安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>199号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------199号--2003.08.31------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「カルピス・納豆(Q&A)」
「遺伝子組み換え作物」

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 食品業界の方からメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 毎回興味深く拝見させていただいております。

 例にもれず今回の無添加の表示についても同様です。最近コンビ
ニをはじめスーパーの陳列棚においてもそういった表示をよく目に
するようになりました。実際私も食品業界で仕事をしており、業界
の裏事情までとはいかないのですが食品添加物のことや原料事情な
ど一般の消費者より詳しい環境で生活をしています。

 最近では世の中の流れか、かなり消費者のニーズが高くなってい
ますよね。渡辺さんがおっしゃる通りニーズに答える商品を開発す
ればその内容を批判してくる方もやはりいらっしゃるのも現実です。

 やはり自分の目の届かないところで作られているものに対しては
誰しも不安を感じたりするのはあたりまえで、食品業界としてもそ
の素性を明らかにすることは必要だとは感じているのですが、なか
なか・・・。私自身も日々勉強の毎日です。

 ただ、最近思うのが情報の氾濫についてです。メディアの力は強
大ですよね。番組をみた次の日はスーパーに品切れ商品が続出した
話などはよく耳にします。そういった媒体の中で間違ったり、ある
一部分のみが誇大化されて消費者へ運ばれる・・・食品添加物も同
じ事がいえると思います。適切な量を適切に使用する、安全性も検
証済みであれば問題はないはずなのですが。なかなか難しいですね。

 今後につきましてもハードルは高くなっていくとは思いますが、
間違った情報が消費者へ流れない様私たちも気を引き締めていきた
いと思います。貴重な情報をいつもありがとうございます。頑張っ
てください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は自然食関係の仕事をされていた方から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 わたしは、2年前まで自然食関係の仕事をしておりましたが、12
年間、ずっと疑問に感じていたことがあります。それは「無農薬だ
から、有機だからおいしい」ということはどうなんだろうというこ
とです。

 正直に言っておいしいのもまずいのもありました。これは一般の
農産物でも同じです。ある人は「農薬を使っていると舌にぴりっと
来るからわかる」と言ってましたが、私はむしろ流通や鮮度管理の
要因の方が大きいように感じていました。

 生産者の哲学や生きる姿勢など有機農業の方々には色々学ぶ点も
大きかったのですが、実際のところ食味について、あるいは糖度な
どの比較データなどはあるのでしょうか?基本的には私は、環境保
全の意味でも有機農産物に「一票投じるような気持ちで」購入して
いますが…

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機農産物については、私も同感です。

 「無農薬だからおいしい」というのは単なる思い込みでしょうね。

 「農薬を使っているとわかる」というのはもう妄想というべきで
しょう。

 自分で畑を作って、収穫があれば、やっぱり食べて美味しく思い
ます。人にあげて自慢したくなりますよね。基本的にあれと同じで
すから、思い込みといってもべつに間違っているわけではありませ
ん。

 農家と協力して、いろいろ苦労を重ねてやっとできた野菜が美味
しく感じられるのは当然だと思いますよ。

 店で買ってきて、「無農薬だからおいしい」と思っている人は、
たぶん騙されていてもわからないでしょう。「無農薬」野菜に結構
怪しいものが多いのはご存じのことと思います。

 美味しい野菜、美味しくない野菜という区別はあります。また栽
培方法にもいろいろあります。でも、栽培方法で味が簡単に決まる
わけではありません。いろいろな要素の積み重ねで味も決まります
から、作っている人はいろいろと苦労しているわけです。

 「無農薬だからおいしい」といえるほどことは単純ではないと私
は思っています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後はフッ素について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 友人の保育士が勤務する某保育所が、フッ素洗口のモデル事業所
の対象に選ばれたそうです。友人は、(1)フッ素洗口の効果や安
全性について科学的な賛否が分かれていること。(2)子供の保育
・教育の場に集団医療を持ち込むべきではない(虫歯の予防は個人
の問題)。という考え方から、集団保育の場でのフッ素洗口導入に
は反対で、当局を戸惑わせているようです。

 私は自分の子供達には1歳半検診から約半年毎にフッ素塗布を行
ってきましたし(最近はさぼり気味)、最近の歯磨き粉の多くはフ
ッ素入りなので、フッ素についてあまり疑問を持っていなかったの
ですが、実のところどうなのでしょう?

