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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------140号--2002.07.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「中国製健康食品・野菜」「豚肉・サラダ油・冷凍ほうれん草(Q
&A)」「食品添加物」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 またまた危ない話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国製のダイエット用健康食品を個人で輸入し、服用した女性1
0人が劇症肝炎などの肝障害を起こし、うち女性1人が死亡してい
たことが12日、厚生労働省の調べで分かった。同省は問題の食品
名を公表し、異常が表れた場合はただちに医師の診察を受けるよう
注意を呼びかけている。

 厚労省によると、問題の健康食品は「御芝堂減肥コウ嚢(おんし
どうげんぴこうのう)」と「セン之素コウ嚢(せんのもとこうのう)」
の2種類。

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/855423/8c928dN90H95i-0-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以前にアトピービジネスに関連して、中国製の「漢方薬」に強力
なステロイド剤が配合されていた事件がありました。中国ではこう
いう商品に内容を表示したりする習慣がないとそのときに伝えてい
ました。

 今回の「健康食品」には食欲抑制剤などが含まれていたそうです。
中国でも被害が出ていて、禁止されたものを日本に持ち込んだとい
う話もありました。こういう商品を健康食品として売るというのは
全くの犯罪行為です。

 他にも「漢方薬だから安全」といって売っているものがたくさん
あると思います。中国製の薬品、健康食品などに手を出すのはあま
りに危険です。やめた方がよいですよ。

 同じく中国から輸入のほうれん草で残留農薬が問題になっていま
す。その裏にはこんな事情があったのだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

●なぜクロルピリフォスがよく基準値を超えて問題になるかといえ
ば、クロルピリフォスのそれら3種の作物に対する基準値が厳しす
ぎるからです。

 クロルピリフォスの葉もの野菜残留基準値(抜粋)
  ハクサイ   1.0 ppm
  キャベツ   1.0 ppm
  レタス    0.1 ppm
  アスパラガス 0.5 ppm
  インゲン豆  0.2 ppm
 =================
  セロリ    0.05ppm
  ほうれん草・ネギ・しいたけ 0.01ppm

「正しい農薬の知識を身につけるマガジン」より
http://nouyaku.net/index.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今週出たメールマガジンにあったデータを転載させていただきま
した。これには驚きました。作物が違うとなぜこんなに基準が違う
のでしょうか?

 日本ではこの農薬はほうれん草・ネギ・しいたけには使ってはい
けないことになっていて、検出されてはいけないという意味のよう
です。

 「基準値の6倍」といってもレタスの基準値以下、キャベツの基
準値なら余裕で下回ります。とても問題になる量ではありません。

 使ってもよいハクサイやキャベツの基準値が本当にこの農薬の毒
性から算出された基準値です。基準値は一生とりつづけても害が出
ない量をもとに決められるのですが、使用の実態によってはそれよ
りうんと小さい基準値になることもあります。その辺が誤解のもと
です。

 いま問題になっているほうれん草の残留値は、ハクサイなどの基
準値よりはるかに少ないです。つまり食べても問題はないというこ
とです。検出されること自体がけしからんという考え方もあるでし
ょうが、それなら基準値を決めることは無意味です。

 何だか中国野菜排斥のキャンペーンに乗せられていたようですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.豚肉は生で食べると寄生虫などの問題があるということですが
冷凍食品の餃子を少し加熱不足で食べてしまったものもその危険は
ありますか?

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A.豚肉の寄生虫の話は有名ですが、実際はそれほど危険性は高く
なかったと思います。可能性としてはあるので、生で食べない方が
よいでしょうね。

 冷凍しても微生物は死なずに凍っています。解凍すればまた繁殖
してきます。寄生虫は微生物ではないので、冷凍すれば死んでしま
うと思います。鮭なんかも生では危ないので、わざわざ冷凍してか
ら食べますよね。

 したがって、たぶん大丈夫と思います。症状も別にないでしょう?

