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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------170号--2003.02.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュース」「干し柿・たんぱく質・そば(Q&A)」
「ナッツ」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 政府の構造改革特区で、県と遠野市が提案した「どぶろく特区」
に財務省が否定的な見解を示した問題で、県は3日、内閣府に県の
意見を提出し、「なぜ個々の農家が製造主体になり得ないのか」と
強い不満を示した。意見は近く財務省にも伝えられる。

 同省は県の「どぶろく特区」の構想に対し、「採算が取れない」
「保健衛生面で不安が残る」「適正な納税が期待できない」などと
指摘し、県と意見が対立している。

 これに対し、県は「どぶろくは農家が宿泊の時に提供するもので、
コストはそもそも問題外。実際は製造コストが低く、採算は見合う」
と主張。また安全面の指摘については「食品衛生法の代替措置を検
討する」とし、適正な納税についても「製造量に上限を設けたり、
チェック措置や登録農家の組織化で大規模な脱税は回避できる」と
反論している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030204-00000005-mai-l03
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「県」というのは岩手県のことです。東北の農村には「どぶろく
文化」があるのですね。私はもう一つ、宮沢賢治に関するサイトと
メールマガジンを運営しています。宮沢賢治の生きた時代には東北
の農村の疲弊がすすみ、密造酒の飲酒におぼれる農民が多くなって
社会問題になっています。

 だからその時代は「禁酒」が大きな問題だったのです。宮沢賢治
は童話「ポラーノの広場」でこのようにうたっています。

つめくさのはなの 終る夜は
ポランの広場の 秋まつり
ポランの広場の 秋のまつり
水をのまずに酒を呑む
そんなやつらが威張っていると
ポランの広場の 夜が明けぬ
ポランの広場も 朝にならぬ。

 それにしても時代は変ったものですね。

 つぎはこんなニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 福井県は6日、岐阜県内で製造され福井、富山両県内で販売され
た子ども用ラーメン丼(陶磁器)から、食品衛生法の基準以上の鉛
とカドミウムが検出されたため、岐阜県がメーカーに回収を命じた、
と発表した。該当品の使用をやめ、購入店に返品するよう呼び掛け
ている。

 岐阜県土岐市の「カネ仁(に)」が製造した3種類(いずれも直
径約15センチ、高さ約6センチ)で、内側に四輪駆動車やクマな
どの絵がある。岐阜県の調査で、鉛は基準値の約3・3倍、カドミ
ウムは基準値の約1・7倍の濃度を検出した。丼は700個製造、
メーカー段階での在庫や不良品を除く約510個が、01〜02年
にかけて福井、富山両県に流通したとみられる。福井県内の販売店
で売れ残っていた24個は回収したが、実際に何個売れたかは不明
だという。

 福井県によると、鉛は一定量を継続して摂取すると影響が出始め、
カドミウムも濃度からすぐに被害が出ることは考えにくいという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030207-00000003-mai-l18
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私は以前から「プラスチック=危険、ガラス・陶器=安全」とい
うのはおかしいのじゃないか、といってきました。有害物質が出て
くる可能性はガラスや陶器などにも充分あると思っていましたが、
やっぱりこんなこともあるようです。

 私の知っている範囲では「クリスタルグラス」はきれいなガラス
ですが基本的に「鉛ガラス」ですので鉛が出てきます。ガラスは結
晶質ではなく、固体ですが中の物質がかなり自由に移動できるのだ
そうです。クリスタルグラスに液体を入れて飲むのはかなり危険で
す。

 陶器も素焼き以外は表面に釉薬という熱で溶ける土を塗って焼き
ます。これは陶器をつくるとき、溶けてガラス状の物質になり、陶
器の表面に光沢を与えるのです。ここに鉛などが含まれていたら、
食べ物の中に出てくるわけですね。

 「ガラス・陶器=安全」と無条件に思い込むのは間違っています。
紙製品も同様です。もちろん、食品衛生法の基準に適合していれば
問題はありませんし、今回の陶器でも別にすぐに健康被害が出る可
能性があるわけではありません。

 危険だと思い込むのも間違っていますが、安全だと思い込むのは
もっとヤバイと思います。ご注意ください。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.中国産の干し柿がスーパーなどで安く販売されていますが、表
面には、びっしりと、それも厚めに白い粉が付着しています。ちょ
っと叩けば、たくさん落ちるほど・・・国産のものや、自分で作っ
た干し柿にも多少はついていますが、中国産は桁違いの量と思いま
すが、安全なのでしょうか。

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A.干し柿に白い粉はつきものだと思うのですが…。どうも干し柿
の乾燥のぐあいが違うようですね。


