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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------210号--2003.11.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「輸入野菜・佃煮・漬物・大豆(Q&A)」
「辛子明太子」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の「環境ホルモン」についてご意見をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも拝見させて頂いております。

 今週の情報を読んで、「環境ホルモン問題は終焉した」という点
について質問致します。

 私は個人的にビスフェノールAの安全性がどう評価されるのかに
非常に関心があり、報道等には注意を払っているつもりです。それ
は、この安全性が確実に証明されない限り、日常生活に直接影響が
あるかもしれないからなのです。

 実は、水道管の修復の工事に配管内部にエポキシ樹脂を吹き付け
るという方法がありそれが実施されようとしているからなのです。

 私は個人的に、毎日使用する「水」の安全が確保されないのでは
ないかと危惧し反対をしてきました。

 そのような経過があるため、環境庁の主催するフォーラムなども
聞きに行ったりして勉強してきたつもりです。

 その中で、とても環境ホルモン問題が終焉したとは思えないので
す。過去の重大な化学物質による健康被害の事件の多くは、国のト
ップにいる研究者たちが幕引きの立場をとってきたという歴史もあ
ります。

 そんなに簡単に「終焉した」と言い切れるのでしょうか?それで
あれば、わたしにとっては非常に嬉しい事ですが、中西先生のHP
を読んだだけでは得心できませんでした。

 環境庁が主催し、毎年開催される国際シンポジュウムは「環境ホ
ルモン問題は終焉した」事を周知させるためのものなのですか?

 どんな考え方をするのが正しいと思われますか?アドバイスをお
願い致します。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「環境ホルモン」の研究は今後も続いていくのでしょうが、何か
人間に健康被害が出る、というようなセンセーショナルな話題とし
てはもう終ったものだと思ってます。

 環境ホルモンは「人間が作った物質が自然環境に思わぬ影響を与
えてしまうことがある」ということに関しての問題でとらえるもの
で、そういう意味では今後もいろんな物質が研究対象になっていく
と思います。

 これだけではインパクトがないので、人間にも被害があるように
報道されたりしましたが、今ではそういう話は下火になってしまっ
ています。

 ホルモンとしての強さから考えて、人間への被害という点での心
配はないと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 河川でのホルモン作用は圧倒的に本物の女性ホルモンなんだそう
です。また、大豆に含まれる女性ホルモン活性物質もいろいろと注
目されています。

 「環境ホルモン」とされてきた物質には女性ホルモン作用はほと
んどありません。ビスフェノールAは弱い作用があるのですが、大
豆と比べてもはるかに弱く、本物の女性ホルモンとは比べ物にはな
りません。

 本物の女性ホルモンというのは実は発ガン性物質なんです。更年
期障害の治療に女性ホルモンを投与する療法があるのですが、女性
ホルモン投与は確実に乳ガンになる人を増やしてしまうので、問題
になっています。

 乳ガンになるリスクを避けるべきなのか、現にある更年期障害の
症状を改善することがよいのか、判断は極めて難しいです。

 結局は患者自身が選択するのがベストでしょうが、今の医療の環
境では実際はそうはならないように思います。こういう難しい問題
に比べたら、やっぱり「環境ホルモン」などはとるに足らない問題
だと、私は思っています。

 「環境問題」という切り口なら、わかるのですが…。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.輸入野菜や果物の安全性についてお尋ねします。生野菜が日本
に来るときに、農薬のような薬剤による、くん蒸処理がされている
のではないかと思うのですが、安全なものなのでしょうか?

 また、乾物についても、同様の処置がされているものなのでしょ
うか?

