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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------158号--2002.11.17------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「コーヒー・炭酸飲料やカップラーメン(Q
&A)」「ビタミン」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 いただいたメールから紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも、楽しくメルマガを拝見しています。遺伝子組み換えの混
入で、これってありって思ったものを見つけました。

 これって、最近話題の工場で混入とか以前のレベルの話ではない
かと思ってしまいました。

 余白があれば、紹介してみてください。

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 本日、バイオではいよいよ米国で恐れていたことが発覚しました。

 米国食品医薬品局は、医療用蛋白を生産していた組換えトウモロ
コシが、ダイズに混入していたことを理由に、50万ブッシェルのダ
イズの回収命令を出しました。かつてこのメールでも指摘しました
が、組換えトウモロコシによる遺伝子拡散の危険性は現実のものと
なりました。但し、今回の事件では、ダイズに組換えトウモロコシ
の花粉が受精して混入が生じたというものではなく、もっと原始的
な理由です。

 前年、医療用蛋白を生産する組換えトウモロコシを生産していた
畑に、ダイズを栽培した結果、こぼれた組換えトウモロコシの種が
発芽、成長して、ダイズとともに収穫された結果、起こった事故で
す。私たちは遺伝子の混入をPCRという鋭敏な手法によって検出
できますが、実際の農作業はもっと大雑把で、農業上混入していな
いといっても、5%程度の混入は起こりうることは否定できません。
作物の種子でも98.5%程度の純度を保証するのが精一杯です。こう
した荒っぽい農業システムと、バイオテクノロジーという先端科学
の間で、今回の事件は起こりました。

 医療用蛋白を生産する組換え農産物の食品用途の農産物への混入
自己を防ぐため米国農務省と米国食品医薬品局が、GAP(Good Agric-
ultural Practice)という農業による医薬品製造規範のガイダンス
案を準備していたところだったのですが、間に合いませんでした。

 今回の事件を恐れていたのは、組換え食品の安全性が問われてい
る訳ではないためです。組換え農産物の安全性に関してはここ10年
以上議論が重ねられ、EUですら表示と追跡可能性を担保に組換え農
産物の解禁に今年から動くなど、一定の安心感が醸成されてきたと
判断しています。しかし、今回のように、医療用蛋白(まだ内容は
公表されていません)の混入は、安全性の議論よりも、気持ち悪さ
(もし仮にヒト蛋白を生産するトウモロコシがダイズに混入してい
た場合、共食いになる)や宗教上の禁忌に触れる可能性があり、こ
れを解決するには科学だけでは到底力不足であるためです。

 わが国でも一日も早く、分子農業など医療用蛋白を農業で生産す
る場合の隔離ガイドラインの整備を急ぐのは当たり前ですが、今回
の事件の情報を農水省は逸早く入手して、わが国の関係者や消費者
と情報共有する必要があります。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ニュース元がよくわからないのですが、ちょっと気になる話です
ね。遺伝子組み換えの話題はまだまだ続きそうです。

 ヨーロッパ諸国も表面では遺伝子組み換えには反対していますが、
その実研究はすすめているようです。日本でもキリンビールとかカ
ゴメトマトとかが研究していたはずですが、消費者の声を恐れて中
止しているとか。このへんはお国がらですね。

 さて、アクリルアミドの話では、厚生労働省で新しい情報が発表
されています。

 検査結果の数字もあげられていますので、紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

             国立衛研     海外5カ国
ポテトチップス     467〜3,544     170〜2,287
フレンチフライ     512〜 784     <50〜3,500
ビスケット、クラッカー 53〜 302      <30〜3,200
朝食用シリアル 113〜 122 <30〜1,346
とうもろこしチップス類 117〜 535 34〜 416
食パン、ロールパン <9〜 <30 <30〜 162
チョコレートパウダー 104〜 141 <50〜 100
コーヒーパウダー 151〜 231 170〜 230
ビール <9 <30
(単位はμg/kg)

http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 μg/kgはppm(百万分の一)ではなくて、ppb(十億分の一)にあ
たります。数字は大きいですが、ごく微量だと思ってよいでしょう。

 ポテトチップスが目立って多いですね。他の食品についてはまだ
検査が行き届いていないようです。これからまた情報が出てくる可
能性があります。

 このページにも書かれていますが、これは「新たな危険が発見さ
れた」わけではありません。食生活全般にはまだまだこのような物
質が潜んでいるのでしょうね。

 それから、次の質問に私は答えられなかったので、ご存じの方は
ぜひ助けてください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「増粘多糖類」及び「増粘安定剤」を英語で表現する場合、どの
ような言葉が適切でしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
 
 英語は弱いもので…。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.こんにちは。教えていただきたいのですが・・・よく妊娠中に
コーヒーは、控えたほうがよいと妊娠に関する本などにかいてあり
ますが、カフェインがよくないんだとしたら、紅茶にも緑茶にも入
っているはずなのになんでコーヒーばかり控えたほうがよいのでし
ょうか?なにか、胎児に影響のある悪いものでもはいっているので
すか?

