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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------196号--2003.08.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「アステルパーム・クエン酸・アミノ酸(Q
&A)」「中国あれこれ」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今週はいただいたメールを紹介します。まずは前回の飲み水の話
について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 水道水でございますが、残留塩素が検出されれば海外の水でも飲
んでいいと書いてありますが、水には塩素で消毒できる菌などのほ
かに、塩素に強い原虫クリプトスポリディウムやその他の寄生虫な
ど、以下のような問題がございます。
http://www.geocities.com/HotSprings/4347/suidou.html
http://www.tokai.or.jp/amiad/CSP.html
http://www.pref.gunma.jp/c/01/hofuku/sibukawa/osirase/mizu.html
 「1998年8月,オーストラリアのシドニーで,今度は,ジアルデ
ィアなど別の寄生虫で水道が汚染され,水道水を煮沸するように,
警告が出ました。歯を磨くのにも煮沸水を使用せよとのことです。
他山の石ではありません。」

 取水口の上流に畜産の汚水などが流れ込む可能性があるようなと
ころであれば、その対策として、煮沸して飲むということを推奨し
ているところもあると思いますし、今はアトピー対策などで簡単に
塩素チェッカーが手に入りますので旅行などの際、うのみにされる
方も出てくるかも知れません。訂正をお願いしたいと同時に、水道
局の方にもお知らせいただけましたら幸いでございます。

 なお、水道水と、ミネラルウオーターの安全基準は違って、水道
水では検査される農薬や化学物質の検査がミネラルウオーターには
必要がないので、私はそのことも問題かと思います。先日も温泉水
に砒素が検出されたと学者さんが発表されて、業界をあげて大騒ぎ
をされていらっしゃいましたが、大騒ぎする前に自主的に水道水な
みの検査をしていただけたらと考えます。同じ飲み水なのですから。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 塩素で取り除けない汚染があるのは事実です。ただ、毎日飲む自
宅の水道水と旅行でたまたま飲むものとは要求されるレベルが違い
ます。

 塩素が残留している状態の水なら、一回飲んだだけで健康被害を
おこす可能性は極めて低い、という意味だったと思います。

 すこし説明不足でしたね。次回でご意見を紹介しておきます。あ
りがとうございました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 リスク管理のレベルという概念はちょっと難しいのですが、毎日
飲むものに要求されるレベルと、一時的なものに要求されるレベル
とは自ずと違います。一時的なものの場合、すぐに病気になったり、
おなかをこわさなければOKだと考えてしまうわけです。

 また、飲む量とも大いに関係があります。一時的だからといって、
大量に飲むのではもちろんリスクのレベルが上がり、要求される安
全性も高くなります。ある程度以上強力な薬は勝手に飲んではいけ
ないのも、似たようなことです。

 次は牛乳について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 低温殺菌乳と高温殺菌乳の栄養的な違いは無いのでしょうか?

 『いままで、実験で牛乳の殺菌温度によって栄養に差があると確
かめられたことは一度もないと思います。予想はもっともらしくて
も、なかなか予想どおりの結果は出ないのです。難しいものですね。』

とありましたが、牛乳を選ぶ時栄養を重視するならLL牛乳でも、
HTST牛乳でも変わりが無いと理解してよろしいのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛乳は殺菌過程である程度変質します。具体的にはたんぱく質が
高温によって変質してしまうのですね。この変化は調理のときにお
こるものと同じです。肉を生で食べるのはたいへんですが、焼いた
り煮たりすることでたんぱく質が変質し、おいしく食べられるよう
になります。

 もともと、たんぱく質はそのままでは利用できません。消化器官
でまず変質させ、アミノ酸に分解してから吸収します。だから生の
たんぱく質と調理したたんぱく質は栄養価的には同じということに
なります。(実際は消化吸収しやすい調理したものの方がよいでし
ょう。)

 ここでたんぱく質の変質というのは、たんぱく質が本来持ってい
る立体構造が壊れることをいいます。立体構造が壊れると、たんぱ
く質の機能が発揮できないので、問題はあるのですが、食品として
の価値に変りはありません。この理由は前述のとおりです。

 栄養価を調べるとき、実際に動物に食べさせてみて、成長の差を
みたりするのですが、もとの牛乳が同じであれば、殺菌温度によっ
て差はつかないというのが実験結果だそうです。

 たんぱく質が壊れることでカルシウムの消化吸収に差が出るので
は?という意見もありますが、実験では差は出ないのです。

 殺菌温度により、たんぱく質の変質の度合いは少しずつ違います。
ものすごく微細な試験管の中の世界では少し違いがある可能性はあ
りますが、少なくとも私たちの身体に対しての影響というレベルで
は違いはないと思ってよいでしょう。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次はマヨネーズ容器について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも参考にさせて頂いています。

 件名にありますように容器ですが「チュウブ」は使用上瓶に比べ
るととても便利です。しかし、以前マヨネーズのチュウブの容器か
ら中に入っている酸(酢)が化学変化を起こし、「フタル酸エステ
ルという猛毒」がチュウブを絞る度にマヨネーズと一緒に出ている。
という事を聞いたことがあります。

 その話を聞いてから一時はずっと瓶にしていましがいつの間にか
便利のいいチュウブになっています。(笑)

 プラスチックの容器より瓶のほうが安心出来るのは確かなようで
すが今現在容器が改良されてそのようなことが無いのかあるのか解
りませんのでお尋ねします。

 そう言えばお酢は瓶が主流でプラスチックの容器には入って無い
ですが...

