安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>165号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------165号--2003.01.05------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「本の話」「金箔・ジュース(Q&A)」「牛肉」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 本の話をもう少し続けます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「食の安全」心配御無用!

著 者:渡辺宏
出版社:朝日新聞社
定 価:本体 1,300円+税
1月15日発売予定

 BSEに端を発した牛肉偽装事件や中国産野菜の残留農薬問題。
「食の安全」があらためて問われている。一方で無農薬野菜や有機
栽培野菜への無批判な信仰、健康食品ブームが続いている。元生活
協同組合の仕入れ担当者が本当の安全を伝授。

http://food.kenji.ne.jp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう案内を「安心!?食べ物情報」のサイトのトップページに
入れました。ついでにサイトのデザインも大幅に変更しています。

 全部で600くらいのファイルを更新しましたので、年末の3日
ほどかかってしまいました。だいぶシンプルにしましたので、一度
ごらんください。

 本の紹介文は朝日新聞社の新刊案内をコピーしてきました。無断
コピーがはびこってますね。

 さて、本の内容ですが、ここで「目次」を紹介しておこうと思い
ます。読者のみなさんなら、目次だけでだいたい内容がわかってし
まいそうですが、ぜひ購入をお願いします。m(__)m

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

はじめに

もう何も信用できない!/インチキ情報にだまされるな/得をする
のは誰か?/デマと信仰は表裏一体だ/つくる側の事情、食べる側
の気持ち

第1章 食品添加物は怖くない

「塩分ひかえめ」がもたらしたもの/食塩のほうが毒性が強い/
「絶対に安全」なんてない!/ソルビン酸は本当に危険か/悪役に
された事情/保存料なんて必要ない/添加物はなんのためにあるの
か/発ガン性の添加物?/絶対不可欠の添加物もある/天然だから
大丈夫?/栗きんとんはアメリカでは違反/白いわさびじゃダメ?
/ハムが赤い理由/無添加ハムには意味がある/野菜のほうが硝酸
だらけ/危険は総量で考える/添加物違反事件のどこが問題か/中
華料理症候群?/「化学調味料不使用」のウソ

第2章 無農薬野菜を信じるな

野菜が危ない?/中国産野菜は要注意/魚から鉛の塊が!/国産だ
から安全か?/基準値と検出限界/チェルノブイリのウソ/農薬で
自殺できるか?/なせ農薬を使うのか/有機栽培は無農薬じゃない
/あんなに無農薬野菜があるわけない/農薬より危険な木酢液/遺
伝子組み換えのほうが安全だ/それでもGMOはゆるさない/「G
MO不使用」が少ない理由/日本の消費者が世界を動かす

第3章 自然食品信仰の落とし穴

高ければ高いほど売れる/自然食品のインスタントラーメン?/天
然酵母というインチキ/救われた国産小麦/うどんすら輸入小麦の
ほうがいい/国産信仰に根拠はない/ボツリヌス菌が怖い/赤ちゃ
んに蜂蜜はダメ/危険だと知らずに食べてきた/自然にやさしくな
い一番しぼり/新式醸造は日本の恥/残り粕の知恵/伝統への執着
が資源の無駄を増やす

第4章 リサイクルは危険だ

生ゴミ堆肥が危ない/化学肥料は危険か?/土つくりを忘れるな/
リサイクルとしての肉骨粉/意味のないリユース/ガラスなら安全
なのか/プロのほうが考えている/発泡スチロールは悪くない/カ
ップラーメンから環境ホルモン?/リストがふくらんだ裏事情/
「環境への影響」と「人体への影響」/環境ホルモンは空騒ぎだ/
紙のほうが化学物質だらけ/塩ビだけが原因じゃない/母乳からダ
イオキシンは当然だ

第5章 食に関する危ないデマ

蔓延するデマ/白砂糖は漂白されている?/黒砂糖はミネラル豊富
?/化学塩は化学合成している?/自然塩は身体にいい?/海の成
分そのまま?/たんぱく質のこわれた牛乳?/低温殺菌を選ぶ意味
/低脂肪牛乳はヘルシー?/水道水の塩素が怖い?/井戸水のほう
が安全?/ミネラルウォーターで健康に?/海洋深層水は栄養豊富


第6章 本当に恐いものは何か

本当の危険は隣に/養殖フグなら安全か?/カキにもアサリにも毒
がある/腸炎ビブリオ菌は10分で倍に/冷凍魚介類のほうが安心
/ウィルスによる食中毒/生カキは食べてはいけない!/生食ブー
ムの落とし穴/サルモネラの新興勢力/生卵は要注意/8000個
の卵を検査する/売れ残りからコーヒー牛乳/HACCPの思想/
国産豚肉で無添加ハム/クリーンルームでタバコ/水に浮かんだ豆


第7章 食品表示を考える

奇病の登場/謎のたんぱく質プリオン/人間に伝染するのか?/全
頭検査に意味はない/食肉業界を甘やかすな/松阪牛が多すぎる!
/リパックにだまされるな/賞味期限は短めに/添加物表示がなけ
れば安心か?/かたよらない態度

