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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------143号--2002.08.04------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「牛肉・赤色102号(Q&A)」「米」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の中国野菜の記事についての反応です。まず批判から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国野菜の違反している農薬の検出についての開き直りとも思わ
れる投書のついて意見です。

 私はハウス農家です 投書の方の様に有機無農薬で野菜は作って
居ません。いませんと言うよりもそんな事をしていれば経営は成り
立ちません。この人は「無検査で流通している日本の野菜」と言わ
れていますが日本で使っている農薬は国が許可した農薬を使ってい
るのですから無検査では無いと思います 使用基準に基づいた適正
は使い方をしていればいくら調べても危険なんかないですよ。

 それにこの頃の農薬は非常に高価です。それに効果も特定されて
います。だから農家も農薬を使うのは非常に慎重です。農家も営利
が目的ですから、無茶な使い方はしません。その上手間も掛かりま
す。コストを考えます。

 ここに書かれた中国からの皆さんは何か自分の方は良い子になっ
て、日本の農業は違反した農薬の使い方ばかりをしていると言って
るようで非常に不愉快です。

 それよりも違反している農薬を使っている自分たちの事をもっと
素直に反省をして欲しいものです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このお気持ちはわかりますね。感情的にはお互いになかなか理解
しがたいところだと思います。つぎは短い意見ですが、前回の意見
に同調されているもの。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 かつて日本の宮崎産ほうれんそうだって残留農薬の問題がありま
した。今回の中国産のほうれんそうと比べると取り上げ方が全然ち
がいます。一般知識のない市民を惑わすための陰謀に見えます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 陰謀説は私はあまりとらないようにしています。でも今回の中国
野菜の報道では、少し背景があるのかな、という気もしますね。

 気になるニュースとしてはこのようなものがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

3 品名等
(1) 品名 冷凍食品 有機ほうれん草(有機JASマーク表示あり)

(2) 形態 300グラム(50グラム6個入り)アルミニウム製袋詰

(3) 賞味期限 2003.7.29

(4) 原産国 中華人民共和国

4 輸入量及び販売量
(1) 輸入日及び輸入量
輸入日 平成14年2月5日
輸入量 14,160袋(300グラム×20袋×708ケース、4,248キログラム)

(2) 販売量
  調査中

5 検査結果
賞味期限 クロルピリホスの検出値※
2003.7.29       0.02ppm
検査機関:都立衛生研究所

※ クロルピリホスの残留基準:ほうれんそうについては、0.01
ppmを超えて含有してはならない。
6 行政の対応
(1) 港区は、株式会社ユキワに対し回収を指示した。
(2) 違反の事実が確認された「冷凍食品 有機ほうれん草」につ
いては、食品衛生法違反品として処理する。
(3) また、当該品については、有機JASマークが表示されてい
たことから、健康局ではJAS法を所管する生活文化局へ連絡し、
JASマーク表示に係る調査を依頼した。

http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/anzen/news/pressshokuhin0206073.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 検出量は他の野菜なら問題にならない量です。しかし「有機JA
S」表示つきのものから出たというのは重大です。

 有機認証で違反が見つかるというのは、すべての信用をなくして
しまう、たいへんなことです。絶対になってはならないことがおこ
ってしまいました。

 当面「中国産の有機認証野菜は信用できない」と思っておいた方
がよさそうです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.生協の牛肉についてですが、『安心・安全』をモットーに販売
されていますが、全国にある生協が、どこの牧場で肥育された牛を
使っているのか、例えば京都生協でしたら鳥取県の美歎牧場である
とか、分かる範囲でデータがあれば教えて下さい。

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A.くわしい中身は生協自身に聞いてみてください。一応、教えて
くれると思います。

 普通に生協、とくに京都生協のような大きな生協で売られている
牛肉が特定の生産者で飼育されているものである可能性はないと思
います。

 指定牧場なんかの表示をしていても、今回いろいろと問題が発覚
しています。そういう表示のないものの場合、普通に市場から調達
しているものと考えて間違いないでしょう。

 「京都生協でしたら鳥取県の美歎牧場である」というのは誤解で
しょうね。その生協がある牧場と取引しているということと、その
生協で扱っているすべての牛肉がそこから出荷されたものであると
いうこととは違います。

 生協の取り扱い量は一つの牧場からでまかなえるような少ないも
のではありません。

 一部、契約飼育しているのはイメージアップのためでして、普通
に売っているのは普通の肉だと思います。

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Q.赤色102号をつかった食品(駄菓子のうめとかさくら大根な
ど)をいっぱい食べ過ぎると、正常な子供が産めなくなるというの
は本当ですか??

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A.どこでお聞きになったのかわかりませんが、これはデマでしょ
うね。

 着色料、それも合成の赤色は毒々しい色で、あまり気持ちよくあ
りませんが、それほど毒性が強いわけではありません。

 合成着色料はかつて許可されていたものが徐々に禁止になってい
った経緯があります。それでよけいにこわいもののように言われて
います。

 逆にいえば、今残っているものはそういう試練に耐えて残ってい
るわけです。もしこのようなことに根拠が少しでもあれば、他の合
成着色料と同じように禁止になっていたはずです。

 おすすめする気はありませんが、余計な心配はかえってよくない
ですよ。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「米」
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 早いもので、つい先頃田植えをしていたと思ったら、もう早場米
の季節がやってきました。

 今年の作柄は平年並かやや良くらいの予想だそうです。一応、需
給計画は機能しているようですが、昨年やや持ち直したかと思われ
た米の消費量は、今年また大幅に減少しているようです。