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 マヨネーズに触れている部分はポリエチレンです。フタル酸エス
テル類の話は塩化ビニルについてですから、ちょっと誤解があるよ
うですね。

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 平成14年8月2日、食品、添加物等の規格基準の一部が次のように
改正され、1年の猶予期間を経て、今年8月1日から施行されます。
 つきましては、厚生労働省から示されています「Q&A」をご参考
の上、ポリ塩化ビニル製品の製造・販売等に充分注意されますよう
お願いいたします。

1 改正の要旨
 
 食品用の器具及び容器包装並びに食品衛生法で規定するおもちゃ
について、特定のフタル酸エステル類を原材料として用いたポリ塩
化ビニルを主成分とする合成樹脂の使用を規制するため、これらの
原材料の規格の改正を行ったもの。

http://www.city.taito.tokyo.jp/taito-co/hoken/new/dehp.htm#Q&A
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 現在使われているマヨネーズ容器についてはべつに問題は指摘さ
れていないと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.私は現在妊娠二ヶ月の妊婦です。最近、人工甘味料はお腹の子
供に影響を及ぼすと耳にして夜も眠れません。私は妊娠発覚後もノ
ンカロリーシュガーを使っていました。その成分がアステルパーム
なので、とても心配なんです。ただでさえ薬などの服用にも注意の
時期なので、人工甘味料といえどもあなどれないというか、その影
響が心配されるのです。

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A.薬と食品添加物では要求される安全性のレベルは全然違います。
もちろん、食品添加物の方が高いのです。

 薬は生理的に作用することが前提ですし、効果があればある程度
の副作用は許容されます。副作用の強い薬は医師の管理のもとに服
用したりするわけです。

 食品添加物は一般の人が日常的に摂取するものなので、そんなわ
けにはいきません。適正な使用量ではあくまで無害であることが要
求されます。アスパルテームは最もよく調べられた食品添加物の一
つで、安全性はかなり高いと思ってよいでしょう。

 世の中にはなぜかアスパルテーム憎し、と思っている人がいて、
いろんなデマ宣伝をしていますが、その理由は私にはわかりません。

 フェニルケトン尿症という先天的な病気があって、この病気の赤
ちゃんにはフェニルアラニンというアミノ酸を制限した食事を与え
る必要があります。

 アスパルテームはフェニルアラニンを含みますので、フェニルケ
トン尿症の赤ちゃんに与えてはいけないのですが、どこの世界にそ
ういう赤ちゃんにノンカロリーシュガーを与える人がいるでしょう
か?

 この病気は先天的なもので、生れてすぐ、すべての赤ちゃんが検
査されます。その検査にひっかからなければ問題はありません。ひ
っかかった場合はアスパルテームどころか、すべての食事を非常に
厳しい管理下において育てなければなりません。(昔は生れてすぐ
に死んでしまう病気でした。)

 アスパルテームの悪口を言っている人は

(1)フェニルケトン尿症が先天性のまれな病気であること。
(2)母体のとった栄養とは無縁のメカニズムで発症すること。
(3)ほとんどすべての食品にフェニルアラニンは含まれていること。

を隠して批判しているようです。

 こういうデマ宣伝がどういう目的で行われているのかは不明です
が、聞いてしまうと心配してしまいますよね。

 「夜も寝られない」のはちょっと心配です。たぶんはじめてのこ
とで、不安はあるでしょうが、人間というのは結構丈夫にできてい
ますし、ほとんどの赤ちゃんが健康に生まれ、育っていきます。

 いろんな情報に惑わされずに、ゆったりとした気分でいるのがよ
いと私は思いますが、いかがでしょうか。

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Q.初めてメール致します。最近缶詰コーンでクエン酸入り(表示
のもの)のものをよく見かけます、コーンの変色を防ぐ為と聞きま
したが、本当でしょうか?精製したクエン酸を使っているのでしょ
うか?安全性に問題はありませんか?