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A.農産物については、輸入時に検疫ということが行われます。害
虫の卵などがあるようでしたら、燻蒸処理が命じられます。

 穀物や果物では多いのですが、生野菜でも燻蒸処理をすることは
あるようです。燻蒸には青酸ガスを使う場合と、臭化メチルを使う
場合があります。見つかった害虫の種類によって違うのです。

 青酸ガスは浸透しないので、表面についているだけのものに使い、
内部まで入っているときは臭化メチルを使います。

 青酸ガスは名前は怖そうですが、すぐに分解してしまうものなの
で、あまり心配はありません。臭化メチルの方は少し心配がありま
すが、すぐに害があるというほどでもないと思います。

 乾物は加工品なので、燻蒸処理をされることはあまりないと思い
ます。

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Q.私は今授業で佃煮の開発をしています。そこで、保存するのに
レトルトパウチを使いたいと思っていますが学校には専用の機械が
ないので蒸し器で保存をしたいと思っています。専用の機械でなく
てもちゃんと保存のきく物を作りたいので学校でも出来るやり方と
温度、時間を教えてください。

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A.レトルト装置は結構危険なもので、素人に扱えるものではない
でしょうね。蒸し器を使うなら、容器はビンになるのでしょうか。

 「ピン詰め」や「瓶詰め」で検索すると、瓶詰めの作り方がたく
さん出てくると思います。それらを参考にしてください。

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Q.漬物、福神漬けや沢庵などはどのようにして大根(白)から、
さまざまなきれいな色へと変わるのでしょうか。その中でも福神漬
けは、茶色の物と真っ赤な物があります。あれはどうしてちがうん
ですか?もしかしては着色料、発色剤などが(大量か少量)使われ
ているのではないかと思います。そのところ、どうなのでしょうか?

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A.漬物は着色していることが多い食品です。かなり多くの漬物が
着色料を使用しています。パッケージにはその旨、表示されていま
すので、ご確認ください。

 発色剤は普通、肉の色素と結びつくものですから、漬物では使わ
れていないと思います。

 包装されていない漬物では、表示の義務はありませんから、店頭
で量り売りしているものより、パッケージしたものを買う方が無難
だと思います。

 漬物は実は自然に着色するものです。ぬか漬けは黄色っぽく、醤
油漬は茶色から黒く、というように、もともとは自然な着色によっ
て、色がついているものです。その色をきれいに見せる、というこ
とで着色がはじまったのだと思います。

 福神漬けで赤いものは間違いなく着色しています。茶色いものが
着色していない、というわけではありませんから、これは何ともい
えないですね。もちろん、無着色の福神漬けは醤油の色で茶色いで
すが。

 私も漬物の着色料はなくなってほしいと思いますが、メーカーの
側に色をつけないと売れない、という思い込み?があるようです。
実際、販売の現場ではそういうこともあります。この辺は消費者の
選択の問題ですから、なかなか難しいです。

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Q.幼稚園食をしているのですが、大豆の除去のある園児さんがお
られるのですが、調味料の方は大丈夫なのですが、グリンピースは
どうなるのでしょうか??

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A.グリーンピースはエンドウマメじゃなかったですか?

 調味料では醤油や味噌は大豆から作りますね。また油脂も大豆か
らどったものが一番多いです。それらを利用した二次的な調味料ま
で考えれば、ほとんどの調味料が大豆を含むことになります。

 ただ、アレルギーの症状は人によって違い、みんな同じではあり
ません。

 どんなに少量でも症状が出る人もいますし、アトピー性皮膚炎な
どで「大豆が原因」と思い込んでいるだけのケースもあります。

 私は知らん顔をしていれば調味料などは大丈夫なケースがほとん
どだと思いますが、こればかりは実際にどんな症状なのかを確認す
る以外にはないでしょうね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「辛子明太子」
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 ちょっと古いのですが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 辛子めんたいこメーカー大手、やまやコミュニケーションズ(福
岡市)が出荷・販売した「無添加辛子明太子」に発色剤などで使わ
れる食品添加物の亜硝酸ナトリウムが混入していた問題で、福岡市
は6日、食品衛生法違反(表示義務違反など)で、同社の本社第一
工場を7日から2日間の営業停止処分にした、と発表した。

 同市生活衛生課は「なぜ亜硝酸ナトリウムが混入したかは特定で
きていない」としている。

 同課は、9月に東京都と茨城県が行った食品検査で亜硝酸ナトリ
ウムを検出したとの連絡を受け、立ち入り調査。同社が自主回収し、
市が検査した20検体のうち17検体から亜硝酸ナトリウムが確認
され、うち5検体が食品衛生法で定める残存基準(1キロ当たり0
・005グラム)を超えていた。(共同通信)