 インターネットをざっと調べたところ、教育現場でのフッ素洗口
を推進している新潟市が安全性について説明しているページと、反
対派のページを見つけました。

新潟市のHP
http://www.niigata-inet.or.jp/nda/kodomo/kaitou_c.htm

反対派のページ
http://village.infoweb.ne.jp/~fwih0966/fluoride-mouthrinsing-02.html

 何やら原子力推進派と反対派のやりとりに似ている気もいたしま
すが、とりあえずは、お上が強制的にさせるほどのものでもない気
がしてきました。(乳児検診時に行うフッ素塗布はどうなんでしょ
う?)

 友人の保育所では、当局が配布する情報の他に、「反対派」の意
見も知らせて希望者だけに行う、ということに落ち着いたようです
が、あえて拒否する保護者はとても少なかったようです。小さな子
供というのはとにかく何でも人と同じことをやりたがりますので、
友人の話では、親が「フッ素洗口をさせない」選択をした子ども達
の気持ちを納得させるのに、とても苦労しているようです。

 科学的にどちらに軍配があるのか、私には判断がつきかねますが、
フッ素洗口の指導は現場の先生方の負担を確実に増やしますし、そ
の上、推進派vs反対派の不毛な争いに、不要な労力を強いられる
ことは、大変お気の毒だと思います。このような論争のある方法に
コストと手間をかけるより、確実に効果があり、絶対必要な歯磨き
指導と食習慣の指導を行ってもらいたいと考えます。

 フッ素の効果や安全性について、実際の所はどうなのでしょうか?
また、他府県の状況はどうなのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 これは案外難しい問題ですね。私はどちらかというと推進派の意
見が正しいと思っています。ただ、今の日本で強制的にするほどの
ことではない、とも思いますので、保育所のとった判断くらいが妥
当なのかな、と思います。

 善かれと思ってやることに、いちいち反対が出るのはつらいもの
です。私はどうも反対のための反対をしているように思いますので、
こうしたことに反対する人のことはよく思っていないのです。

 でも、そういう意見を言える社会であることは良いことなのかな、
とも思います。

 現実にはフッ素添加やフッ素洗口の普及を待たず、ハミガキ剤の
フッ素が普及したことで、虫歯は減りはじめているらしいですね。
フッ素の有効性は確かなんですが、余計なお世話ともいえるかもし
れません。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.半年前に賞味期限が切れたカルピスを飲んでしまったんですが
大丈夫でしょうか?

------------------------------------------------------------

A.美味しく飲めたのではないですか?だったら大丈夫でしょう。

 賞味期限はメーカーの保証期限です。それを過ぎたからといって、
すぐにダメになるわけではないです。あとは運と根性の問題ですね。

------------------------------------------------------------

Q.我が家では、毎日のように納豆を食べているのですが、発泡ス
チロールなどにパックされてるものと、昔乍らのわらに包まれてい
るものの違いを教えて下さい。

 パック詰めされているものは、非常に安価で売られていますが、
毎日食べて平気なのでしょうか?

 栄養的に、また安全的に、どのようなものがいいとお考えでしょ
うか?お教え下さい。

------------------------------------------------------------

A.納豆は昔は大豆をわらで包んで、わらについている納豆菌で発
酵させていました。だから納豆はわらで直接包んでいたわけです。

 今は納豆菌が発見され、培養されたものを使いますので、味は昔
のものより良くなっているはずです。

 納豆ができてから包装しますので、容器は衛生的なものであれば、
別に何でもよいわけです。

 わらで包んだ納豆も売っていますが、納豆を直接包んでいるので
はなく、なにかフィルムのようなもので包んでから、外装をわらに
していると思います。

 この場合、わらで包装するのは単なるイメージの問題で、ちょっ
と高級そうに見せているわけです。

 そのイメージが好きならわらで包装したものを選べばよいし、気
にしなければ他の包装のものでも問題ありません。

 味についてですが、私は関西の生まれで大人になるまで納豆とい
うのを見たことがなく、今でも納豆は苦手です。私よはよくわかり
ませんので、ご了承ください。

 原料の大豆はなるべく小粒のものが好まれるようですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「遺伝子組み換え作物」
------------------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 遺伝子組み替え商品について調べています。一般的に大豆やとう
もろこしなど使用すれば表示しなければならない義務が定められて
いると思います。安全性についても試験を重ね問題はないと思いま
すが・・・。現在どのようなものに組み替えが行われているのでし
ょうか?また、表示義務のないものについてはやはり安全性に問題
があるのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 実験段階ではいろいろなものがありますが、実際に大量に生産さ
れているのは大豆とトウモロコシですね。

