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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------192号--2003.07.13------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ヨーグルト・バター・漬物・(Q&A)」
「牛乳」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回もいただいたメールを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アルカリイオン水の質問について、なんですが…。専門家の方か
ら、メールが入ってないようなので、素人ながらお知らせします。

 厚生省(厚生労働省)より医療用具として承認を受けている効能
効果は次の通りです。

 アルカリイオン水:飲用して慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発
酵、制酸、胃酸過多に有効である

 酸性水:弱酸性のアストリンゼントとして美容に用いられる

 アルカリイオン水は弱アルカリ性で、水酸化カルシウムを含むと
のことですから胃の制酸作用があるのは理屈にかなってますね。

 酸性水も弱酸性で皮膚と同じですから、肌にはやさしいはずです
し。

 アルカリイオン水は上記のような効用はありますが、それ以上の
効用をうたうことが多いため、厚生省からお叱りを受けてます。↓
http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/yakuji/kansi/cm/041019.pdf

 アルカリイオン水は科学的に効用は認められていますが、それは
ごく狭い範囲です。「健康に良い」という表現は行き過ぎように思
います。渡辺さんが言う「アルカリが健康に良いというのは迷信」
とはそのとおりですね。アルカリ性のもの(俗にアルカリ性食品と
呼ばれるものも含めて)がけっしてアルカリだから(身体の中でア
ルカリ性になるから)身体に良いわけではないですから。

 アルカリイオン水はあくまで浄水器のひとつと考えて上記効用も
参考にし、機器の値段とにらめっこして判断すればよいと思います。

 アルカリイオン整水器協議会のサイトです。↓参考まで。
http://www.3aaa.gr.jp/

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 情報、どうもありがとうございました。

 引用されていた厚生省の文書は10年前のものですが、あまり報道
されていないですね。そしてその後もこの文書を無視した商売が続
けられているというわけです。

 まあ、こういう商売では、役所の見解なんかを尊重していたら成
り立たない,ヤクザな世界ではあるのですが。

 ただ、電気分解で得られる酸性水については、食品添加物として
認可されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

次亜塩素酸水 食品添加物に認可!

平成14年6月10日に食品衛生法が改正され、次亜塩素酸水が正式に
食品添加物として認可されました。

<次亜塩素酸水とは?>
食塩または希釈した塩酸を生成装置内で電解することにより作られ
る次亜塩素酸(HClO)を主成分とする酸性の水溶液です。

<生成方法は?>
電解補助剤(塩等)を添加した水道水の入った槽内に隔膜(細かい
穴を持った樹脂製の膜)を置き、電極を入れて電気分解することに
より、強酸性電解水(次亜塩素酸水)が生成されます。同時に、た
んぱく質や脂質汚れに洗浄効果のある強アルカリ性電解水が生成さ
れます。

<次亜塩素酸水の殺菌効果>
次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同様に、次亜塩素酸
が殺菌効果を示します。次亜塩素酸は食中毒を起こす原因菌である
大腸菌や黄色ブドウ球菌、院内感染で問題となるMRSA・緑膿菌
などの細菌類、黒コウジカビなどに対しても効果 を発揮します。

<使用上の留意点>
・使用濃度:強酸性次亜塩素酸水の場合、
有効塩素濃度は20〜60mg/kg       
微酸性次亜塩素酸水の場合、
有効塩素濃度は10〜30mg/kg
次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同様に、
・たんぱく質や脂質などの有機物存在下では殺菌能力が低下します
ので、有機物の除去が必要。
・微量の塩素ガスと水素ガスが発生しますので、換気が必要。
・次亜塩素酸水使用後は飲用適の水で水洗。

http://www.hattori.org/foodsafety/yifsj/artecclub/020628/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「次亜塩素酸水」という名になっているのは、電解によって得ら
れた酸性水の発揮する殺菌力が、実は電解の際に酸性側に発生する
次亜塩素酸の効果によるものだとわかったからです。

 電解によって安価に得られること、後処理もしやすいことなどか
ら、かなりよく使われるようになってきているようです。

 隠れたところで食品の安全を守っているわけです。最近、食中毒
事件の件数が目に見えて減ってきているのは、こういったところと
関係あるのかもしれません。でも、ちょっと複雑ですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.今から半年位前の事知人よりブルガリアヨーグルトの種と称し
コップ一杯のヨーグルトを戴きました。それを家で培養し朝食の折、
トーストと一緒に毎日家族で食べています一回の量としては一人1
00ml程度です。先日、看護師をしていた家内の妹にその話をし
たところ「私はあまり賛成出来ないなー だって雑菌も一緒に培養
している事にもなるから」と思わぬ答えが返って来ました。

 ヨーグルトの出来はその日によって違い固くなったり緩めになっ
たり、酸味が強かったりと日々変化しています。少々気になるのは
口に含んだ時、若干ピリピリと炭酸を思わせる刺激を舌に感じる時
が(ヨーグルトが元気がない時に起きます)あります。毎回ではあ
りませんが。

