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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------175号--2003.03.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「アクリルアミド」「砂糖・缶詰・ひまわり油・牛乳・亜硫酸塩
(Q&A)」「亜硝酸塩」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 昨年来、「ポテトチップスに発ガン性?」というニュースがあり
ました。

 炭水化物を高温で調理すると、アクリルアミドという物質ができ、
そのアクリルアミドに発ガン性がある、ということでした。

 アクリルアミドの発ガン性は確かにあるようでしたが、人体にど
れくらい影響があるのか、という報告があったようです。

 横浜国立大の中西準子さんのページから引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

米国科学と健康委員会(American Council on Science and Health)

 消費者は、疑わしいとされているアクリルアミドの発がん性情報
で、食物の選択や調理法を変える必要はない。

(理由)大用量での動物実験の結果、特に1種の動物での結果が、
人間に適用できない場合が多い。大用量を与えると、細胞が死亡し、
それを補うために細胞増殖を加速させ、これが、細胞分裂の速度を
増大させるので、発がん性物質や変異原性物質に対する感度を大き
くしてしまうことがある。

 職場での高濃度暴露の場合でも、ラットなどの実験のような大用
量の暴露を受けることはないので、このような反応はおきない。し
たがって、げっし動物で発がん性ありと出ても、人にがんを起こす
ことがないことが多い。

アクリルアミドでは、職業暴露で発がん性は証明されていない。

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak211_215.html#zakkan211
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 職業暴露で発ガン性が確認されていない以上、それよりはるかに
低濃度の食品中のアクリルアミドでガンになる可能性はない、とい
うことのようです。

 発ガン性がある、ということと実際に食べては危険だということ
の間には、間隔があって、食品中のアクリルアミドはこの中間だと
いうことでしょうか?

 疫学調査でも、アクリルアミドの摂取量が多いグループでもガン
にかかる率がふえることはないそうです。

 とりあえずちょっと安心できる情報でした。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.「砂糖は本来白いもの」と書いてありますが白いと言う前に本
来、日本にはサラサラとした砂糖と言うものはなく水あめを使用し
ていたと聞きました。沖縄とかでもサトウキビから取れた砂糖が売
られてるのを見たことがあります。白い砂糖は見たことないのです
があれは三温糖なんでしょうか?またサラサラのコーヒーなどにい
れるシュガーはどうやったらあのようにサラサラにできるのですか?

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A.江戸時代まで、日本に砂糖はなかったわけではないのですが、
大変な貴重品だったそうです。

 それで一般には、水飴などを使っていたというのはほんとうだと
思います。

 明治になって、中国、台湾から砂糖が輸入されるようになってき
ました。また、沖縄でも伝統的な砂糖の製法から、黒砂糖が作られ
るようになりました。

 砂糖は化学的には蔗糖と呼ばれる糖類で、ブドウ糖と果糖が結合
したものです。二つの糖が結合したものなので「二糖類」と呼ばれ
ています。

 水飴は「麦芽糖」といい、ブドウ糖二つが結合したものです。で
んぷんはブドウ糖がたくさんつながってできています。消化をうけ
るとブドウ糖の鎖が小さくなって、麦芽糖ができてきます。ご飯を
口の中で噛んでいると、甘くなってくるのは、口の中ででんぷんか
ら麦芽糖への消化がおこるからです。

 サトウキビの汁は高濃度の蔗糖を含みます。そのままでも甘いの
ですが、そこから砂糖を取り出す工程があります。

 砂糖はサトウキビの汁から、蔗糖の結晶をとりだしたものです。

 砂糖の結晶といえば、氷砂糖は砂糖の巨大な結晶です。

 グラニュー糖はサラサラしていますが、ちょうど砂粒程度の大き
さの砂糖の結晶があつまったものです。

 コーヒーなどに入れる砂糖は粒状のものがありますが、あれは少
し大きめの結晶ですね。

 結晶は大きなものではやや灰色がかって見えますが、小さくなる
とまっ白なものです。コーヒー用などで茶色や黄色をしたものもよ
く見かけますが、あれはカラメルなどで着色しています。

 とにかく、結晶ですから、サラサラしているのが当たり前なので
す。

 私たちにおなじみの上白糖や三温糖は、サラサラしていません。
あれは砂糖の結晶を取り出したあとに、ビスコと呼ばれる糖蜜液を
ふりかけて、わざわざしっとりさせています。

 こういう砂糖が主流なのは日本だけだそうですが、どうしてそう
いうものが主流になったのか、よくわかりません。

 ここでも、品質のよい砂糖は真っ白な上白糖になります。三温糖
は砂糖を取り出すときに加熱しますので、その影響で着色してくる
のです。

 つまり、同じサトウキビの汁から、最初は上白糖がとれ、最後の
煮詰まった液から三温糖がとれると思ってください。

 黒砂糖は砂糖の結晶を取り出したものではなく、糖蜜液に石灰を
入れ、まるごと固めたものです。やはり煮詰めるため、着色してし
まいます。

 サトウキビの汁にはミネラル分はあまりありませんので、黒砂糖
がミネラル豊富だというのは、投入された石灰のことをいうのです
ね。栄養的にはあまり価値のあるものではありません。

