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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------185号--2003.05.25------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」
「蜂蜜・鶏肉・ハム・牛乳・クッキー・カスピ海ヨーグルト(Q&
A)」「海洋深層水」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前号で、「α−リノレン酸」のところで紹介したホームページの
URLが間違っていました。正しくは以下のとおりです。
http://www.nisshin.oilliogroup.com/health/power/power04.html

 前回のおたよりに関して、専門家の人からこんなおたよりがあり
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 業界の人からのメール、考えさせられるものがありました。

 なぜなら、添加物は利用した一番強い効果の内容で表示するのが
原則だからです。

 グリシンや酢酸ナトリウムを日持ち向上の目的で使用した場合に
はきちんとこれらの物質名を書く必要があります。
 
 また、グリシンはpH調整剤として使うのは無理があると思われ
るので、pH調整剤と表示したら法律違反になるかもしれません。
(通常、pH調整剤には有機酸およびその塩類が使用されます)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 グリシンなどをpH調整剤として使っている例は私も知っていま
す。問題ありということなのですね。グリシンの主な用途は「調味
料、強化剤」ということです。アミノ酸なのでこうなっているよう
ですが、実際は防腐剤的に使われています。

 昔聞いた説明では、グリシンに殺菌力があるわけではないが、グ
リシンは食品のpHを変動しにくくするので、結果として防腐効果が
あるという話でした。

 詳しいことはわかりませんので、ご存じの方はまた教えてくださ
い。

 それから、SARSについての情報をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今回のニュースでSARSのことが書かれていましたか、5/5のWHO発
表では、このコロナウィルスは一般的なコロナウィルスと違い、体
外で数日間(4日間)生きていることが確認されているようです。

 また、研究家によれば、空気感染が否定されたわけではないとの
情報もあります。いずれにせよ、現在進行形の問題ですので、常に
新しい知見が発表されています。

 厚生労働省やマスメディア、各公的機関のHPも、もちろんチェッ
クが必要ですが、内容の偏向(バイアス)も充分に考えられます。
下記フリーメディアサイトも参考にしてみてください。

http://sars.bounceme.net/sars/
http://sars.bounceme.net/sars/sesshoku.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ようやくこの病気も峠を越えたのかな、という気がします。ちょ
うど騒ぎの最中に中国に行っていたので、中国人の大まじめな対応
ぶりに驚いたりもしました。

 台湾から感染した医者が観光旅行に来ていたというニュースもあ
りましたが、国内での感染は今のところなかったようですね。

 それにしても、日本人が感染しないのは不思議です。これは何な
んでしょうか?

 いろんなニュースで病気について書かれていましたが、その中で
印象に残ったのは、世界中でマラリアで死ぬ人の数は一日二千人ほ
どいる、という話でした。マラリアは熱帯の病気ですので、国際的
な話題になりませんけれど、こちらの方が深刻ですね。

 そのマラリアですが、一時DDTによる蚊の駆除が成功して、ほ
とんど発生しないようになっていたのに、DDTの禁止で、もとに
戻ってしまったということです。DDTの禁止は間違いではなかっ
たと思いますが、マラリアとの関連では問題があったようです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.1年ほど前に友人から(容器の底の方にあったもの)蜂蜜を大
量に頂きました。茨城産で濃縮(鼈甲色をしておりました)されて
おり、ヨーグルト等に入れて美味しく戴きました。残ったものを約
600ML入る瓶に2本密封し常温で保管しておいたところ、何年
か前に流行した「紅茶キノコ」のようなものが発生しております。
このような状態のものを湯煎した上で食用しても大丈夫なものでし
ょうか。そのまま捨てるのは勿体ないような気がしますので、是非
食用の是非についてご教示下さい。

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A.蜂蜜は保存中に結晶して固まってしまうことがあります。ご質
問のものも、結晶が始まったのではないかと思います。

 そのままにしておくと、結晶がひろがって、全体が固まってしま
うでしょうね。

 湯煎などして、温めてやると、元にもどります。それで普通に使
えます。もし、元に戻らなかったら、予想外のトラブルがあるかも
知れませんので、食べないほうがよいと思います。

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Q.いつも行くスーパーに「抗生物質不使用・無投薬鶏」という鶏
肉が売っているのですが、パックによって色が全然違います。特に
胸肉は、ベージュに近い物からかなり濃い色の物までさまざまです。
「同じ物」として販売されているのですが、買うときにいつも迷っ
てしまいます。何か違いはあるのでしょうか。

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A.その鶏肉は品種的にも普通のブロイラーとは違うのでしょうね。
いわゆる「地鶏肉」では、こういうことがよくあります。

 「地鶏」といっても、ある品種の純粋なものではなく、品種を掛
け合わせたものがあります。

 シャモなどの美味しいといわれる品種と、ブロイラー系の安定し
て肉がたくさんとれる品種との掛け合わせなどがよく行われていま
す。

 こうした場合、個体によってバラツキが大きいのです。

 また、出荷までの生育日数を伸ばすと、オス・メスの差も出てき
ます。

 たぶん、こうした事情で、パックによって肉の色が違うようにな
ってしまったのだと思います。

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Q.ソーセージとハムの違いはどこで判断すればいいのでしょうか?
また、たびたびメルマガの中でもでてきますがやはり無添加のハム
を作成するのは難しいのでしょうか?