 ともに私たちが直接食べるものではなく、飼料や加工食品の原料
になっています。

 安全性については、特に問題はないでしょう。品種が違っても、
大豆やトウモロコシであることに変りはありません。

 でも、こういうものがどんどん広まっていくのは考えものですの
で、表示はあったほうがよいと思っています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この話題について、いくつかニュースからひろってみました。

 まずはちょっと物騒なニュースから。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え大豆が栽培されている茨城県
谷和原村の農場で26日、遺伝子組み換え作物に反対する農民らが
トラクターを使い、約20アールに植えられていた大豆を無断です
べて廃棄した。
                   [7月26日20時28分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030726-00000146-kyodo-soci

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういうのは立派な犯罪だと思いますが、その後ニュースがない
ので警察に逮捕されたりしたわけではないのでしょうね。次は滋賀
県のニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中主町で20日、生産者グループ「バイオ作物懇話会」(宮崎市
・長友勝利代表)のメンバーが、遺伝子組み換え大豆を栽培してい
た20アールの田んぼの土を農業用トラクターで掘り返すなどして
栽培を中止した。県職員や遺伝子組み換え作物に反対する市民団体
のメンバーら十数人が、作業を見守った。栽培者側は「県などから
要請もあり、地元に迷惑をかけられないので中止したが非常に残念」
と話している。 【奥山智己】

 この大豆の種子は開発メーカーの日本モンサント社(東京)が提
供したもので、同社によると、この種子は米モンサントが96年に
開発。特定の除草剤に耐性を持つ遺伝子を組み込んでいる。

 この日の作業は、県側が栽培中止を要請したことなどがきっかけ
になった。

 県に要請するよう働きかけた環境生活協同組合の藤井絢子理事長
は「遺伝子組み換え作物は安全が完全に保障されているわけではな
い」と、栽培中止を歓迎していた。
                   [8月21日20時56分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030821-00000001-mai-l25
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 滋賀県と生協は昔から仲がよかったですから、藤井さんのところ
の要請で県がうごいたようです。

 国が許可したものを県が阻止するのも変といえば変ですが、現在
の国民感情からするとそんなものかもしれません。

 「安全が完全に保証されているわけではない」ということがすべ
ての作物にあてはまることは何度も書いたとおりです。だからこの
論理を遺伝子組み換え作物阻止に使うのはやはりおかしいと思いま
す。

 ともあれ、日本でも遺伝子組み換え作物を栽培する動きが少しず
つ出てきているようですね。

 つぎは、国際的なニュースから。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 AP通信が8日報じたところによると、米政府は、欧州連合(E
U)による遺伝子組み換え(GMO)作物の輸入規制に対し、世界
貿易機関(WTO)・紛争処理小委員会(パネル)の設置を、正式
に要請した。

 紛争処理委が設けられれば通常18カ月内にすべての調査の手続
きが終わるようになり、米国が勝訴すれば、EU側はGMO作物の
輸入を許可するか、または、米国に報償金を支払わなければならな
い。
http://japanese.joins.com/html/2003/0808/20030808183332200.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いよいよアメリカとEUとの争いが本格化してきました。「遺伝
子組み換え作物」問題の本質はこのアメリカとEUの農業戦争にあ
るというのが私の意見です。

 まあ、どちらも極端で、一方に肩入れしにくいんですけれど、私
はEU側により大きな危険性を感じています。

 遺伝子組み換え作物の問題については、「遺伝子組み換え食品研
究所」というサイトに詳しい情報があります。興味のある人はこの
あたりを見ておいてください。
http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj1999/20161/

--〔後記〕--------------------------------------------------

 いよいよ8月も終り。子供たちは明日から学校ですね。今年の夏
は雨ばかりというところが多かったのではないでしょうか。

 先日、東北旅行したとき、角館から横手まで秋田県下を走りまし
たが、田の状態は悪くないように思いました。先日発表された稲の
作柄予想では、秋田県だけが平年並みとか。山を隔てた岩手県側で
はかなり悪そうでした。山ひとつでずいぶん違うものです。

 八幡平にのぼったのですが、岩手県側では冷たい気流が押し寄せ、
濃い霧でしたが、秋田県側に降りると暖かかったです。ヤマセとい
うやつなんだな、と納得しました。

 とにかく、全国的に不作であることは間違いないでしょう。米が
不足するような事態にはならないと思いますが。

 93年の不作のときは売り惜しみが横行して、濡れ手に粟で儲け
た農家や米流通業者が多かったのですが、今回はそんなことになら
ないように願っています。もう一度同じことをやれば、米は本当に
見捨てられてしまいますよ。

 次回はいよいよ200号です。皆さんからのメールをお待ちして
います。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-199号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4542名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/