安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>172号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------172号--2003.02.23------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「バナナ・アスパルテーム・パブリカ色素・
カビ・たんぱく質(Q&A)」
「たんぱく質」

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回にひきつづき、同様のおたよりをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 こんにちわ。いつも楽しみに拝読させて頂いております。

 冒頭にありました件、実は私も前号で大変気になりメイルをさせ
ていただこうと思っていたところでした。

 菜食は金持ちの。。。。これにはちょっと納得できない感があり
ました。私は菜食主義ですがはっきりいって貧乏です。

 牛一頭を育てるのに畑xxアール分の大豆が必要である。と昔授
業でならってから、逆に食肉輸入に頼りすぎているこの日本の体質
に反感を持ち、菜食主義になりました。

 確かに世界的にみて食料は不足していません。でも日本単体をと
ってみると食料自給率は実に4割をきる程度と誠にお粗末な状況で
す。

 仮にアメリカやカナダ、オーストラリア、中国が日本を見限った
とすると日本は数ヶ月にして飢餓状態に陥るわけです。

 そういう意味では国産肉といっても肥料をすべて輸入、その他の
肉はすべて輸入しているこのあり方を見直すべきではないかと思う
のあります。

 貴殿に対して文句をいっているわけではなく、みんなでこの状況
を直視する必要があると思いメイルさせていただきました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食糧の自給率については、農水省によると、カロリーベースで4
0%(1999年)だそうです。2001年の輸入総額42兆円のうち、食
糧は7兆円。一人あたり年間6万円ほどですか。

 カロリーベースというのは、畜産品はエサの自給率をカウントす
るやり方です。

 自給率についても難しい問題がありますが、私も自給率が高いこ
とはよいことだと思っています。でも、どうして上げるのかという
方策が見えてこない…。

 農業の実態を抜きにして自給率を言っても仕方ないです。「食糧
安保」などという人もいますが、破産寸前の林野庁が「森林の環境
保護価値」などと言い出すのと同じ屁理屈だと思います。

 農業の自立と発展が成功すれば、自給率はあとからついてきます。
さて、どうやって農業を発展させるのか…。

 農業の発展を願う立場と畜産=ぜいたく、という立場は明らかに
矛盾します。国民が質素な食生活をしていたら、農業は発展できま
せん。

 工業だって、国民が「こんなものいらない」と本気で思っていた
ら発展できません。それと同じです。工業の方はやりすぎだと思い
ますが、農業でももう少し、生産者が儲かるような、ぜいたくな消
費をこころがけてもよいのではないか、と思っています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q. テレビを見ていましたら、バナナ(熟したのもの)が食べ物
の中で一番抗酸化力が強くニンニクの2倍以上あり、抗がん効果も
高いと紹介されていました。

 とすると、バナナの産地である台湾、フイリッピン、エクアドル
などはがんになる人は少なく、がん死亡率も他の国に比べて低いの
でしょうか.なにかこのことを示す統計などがありましたら教えて
下さい.

------------------------------------------------------------

A.国別に比較すると、ガンの死亡率はかなり違いますが、これは
平均寿命の差によって違ってくるはずの数字ですので、そのまま比
較しても無意味です。

 バナナの話はそういう疫学的な調査の結果ではなく、化学的な物
質の調査がネタになっています。「フィトケミカルス」といって、
天然物に含まれる生理活性物質を探す研究がさかんにおこなわれて
います。
http://www.fsic.co.jp/fruits/syokuto/no23.html

 何故かバナナがその研究対象になっていて、いろいろとそういう
物質が見つかっています。研究自体はまじめなものですが、それを
聞きつけたテレビ局が恣意的にとりあげたというのが真相だと思い
ます。

 いまのところ、話半分で聞き流しておくのがよいのではないでし
ょうか。

------------------------------------------------------------

Q.私は今妊娠3ヶ月です。妊娠がわかってからある健康飲料を1
ヶ月程のみ続けていたのですが、アスパルテーム(フェニルアラニ
ン化合物)がはいっていたのです。妊婦が摂取すると胎児に影響が
あるとつい先日聞きました。1ヶ月飲みつづけていたのですが、胎
児に影響はありますか?とても心配です。

------------------------------------------------------------

A.アスパルテームに関してはそうした情報を書いているサイトも
たくさんありますね。代表的なのはこんなのでしょうか。
http://members5.cool.ne.jp/~qautumn/HABI/HealthFolder/FOODS/ SugarAlchole/Aspaltame.html