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A.クエン酸は食品を酸性にして、保存性をよくしたりするのによ
く使われている食品添加物です。

 果物にも含まれますし、身体の中でも重要な働きをしている物質
でもあります。クエン酸自体は全く無害といってよいでしょう。

 酸っぱいものですから、それほど大量に使うわけでもありません。

 製法についてはよく知らないのですが、ブドウ糖あたりから作り
そうな物質です。「クエン酸」でインターネットを検索すると、い
ろんなクエン酸の商品が出てきますよ。

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Q.少し前から「アミノ酸」が入った飲料水が出回ったり、ダイエ
ットにアミノ酸と言われていますね。最近では肥満犬にアミノ酸配
合のドッグフードがでています。アミノ酸にはどんな働きがあるの
ですか?本当にダイエットに有効なのですか?

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A.どうなんてしょうかね。私には何とも言えないです。たんぱく
質はアミノ酸からできています。だから栄養不良でない限り、アミ
ノ酸を補給する必要はないと思います。

 スポーツのあとにアミノ酸を補給すると、筋肉増強に役立つとい
う話があって、スポーツ選手はアミノ酸をとっていることがありま
す。

 筋肉が増えると基礎代謝エネルギーが増えるので、肥満防止に役
立つという話もありましたね。

 体内でアミノ酸をエネルギーに変えるとき、脂質や炭水化物より
体温をあげるので、エネルギーの消費量が増えると聞いたこともあ
ります。

 これらを総合して、アミノ酸を補給すると肥満防止に役立つとい
う話ができているのでしょうか。

 さて、実際は?というとやっぱり私にはわからないです。まじめ
に取り組めば成功例もたくさんあるのだと思いますが。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「中国あれこれ」
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 まだ中国にいます。13日には帰りますので、あとしばらくです
が、さすがに疲れてきました。

 今週は月曜日から上海−青島−広州−上海と3度飛行機に乗って、
週末にようやく上海に戻りました。

 忘れないうちに青島と広州の話を。「メールマガジンの趣旨と違
う」と怒られそうですが、私にとっての記録のようなものですので、
申し訳ありませんがおつきあいください。

 青島は中国には珍しい海辺の街です。旧ドイツ租界だったところ
で、今でもドイツ風建物が名所になっています。日清戦争後、いっ
たん日本に割譲されたのですが、「三国干渉」によって清朝に戻さ
れたところです。

 ホテルのすぐ前が海で、海水浴場もあります。ただし、泳いでい
るのは子供と太ったおじさん、おばさんばかりです。海の水はあま
りきれいでなく、和歌山育ちの私にはちょっと泳ぐ気がしないほど
でした。

 海は間違いなく日本の方がきれいですね。食べ物も海産物を食堂
の店先に置いてあるのですが、日本の海辺の街と比べたら貧弱です。
やはりどこにいても中国人は海とは相性がよくないようです。

 青島から広州まで、上海上空を飛び越えて行きました。ちょうど
台風が近くにあって、ついたときは雨上がりでした。連日40度以
上という猛暑だと聞いていたのですが、広州は涼しかったです。

 広州は大きな街で、あまり時間がなかったので、街を一周しただ
けです。上海と違って、車のクラクションが禁止されていて(罰金
200元とか)、静かなのが印象的でした。

 日本語を少ししゃべる若者に何人も会いました。広州は日本人と
もなじみが深いようです。そういえば、国交正常化以前、中国の物
資を輸入するには、広州交易会というのが唯一の窓口だったのです。

 料理は有名な広州料理。甘口の味のようです。大阪には街角に小
さな中華料理店がたくさんあり、学生時代はお世話になりましたが、
あの中華料理店の味は間違いなく広州料理の系統だと思います。

 何でも食べるので有名な広州料理ですが、今回はあまり変ったも
のは出てこなかったのはラッキーでした。猿の脳みそなんかが出て
きたらどうしよう、と思っていましたが、よく考えれば普通の人の
食卓には無縁なものですね。

 最後に上海の中心部に行って、3ヶ所の事務所をまわり終えまし
た。やはり美人度は圧倒的に上海が高いですね。関係ないですが。
料理もやはり上海のが美味しいと私は思います。

 上海の中心部では交差点に見張りが立って、信号を守るように指
導しています。信号を守らないので有名な中国人も、警察の言うこ
とはよく聞くのです。でも、確かに改善されつつあるように思いま
した。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 言葉のわからない異国での一人旅というのはなかなか疲れるもの
です。旅だけではなく、仕事の方も中国人相手に説明しなければな
りません。カタコトと筆談でやるのですが、これが一番大変でした。

 中国語にもだいぶ慣れて、タクシーなんかは一人で乗れるように
なりました。でも空港のアナウンスなんかには歯が立たないので、
トラブルがあるのがいちばん心配でしたが、飛行機はみんな順調に
飛んでくれました。

 そうこう忙しくしていましたが、幸い皆さんからメールをたくさ
んいただきまして、何とか発行することができました。接続がまま
ならないので、返事が遅れがちなことはご容赦ください。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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