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A.ハムにもいろいろありますね。ロースハムはロース肉をそのま
ま使います。ボンレスハムはモモ肉から骨をとったものが原料です。
骨付のハムもあります。

 ソーセージというのは挽き肉を原料にして、羊の腸などに詰めた
ものです。

 プレスハムというのがちょっとややこしくて、豚肉を小さくカッ
トして、適当な大きさのケーシングに詰めて作ります。

 ソーセージとどかが違うのか?といわれそうですが、ミンチほど
細かくしないで、豚肉のかたまりを詰めているという感じだと思い
ます。

 手作りのハムは手間がかかりますが、それほど難しくはありませ
ん。無添加ハムも問題なくつくれると思いますよ。

 一度、挑戦してみてください。

 ただ、「燻製」という工程は木の煙でいぶすのですが、必ずしも
安全とはいえないと思います。

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Q.最近スーパーで「遺伝子組み替えでないエサを食べた牛の牛乳」
というのをみつけてビックリしました。そう書いていないものは、
遺伝子組み替えのエサを食べさせたものなのでしょうか。ちなみに
その「組換えでない餌を食べた牛の牛乳」はあまりおいしくありま
せん。

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A.乳牛のエサは「粗飼料」と「濃厚飼料」に分けて考えています。
粗飼料は干し草などが主なもので、牛は本来こんなものを食べるの
ですね。

 美味しい牛乳を出すには、粗飼料だけでは足りないので、栄養価
の高い、穀物などの濃厚飼料もたくさん与えます。

 いろんな原料を配合するのですが、主成分はトウモロコシです。

 輸入のトウモロコシは普通、遺伝子組み換えの品種も含んでいま
すので、一般の牛乳は遺伝子組み換えの品種をエサにしていると思
ってよいと思います。

 ご質問の牛乳は、トウモロコシを使っていないか、遺伝子組み換
えでないトウモロコシを手配したかのどちらかでしょうね。

 あまり美味しくないということですから、使っていないのかもし
れません。

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Q.無添加の手作りクッキーの賞味期限はどのくらいなのでしょう
か?ケーキ屋さんや市販の手作り風のものはだいたい1カ月位だと
思うのですが・・・。

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A.そのクッキーはどこかで売っていたものでしょうか?店で売っ
ていて、賞味期限がついていないのなら、ちょっと問題ですね。

 自分で作った、また誰かが作ったものをもらったものなら、最初
から賞味期限という概念はありません。

 賞味期限というのは、メーカーが客に対して、この日までは大丈
夫です、とう保証しているものなのです。

 販売していて、それを表示しないのはいけません。ボランティア
団体などで、そういうところはときどきありますが、私はそれでは
物を販売する資格がないと思っています。

 販売しているものでないのなら、賞味期限は関係ないというのは、
要するに我が家で今日炊いたご飯には賞味期限がない、ということ
です。

 もちろん、いつまでも食べられるわけではありませんが、食べら
れるかどうかは各自が判断すればよいだけの話です。

 クッキーというのは焼き固めてあるわけですから、日持ちはよい
と思います。見た目に変化がなければ、食べられると思いますよ。

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Q.昨年より、カスピ海ヨーグルトを始めました。2,3日前の朝
日新聞で、牛乳パックには雑菌がいっぱい、という記事が載ってい
ました。このまま続けていいものか?考えています。

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A.その記事は私は見ていません。どんな内容かわからないのです
が、まあ「雑菌でいっぱい」というのはウソではないでしょう。

 牛乳は1ミリリットル中に5万個以下の細菌でなければいけない
とされています。

 1リットルのパックには、5千万個の細菌がいてもよいわけです。
これが数億個に増えても、飲んでもわからない程度です。

 個数でもって「いっぱい」と言っても、人間界の常識でははかれ
ない数なんですね。

 どこにでも、億や兆個の細菌はいますので、あまり気にしてもし
かたないです。

 ところで、「カスピ海ヨーグルト」ですが、構成している細菌は
たぶん不明です。また、作っていくうちに、細菌の構成は移り変わ
っていくと思います。

 たぶん、健康に害が出ることはないと思いますが、危険性はじゅ
うぶんありますから、あまり手を出さない方がよいのではないか、
と私は考えています。

 人によって考えは違いますが、安全性を重要に思うのなら、やっ
ぱり腰が引けますね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「海洋深層水」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 高知県は22日、室戸海洋深層水を利用して作ったミネラルウオ
ーターを製造、販売している大和リゾート(本社・大阪市)の原水
から、食品衛生法で定める基準値の約1・2倍の水銀が検出された、
と発表した。健康被害の報告は今のところないが、同社は製造を中
止し、市場に出回った約7万本の回収を進めている。

 県によると、回収の対象は、「海洋深層水第1章」(1.5リッ
トルと380ミリリットル)と「無洗米ウオーター」(1.5リッ
トルと450ミリリットル)の4種類で、先月9日から今月1日に
かけて製造・出荷されたもの。同社が4月10日に定期検査したと
ころ、最大で1リットル中0.0005ミリグラム以下の基準値の
1.2倍の0.0006ミリグラムの水銀を検出したという。

