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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------194号--2003.07.27------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「牛乳・抗酸化食品・その他(Q&A)」
「アトピー性皮膚炎」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 うちの勤務先で研修を受けたときに、「生肉には HACCPの制度は
導入できない」という話を聞きました。海外の事情はわかりません
が、日本では今のところそういうことになっているそうです。

 渡辺さんはご存じだと思いますが、HACCP というのは、重要なチ
ェックポイントとそのチェック方法をあらかじめ洗い出しておいて、
それが基準を満たしていれば絶対に安全、ということを保証するも
のです。たとえば、○○℃で○○分間の加熱をすればこの原料に混
入している可能性のある細菌は全滅するから大丈夫、といった具合
です。

 ところが生肉の場合、どうしても細菌が混入した状態で消費者ま
で出荷されてしまいます。解体場や加工工場ではたしかに微生物検
査をしていますが、それは抜き取り調査だけで、全数検査はとても
無理です。

 実際たとえば、加工場内の鶏肉からサルモネラ菌が検出されたら
ロット単位で廃棄ですが、スーパーでパック詰めして売られている
鶏肉を検査したら少なくない数の検体からサルモネラが検出された
という研究報告があります。

(解体場・加工工場での検査をすり抜けているということです。も
っとも、サルモネラの場合はきちんと火を通せば死滅して安全です
ので、家庭で調理するときはきちんと加熱せよ、というのが結論に
なります。)

 そういうわけで、食肉加工会社としては、「こちらでも検査はす
るし、恒常的に検査成績の悪いメーカーの原料は使わないようにす
るなどの努力はするけれども、出荷先(外食産業、弁当業者、小売
店経由で各家庭、etc.)できちんと加熱処理をすることで最終的な
安全は確保してほしい」という立場になります。

 もっとも、HACCP 以外の品質保証方法、たとえば ISO 9000 シリ
ーズの取得などは生肉産業でも採り入れられてしかるべきだと思い
ます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対する私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アメリカでは生肉の処理場に HACCPを推進していますから、適応
できないというわけではないと思います。日本では厚生労働省が認
可するシステムの中に入っていないので、 HACCPを導入する動機は
出てこないように思います。

 私はやればできるし、諸外国の例からいっても、日本でもぜひ導
入するべきだと思っていますが、なかなか難しいのも事実ですね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 殺菌工程のない食品に対する安全性の確保というあたり、 HACCP
の真価が発揮される部分なんですけれどね。

 次は牛乳について

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

  193号のメルマガで牛乳のことについて書かれていましたが、雑
誌っていうのはけっこうなトンデモ記事を書くものなのですね。あ
まりその手の雑誌は読まないので正直驚きました。

 インターネットだとよくあるのでまたかって感じなのですが…

 牛乳はカルシウムなどの栄養素がふんだんにあるので摂取するの
はいいんでしょうが、だからといって摂取しすぎるとコレステロー
ルが上がってしまうとかいう事例を新聞で読んだことがあります。

 なぜ気をつけているのにコレステロールが多いか食生活を調べて
みたところ、その人は毎日お風呂から出てきてから牛乳をたっぷり
飲んでいて、それを止めたらあっさり値が下がったという事例でし
た。

 牛乳は栄養があるからよいと信じて続けていたのだそうです。

 きっとちょうどいい量を超えるほどたくさん飲んでいたんでしょ
うね。

 だいぶ前の記事だったのでもういつのか忘れましたが、私自身も
牛乳は体にいいもので、飲みすぎるとそういう作用になるなんて思
っていなかったので結構ショック(?)だったのを覚えています。

 牛乳についてもなんでもそうなのですが、栄養があるからといっ
てやたらとそれを摂取しすぎるのはあまりよくないと思いました。

 なんでも適量を毎日まんべんなく摂るのが一番いいんでしょうね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 情報ありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.業務スーパーで売られている牛乳ですが、異臭がするので会社
に連絡、引き取りにこられました。消毒っぽい臭いが一日鼻からと
れず、翌日までむかつきが残っていました。検査結果が会社からあ
り、10℃以下でも繁殖する菌が少しだけあったので、書面にて内
容を送りますとの事。 製品としてはさして問題が無いような口ぶ
りで、たいした事では無いと言うような対応に疑問です。保健所に
は届けようと思っていますが、他に出来る事は無いでしょうか?

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A.製品としては問題が大いにあるのですが、ときどき発生するこ
とでもあるようです。殺菌の不足なのですが、完全に細菌を0にし
ているわけではなく、通常はごくわずかの菌が残っています。それ
で牛乳は冷蔵流通し、細菌の繁殖を遅らせようとしています。

 ごくわずかに残った菌が、低温でも繁殖できる菌だと、冷蔵流通
していても、菌数が増えてしまうことがあります。発生する率につ
いてはよくわかりませんが、ときどきこういうことがあり、いまの
ところ、有効な対策がないようです。

 おっしゃるとおり、メーカーの対応としては疑問がありますが、
私もかつて流通業にいたものですから、似たような経験もあります。
販売していた店の方に苦情をいって、圧力をかけてもらう、という
のはいかがですか?