--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 干し柿には白い粉が吹きでるまで十分乾燥させた“ころがき”と、
遠赤外線装置を使って半感想状態のままで渋味を抜いた“あんぽが
き”の2種類があります。

 初めて干し柿を見た方は、この白い粉をカビと間違ったりするの
ですが、干し柿からしみでた果糖とブドウ糖の糖分ですから安心し
て食べられます。

http://www.jvnet.or.jp/~nagahasi/ja/kai-hos.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私の住んでいる和歌山県は日本一の柿の産地で、干し柿も名産で
す。みんな白い粉がついていますよ。

 それとも、砂糖をまぶしてあるのでしょうか?そんなことはない
と思うのですが…。

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Q.動物性蛋白と植物性蛋白について(1)植物性蛋白が動物性蛋
白より劣るというのは具体的に何をさすのですか?(2)動物性と
植物性の蛋白(アミノ酸)に分子構造などで違いがありますか?
(3)完全菜食(動物性蛋白を全く摂らない)というのは栄養学上
なりたつでょうか?

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A.たんぱく質はアミノ酸からできています。私たちの必要とする
アミノ酸は一定の比率で配合されているとき、いちばん効率よく利
用できます。

 動物性のたんぱく質は私たちのからだを構成しているたんぱく質
とよく似ていますので、アミノ酸のバランスがよく、質のよいたん
ぱく質です。

 植物性のたんぱく質は一部のアミノ酸が不足していることが多い
ので、単独でとっても効果が低くなります。

 たんぱく質としての評価は 動物性>植物性 で、卵のたんぱく
質が最高の評価になります。

 動物性のたんぱく質ばかりでは他の栄養のかたよりも心配です。
組み合わせてとるのがよいのはもちろんです。

 アミノ酸は動物の体内では他のアミノ酸から変換することはでき
ても、最初から作ることはできません。

 したがって動物性のたんぱく質を構成しているアミノ酸も、もと
をたどれば植物性のものです。

 植物→動物に移行するときに、いったん選別されているから、動
物性のたんぱく質はアミノ酸バランスがよいわけです。

 同様に、完全に植物性たんぱく質しかとらない、という生活も成
り立つはずです。

 牛は草だけでもあんな大きなからだを維持できるわけですしね。
でも人間は基本的に雑食ですので、植物性の食事だけで完全な栄養
をとるのは、コストがかかります。

 菜食=金持ちの道楽、という気がします。

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Q.スーパーで買うそばにはそば粉が3割でもそばなのはなぜです
か?蕎麦屋のそばの二八そばは2割のつなぎで納得がいくのですが、
3割しかそばが使われていないのに”そば”なのは詐欺のように思
えます。機械で作る側の事情によるものですか?それとも?

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A.そばは「干しそば」「生そば」「ゆでそば」といろんな形で売
っています。このうちゆでそばではそば粉は3割くらいのことが多
いですね。

 ゆでてしまっていますので、これくらいでないとボロボロになっ
てしまうのだと思います。

 干しそばでもそば粉三割くらいのものはよくあります。食感をよ
くするためにはどうしても小麦粉の比率が多くなります。そば粉が
多いと風味はよいのですが、ぶつぶつ切れる麺になります。

 全体に、関西ではそば粉の比率が低いのが多いです。風味をつけ
るためにそば粉自身もそばがらの部分もひきこんだ黒いそば粉を使
います。

 逆に関東では不純物の少ない、白いそば粉を使い、そば粉の比率
をあげることが多いようです。

 そば粉の色はそばの実の中心部分だけの粉は白く、周辺も部分も
入ってくると黒っぽくなってきます。

 そば粉の品質は白いもののほうがよいのですが、黒いそば粉は香
りが強いのですね。

 関西ではそばは黒い色をしていないと売れないので、わざわざ黒
いそば粉を仕入れているそうです。

 私は関西ですが、そばはやはり関東のほうがおいしいですね。特
に大阪の人はうどんの黒いのがそばと思っているようなところがあ
ります。

 そば粉100%というのもありますが、ここまでくるともう麺と
はいいにくいような気もします。好みの問題ということでしょう。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「ナッツ」
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 前回のつづきです。こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今回のナッツ類に関する話題が在りましたが、私の文の解釈です
とカビていなければ問題は無いと採りましたが・・・

 私はピーナッツが好きでよく食べてましたが最近は中国産野菜の
農薬事件が在ってから私の家では、中国産の物を出来るだけ買わな
い様にしています。

 前々から思っていた事が有りますので、質問させて下さい。日本
では、千葉産のピーナッツは有名だと思いますが、生産量が違うせ
いか市場には殆んど見られないと思います。

 そして、普通に売られているのは、殆んどが中国産のピーナッツ
そのピーナッツは、味にバラツキが有り、渋いのから口の中が臭く
なる物まで色々です。美味しいものは美味しいのですが〜・・・生
産農家の産地の違いも有ると思います。