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Q.知り合いの方からサラダ油の缶入りを頂きました。しかし、年
数がかなり経っていまいた。勿論、開封はされてはないですが、品
質的に大丈夫なのでしょうか。できれば無駄にしたくもないので使
いたい気もするのですが、一昔前のものですので、心配です。心配
ならやめるべきなのでしょうが、開封してないし・・・。具体的に
何年くらいは大丈夫。とはっきり数字を教えていただければ諦めも
つきます。

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A.缶入りの油は他の容器のものより日持ちがします。それでも賞
味期限としては一年くらいしかつけないのではないでしょうか。

 缶入りで外部からの空気や光の影響を遮断しても、やはり変質は
進んでいくのでしょうね。

 開けて使っても見た目になんともないなら、食べられないことは
ないでしょう。しかし油の酸化物などはけっこう有害なものですの
で、私としてはおすすめいたしかねます。

 やっぱりここは安全第一で、あきらめた方がよいと思います。で
もこういうの、捨てるのにも困るのですよね。

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Q.7年位前から今問題になっているニチレイの冷凍ほうれん草を
毎日のように少しずつですが食べていました。家族でたべていまし
たので、今中学生の子供も食べていました。体の事が心配です。大
丈夫でしょうか。

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A.何回か食べたくらいではべつに心配はないのですが、長期間食
べてきたということなら、ちょっと心配ですね。

 基準値は動物実験などをもとに、一生食べ続けても問題がでない
量として決められています。それを超えて含まれていたから問題な
のですが、逆に一生食べ続けたわけではありませんので、実際に悪
影響がでる可能性はあまりないと思います。

 これに限らず、同じものを食べ続けるというのはリスクをともな
います。いろいろと浮気するほうが、トータルのリスクは低くなる
のですね。

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 以上のように返信したのですが、どうも「基準値」に対する認識
が間違っていたようです。冒頭の記事を参考にしてください。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「食品添加物」
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 許可されているとか、されていないとか、いろいろとニュースに
なっています。私もよくわからないところがあったので、ちょっと
調べてみました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品添加物は,平成7年の食品衛生法の改正により下図のように
分類されるようになりました。指定添加物が338品目,既存添加
物が489品目,天然香料が612品目,一般飲食物添加物が10
4品目で,合計1543品目の食品添加物の使用が法律で認められ
ています。

http://www1.odn.ne.jp/~cak40870/additive04.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一般飲食物添加物というのは使い方は添加物ですが通常の食品と
して使っているものです。ブドウ果汁で色をつけたりするのがこれ
にあたるそうです。天然香料や一般飲食物添加物は普通数に入れず
に、指定添加物と既存添加物をあわせた800品目あまりが普通に
考えられている食品添加物の品目数になります。

 指定添加物が普通の食品添加物です。既存添加物というのは法律
改正の時点で使われていた実績のある「天然添加物」です。今後、
既存添加物は増えることはなく、天然のものであっても安全性の審
査をうけて指定添加物になります。「合成」と「天然」の区別をな
くしたのが現在の食品衛生法の特徴です。

 天然添加物があった時代では合成の添加物はいまと同じような審
査をうけましたが天然のものは審査なしで使われていました。私が
商品開発をしていたときも、使うなら天然添加物を使ってください
と言っていました。なんとなく天然のものの方が安心な気がしてい
たのです。

 欧米では「添加物」に対する考え方が厳しく、天然のものであっ
ても使い方が添加物であれば合成のものと同じように扱われます。
同じ物質でも、食品として食べる分にはOKですが、添加物として
は使えないことがよくおこります。

 ステビアはその代表的なもので、ステビアをハーブティーにして
飲むのは無制限にOKです。しかし添加物として使ってはいけない
ことになっています。摂取量としては添加物の方が少ないでしょう
から、厳密な意味で安全性を考えると、矛盾しています。

 日本では食品として使っているなら、添加物として規制しても意
味がないと考えたようです。結果としての対応は正反対ですが、そ
の背景には「食品は決して安全ではない」ことがあります。