 でもこういう苦情の対応は店によってさまざまですから、かえっ
て不愉快な思いをするかもしれません。

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Q.活性酸素を中和?すると言われる抗酸化食品として緑茶のカテ
キン、ワインやチョコレートなどに含まれているポリフェノールの
ほか、イナゴの佃煮や蜂蜜、バナナ(特に皮に黒い斑点が付きかか
った腐る直前のものとか、焼いたものがいいらしいです)などがあ
ると聞きました。ところで、抗酸化食品には食べるべきタイミング
というのはあるんでしょうか? 朝起きた時とか、いや疲れた時と
か、就寝に一番近い夕食とか。素人考えでは、疲労やストレスが取
れている起床後の朝食に摂るより疲労がたまる昼食か夕食の方がい
い気もするんですが。

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A.どうも私はこの手の話題にはついていけなくて、具体的なお答
えはできません。いろいろな食品中の物質について、生理的に効果
があるという研究はたくさんされています。ただ、今のところ、定
性的というか、こんな効果があるようだ、ということだけを報告し
た研究がほとんどだと思います。

 人間に実際に効果があるということを実証するのは結構たいへん
なのです。今のところ、候補にあがっているという段階だと思いま
す。

 人間が摂取したとき、実際にどのような効果があり、どういう摂
取方法が最も効果的だ、というような具体的なレベルまで研究はま
だ進んでいないのではないでしょうか。

 したがって、個人の好みで食べればよいのでは、と私は思います。

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Q.牛乳には高温殺菌と低温殺菌牛乳がありますよね。私は生協で
低温殺菌の牛乳を利用してますが、牛乳を高温殺菌してしまうとカ
ルシウムが変質してしまって吸収されずらくなると聞いたことがあ
ります。どのぐらい吸収されずらいのか何か文献をご存じでしたら
お教えください。高温殺菌の牛乳を飲んでいるのは日本ぐらい、ま
あアメリカもそうかも知れませんが、ヨーロッパの方は高温殺菌は
まずいので低温殺菌しか飲まないといいます。私は低温殺菌の牛乳
の方が質のいい源乳を集めなければならないし、ましてその、高温
殺菌よりもカルシウムが吸収されやすいのならばなおさらいいと思
っていますが、なにぶんにもとになる文献がなく、知りたいと思っ
ています。もし何かご存じでしたらお教えください。よろしくお願
い致します。

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A.私もそのような話はよく聞きましたが、紹介できるような文献
はないと思います。

 まず、カルシウムは元素ですので、変質しません。牛乳中ではた
んぱく質といっしょに存在し、牛乳が優れたカルシウム源であるの
はそのためだということになっています。加熱殺菌でたんぱく質が
ある程度変質するのは避けがたいため、その状態が変化することが
予想されます。それで、カルシウムが吸収されにくくなる、という
人がいるのですが、実際に実験してみると、有意な差が出ないので
すね。

 いままで、実験で牛乳の殺菌温度によって栄養に差があると確か
められたことは一度もないと思います。予想はもっともらしくても、
なかなか予想どおりの結果は出ないのです。難しいものですね。

 ヨーロッパでは…という話もたいがい眉唾です。気温の低い北欧
では確かに低温殺菌が主流ですが、それ以外のところでは、日本と
あまり変わらないはずです。

 パリではロングライフミルクが普通に売っていたりするそうです。
(私は行ったことがありませんから、あくまで伝聞情報です。)

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Q.いらいらしているときにはどんな物を食べたらいらいらしてい
るのが治るのでしょうか??

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A.これは答は簡単でして、美味しいものをたくさん食べてくださ
い。栄養の方から遠回りするより、直接神経系で反応しますので、
たちどころにいらいら解消すると思います。

 もちろん、美味しいものは人によって違いますので、自分の好き
なものを…。

 甘いものが好きだったりすると、食べ過ぎには要注意ですが、自
分を守るためには少し妥協してみるのもよいかと思います。

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Q.ノンカロリーシュガーを3、4年使ってるんですがこれから妊
娠予定があるので子供に障害が出たりはしないかと心配になりメー
ルしました。成分がエリスリトール98.7%とアセスルファムカリウ
ム1.3%入ってます。

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A.アセスルファムカリウムは新手の人工甘味料ですね。エリスリ
トールは糖アルコールの一種です。この組み合わせだとカロリーは
ほとんどないのでしょうね。

 別に妊娠中だからといって、避ける必要はないのではないかと思
います。

 ところで、ノンカロリーシュガーを使っている理由って、あるの
でしょうか。糖尿病は肥りすぎなどの症状があるときは、使う理由
がありますし、他の理由でやめるのはかえってよくないかもしれま
せん。

 別に大した理由がないのなら、あえて人工甘味料を使わなくても
よいのではないかと思います。私なら普通の砂糖にしますね。

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Q.まとめてだしを取るときに、乾物に入っていた鮮度保持剤も一
緒に鍋で煮てしまいました。このだしは、使っても大丈夫でしょう
か?

