安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>163号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------163号--2002.12.22------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「本の話」「アミノ酸・BSE・梅(Q&A)」「浄水器」

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 本のプレゼントの話で、出版の経緯を説明しろ、というのがあり
ましたので、ここで報告させていただきます。

 朝日新聞社からの出版というので、ちょっとびっくりされた人も
あったようです。アエラなんかでは「買ってはいけない」まがいの
煽り記事も多いので、そんなところから出すなんて?と思った人も
いました。

 私もずっと「朝日岩波方面は苦手」と言ってきましたので、自分
でもちょっと変な気がします。

 この話は実はフリーの編集者からすすめられた話で、朝日新聞社
にはその編集者が売り込んでくれたのですね。どうせ小さな出版社
から出すのだろうと思っていたので、メジャーなところから出すと
いうのでびっくりしました。

 朝日新聞社の出版局は意外?と幅広い本を出しています。本の内
容にはとやかく言わないのが社風だとか。それに朝日新聞社が全体
として「買ってはいけない」路線だというわけでもありませんから、
本の内容については問題はなかったようです。

 内容はこのメールマガジンの読者ならだいたい想像がつくと思い
ますが、食べ物についての注意しなければいけない情報や、誤解に
もとづく情報に対する批判などを集めたものです。

 この編集者は若い人なのですが、なかなかのプロで、だいぶ書き
直しさせられました。読んでいつもと文章が違うな、と思われたら、
たぶんその編集者のせいです。(^_^;

 「『食の安全』心配御無用!」という題名については、私は恥ず
かしいのですが、出版社側がつけた題名です。「安心!?」が「心配
御無用!」にかわっちゃいましたね、といわれてしまいましたが、
そういう事情ですので…。

 もう印刷所にまわっていて、「著者略歴」にはつぎのように書か
れているそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

・渡辺宏(わたなべひろし)
1951年、和歌山市に生まれる。
  74年、大阪市立大学文学部卒業、
      大阪市立大学生活協同組合に入社。
  77年、岬町生活協同組合に移る。
  79年、和歌山生活協同組合の設立に立ち合って以後、
  98年に退社するまで同生協で仕入れを担当する。
  99年、ウェブサイト「安心!? 食べ物情報」を開設。
     メールマガジン「Food Review 安心!? 食べ物情報」
     の配信を始め、食の不安に脅える消費者に毎週、情報
     を提供しつづけている。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 顔写真が出ていたりするわけではありませんが、やっぱりかなり
恥ずかしいですね。でもまさか自分が本を出すことになるとは思っ
ていなかったので、ちょっとうれしいです。

 ということで、編集者まかせではありますが、まもなく出版のは
こびになります。読者のみなさんのおかげだと感謝しています。こ
れからもよろしくお願いします。     

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.シャンプーや洗顔など体を清潔にするものにもアミノ酸やいろ
いろな添加物の名が書かれています。体内には直接いれないものの、
毎日つけていたら体に影響すると思うんですが実際はどうなってしま
うのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.食べ物と身体の外で使うものとはわけて考えるべきでしょうね。
アミノ酸は私たちの身体をつくっている物質なので、本質的に無害
です。食べ物としてのアミノ酸なら、まったく問題はありません。

 シャンプーなどに使われているのはアミノ酸そのものではないと
思います。アミノ酸系の界面活性剤というのがありますので、たぶ
んそれではないかと思います。この場合、界面活性剤としての評価
が問題になります。

 一般にそれほど強い作用を持った界面活性剤ではないと思います。
刺激は石けんより低いものです。普通に使用して害があるとも思えま
せん。

 あまり心配することはありませんが、気になるようでしたら、表
示をよく見て、どういう物質か調べてみるとよいでしょう。

 インターネットはそうしたとき、とても便利なものです。メーカ
ーのサイトにもいろんな情報がありますし、物質の名前がわかって
いれば、検索によって調べることもできます。

 ただし、インターネットの情報はウソやインチキもたくさんあり
ますので、できるだけ多くの情報を見て、ウソを見破れる力が必要
なのです。そこのところは注意しておいてください。

------------------------------------------------------------

Q.そういえば、BSE感染源って、まだ解明されてませんね。と
りわけ代用乳について、あれだけ取り沙汰されてたのに。まだ怪し
い飼料って、出回ってるんでしょうか。鶏、豚について肉骨粉や疑
わしい代用乳(鶏に乳は要りませんが)などが使用されている可能
性があるかどうか、疑問に思います。いつの間にか、牛の飼料にも
紛れ込むかもしれないし。

------------------------------------------------------------

A.これはたぶんわからないだろうと思いますよ。肝心のイギリス
での発生についても、じつはよくわかっていません。マスコミは簡
単に「感染源の解明」などといいますが、あれはよくない言い方で
す。

 まず、BSEの感染源がそう簡単に特定できるほど甘いものでは
ありません。将来、ある程度の実態がつかめるようにはなるでしょ
うが、今のところ、BSEの正体自体、わからないこと多いのです。

