安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>18号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------18号--2000.03.05------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     Q&A:コラーゲン
     Q&A:ソルビン酸
     マヨネーズ その1

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 「エステ地獄」という本を読みました。過食症になった著者が、
なんとか痩せようとエステの悪徳商法にひっかかって、百万円以上
の借金を作ってしまった話です。

 摂食障害の話はよく聞きますが、それがエステと結びつく、とい
うのは、あまり想像できませんでした。

 エステというと、美顔とか、ムダ毛処理とかだと思っていました
が、ダイエットでは痩せられず、エステに通う、という人も多いの
だそうです。

 ワラをもつかむ、という気持ちなのでしょうが、食べ物の分野で
も、人の弱みに付け込む、悪徳商法は横行しています。

 私がいちばんひどいと思うのは、一部の医者なども荷担している
「アトピー・ビジネス」です。これにひっかかると、お金だけでは
なく、大事な子供の健康までだいなしにしてしまいます。

 とにかく、「脅し」から入る勧誘のテクニックを使うところ、非
常に高価な代価を要求するところは、すべてインチキと思って間違
いないです。

 それに比べると、「民間療法」の類は罪がなくて良いです。「イ
ワシの頭も信心から」といって、本来は信仰の領域に属することな
ので、信心もなしに、ご利益だけをいただこうと思うのは、あつか
ましいのですが。

 素朴な信仰心を大事にしたい、などと思っていると、怪しげな宗
教団体が待ちうけていたりしますので、まったく油断のならない世
の中です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.広告などをみていると、健康食品としてコラーゲンが随分高い
値段で売られていますが?

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A.コラーゲンというのは、皮膚や骨を構成しているたんぱく質で
すよね。

 たんぱく質はそのままでは吸収できませんので、分解して、アミ
ノ酸(またはアミノ酸がいくつか集まったオリゴペクチン)として
吸収されます。

 したがって、たんぱく質を摂る、というのは、それを構成してい
る、アミノ酸を摂る、ということです。コラーゲンという一つのた
んぱく質を摂ることに意味があるとは思えません。

 たんぱく質はその種類に応じて、特有のアミノ酸組成を持ちます
ので、体内でコラーゲンを作る材料には、コラーゲンを摂るのが良
いようですが、コラーゲンでなければならない、というわけではあ
りません。

 それよりも、体内でコラーゲンを合成するには、ビタミンCが重
要な働きをしています。(ビタミンCが不足すると、壊血病になる
のは、コラーゲンの生成が阻害されるためだそうです。)

 したがって、コラーゲンを摂ることに意味はあまりなく、皮膚の
健康のためには、ビタミンCの摂取がより重要、ということになり
ます。ビタミンCは普通の食生活で充分摂取できますので、よほど
偏った食事でない限り、補給する必要はないと思いますが、ビタミ
ン剤として補給する、という手もあります。(お勧め、というわけ
ではありません。)

 たんぱく質が何かの間違いで体内にそのまま入ると、異物と判断
され、アレルギー反応が起こります。コラーゲンに限らず、ある種
のたんぱく質の効果をうたった食品はすべて、眉唾物といってよい
と思います。

 コラーゲン注入、などという、乱暴な美容法もありますが、コラ
ーゲン配合の化粧品、とか、食べるコラーゲン、というのはナンセ
ンスです。

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Q.私が読んだ他の本には気おつけなければいけない添加物の所に
ソルビン酸が書いてあって、「発ガン性の疑いがある」と載ってい
たのですが?

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A.ソルビン酸は「防腐剤」ですが、それほど強い効き目はなく、
ほとんどの場合、使わずにすむものと考えています。

 現に、大手メーカーのかまぼこや漬物で、「防腐剤無添加」のも
のは販売されています。

 無添加ですむものに、どうして防腐剤を入れるかというと、流通
中の「冷蔵流通」、家庭での「冷蔵保管」が守られていない、とい
う前提があるからです。防腐剤無添加の商品を作ると、流通にも責
任を持たねばなりませんし、家庭での保管リスクも背負う必要があ
り、覚悟が必要です。(もちろん製造時の衛生管理も。)

 その覚悟がもてないメーカーは、防腐剤添加をするわけですが、
これも、無責任な「無添加」商品を作るよりはましかと思います。

 でも、店頭では、防腐剤を使っていないメーカーの商品を応援し
てやってください。結構なコストをかけて、防腐剤無添加でがんば
っても、消費者の理解が得られず(売れ行きの問題です。)、苦し
んでいるメーカーが多いのです。

 それでは、ソルビン酸の毒性はどれくらいかというと、ほとんど
ありません。(^.^)発ガン性云々はデマです。

「安心!?食べ物情報」7号から、LD50(半数致死量)といって、急
性毒性の指標です。)の表を引用します。

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【防腐剤】
ソルビン酸 10.5
【一般品】
食塩 8〜10
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 詳しくは、安心!?食べ物情報のサイトのバックナンバーを見てほ
しいのですが、比較に食塩の数値を並べてみました。これは体重1
kgあたりの摂取グラム数で、体重50kgだと、500gくらい一度
に食べると、危ない、ということです。(この数字が1gを超える
ものは、基本的に毒物ではありません。)

 発ガン性についても、最終的に発ガン性は確認されていません。
(もし確認されていたら、添加物の指定は取り消しになるでしょう
ね。)

 ソルビン酸について、ラットに腫瘍ができた、という実験報告が
かつてあったらしいのですが、追試の結果、それも確かではないよ
うです。発ガンの実験報告は、一度もなかったと思います。