 はっきりいって、これはまっ赤なウソです。悪質なデマ宣伝だと
思います。こちらのサイトと比べてください。
http://www4.famille.ne.jp/~eucrasia/alternate_sweet.files/ aspartame.files/aspartame.html

 ダイエット○○のようなものをガブガブ飲むのはお勧めしません
が、通常の範囲なら、何も心配はありません。

 フェニルケトン尿症によくない、という話がありますが、これは
遺伝性のものなので、新生児のうちに検査があるはずです。それで
何もいわれなければ、一生、無関係です。

 変な情報に惑わされないようにしましょう。気にするのがいちば
んよくないですよ。

------------------------------------------------------------

Q.パブリカ色素の成分、構造等について

------------------------------------------------------------

A.パブリカ=トウガラシのようですね。パブリかの粉末をそのま
ま使うものと、色素を抽出したものとがあるようです。主成分はカ
ロチノイド系の色素でカプサンチンというのだそうです。

次のページに説明がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 トウガラシの果実から得られた、カプサンチン類を主成分とする
ものをいう。橙〜赤色を呈する。

 ナス科トウガラシ(Capsicumannuum LINNE)の果実より、熱時油
脂で抽出して得られたもの、室温時〜微温時ヘキサンまたはエチル
アルコールで抽出して得られたもの、温時加圧下に二酸化炭素で抽
出して得られたもの、またはこれらより、温時加圧下に二 酸化炭
素で辛味成分を除去したものである。

 主色素はカロチノイド系のカプサンチン類である。

http://www.kiriya-chem.co.jp/tennen/paprika.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
------------------------------------------------------------

Q.カビについてお尋ねします。食品にカビが生えた場合、目に見
える部分だけでなくかなり奥の方まで入り込んでいるので、カビの
部分だけとって食べるのは危険と聞きましたが、おもちのカビなど
は昔からカビの部分をとって水に漬けて食べれば大丈夫なんてこと
もいいますよね。本当のところどうなんでしょうか。カビの種類に
もよるでしょうが、何か判断の基準になるものはありますか?

------------------------------------------------------------

A.これはカビの種類というより、判断の基準の問題だと思います。
普通の経験のレベルでは、カビを削って、残りを食べても、差支え
ないでしょう。

 ただそれは発ガン性物質とわかっているものを食品添加物として
使っても、実際には健康状態に異常は見られない、ということと同
じです。

 禁止された食品添加物はいろいろありますが、別に食べてすぐに
病気になったり、死んだりしたわけではありません。(このへん、
水俣病やヒ素ミルク、PCB入りオイルなんかの事件と混同されて
しまっていますが)

 だから、昔の「おばあさんの知恵」レベルでよければ、食べても
かまいません。しかし、食品添加物などにも高い安全性を要求する
ようになっている現在では、カビが生えたらもう食べないという判
断のほうが妥当だと思います。

------------------------------------------------------------

Q.たんぱく質を摂り過ぎるとどうなるのですか?

------------------------------------------------------------

A.たんぱく質は大切な栄養素ですから、多すぎて困ることはない
と思います。ただ、食事の全部がたんぱく質だったら、他の栄養素
(脂肪や炭水化物)が不足してしまいますね。これは栄養失調とい
う症状になってしまいます。

 では、他の栄養素も充分以上にとっから、どうでしょうか。きっ
と肥ってしまいますね。(^_^;

 栄養素としてのたんぱく質は量だけでなく、質も大切です。質の
よいたんぱく質を必要なだけとるのが理想的です。詳しくは栄養学
なんかを勉強してみてください。

(子供からの質問だと思って、こう書きましたが、もし大人の人だ
ったらごめんなさい。下につづきがあります。)

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「たんぱく質」
------------------------------------------------------------

 たんぱく質を構成しているアミノ酸は、つぎのような種類があり
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

和名        英名     3文字 1文字
※メチオニン   methionine    Met  M
アラニン     aranine     Ara  A  
※バリン     valine      Val  V
※ロイシン    leucine     Leu  L
※イソロイシン  isoleucine    Ile  I
プロリン     Proline     Pro  P
※フェニルアラニンphenylalanine  Phe  F
※トリプトファン tryptophan    Trp  W
システイン    cysteine     Cys  C
グリシン     glycine     Gly  G
セリン      serine      Ser  S
※スレオニン   threonine    Thr  T
チロシン     tyrosine     Tyr  Y
アスパラギン   asparagine    Asn  N
グルタミン    glutamine    Gln  Q
アスパラギン酸  aspartic acid  Asp  D
グルタミン酸   glutamic acid  Glu  E
※リシン     lysine      Lys  K
アルギニン    arginine     Arg  R
ヒスチジン    histidine    His  H

http://web-mcb.agr.ehime-u.ac.jp/library/database/chemical/ biochem/aaname.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ※印が必須アミノ酸と呼ばれるものです。全部で8種類ですが、
ヒスチジン、アルギニンも必須アミノ酸に入れることもあります。