 それと政治の世界でも「疑惑の解明」などといいますよね。これ
はマスコミ用語で、騒ぎが納まることを意味しています。したがっ
て、マスコミが注目している間は絶対に「疑惑の解明」はできない
仕組みになっているのです。

 同じように、BSEの「感染源の解明」もマスコミ用語なので、
無視したほうがよいと思います。肝心なのは「感染源の解明」では
なく、BSEの拡大防止と食用牛肉の監視のための体制つくりです。
これはかなり機能してきていますので、今後、あまりこの病気が拡
大することはないだろうと、希望的観測かもしれませんが私はそう
思って楽観しています。

 それではおもしろくないマスコミが、「原因が解明されていない
じゃないか」と文句を言い続けているわけです。

 かなり怪しい飼料(肉骨粉というやつ)が輸入され、それが何ら
かのルートで感染源になったのは確かでしょう。現在も完全に安全
になったとはいえませんが、それはあくまで牛の健康についての話
です。

 もちろん、豚や鶏に同様の病気が発生しない保証はありません。
そしてこれらが人間に影響を与えないという保証もないのです。食
べ物の安全性を確保する、というのは本当に途方もないことなので
すね。

------------------------------------------------------------

Q.大手生協から梅干しを買いました。もちろん国産梅の触れ込み
ですが、皮が厚くて、種の片方の隅が針の先のように尖ってます。

 いつぞやスーパーで安物の梅干しを買ったときと同じ形態です。
小田原の老舗の梅干しは皮がごく薄く、種の端が怪我しそうに尖っ
てたりはしませんでした。

 この生協の梅の御実家が、どうも中国のような気がしてならない
のですが、思い過ごしでしょうか・・・。

------------------------------------------------------------

A.梅は輸入しているとしたら台湾が多いそうです。私の推測では、
梅の品種が違うのではないか、と思います。紀州の梅干しは有名で
すが、あれは南高梅という品種で、皮がうすく、タネが小さく、実
の厚い、梅干し用の最高級品種です。

 生協などで産直梅干しを手配するとき、この南高梅の産地以外か
ら手配してくることがよくあります。その場合、南高梅以外の品種
のことが多く、少し感じが違ってきます。

 また、南高梅でも、和歌山産でなく、寒い土地でつくったものは
ちょっと南高梅と思えないものもありました。

 南高梅の産地はなにしろ高級品ですから、生協などとの産直にあ
まり熱心でない印象を持っています。そういうところから、私はそ
う思いました。本当のところはその生協に問い合わせてください。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「浄水器」
------------------------------------------------------------

 浄水器についてのメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先日、活水器の訪問販売を受けました。もともと工場用のものを
家庭用にしたもののようで質的にはレベルの高いもののようでした
が、値段(5年間契約のレンタル価格で使用料月額約四千円、買取
価格二十数万円)が高かったので断りましたが、気になったのはそ
の業者が水道水の塩素のせいで野菜のビタミンが壊れるといった内
容の発言をしたことです。業者の発言ですから気にかけない方がい
いのかもしれませんが、普段あまり水道水のことを考えたことがな
かっただけに(我が家はミネラルウォーターというものをほとんど
買いません)、水道水の現状はどんなものなのだろうと思いました。
教えていただけるとうれしいです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 二十万円以上するというのは「逆浸透膜」方式のものかもしれま
せんね。これは海水から真水をつくることができるもので、能力は
抜群です。ただ、高価ですし、電気代もかかります。家庭用にはち
ょっと高級すぎると思います。できた水はかなり純粋に近く、おい
しさという点はもう一つでしょう。安全性はやはり高いと思います。

 もし、「逆浸透膜」ではなく、ただのフィルタ方式だったら、こ
れは高すぎると思います。たぶん詐欺の類でしょう。

 「塩素でビタミンCが壊れる」というのは部分的には本当です。
全体としてはビタミンCは調理によってかならず一定程度壊れます
ので、別に水道水で調理したからといって、ビタミンCが不足する
ようなことはないです。

 安全性をいうなら、水道水は日本中どこでも、それほど心配する
ことはないと思います。都会で「高度処理」していないところでは、
トリハロメタンなどの汚染が気になるくらいです。

 塩素は安全のためにはなくてはならないものです。塩素の害より、
微生物汚染のほうがずっとこわいですよ。味にはマイナスですので、
気になる人には浄水器も悪くないですけれど。私は水道水で充分だ
と思っています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一度メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 例の活水器は「逆浸透膜」方式ではなかったと思います。フィル
タ方式でした。ただ、本体もフィルタも従来のものと違って優れて
いるのだと、例えばダスキンのものと違って高性能なのだというこ
とを主張していました…その割には検討するからと言ってもパンフ
レットもくれなかったし、怪しいところは色々ありましたね。そも
そも訪問販売ですから…。渡辺さんのおっしゃるとおり、詐欺に近
いものかもしれません。