 したがって、ソルビン酸の毒性を気にする必要はありません。し
かし、だからといって、食品にこのような添加物を使うことはよく
ない、と思います。できるだけ、無添加のものを選びたいですよね。

 結論は、

(1)ソルビン酸の毒性は心配するほどのものではありません。

(2)でも、防腐剤無添加のものを選びましょう。

の2点です。


--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「マヨネーズ」その1
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【市販のマヨネーズと手作りマヨネーズ】

 マヨネーズは酢とサラダ油を卵の乳化力で混ぜ合わせたドレッシ
ングです。コロイド状の、微小な塊になった油が、酢の中に混じる、
「水中油滴」型ですので、意外かも知れませんが、本質は水です。

 食器に残ったマヨネーズも、こねたりせずに、ザッと流すと、案
外きれいに流れてしまいます。(排水を汚すと怒られそうですが.)

 強力な殺菌力を持つ酢が全体を覆っていますので、卵などの腐り
やすい成分が多いのに、冷蔵庫に入れなくても、保存可能になって
います。

 もちろん、開封後は冷蔵庫に入れた方が良いのですが、温度が下
がり過ぎると、油と酢が分離して、変質してしまいます。

 このマヨネーズの物理的な状態は、専用のミキサーによって、作
られています。家庭でマヨネーズを作ることは一応できるのですが、
どうしても工場で作るような、コロイド状態はできないので、はっ
きりいって、食中毒が心配です。

 マヨネーズは原料を一度も加熱せずに作ります。したがって、製
造直後は無菌ではないのですが、酢の殺菌力によって、時間がたつ
とだんだんと細菌は死滅していきます。家庭で作ったものでは、原
料中に食中毒菌があった場合(卵が要注意です。)、殺菌しきれな
いのです。

 手作りマヨネーズでの食中毒は実際に起こっています。マヨネー
ズの手作りはやめておいた方がよいと思います。

【マヨネーズの容器】

 マヨネーズでよく問題になるのは、容器の問題と、添加物です。

 普通、マヨネーズはポリ容器で販売されています。あの容器は、
エバールという空気を遮断するプラスチックをポリエチレンではさ
んだ重層構造になったもので作っています。

 ポリエチレンはエチレンが重合してできるプラスチックで、最も
安全性の高いプラスチックです。いろんな目的で、添加物を使うこ
とがあるので、ポリエチレン=安全と油断してもいけないのですが、
マヨネーズ容器などでは、添加物は使用されていません。

 マヨネーズの保管で、一番の問題は、空気中の酸素による酸化で
す。ポリ容器は上記の空気遮断性を持たせていますが、完全なもの
ではありません。その点、瓶入りのものの方が、長期保存には、有
利です。

 ただし、瓶は開口部が大きくなりますので、開封後はかえって酸
化が早く進む傾向があります。上記の話はあくまで、開封前のこと
です。

 また、瓶はフタの部分に空気が残る量が多いので、最初にあけた
とき、マヨネーズの上部が酸化して、少し黄色くなっています。同
様のことは、ポリ容器でも起こりますが、開口部が小さく、残って
いる空気の量が少ないのと、普通はいきなり絞り出しますので、あ
まり気にならないようです。

 また、瓶では、普通スプーンなどですくって使いますので、この
点での汚染も心配です。

 このように、一長一短ありますが、私はポリ容器の方が優れてい
る、と考えています。空気遮断性も、マヨネーズの半年くらいの賞
味期限内では、問題ないと思います。

【マヨネーズの添加物】

 マヨネーズは添加物の少ない食品ですが、ほとんどすべてのもの
に、「化学調味料」が添加されています。他の食品にも、たくさん
使われていますので、マヨネーズだけを問題にするのも変なのです
が、何せこれさえ使用しなければ添加物0になるので、つい気にな
って、化学調味料ぬきのマヨネーズに、長年挑戦した経験がありま
す。

 それで結論は、きちんと作れば、何とか苦情の出ない程度のマヨ
ネーズはできる、ということでした。東京あたりでは、学校給食の
栄養士が、無添加のものを要求することが多いらしく、そういった
用途向けに無添加マヨネーズを作っていたメーカーに協力してもら
いました。

 酢と油の味がモロに出ますので、この組み合わせと、マスタード
は普通のマヨネーズには必ず使われていますが、このマスタードに
種類を変えるだけで、味がずいぶんと変わります。

 ということをいろいろやった結果、無添加マヨネーズができ、一
応好評をもらったのですが、市販のものよりおいしい、という声は、
残念ながらあまりなかったです。

 私にとっては、憎き化学調味料との一戦ではありました。なかな
か手強い相手なので、つい悪口を言ってしまいますが、味で勝たな
ければ、意味はない、とずいぶんがんばったものです。

 原料の卵については、いろいろと話はあるのですが、これはまた
の機会に・・。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 どうも時間のたつのが速くて、すぐに週末になってしまいます。

 なぜ、こうも時間のたつのが速いのかというお話を仕入れてきま
した。(出典は忘れました。)

 「1年は10歳の子供には、一生の10分の1だが、50歳の人
間にとっては、一生の50分の1だから、年齢が高くなるほど、1
年がたつのが速い」

 というのです。怪しげな理論ですが、結構説得力があると思いま
せんか?

 よく考えれば来年で50歳。子供のころに、21世紀になるまで、
生きていないだろう、と思っていたのですが、実際になってみると、
自分では若いころとあまり変わっていないような気がします。

 成長がない、ともいいますが。

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