 黒砂糖以外にも、完全に結晶を分離していない砂糖はいろいろあ
ります。それらはだいたい、着色していますが、加熱によって砂糖
からできるカラメルという物質が着色の原因です。

 純粋の砂糖は結晶の大きさにもよりますが真っ白なもので、加熱
によってカラメルができる度合いによって、着色していろんな色に
なる、というのがほんとうのところです。

 黄ザラやブラウンシュガーなどと呼ばれるものは、加熱により自
然になった色ではなく、カラメルで意図的に着色しています。

 黄ザラは昔、砂糖の税金が色によって違った(白いものほど高か
ったのです)時代の風習が残ったものだそうです。ちょっとせこい
ですね。

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Q.個人的に手作りの缶詰に挑戦してみようと思い立ち、「缶詰の
作り方」のキーワードで検索してあなたのサイトを見つけました。
当方は、缶詰に関して、いろはの「い」の知識さえ持ち合わせてい
ないまったくの素人ですが、そんな素人でも缶詰の製造が可能なの
でしょうか?可能でしたら、缶詰そのものはどこで入手できるので
すか?製造に当たって最低必要とする機械類はどんなものですか?
また、それの入手先は?

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A.缶詰製造のポイントはレトルト釜による高温殺菌と缶の二重巻
締めです。どちらも専用の機械を使いますが、家庭用というのはな
いと思います。

 普通、家庭でつくるときは「瓶詰め」を作りますね。これはビン
に中身を入れて沸騰したお湯で加熱し、その状態でフタをしてしま
います。

 温度が下がると中の空気の体積が小さくなるので、ビンの中は減
圧した状態になります。ジャムなどはこうしておけば、結構保存で
きるそうです。

 レトルト釜のような高温にはなりませんから、どんなものでも保
存できるというわけではありません。

 ジャムなどの糖分や塩分の多いもの、酸性の強いものなら大丈夫
だと思います。詳しい作り方は
http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Celery/2891/canning.html
あたりをごらんください。

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Q.ひまわり油に品種改良してオレイン酸をたかめたものがあると
ありますがその、品種改良とは、遺伝子組み換えとは違うのですか?

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A.オレイン酸タイプのひまわり油はもう10年以上前からありま
すから、遺伝子組み換え技術を使ったものではないと思います。

 遺伝子組み換えはいろいろと話題になっていますが、もうずいぶ
ん前から、新しい品種の開発には様々な新しい技術が使われていま
す。「バイオテクノロジー」といってもてはやされたこともありま
した。

 単純な交配だけで品種を開発しているわけではないので、「遺伝
子組み換えでないから」というのはあまり意味がないのかもしれま
せん。

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Q.牛乳の中に含まれる脂肪分だけを抽出して圧をかけてそしてま
た元に戻して売っている牛乳がありその牛乳は振っても生クリーム
が出来ないのは何故なんでしょうか?牛乳の名前は「ホモジナイズ
ド牛乳」でビンに入ってます。普通のスーパーとかには販売されて
なくて一部の生活共同組合で売られています。

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A.なんだか怪しげな話ですね。「ホモゲナイジング」というのは
牛乳の中にある脂肪球を小さく、均質にする処理で、市販の牛乳は
ほとんどみんなこの処理をしています。

 振ると脂肪球どうしがくっついて、クリームが浮かんでくるのは、
この処理をしていない牛乳ですから、市販の牛乳はほとんどそうは
ならないはずです。

 「ノンホモ」と表示したものはときどきありますが、「ホモゲナ
イジング」とわざわざうたっているのはいったいどうしてなのでし
ょうか?

 ちょっと意味がわからないですね。たぶん、中身は普通の牛乳だ
と思います。

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Q.妊娠5ヶ月の妊婦です。つい最近までつわりで甘酸っぱいもの
が食べたく杏を食べていました。添加物に亜硫酸塩が含まれている
事で大丈夫?と言われ胎児への影響がとても心配でたまりません。
漂白剤なんて食べてしまって大丈夫でしょうか?添加物で気をつけ
て摂取した方が良いものなどあれば教えて下さい。お願いいたしま
す。

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A.亜硫酸塩は漂白剤とか酸化防止剤とかによく使われています。
代表的なのはワインで、必ず使われていると思ってよいです。

 毒性は低いですし、自然にも存在しています。以下のページをご
らんください。

http://www.nihs.go.jp/hse/food/food-db/1-1.htm
http://www.nihs.go.jp/hse/food/food-db/1-2.htm

 たいていの食品に含まれていることがわかると思います。とにか
く、心配するだけばからしいことは間違いありません。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「硝酸塩」
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 食品添加物の摂取量は一般に、ADI(一日許容摂取量)と比べ
て高くない、とされています。