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私の書いた原稿を章わけして、小見出しをつけたものです。ちょ
っと過激な言葉がならんでいますが、内容はいつものメールマガジ
ンと似たようなものです。

 批判、質問などはどしどしお寄せください。ただし読んでからに
してくださいね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.正月が近いせいか近頃「金箔入り」の日本酒をよく目にします
が、効用があるのでしょうか?なにか消化されない気もするのです
が・・・。

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A.あれは本当に金箔を入れているのですね。食品添加物のリスト
にちゃんと金箔も入っているのです。

 ご指摘のように、消化されるものではありませんから、栄養的に
は無価値、毒性に関しても心配のないものだと思います。

 造り酒屋で見せてもらいましたが、今でも金箔入りの酒はある程
度作るのだそうです。

 日本酒は大きくわけて「純米酒」「本醸造」「三倍醸造」とあり
ます。「三倍醸造」ははっきりいって粗悪品ですが、「純米酒」と
「本醸造」とはなかなか難しい区別になります。

 私などは単純に「純米酒」のほうがよいと思うのですが、田舎の
酒呑みには本醸造(アルコールを添加したもの)のほうがうけるの
だそうです。

 それで、本醸造の高級なタイプを作って、それに金箔を入れると、
一番よろこばれるとか。金箔が豪華に見えるだけで、それ以上の意
味はないと思います。日本人は昔から金ぴかが好きだということな
のでしょう。お正月にはちょうどよいものだと私も思います。

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Q.友人が無農薬みかんの栽培を趣味でしており、みかんがたくさ
んいただけます、みかんのジュースをちいさな簡易搾り機(てこの
原理をおうようしたせいぜいみかん一個を搾るのがやっとのもので
す)で搾るのですが、もっとたくさんのみかんを簡単に搾る手動の
搾り機について、購入その他の情報はございませんでしょうか。な
にかご存じなら教えていただきたいのですが。

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A.手動だったら、やっぱりそのようなものだと思います。実際に
工場でみかんを搾る装置は、インラインといって、みかんに針を入
れて、果汁だけを吸い取るような仕組みのものです。果汁が空気に
ふれないので、とてもよいものなのですが、手動ではそういうもの
はできないと思います。

 それではどうするかというと、手動の場合はしぼってすぐに飲む
のがよいのです。ジュースを保存するというのは実に難しいもので
す。(ブドウ果汁を保存するより、ワインにしてしまうほうがずっ
と簡単なのです。)

 柚子のように極端に酸っぱいもの、ポン酢のように醤油や食塩と
混ぜてしまう、冷凍して保存する、などの方法があることはありま
す。

 それ以外はどんな機械を使っても、素人が果汁をしぼって、保存
するのはやめておいたほうがよいと思います。

 飲んでおいしいジュースはしぼってすぐに飲んでしまってくださ
い。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「牛肉」
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 正月になってから、次のようなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 以前、某農協に勤めていたものです。

 霜降り肉は今でも、高級な肉として扱われていますが、食べない
方がいいと思います。なぜなら、霜降りの作り方は結構簡単で、緑
の植物を食べさせないようにするだけです。野菜(サイレージなど
の緑の葉)を食べさせず、コーン、綿花、魚粉、ビタミン、ビート
のペレットなどを食べさせてます。健康的ではない肉が、霜降りで
す。

 それと今はどうなったか知りませんが、五年くらい前、九州地域
の黒豚ですが、スーパーで売られている黒豚の肉と、農家で飼育さ
れている黒豚の数量はおよそ10倍の違いがありました。

 偽りが多かったです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 年末は霜降り肉が一番売れる季節です。お正月くらい、上等の肉
を食べよう、というわけなのでしょうね。高級肉になる牛は11月
ころから徐々に市場に出てきます。

 12月に入って肉の処理場に行くと、高級品の枝肉にはわざとらし
く白い布をかけてあったりします。枝肉はロースの部分に切り込み
が入っていて、ロースの断面が見えるようにしています。

 このロースの断面が白っぽくて、赤い肉のなかに白い脂肪がたく
さん入っているのが高級品です。脂肪が多いといっても、皮下脂肪
が多いのはダメなんですね。

 牛肉は基本的にはこのロース肉への脂肪の交雑の程度によってラ
ンク付けされています。具体的には以下の引用のようになります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 現在、枝肉は卸売り市場等で評価されていますが、「さし」の評
価を紹介します。

 「さし」は第6第7肋間で切開した胸最長筋の断面で評価します。

 簡単に言えば枝肉を6番目と7番目の肋骨の間で切って、そこの
ロースの断面をみて評価するのです。

 ここの脂肪交雑(さし)の度合いを1(まったく入っていない)
〜12(最高)の12の段階に分けて区分するのです。この数字(基
準)をBMS(Beef Marbling Standerd)といいます。

 これを基に5つの等級に分けます。no.8〜12 のものが等級5で
「かなりよいもの」、no.5〜7が等級4で「やや良いもの」、no.
3〜4が等級3で「標準のもの」、no.2が等級2で「標準に準ず
るもの」、no.1が等級1で「劣るもの」となっています。