[10月6日22時28分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031006-00000275-kyodo-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 メーカーのサイトにはおわびのページもあります。
http://www.yamaya.com/yamaya1024.html

 辛子明太子の原料はもちろんタラコです。タラの卵だからタラコ
というのでしょうが、タラは朝鮮語ではメンタイというので、メン
タイコと呼ぶのだそうです。

 博多の名物ですが、実は原料は博多のものではありません。日本
ではタラコは北海道でしか生産されていないと思ってよいのです。

 タラコの親はタラといってもスケソウダラで、普通店頭でみかけ
る魚ではありません。私は昔、旅行中に定置網の漁師からこの魚を
一匹もらったことがあるのですが、宿泊先のおばさんから、この魚
はまずいので普通は食べないのだ、などといわれました。

 しかしスケソウダラは漁業資源としては重要な魚です。かまぼこ
などの練り製品の原料は主にこの魚のすり身なのです。すり身は遠
洋の母船式船団で漁獲後すぐに加工・冷凍されることが多いそうで
す。

 タラコもこうした船で遠洋でとれたものもありますが、主力は産
卵前に北海道近海でとれ、生のまま漁港にあがったスケソウダラか
らとるのものです。

 一月ころからすこしの間、北海道の沿岸はタラコ生産で忙しい時
期を迎えます。タラコの卵が一番熟しているものを「真子」と称し、
この真子を塩漬けしたものがよくみかけるタラコで、塩タラコとい
います。

 この塩漬けのとき、亜硝酸塩を発色剤として使っているのです。
まっ赤なタラコはその上、着色料も使っていることが多いです。

 最近ではまっ赤ではない、自然な色のタラコも増えてきたと思い
ます。でも、まっ赤ではないからといって、亜硝酸塩不使用だとは
限りません。

 辛子明太子は北海道でいったん塩タラコにしたものを、現地でま
たは博多に運んで、調味液に漬けたものです。

 「無添加辛子明太子」から使用基準を上回る亜硝酸塩が出たとい
うのは大問題です。「無添加」ではないものから出ても、やっぱり
違反になるのに、それを「無添加」といって売っていたのですから。

 亜硝酸塩の混入ルートは不明ということですが、今回の事件では
メーカーの製造時に発色剤を使ったというより、原料の段階で発色
剤を使用したタラコを原料にしてしまったという可能性が高いよう
に思います。どこかかから怪しい原料をつかまされた、といったと
ころでしょうか。

 それから、塩タラコや辛子明太子はそのまま生で食べますが、案
外細菌数が多いものです。冷蔵庫で長期間保存したりするのはやめ
ておいた方がよいと思います。

 辛子明太子の作り方を書いているサイトを紹介しておきます。

メーカーのサイト
http://www.santoku-net.co.jp/oishii/sono1.html

家庭での作り方
http://www.ajiwai.com/otoko/make/mentaiko.htm

スケソウダラの紹介

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2001年の国内漁獲量は24万2000トン。前年の30万トンを大きく下
回った。 200海里経済水域が設けられた四半世紀前はいわば獲り放
題でベーリング公海を中心に 100万d内外が漁獲されていたが、以
後は尻すぼみ。日本船の米国水域からの締め出しを受け、現在は日
本水域内での漁獲が大半。かまぼこ原料としては半加工品であるす
り身の輸入に切り替えられる一方、北海道のオホーツク、噴火湾な
どで漁獲される国内産は主にタラコ生産に比重がかかり、かまぼこ
原料としての評価は輸入品より低い。国産原料は主に揚げもの、炙
り焼きなどに利用される。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~kamaboko/making.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週は珍しくいただくメールの数が少なかったです。一度にたく
さんいただくと応対が大変なんですが、一日に一つも来ないとやっ
ぱりさびしいですね。

 このメールマガジンも最初のころは全部自分で記事を書くのがあ
たりまえだったのですが、このごろはメールをたくさんいただくの
で、そのネタばかりになりました。おかげでラクをさせてもらって
います。

 まもなく4周年です。いつもご講読ありがとうございます。どん
なことでも結構ですから、お便りをお待ちしています。

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