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030523k0000m040132001c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 水銀は特に規制が厳しいのですが、わずかにひっかかったようで
すね。この基準値は「一生、毎日飲んでも安全である」値から算出
されています。だから、一度飲んだからといって健康に影響がある
わけではありません。もし、この「海洋深層水」を飲んでしまって
いても、とりあえず心配するほどのことはないと思います。

 水質基準について、紹介しているページを見つけました。そこか
ら、関係のあるところを引用してみます。水道水の基準値で、カッ
コ内がミネラルウォーターの基準値です。カッコ部分がないものは
水道水・ミネラルウォーター共通の値になっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

無機物質・重金属

カドミウム 0.01 mg/l 以下
水銀 0.0005 mg/l 以下
セレン 0.01 mg/l 以下
鉛 0.01 mg/l 以下(0.05 mg/l 以下)
ヒ素 0.01 mg/l 以下(0.05 mg/l 以下)
六価クロム 0.05 mg/l 以下
シアン 0.01 mg/l 以下
硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素 10 mg/l 以下
フッ素 0.8 mg/l 以下(2 mg/l 以下)
亜鉛 1.0 mg/l 以下(5 mg/l 以下)
鉄 0.3 mg/l 以下
銅 1.0 mg/l 以下
ナトリウム 200 mg/l 以下
マンガン 0.05 mg/l 以下(2 mg/l 以下)

http://www.sam.hi-ho.ne.jp/takeshi-kunimoto/index/atom/h2o.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 水銀だけが飛び抜けて厳しいですね。毒性が強いこともあります
が、水俣病の影響もあるのでしょう。

 さて、今回問題になった「海洋深層水」について、私は以前から
疑問を持っていました。

 海洋深層水とはなにか?ということについては以下のページをご
らんください。
http://www.kochi-kg.go.jp/~kochi-dw/explanation.htm

 このページでは、海洋深層水の利用について、このように語られ
ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1 水産分野での利用

低温安定性

 水温制御が容易になり、夏季の高水温期においても、生物への影
響を最小限に抑えることができるようになります。低温の必要な冷
水性や深海性生物の飼育技術開発も可能です。

富栄養性

 植物プランクトンや海藻を培養する場合、栄養塩に富んだ良好な
環境を提供することができます。

清浄性

 海水中の病原生物などが非常に少ないため、魚病菌による病気な
どの被害がなくなり、生物管理、水質管理が容易になります。

熟成性

 これまで表層海水や、沿岸海水では培養・飼育することが困難で
あった生物を培養することが容易になります。

2 水産以外の分野での利用

低温安定性

 温帯地域では困難ですが、表層水の水温が高い熱帯地域では、深
層水との温度差を利用して、発電や淡水の製造が可能です。また、
陸上に汲み上げられた深層水の低温性は、室内の冷房や花卉栽培の
温度調節などの利用がえられます。

清浄性 
熟成性 
ミネラル特性

 深層水に含まれる様々な有用物質、希少金属やミネラルの利用が
考えられます。特に、食品・美容・医薬品などへの利用については
実用段階での研究が行われています。

http://www.kochi-kg.go.jp/~kochi-dw/explanation.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 要するに、水産(主に養殖事業)に利用できるのではないか、と
いうのが海洋深層水利用の主な目的なわけです。ここに書かれてい
ることについては、私も大いに賛成です。汲みあげるエネルギーに
見合った効果があるなら、利用が進んでいけばよいと思います。

 ところが、これを金儲けに利用しようとしたのが、「海洋深層水
使用」という一連の商品です。

 そもそも、海の水ですから、飲用や食品製造用に使うには、塩辛
すぎて無理があります。そこでイオン交換膜などを使って塩分をと
って使うのです。こうした脱塩、脱ミネラルをしておいて、「ミネ
ラル豊富」とか、「自然の神秘」とか言うのですから、まったくよ
い根性をしています。

 海水を原料にしたミネラルウォーターは、一般のものより危険性
が大きい、と言ってきましたが、今回はそれが証明された形になり
ました。

 「海洋深層水使用」という食品には、ぜひ眉につばをつけて接し
てほしいと思います。はっきり言って、何の効果もないですよ。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週もたくさんメールをいただきました。なるべく早く返事をし
ようと思っていますが、このごろちょっと遅れ気味です。2〜3日
くらいはごかんべんをお願いします。

 5月いっぱいが締切りの原稿が二つあって、苦しんでいましたが、
やっと「宮沢賢治」の方は書き終えました。「國文學 解釈と鑑賞」
という雑誌の増刊にのる予定です。

 もう一つは食べ物の話なんですが、まだまだです。はたして間に
合うかどうか…。メールマガジンも遅れずに出しているし、締切り
に遅れないのが自慢なんですけどね。今回は中国がらみの仕事がた
いへんで、時間を作るのに苦しんでいます。(こんなことを言うと、
飲まなければいいのよ、というツッコミが入るんですが。)

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