 そこで質問なのですが、今毎日食べているヨーグルトははたして
安全なのでしょうか。それとも、義妹の言うように安全面で不安が
あるのでしょうか。

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A.安全かと聞かれたら、安全は保証できないです、と答えるしか
ないと思います。私も基本的に妹さんと同じ意見です。

 微生物の制御はそんなに簡単なことではありません。味が違うと
きは、それぞれ違う菌が繁殖してきたと考えた方がよいでしょう。
それらの菌が有害でないという保証はありません。

 やっぱり市販のヨーグルトの方が安全だと思いますよ。

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Q.バターについて教えて下さい。購入してから、冷蔵庫に入れっ
ぱなしのビン入りで未開封のものです。賞味期限が半年前に切れて
しまいました。変色はしていません。(と思いますが)そのままパ
ンに塗って食べるのは怖いのですが、澄ましバターにして、ムニエ
ルに使用したいと思います。大丈夫でしょうか?

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A.油脂分は酸化しやすいので、賞味期限は基本的に守った方がよ
いと思います。酸化してくると色や臭いも変わってくるので、その
辺の変化がなければ大丈夫かもしれませんが、とにかくリスクはあ
ると思います。

 美味しく食べられるなら、自分の責任で食べてもよいでしょうが、
こういう風に聞かれると大丈夫とはいい兼ねます。

 また、酸化してしまっていた場合は、手を加えてもやっぱりダメ
でしょう。私ならあきらめますが、どうでしょうか。

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Q.漬物はどのくらいほぞんできるの?

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A.漬物は本来保存食ですが、長期間保存できる漬物はとても塩辛
いので、このごろは塩分の少ないものが主流になってきています。

 塩抜きせずにそのまま食べられる漬物は、なまものと変わらない
と思ったほうがよいと思います。

 店で売っているものには賞味期限がついていますから、それを参
考にしてください。自家製のものについては、味と経験がたよりで
す。まだ食べられるかどうかを見分ける力が必要ですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「牛乳」
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 牛乳について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛乳には常在菌(乳酸菌など)がいて、冷蔵しなければ短期間で
変質しても不思議はないと説明を受けたことがあります。食中毒を
引き起こすような細菌は検出されてはならないことになっていて、
もちろん常在菌によって変質した牛乳にもそのような菌は繁殖して
いないということでした。私の経験では身開封ではじつに長期間
(2ヶ月近く)変質しませんでした。ところが先日1日で変質してし
まうということがおこりました。この違いはパック詰されたときの
牛乳中の菌の数によるものと思うのです。殺菌方法120℃2秒間とは
どの程度の殺菌効果をもつのでしょうか。

 また、ものによって片や2ヶ月変質せず片や1日で変質するという
のには、常在菌がいるのだからという説明では納得ができません。
たった一日で変質してしまう牛乳は実際に殺菌されたままの牛乳な
のだろうか、せっかく殺菌されながらパック詰のラインで再汚染さ
れているのではないだろうかと思ってしまいます。

 扱いを考えるともし食中毒の原因になる菌が決して混じらないよ
うに大切に集められた牛乳であれば、パック詰等のラインでは誰か
が手を牛乳に突っ込んで混ぜたりするはずも無いのだから、そうと
うずさんであっても常在菌が増えるだけですむと思うのです。それ
なら常在菌がいるのだからそういうものですといわれてもあまりに
はやい変質は、ずさんなラインで詰められたとしか思えません。

 きちんとした殺菌がされた場合の常在菌の生菌数はどの程度のオ
ーダーであるのでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「常在菌」という言い方はおかしいですね。牛乳の中では動物の
腸内のように、平衡を保った状態で細菌がいるわけではありません。
牛乳の中に細菌がいるのは当たり前のことですが、それを「常在菌」
というのはおかしいと思います。細菌数の多いことをが開き直って
いっているように聞こえますね。

 大腸菌や黄色ブドウ球菌などは検出されてはいけないことになっ
ていますから、殺菌直後は病原菌、食中毒菌はいないはずです。で
も、絶対とはいえませんし、開封後はさらにそうです。

 一日で変質したというのははっきりとした事故です。殺菌の不良
なら大量に発生しますが、1個だけに発生したのなら、パックの不
良を疑います。

 シールが完全でなかったり、ピンホールがあったりすると、この
ようなことがおこります。

 通常の、よく殺菌された牛乳なら、2ヶ月たっても変質していな
いように見えるというのはそんなものだと思います。現在の普通の
牛乳(UHT殺菌されたもの)では、ロングライフミルクと同等の
効果をもつ殺菌をされています。