 早場米の相場も昨年より5%以上値下がりし、売れ残りが大量に
出ています。

 肉の産地偽装事件がいろいろと発覚していますが、米業界の表示
がいかがわしいのは有名です。それへの批判が高まっていることも
関係あるのでは?と思っています。新米を仕入れて古い米を混ぜて
売る常套手段も、ちょっと使いにくくなってきたのではないでしょ
うか。

 いろいろと多難な米の話題のなかで、一つ気になっているのがカ
ドミウムによる汚染です。

 カドミウムといえば「イタイイタイ病」で有名になりました。大
量に摂取するとカルシウムと似た動きをするカドミウムが骨の異常
をもたらすのです。

 日本の土壌で、カドミウムを含むところがあちこちにあります。
自然のものではなく、鉱山などの影響のものが多いらしいです。特
定の地域で、高濃度のカドミウムが検出されています。

 このカドミウムを含んだ米があるのです。

 米に含まれるカドミウムの濃度ではイタイイタイ病がおこったり、
骨に異常が出たりするわけではありません。

 問題になっているのは、腎臓障害です。米に含まれる程度でも、
1ppm程度では腎臓に影響が出る可能性が指摘されています。

 人体に対するリスクは結構ありそうです。現在、1ppmをこえ
るカドミウムを含む米は出荷停止になり、廃棄処分されています。

 0.1ppm以下ではあまり問題はないそうです。国際的には基
準値として0.1〜0.4ppmくらいを設定するようになってい
ます。

 CODEX(FAO/WHO 合同食品規格委員会)では0.2ppmを
基準値とする方向のようですが、日本は0.4ppmを主張してい
ます。

 基準値は低ければよいわけではありませんが、ちょっと日本の分
が悪いようです。少なくなったとはいえ米は「主食」の扱いです。
本当は濃度ではなく総摂取量が問題なのですから、日本が米の基準
値に対して最も厳しい基準であって当然だと思います。

 ところが片方で米は日本農業の基幹作物です。規制を厳しくする
ことは危機にある日本の農業をますます追い詰めることになります。

 今のところは消費者保護より農業保護の方を優先するのが日本政
府の方針のようです。

 調査の結果では、このような数字があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

平成12 年7 月にコーデックス委員会食品添加物汚染物質部会へ
提出

平成9 ・10 年度分析結果

分 析 値 の 分 布
(ppm )
品 目 試料数 ≦0.05 ≦0.1 ≦0.2 ≦0.3 ≦0.4 ≦0.5 0.5<
玄 米 37,250 21,149 9,796 5,061 947 203 52 42
(%)100.0 56.8 26.3 13.6 2.5 0.5 0.1 0.1

最小値 最大値 平均値
ND 1.20 0.060

注1:検出限界は0.01ppmであり、「ND 」は不検出を意味する。
2:試料採取は、全国を50ha ごとに区分し、50ha の調査対象地域
内で生産された米のうち1袋から玄米を採取した。

平成14 年3 月のコーデックス委員会食品添加物汚染物質部会に
おいて、米のカドミウム濃度の基準値は、精米で検討することが決
定されました。この決定に対応するため、玄米と精米のカドミウム
濃度比較試験を実施するとともに、上記の平成9 ・10 年度分析
結果を再整理し、11 月初旬までにFAO/WHO 合同食品添加
物専門家会合に提出する予定です。

http://www.maff.go.jp/cd/PDF/C1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この数字で見ると、0.2ppm以下なら全体の3%、0.4p
pm以下なら0.2%が 基準値を上回ることになります。

 玄米の検査ですから、白米では数字は下がると思います。しかし
これを見ると日本政府が0.4ppmにこだわる理由がわかりそう
な気がしますね。

 カドミウムの汚染地域はわかっているのだから、その地域全体で
米を作らなければよい、という乱暴な意見もあります。どうせ米は
余って困っているのですから。

 減反政策の減反をこの地域に強制的に割り当てるとか。でも米は
それでよいかも知れませんが、その土地でとれた他の作物も、売れ
るとは思えません。この指定はその地域に農業をやめろと言うに等
しいことになります。

 農業が全滅してしまった地域の姿というのは、ちょっと想像した
くないです。

 そう考えると、口では農家の保護に走る政府を批判しつつ、内心
は助かったと思っている、昔ながらの考えにも妥当性があるのかも
しれないな、と思う今日このごろです。

 農業に死を宣告しても、消費者の健康を守るのが大事なのか?そ
れとも消費者の健康に少々の被害は出ても、農業を守るのが大事な
のか?

 という究極の選択にはしたくありませんね。さて、どうすればよ
いのでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国の健康食品・薬品で、被害の出ているものは以下のとおりだ
そうです。まさか使っている人はいないと思いますが、念のために
あげておきます。

「御芝堂減肥こう嚢」
「せん之素こう嚢」
「茶素減肥」
「思てぃ消はん健美素(シティング、スティング、SITING)」
「美麗痩身」
「チャレンジフォーティワン(Challenge forty one)」
「オロチンチャス(茶素こう嚢))」
「COMET」
「千百潤痩身」
「ハイパータイト」
「えん酸芬ふる拉明片」
「蘭樹(LANSHU)」
「躰葉(ボディパ)」
「せん尓秀こう嚢」
「華北痩美」
「ダイヤモンドスリム」
「新思てぃ消はん健美素(ニューシティング、ニュースティング、
NEW SITING)」
「ビューティーシェイプ」
「御芝堂清脂素」
「軽身楽牌減肥こう嚢」
「軽身楽減肥こう嚢」
「美一番」
「常駐青免疫(減肥)膠嚢」
「蜀宝」
「繊之素膠丸」

 たくさんあるものですねぇ。これ以外でも、また中国製に限らず、
やせ薬のたぐいに手を出してはいけません。

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