 私の個人的なというか庶民的な感覚で言わせてもらうと

no.11以上「一生のうちで1回食ってみたい牛肉」、
no.9〜10「こんな高級な牛肉食ったの初めてだ」、
no.7〜8「久しぶりに旨い牛肉くった」、
no.5〜6「こりゃー旨い肉だ」、
no.4以下「なんと牛肉はうまいのー」

といったあんばいです。

http://www.banjo.org/about_cow/sasi/sasi.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「胸最長筋」というのが要するにロース肉のことです。最高級品
はほとんど白く見えるほど脂肪が多く、あまり高級な肉を届けて、
苦情になってしまったことがあります。脂肪の多い、安い肉(バラ
肉など)を入れてきたと勘違いされたのです。よくよればわかるの
ですけどね。まあ、こういう肉は庶民とは無縁の存在であったほう
がよいようです。

 ここで注意してほしいのは、この等級は肉そのものを見て決めて
います。牛の品種には直接関係がないのです。和牛は高い等級のも
のができやすいので、高い等級の肉=和牛と思われがちですが、必
ずしもそうではありません。

 やはり等級5がつくのはほとんど和牛に限られているとは思いま
すが、和牛なら必ず高い等級になるわけではなく、飼育方法やエサ
が関係していることは間違いありません。そんな中で、いただいた
メールのようなこともあるのだと思います。

 肉牛と健康というのはやや難しい問題があります。本当に健康な
牛の肉というのは、オーストラリア名物だった靴の底のようなステ
ーキになるやつで、まずふつうの日本人には食べられない肉だから
です。

 世界で一番安い牛肉は自然放牧で、数年間、勝手に草を食べて育
ちます。それをヘリコプターで捕獲してくるそうですが、なにしろ
エサにお金がかからないのですから、とても安いし、草原を走り回
っていたのですから、とても健康だともいえると思います。

 食べておいしい、やわらかい肉というのは、生物として見れば単
なる肥りすぎなんでしょうね。またあまり知られていませんが、雄
牛の肉はふつうは食べません。雄の成牛の肉というのは固くてとて
も食べられたものではないのです。また雌でも乳牛として飼育され
てきたものはやはり上等の肉にはなりません。上等の肉は若い雌牛、
若い去勢牛がそれに次ぐことになります。

 上記の等級で5がつくのは、たいてい雌の処女牛(子牛を産んで
いないもの)です。血統のよい牛を4歳くらいまで大事に育てて、
子牛もとらずに肉にするのですから、このうえない贅沢ですね。

 普通の牛肉はホルスタイン種の去勢牛を2年未満飼育したもので
す。これは乳牛が産んだ雄牛で、雌牛は乳牛にしますが、雄は去勢
して肉牛にするわけです。こういう牛はどうしても高い等級の肉に
なりませんが、霜降り肉よりかえって健康だといえるのかもしれま
せん。

 ただ、「飼育」ではなく「肥育」された牛ですので、本当に健康
かどうかはわかりません。肉にする牛が健康かどうかを問う、とい
うのは一見当然の要求のようですが、案外難しいものです。牛が健
康かどうか、肉の品質がよいかどうか、その肉が健康によいかどう
か、みんな微妙に違った問題です。

 飼っている牛が病気で死んでしまったら、生産者は大損害ですの
で、そういう意味の健康には注意して育てているわけですが、動物
愛護の観点からいう健康とはまた意味が違うのだと思います。

 黒豚は要するにバークシャー種の豚のことです。生産者側の宣伝
が功を奏した例で、なぜか「黒豚」=高級品ということになってし
まいました。そこで品質のよい豚肉を「黒豚」として売ってしまう
ことは多かったでしょうね。

 つぎに別に品質がよくなくても「黒豚」と書いておけば高く売れ
るわけですから、そういうインチキ品もあると思います。いずれに
せよ,畜産の流通業界の信用は地に落ちていますので、当分は何と
書いてあっても眉につばをつけておいたほうがよいと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 冒頭にも書きましたが、「安心!?食べ物情報」のサイトを全面更
新しています。デザインを変えると古いページまで新しいのに変更
したくなるのは悪いクセですね。

 Q&Aのページは1問ずつ別ページだったのを50問ごとに一つ
のファイルにまとめました。ちょっと重くなりますが、いろいろ読
むのには便利だと思います。

 索引はないのか?と言われましたが、やはり作っていません。そ
の代り、google の検索をつけました。

 いままでの検索は私が書いたCGIプログラムだったのですが、
単純に全文を読んでいるだけですので、遅いし、あまり賢くなかっ
たのでこちらに変更しました。

 google は現在のところ、最強の検索エンジンです。ここにサイト
を指定してやると、そのサイトの内部だけから検索してきます。複
数の単語を空白で区切って入れると、実に的確にファイルを検索し
てきます。あちこち探すより便利ですから、ぜひお試しください。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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