 ただし、ロングライフミルクと違うのは、牛乳の容器で、ロング
ライフミルクはUHT殺菌+アルミ箔入りパック+容器殺菌ででき
ています。

 普通の牛乳の場合、見た目には変わらなくても、細菌数がうんと
増えている可能性がありますので、長期間保存したものは飲まない
方がよいと思います。

 牛乳の規格として、1ミリリットルあたりの生菌数が5万個以下
というのがあります。なんだかとても多いようですが、細菌の世界
ではこれくらいの数なら全然問題はありません。

 賞味期限を設定するとき、未開封で冷蔵庫で保管して、この数値
を越えるのがいつか、というのをテストしました。低温殺菌牛乳で
3〜4日、UHT殺菌牛乳で7〜10日程度だったと思います。

 低温殺菌牛乳をすすめる人たちは5万個を越えてもまだ飲める、
と言っていましたが、まあ、100万個になっても、飲めることは
本当に飲めます。どれくらいまで飲めるのか、私はよく知りません
が、億のオーダーくらいまでは平気な人もいるのではないでしょう
か。

 牛乳の細菌数というと、原乳の段階では「総菌数」、製品になる
と「一般生菌数」といいます。細菌を顕微鏡で数えるのでは、生き
ているかどうかわからないのですが、原乳では時間がないので、直
接数えるのです。したがって工場に到着するまで時間がかかった原
乳では、1ミリリットルあたり100万個以上というような大きな
数になります。これは400万個以下でないといけないことになっ
ています。

 製品として出荷する牛乳では、生きている菌の数を培養して数え
ます。方法は以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1平板に、30個から300個までの集落が得られるような希釈
液を選択し、同一希釈液に対し滅菌べトリー皿2枚以上を用意し、
滅菌ピペットでそれぞれの希釈液各1mlずつを正確に採り、これ
にあらかじめ加温溶解して43度から45度までの温度に保持した
標準寒天培養基約15mlを加え、静かに回転、前後左右に傾斜し
て混合し、冷却凝固させる。

 培養基が凝固したならば、これを倒置して32度から35度まで
の温度で48時間(前後3時間の余裕を認める。)培養後発生した
集落数を算定する。

 集落計算器を用いて常に一定した光線の下で集落数を計測し、一
平板の集落数又は2枚以上の平均集落数に希釈倍数を乗じた数字を
記載する場合、高位から3けた目を四捨五入して2けたのみを記載
しそれ以下は0を附する。

http://www1.ocn.ne.jp/~tekitoni/000823.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 集落(コロニー)一つにはたくさんの細菌がいるのですが、培養
がスタートしたときの1個の生きている細菌が増殖して、一つのコ
ロニーになったと解釈するわけです。だからコロニー数=細菌数に
なります。

 この方法で調べて、UHT殺菌牛乳ではまったくコロニーができ
ません。細菌数0ということになりますが、完全にいないとは証明
できませんから、検査成績書には30個以下、と書いてありました。
牛乳全部を調べたわけではありませんが、もし検査にもれた細菌が
あっても、1ミリリットルあたり30個を越えることはないだろう、
と統計的に推し量るわけです。

 低温殺菌牛乳では千個弱から多くて数千個くらいが生き残ってい
ます。これは原乳の中の細菌数によって左右されます。原乳の細菌
を減らす努力をしないで、殺菌方法だけを低温殺菌に変えるのは、
とても危険なことです。

 逆に低温殺菌牛乳で、ある程度保存ができ、美味しく飲めるもの
は、農場の段階から細菌を減らす努力をしているのだ、と考えて良
いと思います。

 低温殺菌牛乳には乳酸菌が生き残っているから、却って保存でき
る期間が長くなる、という人もいますが、根拠はありません。これ
はウソと断定してもよいと私は思います。

 牛乳の保存期間を決めるのは、初発の細菌数がすべてです。殺菌
効率の面で、UHT殺菌の果たした役割は大きなものです。しかし
あまりに効果のある殺菌方法を発展途上の酪農界に持ち込んだため、
牛乳をとりまく衛生環境の改善をかえって遅らせてしまったという
面はたしかにあると思います。

 そういう意味で、低温殺菌牛乳の発展を私は期待しているのです
が、大手メーカーの対応は進んでいないようです。ビジネスチャン
スはあると思うのですけれど。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週もいくつか、メールアドレスの間違いや明記していないメー
ルがありました。すべてのメールをメールマガジンに掲載している
わけではありませんので、必ずメールアドレスを入れておいてくだ
さい。また間違いも多いですから、よろしくお願いします。

 月末にはまた中国出張です。こんどは比較的長期(半月くらい?)
で、あちこち移動する予定です。移動先のインターネット接続事情
もわからないので、ひょっとするとメールマガジンの発行ができな
いかもしれません。あらかじめご了承お願いします。

 日本なら、PHSの64KBで、だいたいどこでも通信できるの
ですが、中国ではホテルの回線が頼りです。外国人ですので、結構
高級なホテルに泊まることが多いのです。だから何とかなるとは思
いますが。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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