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A.そうですね。コーヒーを控えるのはカフェインをとりすぎない
よう、ということらしいですから、お茶なども同様でしょうね。

 こんな情報がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

コーヒーの中には1杯におよそ 100mgのカフェインが含まれていま
す。もちろん、お茶にも30mgくらい、コーラなどにもコーヒーの半
分くらいの濃度のカフェインが含まれています。

 一概にカフェインが妊娠中の女性や胎児にとって危険なものであ
るとは言い切れません。ただ、胎盤を通して胎児にカフェインが移
行することは確かですから、極端に多くの量を摂取しても、お腹の
赤ちゃんにまったく影響を及ぼす可能性がない、とは言い切れませ
ん。

http://www.babycome.ne.jp/online/soudan/soudan50.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 普通に飲んでいる分には問題ないと思いますが、あまりたくさん
飲むのはやめたほうがよいらしいです。

 お茶も番茶ならカフェインは少なそうです。

 あまり気にするのはよくありませんから、普通の生活で大丈夫だ
と思いますよ。

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Q.炭酸飲料やカップラーメンは体に悪いと聞くのですが、具体的
に何が悪いのでしょうか?

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A.食べすぎると悪いのです。というのは実は何でもいっしょなの
で、別に炭酸飲料やカップラーメンだけが悪いのではありません。

 こういうのが悪くいわれる理由は二つあります。

 一つは趣味の問題で、こうした食べ物(ジャンクフードなどと悪
口をいいます)がどうしても許せない、という趣味の人がたくさん
いるのですね。

 じつはこれは昔のものがよかった、という懐古趣味の一種だと私
は思っています。

 もう一つはこれらが「おいしい」ため、つい同じものばかり食べ
てしまう傾向があるからです。

 炭酸飲料の飲み過ぎは砂糖のとりすぎにつながります。糖分ばか
りとっていると、食欲がなくなってしまい、食事からの栄養が不足
したりします。

 カップラーメンを袋で売っているラーメンと区別するのもおかし
いのですが、カップラーメンだけで昼食にしてしまう、という食生
活ではやはり栄養的に問題でしょうね。

 きちんとした食生活をおくっていて、ときどき食べる分には別に
問題はないと思います。一人暮らしの人にはご注意、ということは
いえると思いますが。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「ビタミン」
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 栄養学のほうでは、たんぱく質・炭水化物・脂肪を三大栄養素と
します。それにビタミン・ミネラルがつづくのはもう常識ですね。

 ミネラルは鉱物で、身体に必要な金属元素をさします。ビタミン
の定義は難しいのですが、代謝のなかで一定のはたらきがあり、体
内で合成できないので摂取する必要のある物質です。

 ビタミンが発見されたのはそれほど昔のことではありません。ビ
タミンに関する病気では、「壊血病」と「脚気」が代表的なもので
す。これらはビタミン不足からおこるのですが、それがわかるまで、
たいへんな苦労があったのです。

 壊血病は大航海時代から、ヨーロッパの船乗りを苦しめた病気で
す。当時の船員は航海の途中で死ぬ人のほうが多いくらいでした。
そのほとんどが壊血病だったとされています。

 港に入るとぴたりと治るため、食べ物が原因ではないかという疑
いは昔からあったようです。18世紀にはライムジュースが壊血病
を防ぐ効果があることがわかり、実用化されましたが、それがビタ
ミンCの働きであることがわかったのは1930年代になってからです。

 ヨーロッパ人が壊血病に苦しんだのと対照的に、日本人を苦しめ
たのが脚気です。脚気は「江戸わずらい」と呼ばれ、白米を食べる
江戸の住民に流行した病気です。

 明治時代になって、軍隊で脚気が蔓延し、大問題になりました。
脚気の原因は細菌説と栄養説があり、歴史的にドイツ医学では細菌
説、イギリス医学では栄養説をとっていました。日本の医学はドイ
ツの影響下にあったので、陸軍軍医総監森鴎外は細菌説を主張し、
この間違った考えのため、多くの死亡者をだしています。

 海軍では海軍医務局長の高木兼寛が麦を取り入れた食事に改善し、
脚気患者をなくすことに成功しました。

 脚気はビタミンB1の欠乏でおこる病気ですが、このビタミンB
1を最初に発見したのは、1910年、鈴木梅太郎博士です。米糠から
分離したため、米の学名にちなんで「オリザニン」と命名しました。

 すぐ後にヨーロッパで同じものを「ビタミン」と名付けられ、そ
ちらが定着してしまいましたが、ビタミン発見の第一号は日本人だ
ったのですね。当時の日本人の奮闘ぶりと、せっかくの成果が世界
に認められない辺境だったことがわかる話です。

 ビタミンはその後、たくさんの種類が発見されました。ビタミン
には水溶性のものと脂溶性のものがあり、最初は脂溶性のものをビ
タミンA、水溶性のものをビタミンBとしたそうです。最初に発見
されたオリザニンがビタミンBなのは、こうした事情があったわけ
です。