 それぞれがどんな物質かは次のページに化学式があります。
http://www.metaco.co.jp/Cglib/13_molbio/a-144/a-144.htm

 たんぱく質は上記のアミノ酸が長くつながってできています。こ
のときのアミノ酸の配列によって、さまざまなたんぱく質ができる
のです。そしてこのアミノ酸の配列を決めているのが、遺伝子であ
るDNAです。

 たんぱく質は20種類のアミノ酸からできています。そのうち、
必須アミノ酸と呼ばれるのは、体内で合成できないアミノ酸です。
それ以外のアミノ酸は必須アミノ酸から体内で変換しますので、食
べ物からとらなくてもよいのです。

 たんぱく質は体内で消化され、アミノ酸まで分解して取り込まれ
ます。私たちの身体をつくるたんぱく質はこのアミノ酸からふたた
び合成されていくわけです。

 そのとき、各種のアミノ酸がどれだけいるかは決まっています。
すべての必須アミノ酸がそろっていれば、食べたたんぱく質は効率
よく使うことができますが、一部少なすぎる必須アミノ酸があると、
他の必須アミノ酸は余ってしまって、効率よく使うことができませ
ん。

 これを「制限アミノ酸」といいます。この考えを8枚の板でつく
った樽の図でよくあらわします。一枚でも短い板があると、その板
の高さまでしか水をためることができず、他の板がせっかく長くて
も、水をためる役にはたたないのです。

 制限アミノ酸の量によって、たんぱく質にスコアをつけます。最
高のたんぱく質は卵のたんぱく質だといわれますが、肉や魚でもだ
いたいスコア100(制限アミノ酸なし)になるようです。

 植物性のたんぱく質はたいてい、この「制限アミノ酸」をもちま
す。小麦ではリシンが制限アミノ酸で、含んでいるたんぱく質は半
分くらいしか評価されません。

 昔、給食のパンにリシンを添加しよう、という話があったのは実
はこれが理由だったのです。リシン添加で給食のたんぱく質を改善
しようとしたのですね。

 肉や魚を多いめに出せばすむことなのですが、昔はそこをケチろ
うとしたのでしょう。

 動物性のたんぱく質が良質で、植物性たんぱく質は質が劣る、と
いうのはこういう理由です。

 質が劣るといっても、たとえばアミノ酸スコア50でも、量を二
倍食べればよい理屈です。現在ではたんぱく質摂取量は不足してい
ませんから、肥りすぎを気にする大人だったら、いちいちたんぱく
質の質を考える必要はないと思います。

 ただし、子供に動物性のたんぱく質を制限するのはできるかぎり
やめてください。子供はたんぱく質の必要量が多く、食べる量が少
ないので、良質のたんぱく質が必要なのです。

 アトピー性皮膚炎などで「玄米菜食」などをすすめられても、う
かつにひっかかってはいけません。たんぱく質欠乏→腎臓病などと
いうコースもありますので、充分ご注意ください。 

--〔後記〕--------------------------------------------------

 農業のことで調べていたら、農水省のサイトで次のようなページ
を見つけました。

「農と食のものしり百科」
http://www.maff.go.jp/monosiri/mokuji.html

 項目ごとに資料がついています。なんとか農業助成の雰囲気を盛
りあげたい農水省の意図が見え見えですが、資料自体はなかなか面
白いです。

 そのなかで、国土に占める森林の面積が67%というのもありま
した。これはある程度以上の規模の国の中では、世界中で断然トッ
プなんだそうです。森林が50%を超えるような国は他にないんで
すね。

 世界で最も豊かな森林をもちながら、木材輸入国であるというの
も不思議な話です。山に木はあっても、切って運び出せば赤字にな
るといいます。せめて林道が完備していれば、なんとかなるのでし
ょうが、自然保護の前には林道建設派は劣勢です。

 開発─林業の維持発展─輸入の抑制と

 自然保護─林業衰退─輸入の増加が

 バーターになっていると思うのですが、いかがでしょうか?
 
------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-172号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数3438名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/