 その中で、発色剤に使われる亜硝酸塩だけはちょっとヤバイので
はないか、と以前から気になっていたのですが、やっとADIを超
えているというデータを見つけました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本人の一日あたりの添加物摂取量について

 昭和55年度から現在まで、厚生労働省が中心になり、いくつか
の自治体の衛生研究所などの協力で、日本人の添加物の一人一日摂
取量実態調査が継続して行われています。

 その結果、サッカリン、ソルビン酸、食用タール色素などの天然
の食品には存在しない添加物の一日摂取量は約0.1gで、摂取量
はプロピレングリコール脂肪酸エステル(乳化剤)の順で多くな
っていました。

 また、ビタミン、アミノ酸、ミネラル類などのような、天然の食
品にも存在し添加物でもあるという物質の加工食品からの一日摂取
量は9.5gでした。

 その中で、添加物由来のものは約3.2gと推定されています。

 ADI(体重50kgとして計算した一日摂取許容量)との比較では、一
人一日摂取量の割合が高いのは硝酸ですが、これは主として生鮮食
品の天然由来によるものでした。天然に存在しない添加物のADI比
はすべて3%以下でした。 

 添加物の一日摂取量とADI(一日摂取許容量)の例

物質名(主要目途)        摂取量(mg) ADI(mg) 摂取量/ADI(%)
プロピレングリコール(品質保持剤) 37.30     1250 2.98
ソルビン酸(保存料) 27.50     1250 2.20
プロピレングリコール脂肪酸エステル(乳化剤)
14.49     1250 1.16
サッカリンナトリウム(甘味料) 0.42     250 0.16
アスパルテーム(甘味料) 2.20     2000 0.11
亜硝酸(発色剤) 1.15 3 38.3
硝酸(発色剤) 232.00 185 125.0

http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/shokuhin/tenka/ten7.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 超えているのは「亜硝酸塩」ではなく、「硝酸塩」でした。亜硝
酸は簡単に硝酸に変ります。亜硝酸塩を添加したハム類でも、分析
すると硝酸塩のほうが多く出ますので、意味は同じようなものだと
思います。

 ADIを超えているというのはやっぱり困ったことで、なんとか
しなければいけないと思います。

 ところが、この硝酸塩の出所なんですが、ほとんどが野菜類なの
です。上記のデータでも、こう書かれています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

        total  加工食品  生鮮食品
亜硝酸(発色剤) 1.15   1.08    0.07
硝酸(発色剤)  232.00 39.60   192.00

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 要するに、亜硝酸塩は加工食品由来だが、硝酸塩は生鮮食品から
来ているのです。加工食品の硝酸塩も、原料の生鮮食品に由来する
ものが多いと思います。

 生鮮食品といっても、要するに野菜です。多いところではこんな
ようなものがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品名       NO3−(μg/g)

ほうれん草     3,560 ± 552
菊菜        4,410 ±1,455
ターサイ      5,670 ±1,270
チンゲンサイ    3,150 ±1,760
サニーレタス    1,230 ± 153
レタス         634 ± 143
サラダ菜      5,360 ± 571
かいわれ大根     551 ± 175
きゃべつ        435 ± 215
きゅうり        384 ± 0.8
白うり       1,040 ± 149
はくさい      1,040 ± 289
おおさかしろな   2,500 ± 753
なす         387 ± 47
ごぼう       2,350 ± 438
せり         504 ± 187

http://www.nihs.go.jp/hse/food/food-db/4-1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 摂取量がADIを超えているのですから、何らかの対策が必要な
ところです。原因が添加物なら話は簡単なんですが、犯人が野菜と
なればそう簡単にいきません。

 たべるのをやめるわけにはいかないし、硝酸塩をどうしたら減ら
せるかも難しいところです。

 これだけ硝酸塩を含んでいても、野菜をたべるメリットは含まれ
る硝酸塩のデメリットより大きいでしょう。だから野菜は危険だ、
というつもりはありませんが、放置しておいてよいとも思えないと
ころです。

 硝酸は肥料に由来するという説があります。肥料のやりすぎ説も
根強いですね。農家のほうもこの辺を研究して、「低硝酸」野菜を
売り出してみる、というのはいかがなものでしょうか?

 私は売れると思います。「無農薬野菜」より「低硝酸野菜」のほ
うが確実に健康によいですものね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

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者数が足りないのでダメでした。こちらも面白いので、ぜひご講読
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 16日(日)は松江に出かけます。私の本の読者の方の会合に呼
ばれたのです。和歌山─松江日帰りはちょっと強行軍です。東京の
ほうが時間的に近いというのはやはり新幹線の威力ですね。

 来週は盛岡、4月になるとまた上海とこのところちょっと忙しく
なっています。でも、声がかかればきっと出掛けるんだろうなあ…。
 
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