亜塩素酸ソーダ)が残っているわけでもないと思います。

 雑菌はあるでしょうが、それくらいは野菜類みんなについていま
す。生で食べても別にどうということはないと思いますよ。

 もやしの豆の部分をていねいにとってから調理する人もいますし、
まあ趣味の問題だと思います。

 私はキャベツの外の葉はとるけれど、中は洗わずにそのまま切っ
て使うので、いつも妻には注意されています。でもあの中の葉は外
気にふれていないので、洗う必要はないんだと主張しているんです
けれどね。

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Q.『プロピレングリコール』について 毒性はない!とあります
が、染色体異常や赤血球の減少、肝臓。腎臓、心臓、脳への障害を
招く事があり、皮膚の細胞の発育を抑制したり、皮膚炎の原因にな
る。とありました。不凍液とかに使われているとか、、、、 これ
は間違いなのですか?

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A.そういうことを云う人もいるようですが、「大量に使用すると」
ということわりがついていませんか?大量に摂取すれば何でも毒に
できてしまいますからね。

 プロピレングリコールのADI(一日許容摂取量)は25mg/kg/日で
す。体重50kgとすると一日1.25グラムです。実際の摂取量はその3
%くらいになるそうです。

 プロピレングリコールはうどんやギョウザの皮によく使われます。
いわゆる品質改良剤ですが、これを使いすぎると何だかプラスチッ
クのようになるとか…。それから、他の食品添加物を溶かす溶剤の
ように使われていますので、知らないうちに使ってしまうことがあ
るのが要注意です。

 毒性の強い添加物ではありませんが、便利に使いすぎるという心
配なところは確かにあります。

 実際に不凍液に使われるのは違う物質なんですが、プロピレング
リコールも不凍液に使えそうな物質だと思います。

 でも、そうだからといって、それが別に問題であるわけではあり
ません。そんな性質の物質だというだけの話です。

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Q.スーパーで買ってきたパックの牛肉や豚肉を冷蔵庫で4日間ぐ
らい保存した場合、肉同士が重なっていない表面の色はピンク色の
きれいな色をしていても肉同士が重なっている部分の色が暗褐色に
変色している場合があります。これは表面に亜硝酸物質とか何らか
の処理がされているのでしょうか?肉同士が重なっている部分の方
が酸化しにくいので変質しにくいという直感と食い違うので不思議
に思うのですが、お教えください。

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A.これは発色不足だと思います。肉はスライスする前はブロック
肉として冷蔵庫に入っています。このとき、肉の内部の色は黒っぽ
い色をしています。

 スライスして空気にふれると、空気中の酸素を取り込んで、鮮や
かな赤〜ピンク色になります。

 ただ、この変化には時間が少しかかります。その前に重ねてしま
うと、この発色ができていないので、重なった部分は黒っぽいまま
になってしまうのです。

 肉が古くなっていない場合はスライス肉をはがして、しばらくお
くと色が出てきます。

 丁寧な職人の仕事では、スライスした肉を一枚ずつトレーに並べ、
完全に発色してからパックします。

 でもこういう丁寧さが肉が高い原因でもあるので、このごろはス
ライスしてそのままパックで受けるような作業も多いようです。

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Q.BSEはもともと羊の病気だったと聞いたことがあるのですが、
ラムチョップなどは大丈夫なのでしょうか?骨もついているし、焼
くとあばら骨から血がしたたりでてくるのですが。

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A.羊のスクレイビーという病気は昔から知られていました。なぜ
かこれは人には移らないようで、今までそういう例はないそうです。

 で、牛に似たような病気が出たときも、わりと楽観的だったので
すね。

 今となっては心配する気持ちもわかります。ただ、ラムというの
は小羊の肉ですので、感染している心配はまずないと思います。

 病気になるのは羊毛をとる羊なんです。

 ただ、この間、弱齢の牛からBSEが確認されています。まった
く未知の要素がまだまだあるようですので、注目していきたいと思
っています。

 ラムチョップというのは日本人にはほとんどなじみがないので、
何ともお答えしかねますが、いつも食べているのでしょうか?

 無理に食べることもないと思いますし、いつも食べているのなら、
それはそれで気にしなくてもよいのではないでしょうか。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「BSE」
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 学生の方から、BSEに関して、つぎのような質問がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私が検証したいのは、BSEに対する報道についてです。実際に、
「狂牛病パニック」と呼ばれるようなことが起こったことは事実で
しょう。

 では、報道のあり方は正しかったのでしょうか、それとも大きな
失敗を起こしたのでしょうか。

 もし、そうならばどの点がまずい報道だったのか、そしてメディ
アがどのくらい被害拡大に加担したのか、という点を検証したいと
思っております。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そこで、こんな返事をしておきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 BSE関連での報道ではマスコミによる煽りもあったでしょうが、
商業でやっているマスコミとしてはあんなものではないかと思って
います。

 牛肉の消費も一時避けられるのは仕方ないことでしょう。

 約半年後には回復しているわけですが、その件に関してはほとん
ど報道されませんでした。

 これは消費回復の足をひっぱることを恐れたというより、危険か
もしれないという報道はしても、その後問題ないことがわかった、
という報道はしないという、マスコミの習性によるものだと思いま
す。

 消費が減っていたとき、政府が買上げなどの処置をし、その後不
正が発覚しています。

 こういう業界への過剰な保護は癒着と呼べるものです。日本では
政府が保護している業界ほど、体質が古く、競争力がありません。

 銀行、農業、そして畜産物流通業です。

 BSEパニックは旧態依然としたこの業界に嵐をまきおこすチャ
ンスだったんですけれど、残念ながら何事もなくすぎてしまいまし
た。

 不正は追求できても、政府と業界の癒着は追求できなかったよう
です。国民がそれを望んでいないとすれば、まあ仕方ないことです
ね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私はヨーロッパの例から、牛の全頭検査は必要ないと書いてきま
したが、ここにきて2件、弱齢の牛から感染例が見つかっています。
いずれも症状は出ていなかったようですから、ヨーロッパではこう
いう牛も市場に出荷され、消費されているのだという推定が成り立
ちます。

 何事もやってみるものなのだなあ、と改めて感じています。全頭
検査という大変な作業をきちんとやりぬいている関係者のみなさん
に敬意を表したいと思います。

 どうもまだまだBSEに関してはよくわからないことが多いよう
です。マスコミでは相変わらず「感染ルートの特定」などと言って
いますが、私はそんな簡単なものではないでしょう、と思っていま
す。

 まだ知られていない、もう少し複雑な発症のメカニズムがあるの
ではないか、というのが私の推理です。

 人間におこる異常プリオンによる病気として、クロイツフェルト
・ヤコブ病(CJD)でも、ほとんどがどうして発症するかわから
ないのです。百万人に一人の発症率という説もありますが、単なる
偶然というわけではなく、何か原因があるはずなのに、まったくわ
かっていないそうです。

 今後、あっと驚くような研究の成果が発表されることがあるかも
しれませんね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 このごろ,マスコミで食べ物に関する煽りネタが減ったような気
がします。

 ネタ切れということもあるのでしょうが、ちょっと慎重になって
いるように思います。案外、ニュースステーションに対する最高裁
の判断が効いているのかも知れません。

 今までやりたい放題だったのが、やっぱりウソ,インチキ報道は
糾弾されると…。「羹に懲りて膾を吹く」ならいいんですが、「喉
元すぎれば熱さ忘れる」ことのないように願いたいです。

 BSEに関しては、発見された、というニュースは流しても、ツ
ッコミどころがなくて困っているようです。まあ、「冷静な報道」
というやつなのでしょうが。

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