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A.乾物の鮮度保持剤はたぶん乾燥剤でしょう。乾燥剤は普通シリ
カゲルという物質でできています。これは水晶などと同じようなも
ので、食べられない鉱物ですが、安定した物質で、毒性はありませ
ん。

 だしの中に溶けていることもないと思います。

 ただ、外の包装などは食用ではありませんから、メーカーに問い
合わせれば食べてもよいとは言わないでしょうね。

 私なら知らん顔で使ってしまいますが、あくまでも自己責任とい
うことです。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「アトピー性皮膚炎」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 知り合いのお子さんにアトピーでお困りの方がいます。色んな方
法を試された様ですが、改善されていません。今高校2年生ですが、
1年半程経過し今の最大の悩みはカユミとの事です。身体全体にア
トピーが広がっている為、耐えられない痒さがある聞きます。簡潔
に質問させて頂きます。

■ アトピーのカユミを取る一番いい方法は?
■ その際のスキンケアー法は?
■ その他注意事項は?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対する私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 しばらく前、NHKの「ためしてガッテン」で皮膚のケアーの方
法を取り上げていました。

 今のところ、私としてはここに紹介されている以上の知識はあり
ません。
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2003q2/20030521.html

 うちのこどもたちも結構アトピーがひどかったのですが、二人と
も成人し、かなりおさまってきているようです。でも、まだときど
き、薬をつけていたりします。

 症状を抑える薬はあるわけですから、薬を恐れるのが一番いけな
いと思います。

 紹介されているようなケアで、おさまってくるといいですね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 症状がひどくて困っているのに、薬を使わないのは絶対に間違っ
ています。漫然と使い続けるのも問題ですが、使える薬があるのに
使わないで苦しんでいるのはナンセンスというものです。

 蔓延している「アトピービジネス」の出発点はあらかじめ薬によ
る治療をデマ宣伝で中止させることです。そのためにいろいろな嘘
がまかりとおっていますが、だまされないようにしたいものです。

 皮膚科学会のホームページにQ&Aがありますので、ぜひ読んで
みてほしいと思います。
http://www.dermatol.or.jp/QandA/atopy/contents.html

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q,どうしてもステロイド外用薬をつけるのが怖いのですが?

A.マスコミや一部の医師による無責任なステロイド批判により,
ステロイド外用薬は恐い薬という誤解が生まれてしまったのはとて
も残念なことです.ステロイド内服薬による全身的な副作用と混同
していたずらに恐がったり,急に中止したための単なる症状悪化を
すべて副作用であると混同したりして,ステロイド外用薬は使いた
くないとおっしゃる患者さんも少なくありません.恐がってきちん
と塗らないと十分に炎症を抑えることができず,かえって使用期間,
使用量が増えてしまいます.疑問点や不安が多いときには皮膚科を
専門とする医師とよく話し合って,納得されてからお使い下さい.

http://www.dermatol.or.jp/QandA/atopy/atopy_q13.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後に、こんな警告も出ています。もしかして「皮炎霜」に心当
たりのある人はいませんか?

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日中合弁会社製造,日本向け限定でステロイドを含有せず,アト
ピー性皮膚炎に劇的に効果があるとする「皮炎霜」という薬が爆発
的に使用されている.ところが,日本皮膚科学会・アトピー性皮膚
炎患者相談システムへの相談に端を発した調査より,同薬には最強
ランクのステロイドであるプロピオン酸クロペタゾールが含有され
ていることが判明した.この結果は福岡県保健福祉部の調査におい
ても確認されている.これは中国では薬の成分の公開義務がないこ
とを盲点とした,日本国内業者の「アトピービジネス」であると推
察される.

 ステロイド外用薬の適正使用こそアトピー性皮膚炎の治療のポイ
ントであるが,本薬は最強ランクのステロイドを含有しているにも
かかわらず,乳児や顔面に対しても非ステロイドと信じられたまま,
安易に広く使用されており,顕在化はしていないものの,既にその
健康被害は広く拡大しているものと推察される.

http://web.kanazawa-u.ac.jp/%7Emed24/atopy/hienso.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
--〔後記〕--------------------------------------------------

 予定どおり中国に来て,やっぱり食べ過ぎています。私以外はみ
んな中国人ですから、中国語でしゃべりながら食べています。私は
よくわからないし、ヒマなのでつい食べてしまう…。

 今は杭州ですが、来週は青島の予定。まだホテルも決まっていま
せん。はたしてホテルからインターネットにうまくつながるでしょ
うか。もちろん、昼間はADSLでつながる環境で仕事をするのですが、
仕事をさぼってやるわけにはいきませんしね。

 前回の話の「新潮45」の記事ですが、なんと現在発売中の8月
号に載っています。8月と聞いていたので、来月発売だと思ってい
ましたが、8月号は7月に発売するのでしたね。うかつでした。と
いうことで、現在書店にありますので、興味があればご覧ください。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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