 欧米では「食品は安全とはいえないから、そのままでは添加物と
して許可できない」ですし、日本では「食品は安全とはいえないが
すでに食べているものだから改めて添加物として審査しても意味が
ない」と考えたのだと思います。

 どちらが正しいのか、私にはよくわかりませんが、その結果とし
て、つぎのような事態になっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同食
品添加物専門家委員会(JECFA)は、安全性評価を終えた添加
物として約900品目をリストアップしています。日本では828
品目の添加物が認可されていますが、リストと重なるのは約300
品目しかありません。今後も認可か無認可で揺れ動くでしょう。

http://www.sen.or.jp/~ncn00029/nutrient/nutrient_20.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本でしか認可されていない食品添加物は天然添加物が多いので
す。安全性の審査のないものを食品添加物として許可するのは、日
本だけの方法のようです。500種以上の食品添加物が外国では使
えません。もし日本が食料輸出国だったら、大問題になっていると
ころです。

 逆に国際的には使えるのに、日本では許可されていないものも、
600種ほどあることになります。これは安全性には問題がないの
に単に許可の申請を誰もしないからだそうです。

 認可の申請に安全性のデータをそろえるのに一億円ほどかかるそ
うです。認可されたとたん、誰でも使えるのですら、そんな申請を
するはずもありません。

 私は日本の独自認可を全部取り下げて、国際基準にあわせてしま
うのが最も合理的だと思います。ついでに許認可の役所も全部廃止
してしまったらよいのです。

 さすがに政府も考えたとみえて、こんなニュースがでてきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省は12日、食品衛生法で使用が認められていない添加
物「フェロシアン化物」を、今月中にもスピード認可する方針を明
らかにした。フェロシアン化物は塩の固結防止剤として広く使われ
ていることが最近判明したが、食品添加物の国際的な専門家会議
(JECFA)で安全性が確認されており、米国や欧州連合(EU)
では一般的に使われている。このため、厚労省は認可を急いで大規
模な回収騒ぎを防ぐことにした。

 また、国際的に安全性が確認されているのに、国内では使えない
約30の添加物(香料を除く)についても、審議会の審議を経て早
期に認可する。これまでは新しい添加物を認可する場合、業者側に
申請させる形を取ってきたが、大きな方針転換となる。

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/855422/90H95i93Y89c195a8-0-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 賛否のわかれるところと思いますが、私はこうするしかないだろ
うと思います。悪法も法なり、と言ってすましている場合ではない
ので、現実的な対策をとって、回収さわぎを抑えてほしいと思うの
です。

 最後に、食品添加物の審査のためにおこなう試験は以下のような
ものだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(1)28日反復投与毒性試験
(2)90日反復投与毒性試験
(3)1年間反復投与毒性試験
(4)繁殖試験
(5)催奇形性試験
(6)発がん性試験
(7)1年間反復投与毒性/発がん性併合試験
(8)抗原性試験
(9)変異原性試験
(10)一般薬理試験
(11)体内動態試験

http://eco.goo.ne.jp/navi/files/0107_01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これだけやれば、一億円くらいはかかるのでしょうね。試験の内
容についての詳しいことは私には聞かないように。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 先日の食品添加物が一般の食品にも含まれているデータに続いて、
今回の農薬の基準値が作物によって違うというのもショックでした。

 新聞などの報道ではこのことには全くふれられていなかったと思
います。新聞記者が不勉強なのか、わざと無視しているのか、どち
らなのでしょうね。たぶん不勉強のせいだと思います。(私も知り
ませんでしたが)

 「中国野菜は危険だ」といったのに、別に危険じゃないじゃない
かと思っていたら、こんどは中国製健康食品で死者が出たというニ
ュース。これは冗談ではないですね。経済大国の輸入管理がなかな
か現実に追いつかないようです。

 でも、この事件で国の責任を追求したりしても仕方ないと思いま
す。規制の強化を求めれば官僚組織を肥大させるだけです。怪しい
ものには手を出さないこと。手を出す場合はあくまで自己責任でや
ってください。

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