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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------160号--2002.12.01------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「食品添加物における用語説明」「うどん・醤油・ミミズコンポス
ト(Q&A)」「BSE」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今週は久しぶりにメールの紹介はありません。どんな話題でも結
構ですから、ご意見や情報をお寄せください。

 そこで「いまさら聞くのも…」という用語解説のページから紹介
しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品添加物における用語説明

・FAO
 Food and Agriculture Organization(国際食糧農業機関)の略。
国連専門機関の一つ。1945年に食糧の増産,農民の生活水準向上,
各国民の栄養改善を骨子に26条からなるFAO憲章を作成し,それに
基づき発足。その活動は各国の情報交換,勧告,専門的指導,技術
援助など。日本は1951年に加盟。

・WHO
 World Health Organization(世界保健機構)の略。国連専門機
関の一つ。1948年に世界保健機関憲章の発効とともに発足。国連の
事業のうち保健衛生の分野をうけもつ機関。日本は1951年に加盟。

・ADI
 一日摂取許容量(Acceptable Daily Intake)のこと。ヒトがある
物質を一生涯摂り続けても何ら危険がないと考えられる一日量。一
般にmg/kg/day(体重1kgあたり一日摂取mg量)で表される。動物に
よる慢性毒性試験を行い,最大無作用量を算出し,その数値に安全
係数(1/100〜1/500)を乗じて得られる。残留農薬や食品添加物など
の相対的安全性評価の一つ。ADIの範囲内での添加物等の摂取は安
全と考えられる。

・JECFA
 Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives(FAO/WHO
合同食品添加物専門家委員会)の略。FAO/WHOの下部組織。専門家
の立場から,CAC(FAO/WHO合同食品規格委員会…食品の品質と安全
性の確保,貿易の促進を図る組織)に科学的な意見を述べる委員会。
食品添加物の安全性評価を行っている。

 JECFAは,食品添加物をその安全性評価および規格基準の設定状
況により分類しリスト化している。その中で食品添加物はA1,A2,
B,C1,C2に分類されている。

JECFA評価A1…

評価できる情報が十分にあり,ADIを設定できるもの,およびADIの
設定が毒性学上必要ないと評価されたもの

JECFA評価A2…

委員会が評価するには情報(資料)不足であり,完全に終了したと
はいえないが,使用を認めても十分安全性はあるもの

JECFA評価B…

各国政府が認めているものであって国際機関に評価コメントを求め
るため会議に資料配付したが,委員会では評価できない,または完
了していないとしながらも,その使用を制限するまでの 必要のな
いもの,および技術的観点からの利点が確認され,かつ総合判断的
に問題がないだろうとしたもの

JECFA評価C1…

委員会により食品に使用すべきではないとされたもの

JECFA評価C2…

健康に与える影響などからその使用が制限されたもの

・急性毒性試験

 化学物質の単一投与によって生じた短期間内の毒性効果を知るた
めの試験法の一つ。通常,マウス,ラット等にその物質を1回投与
し,1〜2週間観察等を行う。

・LD50

 50%致死量あるいは半数致死量ともいう。急性毒性試験によって
もとめられた,試験に用いた動物の50%が死亡すると推定される物
質の量。物質の毒性の強さを相対的に評価するために用いる。 LD
50の値が小さいほど毒性が強いということになる。通常mg/kgある
いはg/kg(体重1kgあたりのmgあるいはg)で表される。

http://www.eiken.city.yokohama.jp/food_inf/food_yougo_tenka.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 着色料のデータがありましたので、そこからひろってみると、以
下のようになります。

着色料       ADI 実際の摂取量

JECFA評価A1…

【合成着色料】
食用赤色102号 (4mg/kg)0.00580mg/kg
食用赤色2号  (0.5mg/kg)0mg/kg
食用赤色3号  (0.1mg/kg)0.00235mg/kg
食用赤色40号  (7mg/kg)0mg/kg
食用青色1号  (12.5mg/kg)0mg/kg
食用青色2号   (5mg/kg)0mg/kg
食用黄色4号  (7.5mg/kg)0.000671mg/kg
食用黄色5号  (2.5mg/kg)0.000128mg/kg

【天然着色料】
アナトー色素 (0.065mg/kg)
ビートレッド (量を特に定める必要なし)
ブドウ果皮色素  (25mg/kg)
カラメル   (量を特に定められる必要なし)
コチニール色素  (5mg/kg)

JECFA評価A2…

ウコン色素   (0.1mg/kg)

JECFA評価B…

ベニバナ黄色素 (ADIの設定なし)
パプリカ色素  (ADIの設定なし)

 A1評価のものはすでに毒性の解明が終了して、このADI値以下
なら、「生涯、毎日」これだけ摂取しても安全だというのがJECFA
の見解です。

 A2評価のウコン色素は完全なデータがそろっているわけではあり
ませんが、A1評価に準じて考えてよいものです。

 B評価のものはADIの設定には至っていませんが、とりあえず
問題なさそうなものです。「問題なさそう」というのは、すでに長
く食用にされてきた実績のあるものと考えてよいと思います。「既
存添加物(かつての「天然添加物」)」はここに入るものがあるよ
うです。