 ビタミンのお話ありがとうございます。なるほど、確かに料理す
る時にも壊れますよね。これは常識のひとつですよね。(確かに家
庭科の授業で習った覚えが…すみません、新米主婦なものであまり
キャリアがありません)。目の前で実験ということで、コップの水
に溶液を入れて黄色に変色したら塩素が入ってるっていうのを見せ
られたんです。その活水器を通したものはそのまま無色透明、水道
水はまあ見事に変色しましたから、それが脳裏にこびりついたみた
いですね。我ながら単純だとあきれますが…。

 私はもともと生で飲むことが少ない反面、あまりこだわらない方
で、ミネラルウォーターを買うこともなかったのですが、主人が水
道水をがばがば飲むのが多いんですよね。本人も水道水でいいやと
いうタイプで、以前見たNHKのミネラルウォーター関連の番組の
おかげで、わざわざ買うこともないと考えている人間なのですが、
業者に塩素塩素と連呼されているときに、その飲んでる姿がちらつ
いてつい洗脳されかかってしまったようです。

 水道水のお話にしても、ビタミンのお話にしても、言われてみる
とその通りで、何だか今更納得する自分がおかしいやらあきれるや
らで、自分の無知ぶりを知らしめたようで今更ながら恥ずかしい限
りなのですが、どうもわざわざありがとうございました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 再度の返信。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 どうもお話では典型的な詐欺商法のようですね。水道水を茶色く
してみせるのはこの商法の定番です。

 水道水には塩素の残留が義務づけられていますから、塩素に反応
する試薬の色が変わるのはあたりまえで、もし色がかわらなければ
事故なんですね。

 目の前で見せて、びっくりさせるだけの目的に使うのですが、案
外ひっかかる人も多いのです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「塩素に反応する試薬」はいろいろあるようですが、おもしろい
記事を見つけました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 プレフィルターの中の活性炭等で水道水の塩素を取り去っていま
すが、この塩素をテストするには通常オルトトリジン法によります
がこのオルトトリジン試薬は、発ガン性があるとのことで平成14年
4月から公式には使用ができなくなるようです。

 他の方法としては、ピンクに色付く試薬のDPD法や電流法、吸
光光度法、試験紙法などがあるようですがいまのところ、金額的に
高価になるようです。

[オルトトリジン法]
 水にオルトトリジンを加えると塩素(鉄、マンガン、亜硝酸イオ
ン、臭素、ヨウ素、オゾン、二酸化窒素、二酸化塩素)等により酸
化され、黄色ホロキノンと変化し、塩素量に応じた濃さで黄色く発
色することを利用した測定方法。

http://homepage2.nifty.com/tahita/sub404.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

残留塩素測定法の改正 オルトトリジン法が廃止へ

更新日:2001/05/08

平成12年12月26日付けで厚生省水道環境部長より各都道府県
知事宛に「水道水質に関する基準の制定について」の一部改正につ
いて通達があった。

 残留塩素の測定には、オルトトリジン試薬を使用するオルトトリ
ジン法が一般に利用されてきたが、今回の通達で来年4月1日以降
は禁止されることになった。理由は従来からオルトトリジン試薬の
毒性に関する知見等を踏まえて検査方法から削除したものである。

 法的には週1回の測定であるが、東京都内のビルでは残留塩素の
測定は毎日行うことを指導されている。オルトトリジン法の代わり
に従来からの分析法であるDPD法、電流法、もしくは、今回新た
に加えられた吸光光度法で行うことになる。

http://www.j-bma.or.jp/bbs/detail.asp?BBS_ID=284
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 塩素と反応して茶色になる試薬は発ガン性があるので禁止になっ
ているというわけですね。ピンクになる試薬もあるそうですが、茶
色になったという話ですから、この、すでに禁止されている試薬を
使ったのだと思います。こうした無神経さも、詐欺商法の特徴の一
つです。

 二つ目の引用の記事は塩素が残留していることを確認するための
テストの話です。残留していなければ事故になります。

 こうしてわざわざ塩素の残留を確認して水道水として供給してい
るのですから、試薬に反応して塩素が検出されるのは当たり前なの
です。

 こうしたテストをしてみせる業者がきたら、塩素の残留が確認で
きて安心した、といってやってください。蛇口での測定で塩素が検
出されれば、細菌汚染の心配のない証拠なのですから。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 本のプレゼント企画への応募ありがとうございました。でも、案
外少なかったので、当選率が高いかも。

 明日(23日)に当選者を決める予定です。それまでに到着した
応募はOKですので、今からでもぜひ応募してください。もう一度
募集内容を掲載しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 前号で予告の愛読者プレゼントの発表です。じつはこのメールマ
ガジンが本になります。その本をみなさんへのお礼として30人の
人にプレゼントします。

書名 『「食の安全」心配御無用!』
出版社 朝日新聞社
定価  1300円
発売日 2003年1月15日

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次回がもう今年の最終発行になります。年末年始も毎週発行しま
す。めざせ200号!

 本の紹介記事も含めて、「安心!?食べ物情報」を正月休みの間に
リニューアルしようと思っています。ぜひお立ち寄りください。 

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-163号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数3383名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/