 で、やぱり残留農薬類が心配です。輸出入時には検査されている
でしょうけれど中国の生産物には、まだまだ不審点が在る様な気が
して安心できませんので以上の事、宜しくお願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対する私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 輸入食品の検査結果はインターネットで公開されています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html

 ピーナツもときどき出てきますが、ほとんどアフラトキシンの検
出です。残留農薬もないことはないです。

 農薬に関しては中国ではまだまだ問題が多いようです。このこと
は改善していってほしいので、残留農薬の検査も大切なのですが、
緊急性はアフラトキシンと同列ではありません。

 考えてほしいのは残留農薬の毒性とアフラトキシンの毒性の比較
です。これはアフラトキシンの毒性が桁違いに強いと思って間違い
ありません。

 特に発ガン性では、少しでも発ガン性の疑いがあれば農薬の登録
はできないそうです。対してアフラトキシンは地上最強の発ガン性
物質です。

 比較にすらならないですね。砂糖と青酸カリくらい違う、という
感じでしょうか。

 だからナッツ類でまず心配するのはアフラトキシンだ、というこ
とで前回の記事を書きました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 というようなことを言っていたら、業者の方からメールをいただ
きました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも拝読しております。メールをさせて頂くのは3回目です。

 前にもご紹介しましたが、私共はお菓子の原材料を輸入・販売し
ておりアーモンド・クルミ・ピスターチ・ドライフルーツなど販売
しております。今回のアフラトキシンの件でメールをしました。

 良く勉強されておられるなー頭が下がります。

 文中”ナッツ・香辛料などに付く事が多いのですが、”とかかれ
ていますが、この理由は下記の通りです。

 ”アフラトキシンといえばナッツ(とくにピーナッツ)と言われ
がちなのは、これらのカビが原産国の土壌に生息し、収穫時の取扱
いや不衛生な保存方法によりカビが増殖することで汚染が広がる可
能性がある為です。これらの菌が汚染する可能性のあるものはナッ
ツだけでなく、トウモロコシ・大豆・小麦・綿実・各種香辛料など
と幅広いのです。”又”ちょっと怖いかび毒の話”後半の部分です


 アフラトキシンに汚染される可能性のある輸入ナッツ類や香辛料
などの食品については、各食品の取扱業者が定期的に自主検査を行
っているほか、国の検疫所では輸入時の水際で、当所を含めた各地
の衛生研究所等では流通段階でこれらの食品の試験検査を行い、ア
フラトキシンに汚染された食品の流通を防いでいます。

 他の食品は知りませんがナッツ、ピスターチ・アーモンド・クル
ミのアフラトキシンは厚生労働省の命令検査になっております。命
令検査といいますのは輸入する全コンテナーを国が認めた第3者機
関に提出し検査に合格した商品だけが通関出来る仕組みです。

 余りに厳しいもので”オーストラリアからの苦情申立者 駐日オー
ストリア大使館(代理申立)”があったと思います。又FAO/WH
Oは許容濃度は30ppbですが、日本では10ppbです。それと例
えサンプルでも、商用に転用できると思われる量であれば検査の必
要があります。

 静岡県環境衛生科学研究所様に自主検査ではなくナッツ類は命令
検査だと訂正をお願いしてあります。

 ここ最近の食品に関する不祥事を見ていますと、渡辺様だけでな
く皆さんが食に不信感を持っておられるのは良く分かりますし関係
者として大変残念です。しかし私共の仕入先、得意先を見てますと、
真摯に仕事に取り組んでいる方ばかりです。一部の心無い方たちに
よって食の信頼が薄れていかないように、もう一度私たちも襟を正
して行きたいと考えております。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 オーストリアからの異議の話は前回紹介しましたね。私も業界に
別に悪意があると思っているわけではありません。ただ、生産者、
流通業者と消費者の間をもっと風通しをよくするためには、生産者
側に態度を変えてもらう必要があると思っています。

 もちろん、消費者も変な思い込みやイデオロギーから自由になら
なくてはいけないのですけどね。とにかく「オープンマインド」が
不信をなくする決めてだと思います。

 そういう意味でこういうお便りは大歓迎です。これからもよろし
くお願いします。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 最後に紹介したメールは土曜日にいただきました。そのメールが
日曜日早朝配信のメールマガジンにのっているとは……。

 土曜日(8日)には私の本を読んでくださった方と会っていまし
た。他からもメールをいただいたりしています。反響があったとい
うことでとても心強く思っています。

 メーカーと消費者の相互不信をなんとか打開できないかなあ、な
どと考えています。いろんな方からのご意見や情報をお待ちしてい
ます。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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