 「量を特に定められる必要なし」というのは規制する必要がない
ほど安全だということですが、「ADIの設定なし」というのは設
定できるだけのデータがないということで、安全性の評価としては
低いものです。

 C評価以下のものは食品添加物には適しません。A1評価の合成着
色料をC評価のようにいっている人がいますが、やっぱり間違いだ
と思います。ただ、合成着色料の中にはこの評価をうけていないも
のがあります。国内の検査では安全だというのですが、やっぱり国
際的な評価をうけているものを使ってほしいものですね。

 ADI値が設定されている食品添加物は、その値以下なら摂取し
つづけても安全だとされています。

 そこで気になる実際の摂取量ですが、合成着色料の横に書いてい
る数字が厚生労働省の調査で出されている数字です。この調査はマ
ーケットバスケットといって、実際の食生活を想定して、市場から
食品を購入してきたものすべてを分析しています。

 この数字からは安全性を問題にするようなものではないことがわ
かります。安全かどうか、量から追ってみると、また違ったように
見えるものですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.賞味期限の長いうどん(2〜3ヶ月?)を食べました。東水の
1食タイプの名古屋の逸品カレーうどんと味噌煮込みうどんなんで
すが非常にすっぱく感じます。表示を見ると酸味料と書いてますが、
これは保存のため?普段食べるうどんにも酸味料と書いてあります
が、これほどすっぱくは感じません。

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A.うどんにクエン酸などを添加して酸性にするのはよくある手で
すね。

 生タイプで袋入りで売られているうどんは結構保存できる期間が
長いですが、この酸味料が決めてになっていると思います。

 普通のうどんはゆでるときに湯に酸を入れて酸性の環境でゆでる
程度ですが、このタイプでは直接添加していると思います。

 保存料よりこのほうがよくもつようですよ。

 だからうどんそのものはだいぶ酸っぱくなっています。(うどん
の出しも案外酸っぱいものですので、人によっては気にしないこと
もあります。)

 気になるときはゆで汁を捨てるか、あらかじめ洗っておいてから
ゆでてください。

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Q.醤油の中の一般細菌数の基準と醤油の中の黄色ブドウ球菌のを
お教えください。

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A.醤油や味噌は醸造によって作ります。醸造というのは微生物が
繁殖することで、元の材料が変化していくわけです。

 出荷時に「火入れ」をして、それ以上変化しないようにはします
が、本格的な殺菌をするわけではありません。

 もともと微生物のかたまりのようなものですから、醤油の中には
細菌が生き残っているものです。

 塩分が強いので、普通の菌ではなく、塩分が好きな菌や酵母、カ
ビなどが多いでしょうね。

 酵母の中でも「産膜酵母」というものが繁殖すると、カビが生え
たようになります。これを防ぐため、アルコールを添加するのが普
通です。

 このように、醤油の中には微生物がいるのがあたりまえです。し
たがって、細菌数の検査などは無意味ですのでやらないと思います。
基準も別にありません。

 以下はJAS特級の規格です。

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特級 性状      :醸造こいくちしょうゆ固有の色沢及び香
            味が優良であり、かつ、異味異臭及びか
            びがないこと
   色度      :しょうゆの標準色18番未満であること
   全窒素分    :1.50%(容重)以上であること
   無塩可溶性固形分:16%(容重)以上であること
   アルコール分  :0.8%(容重)以上であること
   異物      :含まないこと
   内容量     :表示容積に適合していること
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Q.知り合いがミミズコンポストをしているのですが、「生ゴミが
酸性になって違う種類のミミズが増えてきた。酸性にしないために
はどうしたらいいだろう?」と言っていました。
 生ゴミは腐ってくるとみんな酸性になるんですか?アルカリ性食
品とかよくききますが、それはアルカリ性なのですか?それを入れ
れば中和されるんでしょうか?

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A.食品の酸性、アルカリ性は含まれるミネラルによってきまります。
食品自体はほとんどの場合、酸性です。酢などは強い酸性ですが、普
通の食べ物もだいたい酸性なのです。

 ところがこの酸性は有機酸で、食べるとエネルギーのもとになるも
のです。有機物が燃焼してしまったあとの灰には主にミネラル分が残
っています。

 この灰が酸性を示すものを酸性食品、アルカリ性のものをアルカリ
性食品と呼んでいます。

 このお話では、酸性食品が多かったのか、発酵による有機酸の分解
が間に合っていないのか、どちらかだと思います。

 酸性食品は主に穀物、魚肉類で、リン酸を多く含むものです。野菜、
果物などはだいたいカリなどが多く、アルカリ性になります。

 入れる食品のバランスの問題だとは思いますが、卵の殻を入れるな
どの工夫などもあるようです。

 卵の殻は炭酸カルシウムでできていますから、カルシウムを補給し
て、アルカリ化をはかるわけです。

 石灰などでも同じような効果がありますが、入れすぎるとたいへん
ですから、卵の殻くらいがよいでしょうね。

 以下のサイトにミミズコンポストの解説がありました。ごらんくだ
さい。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/1718/
http://home.jps.net/~mimizu/