 その後、ビタミンC、D、Eが発見されました。F以下もあった
のですが、整理されてしまい、いまではビタミンKくらいが残って
います。

 ビタミンFは脂肪酸の一つであるリノール酸のことです。このた
め必須脂肪酸などと呼ばれています。リノール酸が不足すると、細
胞膜の生成に支障があるそうです。

 ビタミンG以下はだいたいビタミンBの仲間とされ、ビタミンB
群となっています。ビタミンB12までありますが、さらにこの仲
間にはナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンなどがあります。

意外とビタミンの物質名は知られていないので、以下にあ
げておきます。

【脂溶性ビタミン】

ビタミンA レチノール(βカロチンも同様の効力があります。)
 ・視力に関与します。
 ・動物の肝臓、うなぎなど。緑黄色野菜もカロチンが豊富です。

ビタミンD カルシフェノール
 ・カルシウムの摂取に関与します。
 ・日光にあたると体内で生成されます。

ビタミンE トコフェロール
 ・酸化防止作用があります。血行をよくする働きもあります。
 ・油脂原料に脂肪と同時に含まれる、天然の酸化防止剤です。

ビタミンK フェロキノン
 ・血液凝固因子です。

【水溶性ビタミン】

ビタミンB1 チアミン
 ・炭水化物の代謝に関与します。欠乏症は脚気です。
 ・豚肉には特に多いことが知られています。

ビタミンB2 リボフラビン
 ・欠乏すると口内炎になるようです。
 ・きれいな黄色で、ビタミン剤が黄色いのはこのためです。

ビタミンB6 ピリドキシン
 ・これも欠乏すると口の角に炎症ができたりします。
 ・牛乳を飲むとよいですね。

ビタミンB12  シアノコバラミン
 ・コバルトを含むビタミンです。神経に作用します。
 ・必要量はごくわずかですが、菜食では欠乏します。

ビタミンC アスコルビン酸
 ・コラーゲンの生成に関与します。欠乏すると壊血病に。
 ・新鮮な野菜、果物に豊富に含まれます。

 ビタミン類は食品添加物としてもよく使われます。代表的なのは
酸化防止剤としての使用です。ボトル入りのお茶類には、必ずビタ
ミンCが添加されています。入れないとどうしても保存中に色が変
わってくるのですね。

 水分の多いものにはビタミンCが多大な効果を発揮します。脂肪
分には同様の目的でビタミンEが多く使われます。パンをつくると
き、品質改良の目的で、イーストフードという添加物を使います。
以前は臭素酸カリウムが主役でしたが、いまではビタミンCに置き
換わっています。

 エビ、カニなどの黒変防止には亜硫酸が使われていますが、これ
もビタミンCで置き換え可能だそうです。他にもこんな例はあるの
かもしれません。

 ビタミンC、Eは天然物もありますが、簡単に合成できるため、
合成のものが多いようです。安全性でも心配がなく、効果も高いの
で非常に広範囲に使われています。

 その他のビタミン類は栄養強化の目的で使うことがほとんどです。
ビタミンB2はきれいな黄色をしているため、着色料としても使い
ます。中華麺は本来はかん水のアルカリで小麦粉が変色して黄色く
なるのですが、いまではほとんど着色です。クチナシなどの他の色
素も使いますが、ビタミンB2(リボフラビン)もよく使われてい
ます。 

 水溶性ビタミンは過剰摂取してもすぐに排出されるので、安心し
て使えますが、脂溶性のビタミンでは過剰摂取で害が出ることがあ
ります。特にビタミンAは過剰摂取はよくありませんので、注意し
てください。

 それと、ビタミンB12は動物性の食品からしか摂取できない、
数少ない栄養素です。厳格な菜食をすると必ず欠乏するそうですか
ら何らかの手段で補給することを考える必要があります。ご注意く
ださい。、

 ビタミン類が実際にどんな構造をしているかは以下のページで見
ることができます。(ChemscapeChimeというプラグインが必要です。)

http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/chem10/vitamin.html

--〔後記〕--------------------------------------------------

 私のサイトのインデックスを見ていたら、ビタミンのページがま
だできていませんでした。そこで簡単にビタミンの復習を書いてみ
ました。栄養としてのビタミンについてはみなさんご存じでしょう
が、食品添加物としてのビタミン類はあまり知られていないのでは
ないでしょうか。

 ChemscapeChimeというプラグインは分子構造を立体的に表示し、
回転させたりできるのでとてもおもしろいですよ。食品添加物は毒
だと思っていたり、化学物質はみんな毒だと思っている人は、一度
分子の顔を見てやってください。別にこわいものではありませんの
で。

 わが家では飼っていた犬が死にそうで、たいへんです。もう何も
食べられない状態です。医者からは時間の問題だといわれています。
動物を飼うのもつらいものですね。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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