--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「BSE」
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 しばらくBSE関連のニュースがありません。世間では早くも忘
れはじめているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛、豚、鶏肉など食肉の卸値が全面高の展開となっている。気温
の低下とともに鍋物の具材としての需要が高まっており、牛肉はB
SE(牛海綿状脳症、狂牛病)問題発生前の水準を大きく上回って
いる。昨秋と打って変わって食肉の最大の需要期である年末に向け、
先高観も強い。卸段階の動向をみる限り食肉のBSEショックはほ
ぼ終息したといえそうだ。

 13日の東京都中央卸売市場食肉市場(東京・港)では、高級飲食
店などが仕入れる和牛去勢A4規格の枝肉卸値が1キロ2120円と前
週の平均値に比べ3.7%上昇。主に焼き肉向けの夏場の需要が一巡
した10月上旬と比べると17%高い。一般の飲食店や家庭料理に使う
交雑種去勢B3規格も10月上旬比16%高。いずれもBSE問題発生
直前の昨年9月上旬の水準を約10%上回っている。

http://health.nikkei.co.jp/bse/child.cfm?i=20021114bs015bs&c=0
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもマスコミが伝えるような不況という感じのしない話ですね。
不況ネタが大好きなのはいつものことですが、実態はまた違うよう
です。

 肉の値段が上がったのは結構ですが、買い取って冷凍している肉
はどうなっているでしょうか?こっそりと売りに出るなどというこ
とはないのでしょうね。そんなことをしたらそれこそたいへんです。
でもないとは言い切れない気がします。

 東京都が災害用に備蓄している非常食も賞味期限切れになると援
助物資に使われているとか。北朝鮮へもプレゼントしたらしいです
が、件の肉もどこに押しつけるのかとても気になります。

 肝心のBSEの発生状況ですが、全頭検査の結果は以下のような
数字になっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

症状を呈する牛 生後30ヶ月齢以上 その他の牛      計
陰性 陽性   陰性 陽性   陰性 陽性    陰性  陽性
3,629  2  562,617 37  790,955  58 1,357,201   97
    ※       ※

(※のところに2頭ずつBSEと診断された牛が含まれます。)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0110/h1018-6.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一年間で135万頭。まずはご苦労さまでした。

 BSEの人への影響では、イギリスでの変異型CJDの発生状況
がわかりました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1995 3
1996 10
1997 10
1998 18
1999 15
2000 28
2001 20
2002* 13
--------
合計 117

*( 2002年11月4日現在 ,次回は2002年12月2日に公表予定)
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/bse/cjd_uk2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 2000年をピークにはっきり減り始めていますね。BSEは1992年
ころにピークがありましたから、8年遅れにピークがきたことにな
ります。

 変異型CJDがBSEが人に感染したものだとしたら、この後は
BSEのように減少していくはずです。トータルの患者数は全世界
で200人に到達しない可能性があります。まあ、希望的観測には
違いありませんが…。

 さて、農民の側からはこんな動きがあるそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農民運動北海道連合会(道農民連)などは十六日、札幌市中央区
の共済ビルで「BSE(牛海綿状脳症)訴訟支援する会」の結成集
会を開いた。道内の酪農家らによる「BSE損害補償を求める会」
の国家賠償請求訴訟を支えていく。

 損害補償を求める会によると、原告団のうちまず、宗谷管内猿払
村の池田毅嘉さん、帯広市の伊沢満州男さんの二人が年内にも、国
家賠償請求訴訟を札幌地裁に起こす。さらに準備が整い次第、他の
酪農家らも訴訟に加わり、最終的には百人規模になる見込み。支援
する会の代表には北海学園大経済部の山田定市教授らが就任した。

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20021117&j=0022&k=200211163462
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私はこういうのはどうかしていると思います。何でもお上が悪い
のだったら、江戸時代の農民と同じじゃありませんか。

 いや、江戸時代の農民のほうがもっとしっかりしていたと思いま
す。政治的な背景もあるのでしょうが、こういうのは農民にとって
は恥さらしだと思います。

 最後はちょっと明るいニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農研機構・動物衛生研究所と明治製菓は二十日、牛海綿状脳症
(BSE)の原因となる異常プリオンたんぱく質を強力に分解する、
新たな酵素を発見した、と発表した。BSE感染牛を処理した器具
が異常プリオンで汚染されても、この酵素で消毒でき、と畜場など
での器具による感染を防げる。二〇〇三年四月の実用化を目指す。

 今回、新たに見つかったのはバチルス属の土壌細菌の一種が作り
出す、たんぱく質を分解する酵素。これまでにも異常プリオンを分
解する酵素はあったが、強力に分解する酵素は見つかっていなかっ
た。

http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/back/news/topnews/topnews02021121.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう研究が進んで、BSEが過去の病気だといえるようにな
ればいいですね。科学の進歩に期待したいです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 しばらく順調にメールをいただいていましたが、今週はQ&Aで
いくつかあっただけでした。ニュースでも食品ネタが少なくなりま
したね。

 まあ、今年の前半が異常に多かったのだと思いますが。

 ということで、メールお待ちしていますので、よろしくお願いし
ます。

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